JP3011282B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP3011282B2
JP3011282B2 JP3096458A JP9645891A JP3011282B2 JP 3011282 B2 JP3011282 B2 JP 3011282B2 JP 3096458 A JP3096458 A JP 3096458A JP 9645891 A JP9645891 A JP 9645891A JP 3011282 B2 JP3011282 B2 JP 3011282B2
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弘治 鈴木
尚貴 岩田
祐一 上野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機、プリ
ンタあるいはファクシミリ等の画像形成装置に採用され
る現像装置に係り、詳しくは現像剤を現像剤担持体上に
担持し、静電潜像担持体と対向する現像部に搬送して現
像を行なう現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の現像装置としては、表面に現像
剤の薄層を形成した現像剤担持体と静電潜像担持体と
を、現像部において対向させ、この現像部に現像剤担持
体上の現像剤を静電潜像担持体へ転移させ得るような電
界を形成して、静電潜像担持体上の静電潜像を現像する
ものが知られている。そして、この現像装置において
は、現像剤担持体から静電潜像担持体に現像剤が転移す
るための閾値があり、この閾値を超える表面電位を有す
る画像部には、現像剤付着が生じるが、逆に閾値以下の
表面電位を有する画像部にはほとんど現像剤付着が生じ
ないので、所謂γの立った階調性の悪い画像になるとい
う不具合がある。しかし、この不具合は、現像部に比較
的低周波の交互電界を形成することによって解決できる
ことが知られている(例えば、特公昭64−1013号
公報参照)。
【0003】ところが、単に現像部に低周波の交互電界
を印加するだけでは、交互電界の条件を階調性を向上さ
せ得るものにすると画像濃度が低下し、逆に交互電界の
条件を画像濃度を上げるものにすると画像の線部が太っ
てしまう等の問題点があった。そして、近年、画像形成
装置で作成される画像の出力情報が多様化するに伴い、
従来よりも更に高画質化が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の有
するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その
目的とするところは、階調性を維持しつつ画像濃度を向
上させ且つ画像の線部の太りも防止することが出来、こ
れにより、高画質の画像を得ることを可能とする現像装
置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と
現像剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向
させ、該現像部においてバイアスを印加して現像をおこ
なう現像装置において、互いに帯電性の異なる第1の物
質と第2の物質が規則的または不規則に表面に混在露出
すると共に、該表面における該第1の物質と第2の物質
の少なくとも一方の露呈部が所定極性に摩擦帯電されて
該表面に多数の微小電界を形成される現像剤担持体と、
上記少なくとも一方の露呈部を所定極性に摩擦帯電させ
る摩擦帯電手段と、該現像部にバイアスを印加する下記
の電圧印加手段とを設け、上記現像剤として、帯電状態
で上記微小電界により上記現像剤担持体に担持されるも
のを用い、該静電潜像担持体上の電位と、該電圧印加手
段によって形成される電界と、該現像剤担持体上の電界
との相互関係で決定される電界により現像剤の移動を制
御する。ここで帯電性とは所定の摩擦帯電手段によって
電荷を付与された後に上記現像部に移動してきたときの
電位を決定する特性であり、電荷を付与された際の電荷
極性と量を左右する摩擦帯電系列上の位置、及び、現像
部に移動する期間中の電位減衰を左右する抵抗率が相当
する。そして、該現像部にバイアスを印加する電圧印加
手段として、該第1の物質と第2の物質のうち現像剤を
吸引する静電気力が比較的大きい方の露呈部と静電潜像
担持体の画像部との間に、現像剤を該静電潜像担持体に
向かわせる向きの1V/μm以上の強度の電界と、現像
剤を該表面に向かわせる向きの1V/μm以上の強度の
電界とを交互に形成し得る電圧を印加するものを用い
る。又、このような電圧印加手段に代え、該第1の物質
と第2の物質のうち現像剤を吸引する静電気力が比較的
小さい方の露呈部と静電潜像担持体の非画像部との間
に、現像剤を該静電潜像担持体に向かわせる向きの1V
/μm以上の強度の電界と、現像剤を該表面に向かわせ
る向きの1V/μm以上の強度の電界とを交互に形成し
得る電圧を印加する電圧印加手段を用いることも出来
る。更に、このような電圧印加手段に代え、該第1の物
質と第2の物質のうち現像剤を吸引する静電気力が比較
的大きい方の物質の露呈部と静電潜像担持体の画像部と
の間に、現像剤を該静電潜像担持体に向かわせる向きの
1V/μm以上の強度の電界と、現像剤を該表面に向か
わせる向きの1V/μm以上の強度の電界とを交互に形
成し得、且つ、該第1の物質と第2の物質のうち現像剤
を吸引する静電気力が比較的小さい方の物質の露呈部と
該静電潜像担持体の非画像部との間に、現像剤を該静電
潜像担持体に向かわせる向きの1V/μm以上の強度の
電界と、現像剤を該表面に向かわせる向きの1V/μm
以上の強度の電界とを交互に形成し得る電圧を印加する
電圧印加手段を用いることも出来る。
【0006】
【作用】本発明は、現像剤を担持する現像剤担持体は、
表面における該第1の物質と第2の物質の少なくとも一
方の露呈部が所定極性に摩擦帯電されて該表面に多数の
微小電界を形成し、これにより、該表面に多数の電界配
置を形成する。そして、この現像剤担持体と静電潜像担
持体が互いに対向する現像部に電圧印加手段で電界を形
成して、該静電潜像担持体上の電位と、該現像剤担持体
上の電位と、該電圧印加手段によって形成される電界と
の相互関係で決定される電界により現像剤の移動を制御
し、これにより、静電潜像担持体上の静電潜像に適量の
現像剤を付着させるように作用するものである。そし
て、上記の電圧印加手段で該現像部に所定の電界を形成
することにより、高濃度で階調性に優れしかも線部の太
りの無い画像を、特に良好に形成することが出来る。
【0007】
【実施例】以下、本発明を電子複写機の現像装置として
適用した実施例につき、図面を参照して詳細に説明す
る。図1において、静電潜像保持体の一例であるベルト
状の感光体1は矢印A方向に駆動され、これに対向して
現像装置2が設けられている。現像装置2の現像容器3
内には、必要に応じて補助剤が外添された非磁性トナー
4より成る一成分系現像剤が収容されている。トナーの
体積固有抵抗値は例えば107〜1012Ωcm程度であ
る。現像容器3の前後の側板には、該容器の開口から一
部を露出した状態で現像剤担持体である現像ローラ5が
支持され、該ローラ5は感光体1に対向して、図におけ
る反時計方向に回転駆動される。現像ローラ5は現像剤
保持体の一構成例であり、かかる現像ローラ5の代りに
ベルト状の現像剤保持体を用いることもできる。又現像
容器3の前後の側板には帯電部材の一例であるトナー供
給ローラ6が支持され、該ローラ6は現像ローラ5に接
触しながら反時計方向に回転駆動される。現像容器3内
のトナーは、時計方向に回転するアジテータ7により撹
拌されつつ、トナー供給ローラ6に運ばれ、次いでこの
ローラ6によって現像ローラ5に供給される。この供給
時にトナーは所定の極性、本例では感光体1の一様帯電
極性と同極性に摩擦帯電され、現像ローラ5の周面に静
電的に付着し、現像ローラ5に保持される。これに関連
する構成と作用については後に詳述する。現像ローラ5
の周面に供給担持されたトナーは、該ローラ5の回転に
よって搬送され、層厚規制部材の一例であるドクターブ
レード8によってならされ、均一な所定の厚さに規制さ
れる。この所定の厚さは感光体1表面と現像ローラ5表
面との間の現像間隙に一致させても良いし、これより薄
くして現像剤層と現像ローラ5表面との間に空間を設け
るようにしても良い。後者の場合は所謂非接触現像を行
なうことになる。次いでこのトナーは感光体1と現像ロ
ーラ5の対向した現像部9へ搬送され、ここで、感光体
1に形成された静電潜像に静電的に移行し、該静電潜像
が可視像化される。層規制部材としては、ドクターブレ
ード8のほかに、規制ローラや規制ベルトなどを用いる
こともできる。現像に供されずに現像部9を通過したト
ナーは、現像ローラ5に担持されたままトナー供給ロー
ラ6のところに戻される。又感光体1上に形成された可
視像は図示しない転写紙に転写され、定着装置によって
転写紙上に定着される。
【0008】ここで、図3に示す現像ローラ5におい
て、アルミニウム又は鉄又は銅などの導電性基体10の
表面には、第1の誘電体11が層状に一定の厚さで形成
され、この第1の誘電体11には第2の誘電体12が埋
設されて、この第2の誘電体が第1の誘電体11の表面
に多数にわたり、微小面積で規則的に又は不規則に分散
露呈されている。第1の誘電体11と第2の誘電体12
は互いに帯電性が異なり、両者は摩擦帯電系列上におい
て十分に離れた誘電体となっている。例えば、第1の誘
電体11をポリスチレン樹脂とし、これを導電性基体1
0の上に500μm程度の厚さに塗布した上、この表面
に、摩擦帯電系列上ポリスチレン樹脂から大きく離れた
シリコン樹脂よりなる第2の誘電体12を、例えば20
0μm角、厚さ50μm程度にして熱融着して現像ロー
ラ5が作製される。尚、一方の誘電体に他方の誘電体を
埋没させるのに代え、上に例示したものと同じ材料より
成る第1の誘電体11と第2の誘電体12を、規則的又
は不規則に導電性基体10の上に配列固定し、その表面
を微小面積で露呈させてもよい。図2は現像ローラ5の
表面を外部から見た拡大図であり、この例では、第2の
誘電体12が正方形状を成し、又、それらが規則的に所
定のピッチで配列されている。表面に露出した各誘電体
11,12の表面形状やそのサイズなどは後述する微小
閉電界の電界強さなどを考慮して適宜設定することがで
き、特に、後述するトナーを反発する部分の総表面積が
現像ローラ5の全表面積の5乃至40%になるように設
定することが望ましい。一方、現像ローラ5に接するト
ナー供給ローラ6は、現像ローラ5の表面に接触して、
第1及び第2の誘電体11,12を、共に互いに逆極性
に帯電させ、正又は負に帯電したトナー(本例では負に
帯電したトナー)をこれらに付着させる。この為に現像
ローラ5の表面は、摩擦帯電系列上、第1及び第2の誘
電体11,12を構成する材料の間の材料で構成する。
この例では、図3に示すようにトナー供給ローラ6が導
体の芯部材14とそのまわりに積層された円筒上の発泡
体15より成り、この発泡体15が弾性変形しながら現
像ローラ5に圧接している。このようなトナー供給ロー
ラ6を用いた場合、発泡体15を、上述のように摩擦帯
電系列上、第1及び第2の誘電体11,12を構成する
材料の間の材料で構成する。例えば摩擦帯電系列上、例
えば第1及び第2の誘電体11,12を構成するポリス
チレン樹脂とシリコン樹脂の間のポリウレタン樹脂で構
成する。この場合、ポリウレタン樹脂に対してポリスチ
レン樹脂は負に帯電し、シリコン樹脂は正に帯電するの
で、トナー供給ローラ6によって、現像ローラ表面の第
1の誘電体11は負極性に、又第2の誘電体12は正極
性に摩擦帯電される。又発泡体15の代りに、例えばポ
リウレタン繊維よりなるファーブラシ等、それ自体公知
のものを用いることもできる。
【0009】上記構成のより詳細な作用を説明すると以
下の通りである。図1を参照して先に説明したように、
現像部9を通過した現像ローラ部分はトナー供給ローラ
6のところに移動して該部材6に接触する。ここで現像
ローラ5上に担持されている。現像に供されなかったト
ナーはトナー供給ローラ6から受けるスキャベンジング
力によって掻き落される。同時に、現像ローラ5の第1
の誘電体11と第2の誘電体12は、トナー供給ローラ
6との摩擦によって互いに逆極性に帯電される。一方、
トナー供給ローラ6の周面に接触しながら現像ローラ5
に運ばれるトナーは、トナー供給ローラ6との摩擦によ
って負極性に摩擦帯電され、現像ローラ5に供給される
が、このときこの現像ローラ5との摩擦により更に負極
性に強く摩擦帯電される。ここで、現像ローラ5の第1
及び第2の誘電体11,12は互いに逆極性に摩擦帯電
しているので、第1及び第2の誘電体11,12間に電
位差を生じ、この電位差が微小領域中に無数に生じる。
この電位差に従って、第1及び第2の誘電体11,12
間に図4において符号Eで示すような閉電界が形成され
る。すなわち、現像ローラ5の表面には無数と言える程
多数の微小閉電界(マイクロフィールド)が形成され、
第1の誘電体11と第2の誘電体12の表面は互いに微
小面積で隣接しているので、各微小閉電界はエッジ効果
ないしは周辺電場効果によってその強度が大変強くな
る。所定極性に帯電したトナーは、かかる閉電界によっ
て現像ローラ5の表面に吸引され、特に図6(a)に示
すようにトナーと逆極性に帯電している誘電体(この例
ではシリコン樹脂からなる第2の誘電体12)に強く引
かれ、該ローラ5上に多量に離れ難い状態で保持される
(同図においては、第1の誘電体11と第2の誘電体1
2を、規則的又は不規則に導電性基体10の上に配列固
定し、その表面を微小面積で露呈させて現像ローラ5を
構成した例で示している)。その際、トナーはトナー供
給ローラ6と現像ローラ5との摩擦によって強く摩擦帯
電しており、しかも現像ローラ5の表面に強い微小閉電
界の作用で保持されるので、現像ローラ5上には高い電
荷を持った多量のトナーが担持される。尚、この実施例
では第2の誘電体の露呈部がトナーを吸着する部分にな
り、第1の誘電体11の露呈部がトナーを反発する部分
になるが、第1の誘電体11の露呈部であっても、図6
(a)に示すようにその中央部などにはトナーが付着す
ることもある。トナー供給ローラ6は、現像ローラ5の
誘電体12とトナーを帯電させると同時に、トナーを現
像ローラ5上に供給する役目も兼ねている。このとき、
現像ローラ5上には、第1及び第2の誘電体11,12
間に形成される閉電界によってトナーが強く保持される
のである。尚、現像ローラ5に担持されたトナーが例え
ばポリウレタン樹脂よりなるドクターブレード8によっ
て層厚を規制されるとき、帯電の充分なトナーは微小閉
電界によって現像ローラ5の表面に強く保持されるが、
帯電量の小なるトナーはドクターブレード8との接触圧
によって除去され、結局、帯電量の大なるトナーだけ
が、従来よりも多量に現像部9へ搬送され、前述の如く
静電潜像を可視像化する。一例を示すと、可視像の次汚
れを抑制し、かつそのシャープネスを高めるべく、−5
〜20(好ましくは8〜15)μc/g程に帯電した多量
のトナー(例えば0.8〜1.2mg/cm2又はそれ以上)
を現像部9へ搬送できる。よって現像ローラ5の表面線
速を感光体1の表面線速に近づけ、或いはこれらを等し
く設定しても、可視像の画像濃度の低下を防止できる。
これは、トナーが黒色のときも、又有彩色のカラートナ
ーであるときも同様である。更に、トナー供給ローラ6
の発泡体15やファーブラシなどの、現像ローラ表面に
接する部分に対して、導電性処理を施すと共に、図1に
示したように電源50によってトナー供給ローラ6にバ
イアス電圧を印加し、現像ローラ5の表面に対し電荷注
入ないしは放電によって電荷を付与するように構成する
と、現像ローラ5上に前述の如くして形成される微小閉
電界の電界強度を制御できる。これにより現像ローラ5
上に担持しつつ現像部9へ搬送できるトナーの量を自由
に制御することができ、所望する画質の可視像を形成す
ることが可能となる。例えば、現像ローラ5に接するト
ナー供給ローラ6のファーブラシを前述の例のようにポ
リウレタン繊維により構成した場合、この繊維に対して
予め導電性処理を施し、その体積固有抵抗率を例えば1
4乃至105Ωcm程度としてこれを導電性とし、これに
電源50によってバイアス電圧を印加するのである。
又、図1に符号51で示したものは、現像ローラ5の導
電性基体10に対してバイアス電圧を印加する電源であ
り、このバイアスは可視像の地汚れを防止すべく、直
流、或いはこれに交流を重畳したものが採用される。そ
して、後述するようにこのバイアスを適宜設定すること
により、高濃度で階調性に優れしかも線部の太りの無い
画像を、特に良好に形成することが出来る。
【0010】尚、上記の実施例における第1の誘電体を
ポリスチレン樹脂に代えテフロン(商品名、以下同様)
樹脂を用いて構成しても良い。この場合にも、このテフ
ロン樹脂からなる第1の誘電体は、ポリウレタン樹脂か
らなるトナー供給ローラ6によって、シリコン樹脂から
なる第2の誘電体の摩擦帯電極性とは逆の極性である負
極性に摩擦帯電され、負極性のトナーが主にシリコン樹
脂からなる第2の誘電体上に引き付けられる。
【0011】又、上記実施例と同様にトナーを負極性に
帯電させ、第1の誘電体としてポリカーボネイト樹脂を
用い、第2の誘電体12としてテフロン樹脂を用い、ト
ナー供給ローラ6の例えば発泡体等として、ポリウレタ
ン樹脂、又はポリスチレン樹脂を用いることもできる。
この例では、ポリカーボネイト樹脂からなる誘電体が正
極性に帯電され、且つ、テフロン樹脂からなる誘電体が
負極性に帯電されて、両誘電体間に弊電界が形成され、
該閉電界によって負極性トナーが正極性に摩擦帯電され
ているポリカーボネイト樹脂からなる第1の誘電体11
上に主に引き付けられる。この例とは逆に第1の誘電体
としてテフロン樹脂を用い、第2の誘電体としてポリカ
ーボネイト樹脂を用い(トナー供給ローラ6は上記の例
と同様にポリウレタン樹脂又はポリスチレン樹脂を用い
る)、正極性に帯電されるトナーを用いることもでき
る。図6(b)はこのような現像ローラ5表面における
トナー担持の状態を示すものであり、正極性のトナーは
負極性に摩擦帯電されているテフロン樹脂からなる第1
の誘電体上に主に引き付けられる。
【0012】以上の実施例においては、第1の誘電体1
1と第2の誘電体12を互いに逆極性に摩擦帯電し、こ
れにより、現像ローラ5の表面に無数と言える程多数の
微小閉電界(マイクロフィールド)を形成したが、これ
に代え、第1の誘電体11と第2の誘電体12の何れか
一方のみを正又は負に摩擦帯電して現像ローラ5の表面
に無数と言える程多数の微小閉電界(マイクロフィール
ド)を形成することもできる。例えば第2の誘電体12
のみを摩擦帯電する場合には、第1の誘電体11と第2
の誘電体12を、互いに帯電性が異なり摩擦帯電系列上
において充分に離れた誘電体で構成し、現像ローラ5に
接するトナー供給ローラ6を、第2の誘電体12に対し
帯電系列上大きく離れ、且つ第1の誘電体11とは帯電
系列上同じか、又は略同じ材質のもので構成する。これ
によれば、トナー供給ローラ6と帯電系列において差が
ある第2の誘電体12を摩擦帯電系列で決まる所定の極
性に強く摩擦帯電する一方、トナー供給ローラ6と帯電
系列上において同一又は略同一の物質である第1の誘電
体11を全く又はほとんど摩擦帯電させずに、第1及び
第2の誘電体11,12間に電位差を生じ、この電位差
が微小領域中に無数に生じる。よって、第1及び第2の
誘電体11,12間に上記実施例と同様に図4において
符号Eで示すような閉電界が形成され、現像ローラ5の
表面には無数と言える程多数の微小閉電界(マイクロフ
ィールド)が形成され、第1の誘電体11と第2の誘電
体12の表面は互いに微小面積で隣接しているので、各
微小閉電界はエッジ効果ないしは周辺電場効果によって
その強度が大変強くなる。例えば、第1の誘電体11と
してポリスチレン樹脂を用い、第2の誘電体12として
ポリカーボネイト樹脂を用い、トナー供給ローラ6の発
泡体15を発泡性のポリウレタン樹脂又はポリスチレン
樹脂で構成する。発泡体15の代りに、例えばウレタン
繊維よりなるファーブラシ等を用いることもできる。こ
の例では、第2の誘電体12のみを正極性に摩擦帯電
し、これにより図6(c)に示すように、負極性に帯電
したトナーを、かかる閉電界によって誘電体12に強く
引き付けて該ローラ5上に多量に離れ難い状態で保持す
ることが出来る。尚、同図(c)における第1の誘電体
11中の、第2の誘電体12との境界近傍に示す「−」
は、第2の誘電体12が摩擦帯電されたことによって第
1の誘電体11の該境界面部分に誘起された少量の負電
荷を示すものであり、この電荷と第2の誘電体12の摩
擦帯電電荷との間で閉電界が形成されている。又、トナ
ーは第1の誘電体11の中央部にも吸着され、現像ロー
ラ5上には、第2の誘電体12上の強く吸着されたトナ
ーと、第1の誘電体11上の比較的弱く吸着されたトナ
ーとが担持される。
【0013】上記実施例において、トナーを正極性に帯
電させ、このトナーを主として第1の誘電体11の表面
に引き付けて現像ローラ5上に担持させてもよい。又、
上記実施例においては、トナー供給ローラ6に関して、
これを、第1の誘電体11と略同じ帯電系列上の物質
で、かつ第2の誘電体12と、それが異なる物質のもの
で構成したのであるが、これを逆にして、トナー供給ロ
ーラ6を、第2の誘電体12と略同じ帯電系列上の物質
で、第1の誘電体11とは、それが異なる材料のもので
構成するようにしても良い。例えば、トナーが正極性に
帯電されるものとして、トナー供給ローラ6として、ポ
リウレタン繊維より成るブラシ、又は同じ材質のローラ
などを用い、第1の誘電体11としてテフロン樹脂を用
い、第2の誘電体12として帯電系列上ポリウレタンと
近接しているポリスチレン樹脂を用いる。これによれ
ば、テフロン樹脂からなる第1の誘電体の外表面への露
呈部は負極性に帯電される一方、ポリスチレン樹脂から
なる第2の誘電体12の露呈部は帯電系列がトナー供給
ローラ6と近接しているので、実質的に帯電せず、これ
により、現像ローラ5の表面にある第1及び第2の誘電
体11,12との間に微小閉電界が形成されることにな
り、前述した実施例と同様な機能を達成することが出来
る。この例の場合、トナー供給ローラ6としてポリスチ
レン樹脂からなるローラ等を用いても良い。又、トナー
が負極性に帯電されるものとして、例えば、トナー供給
ローラ6としてテフロン樹脂からなるファーブラシロー
ラ等を用い、一方の誘電体としてシリコン樹脂、他方の
誘電体としてテフロン樹脂を用い、これにより、テフロ
ン樹脂からなるトナー供給ローラ6で正極性に摩擦帯電
されるシリコン樹脂からなる誘電体と、実質的に摩擦帯
電されないテフロン樹脂からなる誘電体との間に微小電
界を形成し、主にシリコン樹脂からなる誘電体の露呈部
にトナーを引き付けて担持することができる。要は帯電
性の異なる2種の誘電体の少なくとも一方を、帯電部材
によって帯電させればよいのである。
【0014】更に、第1の誘電体11と第2の誘電体1
2を互いに同極性に摩擦帯電し、これにより、現像ロー
ラ5の表面に無数と言える程多数の微小閉電界(マイク
ロフィールド)を形成することもできる。第1及び第2
の誘電体を例えば正極性に摩擦帯電する場合には、第1
の誘電体11と第2は誘電体12を、互いに帯電性が異
なり摩擦帯電系列上において充分に離れた誘電体で構成
し、現像ローラ5に接するトナー供給ローラ6を、第1
及び第2の誘電体に対し帯電系列上負極性側に位置する
材質のもので構成する。これによれば、両誘電体の摩擦
帯電による電荷の極性が同極性であっても、その電荷量
に差が生じて両誘電体間に電位差が生じ、該電位差によ
って上記各実施例と同様に両誘電体間に閉電界を形成で
きるのである。例えば、トナーとして正極性に帯電した
トナーを用い、第1の誘電体11としてポリスチレン樹
脂を用い、第2の誘電体12としてポリプロピレン樹脂
を用い、トナー供給ローラ6として発泡体のポリウレタ
ン樹脂を用いる。これによれば、図6(d)に示すよう
に、ポリウレタン樹脂からなるトナー供給ローラ6によ
って両誘電体とも負極性に摩擦帯電されるものの、ポリ
ウレタン樹脂から帯電系列上比較的大きく離れているポ
リプロピレン樹脂からなる第2の誘電体12の方が、第
1の誘電体よりも多くの摩擦帯電電荷を保持し、これに
より、両誘電体間で閉電界が形成され、正極性のトナー
が主に第2の誘電体上に強く引き付けられる。
【0015】次に、図7乃至図9を用いて、電源51に
よる現像ローラ50へのバイアス印加の一例について説
明する。この例においては、感光体1としてOPCを用
い、非画像部の表面電位を−900V、露光部の電位を
−100Vとして、負極性のトナーを用いて反転現像を
行なう。現像ローラ5としては、第1の誘電体11とし
てポリスチレン樹脂を用い、第2の誘電体をシリコン樹
脂を用い、トナー供給ローラ5の表面をポリウレタン樹
脂で構成したものを用いている。前述の図6(a)に示
すように、第1の誘電体11はトナー供給ローラ8でこ
すられて接地を基準とした電位がマイナス80Vになる
量の電荷を保持し、一方第2の誘電体12はトナー供給
ローラ8でこすられて接地を基準とした電位がプラス2
00Vになる量の電荷を保持する。そして、この現像ロ
ーラ5に電源51で図7(c)に示すようにピーク・ツ
ウ・ピーク(以下、P−Pという)900V、最高電位
0V、周波数500Hz、デューティー比30%(T2
/T1)のパルス電圧を印加した。尚、現像ローラ5と
感光体1との間隙は100μmに設定した。
【0016】図7は接地を基準とした現像ローラ5の表
面電位の時間的変化を示したものであり、(a)は第1
の誘電体11の表面電位について、(b)は第2の誘電
体12の表面電位について示している。これらの図中に
は、感光体1表面の非画像部の表面電位のレベル(−9
00V)及び露光部の表面電位のレベル(−100V)
を水平線として夫々示している。図7(a)中のこの誘
電体11の表面電位の時間的変化を示す矩形連続線から
判るように、第1の誘電体11の表面電位は、電源51
による印加電圧が保持した電荷で−80Vだけ偏倚され
た電位になる。一方、第2の誘電体12の表面電位は、
図7(b)中の第2の誘電体12の表面電位の時間的変
化を示す矩形連続線から判るように、電源51による印
加電圧が保持した電荷で+200Vだけ偏倚された電位
になる。
【0017】次に以上のように現像ローラ5表面の電位
が変化する場合の現像ローラ5表面と感光体1との間の
電界について説明する。この電界は現像ローラ5表面の
第2の誘電体12上と第1の誘電体11上との何れであ
るかによって、更に、夫々の誘電体11,12について
感光体1の画像部と非画像部との何れに対向しているか
によって異なる。図8は、これらのうち図7(a)に示
すような表面電位の時間的変化を生じる第1の誘電体1
1上の電界を説明するためのものであり、図8(a)は
この誘電体11が感光体1の画像部(露光部)に対向し
ている場合の両者の電位差の時間的変化を示し、図8
(b)はこの誘電体11が感光体1の非画像部(未露光
部)に対向している場合の両者の電位差の時間的変化を
示す。又、図9は図7(b)に示すような表面電位の時
間的変化を生じる第2の誘電体12上の電界を説明する
ためのものであり、図9(a)はこの誘電体22が感光
体1の画像部(露光部)に対向している場合の両者の電
位差の時間的変化を示し、図9(b)はこの誘電体22
が感光体1の非画像部(未露光部)に対向している場合
の両者の電位差の時間的変化を示す。これらの図8及び
図9においては、電界が現像ローラ5表面に担持された
トナーあるいは感光体1の表面に担持されたトナーに静
電気力を及ぼすものであることから、この静電気力の方
向を区別するためにトナーが感光体1に向かう方向の電
界に対応する上記電位差を正、現像ローラ5に向かう方
向の電界に対応する上記電位差を負として表わしてい
る。又、実験によって確認された、現像ローラ5上のト
ナーが感光体1へ転移する上記電位差の閾値+100V
のレベルと、感光体1上のトナーが現像ローラ5の方へ
転移する電界の閾値−100Vのレベルとを夫々水平線
で示し、且つ、この閾値を越えてトナーの転移に寄与す
る電界に対応する部分を斜線で表している。尚、上記の
実験は現像ローラ5と感光体1との間隙を100μmと
して、現像ローラ5に直流電圧を印加し、この直流電圧
の値を変化させながらトナーの転移を観察したものであ
る。この例では現像電界の閾値は1V/μmであること
が判った。又、この時用いたトナーの帯電電荷量を調べ
たところ約10μC/gであった。
【0018】現像ローラ5の第1の誘電体11上に存在
するトナーは、感光体1の画像部と対向する場合には、
図8(a)の斜線部で示されるように+880Vの電位
差に対応する現像電界(以下、現像電界という)になっ
たときに感光体1の方向に転移するものと考えられ、感
光体1の非画像部と対向する場合には、図8(b)の斜
線部で示されるように−820Vの負電界になったとき
に現像ローラ5の方向に転移しているものと考えられ
る。同様に、現像ローラ5の第2の誘電体12上に存在
するトナーは、この第2の誘電体12が元々+200V
に帯電しているので、感光体1の画像部と対向する場合
には、図9(a)の斜線部で示されるように−300V
の負電界と+600Vの正電界が交互に現われ、正電界
のときは現像ローラ5から感光体1へ、負電界のときは
感光体1から現像ローラ5へ転移しているものと考えら
れる。又、感光体1の非画像部と対向する場合には、図
9(b)の斜線部で示すように、−1100Vと−20
0Vの負の電界が交互にに現われ、何れの負電界でも感
光体1から現像ローラ5へ転移し、交互に転移すること
はないと考えられる。
【0019】この例によれば、感光体上の画像部に対し
て、第2の誘電体12上で、トナーの転移に寄与する電
界として、図9(a)に示されるように閾値を超える正
及び負の電界が作用し、これにより、トナーが現像ロー
ラ5から感光体1への転移及び感光体1から現像ローラ
5への転移(逆転移)を行ない、一方、第1の誘電体1
1上で、トナーの転移に寄与する電界として、図8
(a)に示されるように閾値を越える正電界のみが作用
し、これにより、トナーが現像ローラ5から感光体1へ
の移転のみを行なう。このように、感光体上の画像部に
対して、トナーが現像ローラ5から感光体1への転移及
び感光体1から現像ローラ5への転移を行なう現像ロー
ラ部分と、トナーが現像ローラ5から感光体1への転移
のみ行なう現像ローラ部分を有するので、階調性を維持
しつつ画像濃度を向上させ且つ画像の線部の太りも防止
することが出来、高画質の画像を得ることが出来る。
【0020】次に、図10乃至図12を用いて、電源5
1による現像ローラ50へのバイアス印加の他の例につ
いて説明する。この例においても、感光体1としてOP
Cを用い、非画像部の表面電位を−900V、露光部の
電位を−100Vとして、負極性のトナーを用いて反転
現像を行なう。現像ローラ5としては、第1の誘電体1
1としてポリスチレン樹脂を用い、第2の誘電体として
ポリカーボネイト樹脂を用いる。第1の誘電体11はト
ナー供給ローラ8でこすられて接地を基準とした電位が
マイナス50Vになる量の電荷を保持し、一方第2の誘
電体12はトナー供給ローラ8でこすられて接地を基準
とした電位がプラス100Vになる量の電荷を保持す
る。そして、この現像ローラ5に電源51で図10
(c)に示すようにピーク・ツウ・ピーク(以下、P−
Pという)900V、最高電位マイナス100V、周波
数500Hz、デューティー比30%(T2/T1)のパ
ルス電圧を印加した。尚、現像ローラ5と感光体1との
間隙は100μmに設定した。
【0021】図10は接地を基準とした現像ローラ5の
表面電位の時間的変化を示したものであり、(a)は第
1の誘電体11の表面電位について、(b)は第2の誘
電体12の表面電位について示している。前述の例にお
ける図7におけると同様に、感光体1表面の非画像部の
表面電位のレベル(−900V)及び露光部の表面電位
のレベル(−100V)を水平線として夫々示してい
る。図10(a)中の第1の誘電体11の表面電位の時
間的変化を示す矩形連続線から判るように、第1の誘電
体11の表面電位は、電源51による印加電圧が保持し
た電荷で−50Vだけ偏倚された電位になる。一方、第
2の誘電体12の表面電位は、図10(b)中のこの誘
電体12の表面電位の時間的変化を示す矩形連続線から
判るように、電源51による印加電圧が保持した電荷で
+100Vだけ偏倚された電位になる。
【0022】次に以上のように現像ローラ5表面の電位
が変化する場合の現像ローラ5表面と感光体1との間の
電界について前述の例と同様して図11及び図12を用
いて説明する。図11は、図10(a)に示すような表
面電位の時間的変化を生じる第1の誘電体11上の電界
を説明するためのものであり、図11(a)はこの誘電
体11が感光体1の画像部(露光部)に対向している場
合の両者の電位差の時間的変化を示し、図11(b)は
この誘電体11が感光体1の非画像部(未露光部)に対
向している場合の両者の電位差の時間的変化を示す。
又、図12は図10(b)に示すような表面電位の時間
的変化を生じる第2の誘電体12上の電界を説明するた
めのものであり、図12(a)はこの誘電体22が感光
体1の画像部(露光部)に対向している場合の両者の電
位差の時間的変化を示し、図12(b)はこの誘電体2
2が感光体1の非画像部(未露光部)に対向している場
合の両者の電位差の時間的変化を示す。これらの図11
及び図12においても前述の例と同様に、電界の静電気
力の方向を区別するためにトナーが感光体1に向かう方
向の電界に対応する上記電位差を正、現像ローラ5に向
かう方向の電界に対応する上記電位差を負として表わし
ている。又、この例においても実験によって確認され
た、現像ローラ5上のトナーが感光体1へ転移する上記
電位差の閾値+100Vのレベルと、感光体1上のトナ
ーが現像ローラ5の方へ転移する電界の閾値−100V
のレベルとを夫々水平線で示し、且つ、この閾値を越え
てトナーの転移に寄与する電界に対応する部分を斜線で
表している。
【0023】現像ローラ5の第1の誘電体11上に存在
するトナーは、感光体1の画像部と対向する場合には、
図11(a)の斜線部で示されるように+950Vの電
位差に対応する現像電界(以下、現像電界という)にな
ったときに感光体1の方向に転移するものと考えられ、
感光体1の非画像部と対向する場合には、図11(b)
の斜線部で示されるようにトナーの転移に寄与する電界
として、−750Vの負電界と+150Vの正電界が交
互に現われ、正電界のときは現像ローラ5から感光体1
へ、負電界のときは感光体1から現像ローラ5へ転移す
るが、負電界による感光体ドラム3から現像ローラ1へ
の転移が生じている期間の方が充分長く、且つ、転移力
も大きいので、正電界で感光体1に転移するトナーが発
生したとしても、このようなトナーは再び現像ローラ5
へ転移してるものと考えられる。同様に、現像ローラ5
の第2の誘電体12上に存在するトナーは、感光体1の
画像部と対向する場合には、図12(a)の斜線部で示
されるように+800Vの正電界のときに現像ローラ5
から感光体1へ転移しているものと考えられる。又、感
光体1の非画像部と対向する場合には、図12(b)の
斜線部で示すように、−900Vの負の電界で感光体1
から現像ローラ5へ転移しているものと考えられる。
【0024】この例によれば、感光体上の非画像部に対
して、第1の誘電体11上で、トナーの転移に寄与する
電界として、図11(b)に示されるように閾値を超え
る正及び負の電界が作用し、これにより、トナーが現像
ローラ5から感光体1への転移及び感光体1から現像ロ
ーラ5への転移を行ない、一方、第2の誘電体12上
で、トナーの転移に寄与する電界として、図12(a)
に示されるように閾値を越える逆電界のみが作用し、こ
れにより、トナーが感光体1から現像ローラ5への逆移
転のみを行なう。このように、感光体上の非画像部に対
して、トナーが現像ローラ5から感光体1への転移及び
感光体1から現像ローラ5への転移を行なう現像ローラ
部分と、トナーが感光体1から現像ローラ5への転移の
み行なう現像ローラ部分を有するので、階調性を維持し
つつ画像濃度を向上させ且つ画像の線部の太りも防止す
ることが出来、高画質の画像を得ることが出来る。特に
上記の例に比して地肌汚れの余裕度を大きくすることが
出来る。
【0025】次に、図13乃至図14を用いて、電源5
1による現像ローラ50へのバイアス印加の更に他の例
について説明する。この例においても、感光体1として
OPCを用い、非画像部の表面電位を−900V、露光
部の電位を−100Vとして、負極性のトナーを用いて
反転現像を行なう。現像ローラ5としては、第1の誘電
体11としてポリスチレン樹脂を用い、第2の誘電体を
シリコン樹脂を用い、トナー供給ローラ5の表面をポリ
ウレタン樹脂で構成したものを用いている。前述の図6
(a)に示すように、第1の誘電体11はトナー供給ロ
ーラ8でこすられて接地を基準とした電位がマイナス8
0Vになる量の電荷を保持し、一方第2の誘電体12は
トナー供給ローラ8でこすられて接地を基準とした電位
がプラス200Vになる量の電荷を保持する。そして、
この現像ローラ5に電源51で図13(c)に示すよう
にピーク・ツウ・ピーク(以下、P−Pという)100
0V、最高電位0V、周波数500Hz、デューティー
比30%(T2/T1)のパルス電圧を印加した。尚、現
像ローラ5と感光体1との間隙は100μmに設定し
た。
【0026】図13は接地を基準とした現像ローラ5の
表面電位の時間的変化を示したものであり、(a)は第
1の誘電体11の表面電位について、(b)は第2の誘
電体12の表面電位について示している。前述の例にお
ける図7におけると同様に、感光体1表面の非画像部の
表面電位のレベル(−900V)及び露光部の表面電位
のレベル(−100V)を水平線として夫々示してい
る。図13(a)中の第1の誘電体11の表面電位の時
間的変化を示す矩形連続線から判るように、第1の誘電
体11の表面電位は、電源51による印加電圧が保持し
た電荷で−80Vだけ偏倚された電位になる。一方、第
2の誘電体12の表面電位は、図13(b)中のこの誘
電体12の表面電位の時間的変化を示す矩形連続線から
判るように、電源51による印加電圧が保持した電荷で
+200Vだけ偏倚された電位になる。
【0027】次に以上のように現像ローラ5表面の電位
が変化する場合の現像ローラ5表面と感光体1との間の
電界について前述の例と同様して図14及び図15を用
いて説明する。図14は、図13(a)に示すような表
面電位の時間的変化を生じる第1の誘電体11上の電界
を説明するためのものであり、図14(a)はこの誘電
体11が感光体1の画像部(露光部)に対向している場
合の両者の電位差の時間的変化を示し、図14(b)は
この誘電体11が感光体1の非画像部(未露光部)に対
向している場合の両者の電位差の時間的変化を示す。
又、図15は図13(b)に示すような表面電位の時間
的変化を生じる第2の誘電体12上の電界を説明するた
めのものであり、図15(a)はこの誘電体22が感光
体1の画像部(露光部)に対向している場合の両者の電
位差の時間的変化を示し、図13(b)はこの誘電体2
2が感光体1の非画像部(未露光部)に対向している場
合の両者の電位差の時間的変化を示す。これらの図14
及び図15においても前述の例と同様に、電界の静電気
力の方向を区別するためにトナーが感光体1に向かう方
向の電界に対応する上記電位差を正、現像ローラ5に向
かう方向の電界に対応する上記電位差を負として表わし
ている。又、この例においても実験によって確認され
た、現像ローラ5上のトナーが感光体1へ転移する上記
電位差の閾値+100Vのレベルと、感光体1上のトナ
ーが現像ローラ5の方へ転移する電界の閾値−100V
のレベルとを夫々水平線で示し、且つ、この閾値を越え
てトナーの転移に寄与する電界に対応する部分を斜線で
表している。
【0028】現像ローラ5の第1の誘電体11上に存在
するトナーは、感光体1の画像部と対向する場合には、
図14(a)の斜線部で示されるように+980Vの電
位差に対応する現像電界(以下、現像電界という)にな
ったときに感光体1の方向に転移するものと考えられ、
感光体1の非画像部と対向する場合には、図14(b)
の斜線部で示されるようにトナーの転移に寄与する電界
として、−920Vの負電界と+180Vの正電界が交
互に現われ、正電界のときは現像ローラ5から感光体1
へ、負電界のときは感光体1から現像ローラ5へ転移す
るが、負電界による感光体ドラム3から現像ローラ1へ
の転移が生じている期間の方が充分長く、且つ、転移力
も大きいので、正電界で感光体1に転移するトナーが発
生したとしても、このようなトナーは再び現像ローラ5
へ転移してるものと考えられる。同様に、現像ローラ5
の第2の誘電体12上に存在するトナーは、この第2の
誘電体12が元々+200Vに帯電しているので、感光
体1の画像部と対向する場合には、図15(a)の斜線
部で示されるように−300Vの負電界と+700Vの
正電界が交互に現われ、正電界のときは現像ローラ5か
ら感光体1へ、負電界のときは感光体1から現像ローラ
5へ転移しているものと考えられる。又、感光体1の非
画像部と対向する場合には、図15(b)の斜線部で示
すように、−1100Vの負の電界で感光体1から現像
ローラ5へ転移し、交互に転移することはないと考えら
れる。
【0029】この例によれば、感光体上の画像部に対し
ては、第2の誘電体12上で、トナーの転移に寄与する
電界として、図15(a)に示されるように閾値を超え
る正及び負の電界が作用し、これにより、トナーが現像
ローラ5から感光体1への転移及び感光体1から現像ロ
ーラ5への転移を行ない、一方、第1の誘電体11上
で、トナーの転移に寄与する電界として、図14(a)
に示されるように閾値を越える正電界のみが作用し、こ
れにより、トナーが現像ローラ5から感光体1への移転
のみを行なう。加えて、感光体上の非画像部に対して
は、第1の誘電体11上で、トナーの転移に寄与する電
界として、図14(b)に示されるように閾値を超える
正及び負の電界が作用し、これにより、トナーが現像ロ
ーラ5から感光体1への転移及び感光体1から現像ロー
ラ5への転移を行ない、一方、第2の誘電体12上で、
トナーの転移に寄与する電界として、図15(a)に示
されるように閾値を越える逆電界のみが作用し、これに
より、トナーが感光体1から現像ローラ5への逆移転の
みを行なう。このように、感光体上の画像部に対して、
トナーが現像ローラ5から感光体1への転移及び感光体
1から現像ローラ5への転移を行なう現像ローラ部分
と、トナーが現像ローラ5から感光体1への転移のみ行
なう現像ローラ部分を有し、且つ、感光体上の非画像部
に対して、トナーが現像ローラ5から感光体1への転移
及び感光体1から現像ローラ5への転移を行なう現像ロ
ーラ部分と、トナーが感光体1から現像ローラ5への転
移のみ行なう現像ローラ部分を有するので、前述の2つ
の例に比しても更に良好に、階調性を維持しつつ画像濃
度を向上させ且つ画像の線部の太りも防止することが出
来、高画質の画像を得ることが出来る。
【0030】以上、本実施例によれば、現像ローラ5の
表面に異なる電荷を保持する領域が混在し、現像部にお
いて局部的に異なる現像バイアスを作用させるので、静
電潜像を有する感光体1と表面にトナーを担持した現像
ローラ5との間にバイアスを印加して現像を行なうとき
に、現像ローラ5によって選択的にトナーの転移が制御
できる。そして、このようなバイアスを第1及び第2誘
電体の材料変更等により、各誘電体が保持する電荷を変
更して所望の画像を得ることが出来る条件に設定するこ
とが出来る。
【0031】次に、図4及び図5を用いて、互いに帯電
性が異なる誘電体を微小面積で規則的又は不規則的に表
面に露呈させた現像ローラ5の変形例を用いた現像装置
について説明する。図4は変形例にかかる現像ローラ5
を用いた現像装置を示すものであり、(a)は現像ロー
ラ5の各誘電体と、トナー粒子を摸式的に拡大して示し
た説明図、(b)は各誘電体を摸式的に拡大して示した
現像ローラの平面図、(c)は(a)のIV−IV線断面
図、(d)は現像ローラ表面の近傍に形成される微小閉
電界の電気力線を示すした説明図である。図4(a)に
摸式的に拡大して示したように、現像ローラ5として、
例えばAl、Fe、Cu等の金属性の導電性ローラ10
より成る基体と、その周囲表面に固着された中抵抗体1
2及び高抵抗体11とを具備するローラが用いられてい
る。この中抵抗体と高抵抗体は少なくとも抵抗率が互い
に異なる誘電体から構成され、帯電性が互いに異なるも
のとなっている。中抵抗体12の抵抗率は導電性の基体
表面(本例では導電性ローラ10)の抵抗率よりも高
く、高抵抗体11の抵抗率は中抵抗体12の抵抗率より
もさらに高く設定される。例えば両抵抗体の抵抗率を1
8Ωcm以上、好ましくは1010Ωcm以上に設定する。
図4(b)では両抵抗体11と12を識別しやすくする
ため、高抵抗体11に対して横線を付して示してあるが
(図5(a)乃至(d)も同じ)、この図並びに図4
(a)及び図4(c)から判るように、高抵抗体11と
中抵抗体12は規則的に(又は不規則状態であってもよ
い)に配置され、これらが現像ローラ5の表面に露出し
ている。各中抵抗体12と高抵抗体11の形状は適宜設
定できるが、その表面形状を図4(b)に例示する如く
矩形とした場合は、その一辺の長さD1、D2は例えば
10乃至500μm程度の適宜な値に設定することがで
きる。このような抵抗体11,12のサイズに関する値
や、その抵抗率は、前述の実施例と同様に閉電界の強度
を高め、現像ローラ5上に最適な量のトナーを担持させ
ることができ、且つ、現像部に所望の電界を形成するよ
うに、適宜選択される。又、本例では、トナーとして正
極性に帯電しているものを用い、高抵抗体11と中抵抗
体12として、トナーの帯電極性と反対の極性、すなわ
ち負極性に摩擦帯電される材質のものが選択されてい
る。更に、必要に応じて現像ローラ5の導電性ローラ1
0に直流、交流、直流重畳交流、パルスなどのバイアス
電圧を印加し、可視像の画質を高めることもでき、又ロ
ーラ10をアースしておくように構成することも可能で
ある。トナー供給ローラ6に対しても同様である。トナ
ー担持体がベルトから成るときは、このベルトの導電性
の基体表面に中抵抗体と高抵抗体が前述の状態で積層固
定される。一方、現像ローラ5に接するトナー供給ロー
ラ6の発泡体15は例えばポリウレタン発泡体で構成さ
れている。
【0032】この例においても、前述の図6(d)に示
す例と同様に、トナー供給ローラ6により現像ローラ5
の高抵抗体11と中抵抗体12は負極性に摩擦帯電して
いるが、その抵抗率が互いに相違するため、図4(d)
に摸式的に示すように高抵抗体11の電荷量の方が中抵
抗体11の電荷量よりも多くなり、両者の表面電位に相
違が生じる。このため、両抵抗体11と12の間には閉
電界が形成される。導電性ローラ10の表面には無数と
言える程多数の高抵抗体11と中抵抗体12が交互に位
置しているので、現像ローラ5の表面には無数の微小閉
電界(マイクロフィールド)が現像ローラ表面に一様に
分布した状態で形成される。すなわち、電界の状態を表
す電気力線を考えた場合、現像ローラ5の表面近傍の空
間には、図4(d)に円弧状の多数の線で表したように
電気力正Eが形成され、その電気力線は現像ローラ5か
ら出て同一の現像ローラ5に戻り、該ローラ5の表面の
近傍に多数の閉電界が形成されるのである。このように
電界傾度の大なる電界が現像ローラの表面近傍に形成さ
れる。高抵抗体11と中抵抗体12の表面サイズは前述
のように大変微小であるため、各閉電界も微小なものと
なり、これにより各閉電界は所謂エッジ効果ないしは周
辺電場効果によってその強度が大変強くなる。かかる高
強度の閉電界によって、正に帯電したトナーは、図4
(a)に摸式的に示したように高抵抗体11の表面に強
く引かれ、現像ローラ5上に多量に離れ難い状態で保持
される。すなわち帯電したトナーは閉電界の内部に強い
束縛力を与えられ、その電気力線に沿って現像ローラ5
上に保持されるのである。その際、トナーはトナー供給
ローラ6と現像ローラ5との摩擦によって強く摩擦帯電
しており、しかも現像ローラ5の表面に強い微小減し電
界の作用で保持されるので、現像ローラ5に担持された
トナーが例えばウレタンよりなるドクターブレード8に
よって層厚を規制されるとき、帯電の充分なトナーは微
小閉電界によって現像ローラ5の表面に強く保持される
が、帯電量の小なるトナーがこれに混在していても、か
かるトナーはドクターブレード8との接触圧によって除
去され、結局、帯電量の大なるトナーだけが、従来より
も多量に現像領域9へ搬送され、前述の如く静電潜像を
可視像化する。現像領域9での現像ローラ5と感光体1
との間の電界は、電極効果が大きくなり、現像ローラ5
上のトナーが感光体1に付着しやすい状態となる。この
ようにして可視像の画像濃度を高め、且つその地汚れを
防止することができる。尚、現像ローラ5の表面近傍に
は、図4(d)に摸式的に示したようにその全体に亘っ
て微小閉電界だけが形成される場合と、閉電界でない電
界が閉電界に混在する場合とが考えられるが、いずれに
しても閉電界が存在するので、そ強度が高められ、トナ
ーを多量に担持することができる。上述のように、現像
ローラ5上に充分に帯電した多量のトナーを担持してこ
れを現像領域へ搬送し、これを現像に供することができ
るが、その際、現像ローラ5の表面には中抵抗体12と
高抵抗体11が配置され、導電性ローラの導電面が現像
ローラ5の表面に露出していない。このため、現像領域
9において、感光体1と現像ローラ5との間の電荷のリ
ークを確実に抑制でき、感光体1に形成された静電潜像
が乱される不具合を効果的に抑制できる。このようにし
て高品質な可視像を形成することができるのである。更
に、中抵抗体12を実質的に帯電させず、高抵抗体11
だけを所定の極性に帯電させ、これらの間に閉電界を形
成してトナーを担持させるように構成することもでき、
要は高抵抗体と中抵抗体のうち、少なくとも高抵抗体を
帯電させ、その表面電位の相違により閉電界を形成して
トナーを担持させればよいのである。
【0033】又、先にも説明したように、中抵抗体と高
抵抗体の表面形状やサイズは適宜選択できるが、その配
列状態も適宜設定でき、例えば図5(a)及び(b)に
示すように、中抵抗体12の中に、適宜な表面形状の高
抵抗体11が存在するようにし、或いはその逆に、図5
(d)に例示する如く高抵抗体11の中に適宜な形状の
中抵抗体12が存在するようにしてもよい。又は図5
(c)に示すように長く延びる中抵抗体12と高抵抗体
11を交互に配置してもよい。図5(b)に示すように
各高抵抗体11(又は中抵抗体)の表面形状を円形にし
たとき、その直径は、例えば10乃至500μm、特に
500乃至300μm程に設定され、図9のように各高
抵抗体11を微小幅形状にしたときは、その各幅と間隔
例えば10乃至500μm程に設定される。また高抵抗
体と中抵抗体を積層固定する基体として、これら抵抗体
が積層される表面だけを導電性にしたものを用い、この
導電層をアースし、又はこれに所定のバイアス電圧を印
加するようにしてもよい。
【0034】上述したいずれの実施例においても、帯電
性の異なる2種類の誘電体が表面に混在露呈している現
像ローラを用い、上述した帯電部材を、それに接触回転
させることで、微小な閉電界を、現像ローラ表面に形成
させることができる。トナー担持体がベルトより成ると
きも、シート状の基体上に帯電系列の異なる誘電体を積
層したものを用いることにより、同じ作用効果を得るこ
とができる。又、上記の各実施例によれば、現像ローラ
5の表面には誘電体11,12が積層され、導電性の基
体10が現像ローラ5の表面に露呈していないので、現
像ローラ5と感光体との間に交流バイアス電圧又は交流
と直流の重畳バイアス電圧を印加しても、感光体1と現
像ローラ5の間に電荷のリークが生じることを防止でき
る。これにより斑点状画像白抜けなどの発生を抑えるこ
とができ、現像バイアス電圧の大きな制御が可能にな
る。そして、誘電体11,12は、その耐久性などを考
慮して適宜な材料が採用され、特に上述の電荷のリーク
防止と、誘電体11,12への電荷の保持性を確保する
ため、108Ωcm以上、好ましくは1010Ωcm以上、更
に好ましくは1012Ωcm以上の体積固有抵抗率をもった
物質が好適である。又、図示した実施例では、帯電部材
とトナー供給部材を兼用させたため、構成を簡素化でき
る利点が得られるが、帯電部材を、現像ローラへトナー
を供給する部材と別個の部材としてもよい。又、ベルト
状の感光体ではなく、ドラム状の感光体などの潜像担持
体を用いた画像形成装置や、潜像担持体とトナー担持体
をトナーを介して当接させた接触現像方式ではなく、こ
れらを互いに離間させた非接触現像方式を採用した画像
形成装置にも本発明を適用できることは言うまでもな
い。又、上述した各実施例では、非磁性トナーの一成分
系現像剤を用いた現像装置を例示したが、本発明は必要
に応じて補助剤を外添した磁性トナーより成る一成分系
現像剤を用いる現像装置にも適用できるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、現像剤を担持する現像
剤担持体は、表面における該第1の物質と第2の物質の
少なくとも一方の露呈部が所定極性に摩擦帯電されて該
表面に多数の微小電界を形成し、この現像剤担持体と静
電潜像担持体が互いに対向する現像部に電圧印加手段で
所定の電界を形成して、該静電潜像担持体上の電位と、
該現像剤担持体上の電位と、該電圧印加手段によって形
成される電界との相互関係で決定される電界により現像
剤の移動を制御し、これにより、静電潜像担持体上の静
電潜像に適量の現像剤を付着させるので、高濃度で階調
性に優れしかも線部の太りの無い画像を形成することが
出来る。又、現像剤を上記微小電界により上記現像剤担
持体に担持するので、上記微小電界によるエッジ効果な
いしは周辺電場効果によって従来に比し多量の現像剤を
担持し、これにより、画像濃度の一層の向上を図ること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像装置の一例を示す概略断面図。
【図2】一実施例にかかる現像ローラの各誘電体を摸式
的に拡大して示した平面図。
【図3】(a)は図2の現像ローラの各誘電体とトナー
粒子を摸式的に拡大して示した説明図、(b)は同現像
ローラ表面の近傍に形成される微小閉電界の電気力を示
した説明図。
【図4】(a)は他の実施例にかかる現像ローラの各誘
電体とトナー粒子を摸式的に拡大して示した説明図、
(b)は同現像ローラの各誘電体を摸式的に拡大して示
した平面図、(c)は(a)のIV−IV線断面図、
(d)は同現像ローラ表面の近傍に形成される微小閉電
界の電気力を示した説明図。
【図5】(a)乃至(d)はそれぞれ各誘電体の他の配
列例を示した拡大図。
【図6】(a)乃至(d)はそれぞれ各誘電体及びトナ
ー供給ローラの材質を変更して構成した現像ローラ表面
の近傍に形成される微小閉電界の電気力とトナー粒子を
摸式的に拡大して示した説明図。
【図7】現像ローラへの印加バイアスの一例を示す説明
図であり、(a)は第1の誘電体についての電位の変化
の説明図、(b)は第2の誘電体についての電位の変化
の説明図、(c)は印加バイアスの波形図。
【図8】同例における第1の誘電体上の現像電界の説明
図であり、(a)は感光体ドラム上の画像部に対向する
場合の時間的変化の説明図、(b)は感光体ドラム上の
非画像部に対向する場合の時間的変化の説明図。
【図9】同例における第2の誘電体上の現像電界の説明
図であり、(a)は感光体上の画像部に対向する場合の
時間的変化の説明図、(b)は感光体上の非画像部に対
向する場合の時間的変化の説明図。
【図10】現像ローラへの印加バイアスの他の例を示す
説明図であり、(a)は第1の誘電体についての電位の
変化の説明図、(b)は第2の誘電体についての電位の
変化の説明図、(c)は印加バイアスの波形図。
【図11】同例における第1の誘電体上の現像電界の説
明図であり、(a)は感光体ドラム上の画像部に対向す
る場合の時間的変化の説明図、(b)は感光体ドラム上
の非画像部に対向する場合の時間的変化の説明図。
【図12】同例における第2の誘電体上の現像電界の説
明図であり、(a)は感光体上の画像部に対向する場合
の時間的変化の説明図、(b)は感光体上の非画像部に
対向する場合の時間的変化の説明図。
【図13】現像ローラへの印加バイアスの更に他の例を
示す説明図であり、(a)は第1の誘電体についての電
位の変化の説明図、(b)は第2の誘電体についての電
位の変化の説明図、(c)は印加バイアスの波形図。
【図14】同例における第1の誘電体上の現像電界の説
明図であり、(a)は感光体ドラム上の画像部に対向す
る場合の時間的変化の説明図、(b)は感光体ドラム上
の非画像部に対向する場合の時間的変化の説明図。
【図15】同例における第2の誘電体上の現像電界の説
明図であり、(a)は感光体上の画像部に対向する場合
の時間的変化の説明図、(b)は感光体上の非画像部に
対向する場合の時間的変化の説明図。
【符号の説明】
1 感光体 , 2 現像
装置 5 現像ローラ , 6 トナ
ー供給ローラ 9 現像部 , 10 導電
性基体 11 第1の誘電体 , 12 第2
の誘電体 15 発泡体 , 51 バイ
アス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 祐一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 冨田 潤子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭60−61774(JP,A) 特開 平1−227174(JP,A) 特開 平1−267566(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 - 15/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像を担持する静電潜像担持体と現像
    剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向さ
    せ、該現像部においてバイアスを印加して現像をおこな
    う現像装置において、 互いに帯電性の異なる第1の物質と第2の物質が規則的
    または不規則に表面に混在露出すると共に、該表面にお
    ける該第1の物質と第2の物質の少なくとも一方の露呈
    部が所定極性に摩擦帯電されて該表面に多数の微小電界
    が形成される現像剤担持体と、上記少なくとも一方の露呈部を所定極性に摩擦帯電させ
    る摩擦帯電手段と、 該第1の物質と第2の物質のうち現像剤を吸引する静電
    気力が比較的大きい方の物質の露呈部と静電潜像担持体
    の画像部との間に、現像剤を該静電潜像担持体に向かわ
    せる向きの1V/μm以上の強度の電界と、現像剤を該
    表面に向かわせる向きの1V/μm以上の強度の電界と
    を交互に形成し得る電圧を印加する電圧印加手段とを設
    け、上記現像剤として、帯電状態で上記微小電界により上記
    現像剤担持体に担持されるものを用い、 該静電潜像担持体上の電位と、該電圧印加手段によって
    形成される電界と、該現像剤担持体上の電界との相互関
    係で決定される電界により現像剤の移動を制御すること
    を特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】静電潜像を担持する静電潜像担持体と現像
    剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向さ
    せ、該現像部においてバイアスを印加して現像を行なう
    現像装置において、 互いに帯電性の異なる第1の物質と第2の物質が規則的
    または不規則に表面に混在露出すると共に、該表面にお
    ける該第1の物質と第2の物質の少なくとも一方の露呈
    部が所定極性に摩擦帯電されて該表面に多数の微小電界
    が形成される現像剤担持体と、上記少なくとも一方の露呈部を所定極性に摩擦帯電させ
    る摩擦帯電手段と、 該第1の物質と第2の物質のうち現像剤を吸引する静電
    気力が比較的小さい方の物質の露呈部と静電潜像担持体
    の非画像部との間に、現像剤を該静電潜像担持体に向か
    わせる向きの1V/μm以上の強度の電界と、現像剤を
    該表面に向かわせる向きの1V/μm以上の強度の電界
    とを交互に形成し得る電圧を印加する電圧印加手段とを
    設け、上記現像剤として、帯電状態で上記微小電界により上記
    現像剤担持体に担持されるものを用い、 該静電潜像担持体上の電位と、該電圧印加手段によって
    形成される電界と、該現像剤担持体上の電界との相互関
    係で決定される電界により現像剤の移動を制御すること
    を特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】静電潜像を担持する静電潜像担持体と現像
    剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向さ
    せ、該現像部においてバイアスを印加して現像を行なう
    現像装置において、 互いに帯電性の異なる第1の物質と第2の物質が規則的
    または不規則に表面に混在露出すると共に、該表面にお
    ける該第1の物質と第2の物質の少なくとも一方の露呈
    部が所定極性に摩擦帯電されて該表面に多数の微小電界
    が形成される現像剤担持体と、上記少なくとも一方の露呈部を所定極性に摩擦帯電させ
    る摩擦帯電手段と、 該第1の物質と第2の物質のうち現像剤を吸引する静電
    気力が比較的大きい方の物質の露呈部と静電潜像担持体
    の画像部との間に、現像剤を該静電潜像担持体に向かわ
    せる向きの1V/μm以上の強度の電界と、現像剤を該
    表面に向かわせる向きの1V/μm以上の強度の電界と
    を交互に形成し得、且つ、該第1の物質と第2の物質の
    うち現像剤を吸引する静電気力が比較的小さい方の物質
    の露呈部と該静電潜像担持体の非画像部との間に、現像
    剤を該静電潜像担持体に向かわせる向きの1V/μm以
    上の強度の電界と、現像剤を該表面に向かわせる向きの
    1V/μm以上の強度の電界とを交互に形成し得る電圧
    を印加する電圧印加手段とを設け、上記現像剤として、帯電状態で上記微小電界により上記
    現像剤担持体に担持さ れるものを用い、 該静電潜像担持体上の電位と、該電圧印加手段によって
    形成される電界と、該現像剤担持体上の電界との相互関
    係で決定される電界により現像剤の移動を制御すること
    を特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】上記現像剤担持体に担持されて上記現像部
    に搬送される現像剤の層厚を規制する層厚規制手段を設
    け、 上記摩擦帯電手段を、該層厚規制手段よりも現像剤搬送
    方向上流側であって、上記現像部よりも現像剤搬送方向
    下流側に位置させた ことを特徴とする請求項1の現像装
    置。
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