JP3011254U - ポリマー溶液の脱揮装置 - Google Patents

ポリマー溶液の脱揮装置

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JP3011254U
JP3011254U JP1994015279U JP1527994U JP3011254U JP 3011254 U JP3011254 U JP 3011254U JP 1994015279 U JP1994015279 U JP 1994015279U JP 1527994 U JP1527994 U JP 1527994U JP 3011254 U JP3011254 U JP 3011254U
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基嗣 須加
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の濡れ壁式予熱管を持った脱揮装置より
も低分子量分の生成が少なく、従ってMw/Mnが小さ
く、また低分子量に比例して残留モノマーが少ない製品
ポリマーを原料ポリマー溶液から回収する装置を提供す
る。 【構成】 脱揮すべき重合反応液または回収ポリマーの
溶液よりなるポリマー溶液のための導入管と、該導入管
に接続した減圧ニードル弁あるいはニードル様絞りと、
前記弁または絞りに接続された、全長に亘って内部にセ
ラミック製、アルミニウム製またはステンレススチール
製のスクリューリボンを装入した真空予熱管と、前記予
熱管の出口に接続された真空槽と、前記予熱管を前記真
空槽とそれぞれ独立に温度コントロールできる熱媒体ジ
ャケットとからなるポリマー溶液の脱揮装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、スチレン、メチルメタクリレート(MMA)などのモノマーをある いはこれらと容易に重合するコモノマー例えばアクリロニトリル(AN)などと 開始剤を用い或いは用いないで重合反応させた重合反応液、或いは溶剤を用いた 同様なポリマーのリサイクルプロセスにおいて得られる中間物質であるポリマー 溶液の脱揮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記重合反応液、回収ポリマーの溶液(以下両方を併せて単にポリマー溶液と 称する)は何れも多少の溶剤又はモノマーとポリマーを含有する溶液であるが、 これから有用なポリマーを品質を損なわず取り出すのは至難の事と考えられてき た。それはこのポリマー溶液が重合し易いモノマーを含有していると言う本質に 由来している。しかも他の含有物である溶剤又はモノマーを蒸発させるにはどう しても蒸発潜熱を与えるために高温にしないといけないが、当然ポリマー溶液に 含有されているモノマーは10℃上がると2倍の速度で反応するといわれる如く 、急速に、しかも低分子量のポリマーを生成し、従って甚しくは、商用に耐えな い品質となる。この低分子量分はポリスチレン溶液の場合メタノール可溶分とし て実質的には計測されるが、例えば80%ポリスチレン(PS)の場合、最初の メタノール可溶分0.8%が180℃に40分曝すと1.34%に、220℃に 40分曝すと2.06%、250℃に40分曝すと3.69%になり著しく実用 性能が劣るようになる。 更にポリマー溶液中のポリマーは高温に曝すと黄色味を帯び商品価値を落とす 。特にポリマー溶液中のモノマー/ポリマー中にANを含有する場合は、又そこ に極微量でも酸素が存在する時それが著しい。
【0003】 この問題を解決するために、先ず真空にしてポリマー溶液中の溶剤やモノマー の蒸発温度を下げる事が試みられたが、ポリマー溶液は蒸発と共に粘度が著しく 上昇するため、真空槽底ポリマーと真空の気相の界面積が小さく、蒸発速度、界 面積が不足で結果的に長時間高温で滞留させる必要が生じる。従って単なる真空 槽では、外温を280℃程度に上げ、2時間以上滞留させないと、蒸発は完結し ない。当然回収ポリマーは低分子量分も多く、色も黄色となり、商用に適しない 。次に、ポリマー溶液を先ず、圧力損失が該溶液の蒸気圧以下になるように設計 された。下向きの外部加熱管内を、発泡させながら短い滞留時間で流下させた後 、下部の真空蒸発室に導き、ポリマー溶液より揮発分をフラッシュ蒸発する方法 (特公昭48−29797号)が提案された。然しこの方法の欠点は、発泡した ポリマー溶液の多管式加熱管への均等な分散に困難があり、この様な粘度領域の 発泡液に対して分散板等のデバイスが役に立たないことは流体力学の示す通りで ある。そこでこの問題を解決するために特開昭62−179508号の如く撹拌 羽根を上部真空部に装置する改良案或いはU.S.P.5,024,728の如 く加熱管下部に抵抗をつける各種デバイスを装着する方法が提案された。然し前 者は相当な高温(70°〜140℃)、真空(150〜1050mmHg)域に 回転駆動軸を貫通しなければならず、その真空漏れ防止のため高価なメカニカル シールを要する。このメカニカルシールは必ずシール液を要し、多少なりともシ ール液は真空域内に異物として入る。またその調整が悪いとしばしば微量空気の 侵入を許すが、微量でもポリマーの黄変を来す。これは極透明、無色を要求され る製品ポリマーの商品価値を著しく落とす。加熱管下部に抵抗を付けるデバイス を装着する方法は、加熱管の抵抗(特公昭48−29797号では100〜10 00mmHgが良いとされる)を略倍加する為、初期の目的が達せられないばか りか、加熱管壁下部出口付近では発泡した後のポリマーが数千ポアズの粘度に達 して、出口付近に停滞しやすくなり初期の目的を達せられない事が多い。次にこ れらの問題を解決するために、濡れ壁真空管の内壁に僅かの隙間をとった、多段 傾斜スクレーパーを回転させ、濡れ壁真空管の内部に付着停滞している粘度の上 がったポリマー溶液やポリマーを強制的に下の真空槽に押し出す装置が提案され た。この装置はポリマーの滞留時間と言う点では著しい改良となるが、濡れ壁真 空管内のスクレーパーに回転トルクを伝える軸が槽壁を貫通する所には、高温、 高真空をシールするメカニカルシールを要するが、これは前述の如き欠点がある 。然もこの場合、蒸発前の粘度の比較的低いポリマー溶液から蒸発が進んで粘度 が数千〜30,000ポアズ程度まで上がったポリマーを狭い隙間をおいてスク レープするため大きな動力を要するが、粘度の変化とともに濡れ壁の深さにより 発生動力は大きく変わるが、それが熱に変換してポリマーに入り部分的にポリマ ーの過熱を生じやすい。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案はこれらの従来あった欠点を除去し、原料ポリマー溶液から低分子量ポ リマーの生成を極限するとともに、殆ど黄変することなく、溶剤またはモノマー を数%〜50%含む原料ポリマー溶液から実用上問題ない、千ppm程度まで脱 揮する改良装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、脱揮すべき重合反応液または回収ポリマーの溶液、すなわちポリマ ー溶液の導入管と、該導入管に接続した減圧ニードル弁あるいはニードル様絞り と、前記弁または絞りに接続された、全長に亘って内部にセラミック製、アルミ ニウム製またはステンレススチール製のスクリューリボンを装入した真空予熱管 と、前記予熱管の出口に接続された真空槽と、前記予熱管を前記真空槽とそれぞ れ独立に温度コントロールできる熱媒体ジャケットとからなるポリマー溶液の脱 揮装置である。
【0006】
【作用】
次に本考案の装置の原理を説明する。上に述べた重合反応液または回収ポリマ ーの溶液である原料ポリマー溶液は、通常温度数十度(リサイクルのための溶解 液)、ないし百数十度(重合反応液)で、数十ないし二百数十ポアズの粘度を有 するが、これをN2 で1〜2気圧に加圧された状態から、数百Torr程度に減 圧すると殆ど同時に230℃程度に外部加熱している全長に亘ってスクリューリ ボンを装入した加熱管に通すと、ポリマー溶液は発泡状態となり、著しく比容積 を増やし、見かけ粘度が著しく低くなった状態となる。この発泡ポリマー溶液を そのまま維持しつつ、数百Torrと1〜数十Torrの静圧の差圧を利用して 急速に(もし重力だけであるとそう早くは移動しない)、平均滞留時間1分以下 の極短時間で予熱管を通過させた後、真空槽で発泡ポリマー溶液中の溶剤および モノマーをほぼ完全に除去することである。このような短時間の滞留時間である と、低分子量分の生成や黄変は殆ど無視できる。
【0007】 図1には本考案の単管式脱揮装置を示す。図2には本考案の多管式脱揮装置を 示す。図3は図2のニードル様絞りの拡大断面図、及び図4は図2の管の拡大断 面図である。 導管1より送られてきた、目的ポリマーを45%以上含み、N2 シールで1〜 2気圧、数十度ないし百数十度で液状に保持された原料ポリマー溶液は、管の全 長に亘ってセラミック製、アルミニウム製またはステンレススチール製スパイラ ルスクリューリボン7を装入した真空加熱管3のなるべく直前に設置したニード ル減圧弁2または加熱管が多管式(図2)の場合ニードル様の絞り2’で百数十 〜数十Torrに減圧され、管外より熱媒体ジャケット9により加熱されながら 発泡し、著しく比容積を増すとともに、見かけ粘度を下げ、急速に(平均滞留時 間1分以下)加熱管3下部の真空槽4に至って泡を破裂させ、ポリマーは槽底に 、蒸発した溶剤およびモノマー蒸気(以下単に蒸気という)は出口6より導管を 通って真空排気され、コンデンサーで回収再利用される。槽底に溜まったポリマ ーはもはや千ppm程度以下しか揮発分を残留せず、230℃で1時間程度まで 滞留しても低分子量分を生成することも、黄変することもないが、槽底出口8よ り直ちにギアポンプ或いはスクリューポンプ11で押し出され、ノズルを通って ストランド状にされ、そしてカッターでペレット状にされ市販される。真空蒸発 管3は入口15および出口14を有する熱媒体ジャケット9で、また真空槽4は 入口12および出口13を有する熱媒体ジャケット10で230℃〜280℃に 維持される。
【0008】
【実施例】
以下本考案の実施例を説明する。 実施例1及び比較例 本考案による脱揮装置(図1) 予熱真空管 内径1.1cm、長さ25cmセラミックスクリューリボン 全長に内装直前にニードル弁 下部真空槽 内径9.5cm、長さ50cm 原料ポリマー溶液 ポリスチレン(PS) 198g/h スチレンモノマー(SM) 162g/h 合計 360g/h 温度 130℃ 真空管ジャケット熱媒体温度 230℃ Mw 320,000 Mn 170,000 Mw/Mn 1.89 出口ポリマー中の残留モノマー 710ppm 比較例による濡れ壁式 濡れ壁式加熱管 内径2.4cm、長さ50cmの濡れ壁管 内装物なし 約50cmの導管の前にニードル弁を設置 下部真空槽 内径9.5cm、長さ50cm 原料溶液 ポリスチレン(PS) 198g/h スチレンモノマー(SM) 162g/h 合計 360g/h 温度 130℃ 真空管ジャケット熱媒体温度 230℃ Mw 390,000 Mn 200,000 Mw/Mn 1.95 出口ポリマー中の残留モノマー 2,030ppm
【0009】 実施例2 実施例1と同じ改良脱揮装置にMMAポリマー100g/h,MMAモノマー 500〜700g/hの混合溶液を120℃,2kg/cm2 で供給し熱媒体温 度230℃で運転したところ、残留揮発分700ppmの無色のプラスチック光 ファイバグレードポリMMAを得ることが出来た。またプラスチック光ファイバ ーの鞘材となる弗素系ポリマーも同様条件で運転の結果、残留モノマー3000 ppm以下とする事が出来た。
【0010】
【考案の効果】
以上の結果より本考案による改良脱揮装置は、従来の濡れ壁式予熱管を持った 脱揮装置より明らかに、低分子量分の生成が少なく、従ってMw/Mnが小さく 、また低分子量に比例して残留モノマーが少ない製品ポリマーが得られ商品価値 が上がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例による脱揮装置を示す。
【図2】本考案の第2実施例による脱揮装置を示す。
【図3】図3は、図2のニードル様絞りの拡大断面図で
ある。
【図4】図4は、図2の管の拡大断面図である。
【符号の説明】
1:原料導入管 2:ニードル弁 3:真空加熱管 4:真空蒸発槽 6:揮発物出口 7:スクリューリボン 8:製品出口 9:熱媒体ジャケット 10:熱媒体ジャケット

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱揮すべき重合反応液または回収ポリマ
    ーの溶液よりなるポリマー溶液のための導入管と、該導
    入管に接続した減圧ニードル弁あるいはニードル様絞り
    と、前記弁または絞りに接続された、全長に亘って内部
    にセラミック製、アルミニウム製またはステンレススチ
    ール製のスクリューリボンを装入した真空予熱管と、前
    記予熱管の出口に接続された真空槽と、前記予熱管を前
    記真空槽とそれぞれ独立に温度コントロールできる熱媒
    体ジャケットとからなるポリマー溶液の脱揮装置。
  2. 【請求項2】 予熱管は単一の管とそれに装入した単一
    のスクリューリボンからなる請求項1のポリマー溶液の
    脱揮装置。
  3. 【請求項3】 予熱管は複数の管と各管に装入した1個
    のスクリューリボンからなる請求項1のポリマー溶液の
    脱揮装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004516172A (ja) * 2000-12-27 2004-06-03 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 物質交換プロセスを実施する装置
JP2008290044A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Hitachi Plant Technologies Ltd 液体濃縮システム
US8034217B2 (en) 2007-02-09 2011-10-11 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Liquid condensation system

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