JP3011024U - ジグソーパズル用ピース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オフセット印刷を可能にする。組込盤に組込
んで並べると、ピース相互が密着して切れ目を見えにく
く、かつ各ピースごとにばらけにくくする。生産性を改
善する。 【構成】 コルクでつくったピース本体１に引張られて
も伸びない裏打材２又は引張られても殆ど伸びない裏内
材２を貼る。裏打材２は、硬質塩化ビニル樹脂シート、
その他使用が考えられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ジグソーパズル用ピースの改良に関する。

【０００２】

【従来技術と問題点】

厚紙板の片面に表面印刷を施した後、所要形状に打抜いた構成である。 かかる構成の場合、ピースが弾性のない紙製のため、組込盤に組込んで並べた 場合、ピース相互間に打抜きによる切れ目がはっきり表われ、図柄が途切れて見 えるため、図柄として人の顔を採用しにくかった。 また、組込盤に組込んで並べた場合、前記のはっきり表われる切れ目のため、 せっかく組込んだ多くのピースが、上記切れ目から、各ピースごとにばらばらに なってしまうことが珍しくない。

【０００３】 さらに、ピースが厚紙製のため、製造工程における打抜き工程を一工程で終る ことに困難性があり、縦方向側と横方向側との二工程に分けて打抜いており、製 造工程の能率性が思わしくない。

【０００４】 本考案は、上記の問題点、コルク板にオフセット印刷されていないこと、コル クが弾性を有していること、等に着目してなしたもので、オフセット印刷された ピースの提供、組込んで並べると切れ目が見えず、かつばらばらになりにくいピ ースの提供、製造工程の能率性を改善し得るピースの提供等を目的とする。

【０００５】

【問題点解消のための技術手段】

ピース本体の材質をコルクにし、そのピース本体に、引張られても伸びない裏 打材又は引張られても殆ど伸びない裏打材を設けたということである。

【０００６】

【作用】

伸びない裏打材又は殆ど伸びない裏打材によってピース本体が伸びなくなり、 スクリーン印刷は勿論のこと、オフセット印刷することが可能になる。ピースを 組込盤に組込んで並べると、弾性によってピース相互がぴったりと密着する。

【０００７】

【実施例】

図面を参照しながら説明する。 ピース本体１は、表面に所望の図柄、絵画、文字、その他の印刷（不図示）が 予めオフセット印刷又は予めスクリーン印刷されたコルク板から打抜いて成形す る。（厚さは１〜２ｍｍ位）。 ピース本体１の材質であるコルクは、コルク樫の樹皮或いはゴム類を原材料に して製造されるため、軽い、弾性又は柔軟性に富む、吸湿しにくい、通気しにく いなどといった諸種の特性を有することに着目され、飲料水類、酒類などを密封 する栓としてよく使われている。

【０００８】 従って、コルクを材質とするピース本体１は、豊かな弾性又は柔軟性を発揮し 、引張られても伸びない裏打材２又は引張られても殆ど伸びない裏打材２が裏打 ちされて構成された沢山のピースＰを組込盤３に組込んで並べると、該ピース相 互がぴったりと隙間なく密着し、打抜きによる切れ目が殆ど見えなくなり、オフ セット印刷又はスクリーン印刷が途切れのない連続した印刷として見え、かつ各 ピースＰごとにばらばらになりにくくなる。 また、コルクを材質とするピース本体１は、弾性或いは柔軟性を発揮すること により、製造工程における縦方向側及び横方向側の打抜き工程を一回で終ること が可能になる。

【０００９】 ところで、コルク板に対する印刷技術としては、従来からスクリーン印刷が一 般的であり、オフセット印刷は採用されていなかった。その理由は、コルク板が 柔軟性を有することにより、オフセット印刷機の版胴，ゴム−ブラケット，圧胴 などの印刷用ロール間を通過させると引張られて伸び、厚肉部と薄肉部とが形成 されて肉厚が不均一になり、印刷斑が発生するからではないかと思われる。 本考案者は、コルク板にオフセット印刷しようとすると発生する上記問題点を なんとか解決できないかと研究を重ねた結果、コルク板を印刷に先立って伸びに くく工夫した。

【００１０】 このコルク板の工夫は、表面印刷に先立ってコルク板の裏面に、塩化ビニル樹 脂シート（厚さ０．５〜１．０ｍｍ位）、紙（厚さ０．０１〜４ｍｍ位）以外の たとえば屈撓可能に前処理された木材，製材を経木のように薄く削ったもの等の ように引張られても伸びにくい裏打材２を貼着して設けたことである。この裏打 材２は、厚い場合、コルク板の強度を改善し得るものの、該コルク板をオフセッ ト印刷機に具合よく通過させ難くなるので、余り厚くないほうが好ましく、逆に 薄い場合、コルク板の強度を考えて、コルク板にオフセット印刷した後の打抜き 成形前に、さらに適当枚数（たとえば、１〜２枚位）貼合わせるようにする。

【００１１】 上記のように裏打材２が設けられたコルク板をオフセット印刷機の印刷用ロー ル間に通過させれば、コルク板がオフセット印刷され、恰も布が印刷されたよう な多少ケバケバした独特の仕上りの加工品になるので、この加工品を所定の形状 に打抜き成形することによって、今迄の厚紙製ピースでは得られなかった外観， 触感のピースがＰ得られた。 処で、上記の裏打材２が設けられ、かつオフセット印刷されたコルク板は、そ のまま机上に敷く敷板（不図示）として使用可能である。

【００１２】 しかして、引張られても伸びない裏打材２の材質として、前記材質のほかにベ ニヤ板（厚さ２〜５ｍｍ位）を使用することが考えられるが、ベニヤ板は曲がり にくいため、コルク板に対する表面印刷に先立ってコルク板に裏打ちするとコル ク板をオフセット印刷機に具合よく通過させ得なくなるので、ベニヤ板を裏打材 ２として使用する場合の印刷技術としては、スクリーン印刷でコルク板の表面に 図柄、文字、絵画、その他の印刷（不図示）を施すようにする。 また、引張られても殆ど伸びない裏打材２の材質として、布帛、薄い硬質ゴム 、薄い発泡スチロール樹脂（俗称スチレンペーパー）などの使用が考えられ、こ れらの材質は曲がりやすいのでコルク板の表面印刷に先立ってコルク板に裏打ち すれば、コルク板をオフセット印刷機に通過させ得、コルク板に図柄、文字、絵 画、その他印刷（不図示）をオフセット印刷することが可能である。 これらの引張られても殆ど伸びない裏打材２の厚さは、前記した伸びない裏打 材２（経木のように木材を薄く削ったもの等）の場合と同様に、余り厚くないほ うが好ましく、逆に薄い場合は、コルク板の強度を考えて、コルク板にオフセッ ト印刷した後の打抜き成形前に、さらに適当枚数貼合わせるようにする。 上記の引張られても殆ど伸びない裏打材２が設けられたコルク板をピース成形 の為に型抜きする際、打抜刃（不図示）がコルク板に押入ると、コルク板が打抜 刃で圧縮されて膨らむが、この時に上記裏打材２も一緒に押されて縮んで切断さ れる。そして、打抜刃が抜かれてピースが成形されると、各ピースが切れ目に向 って四方へ伸び、隣のピースに密着するが、この時に前記殆ど伸びない裏打材２ も一緒に切れ目に向って四方へ伸び、隣の裏打材２に密着するという挙動が考え られる。 これを要するに、引張られても殆ど伸びない裏打材２は、ピース成形の為の型 抜きの際に、コルク板及び該コルク板から成形された多数のピースの伸縮と同じ ような挙動をすることが考えられるが、その理由は、上記裏打材２が多少伸びる 材質であるからであると思われる。

【００１３】 しかして、引張られても伸びない裏打材２又は引張られても殆ど伸びない裏打 材２が設けられたコルク板に対する印刷技術は、スクリーン印刷を採用しても構 わないものである。 ところで、コルク板の表面及び裏打材２の表面に夫々図柄、文字、絵画、その 他の印刷（不図示）を施し、ピース本体１を両面印刷して構成することにより、 両面使用可能なジグソーパズル用ピースＰを構成することが可能である。 この場合、両面の印刷は無関係なストーリーのものでも、関係のあるストーリ ーのものでも差支えなく、適宜に選択するようにする。

【考案の効果】

本考案は、叙上のようにピースの材質をコルクにしたから、弾性豊かなピース が得られる。 従って、組込盤に組込んで並べると、沢山のピースがぴったりと隙間なく密着 し、打抜きによる切れ目が殆ど見えなくなり、表面印刷が途切れのない連続した 印刷として見え、今迄図柄として採用しにくかった人の顔を積極的に採用するこ とができるようになると共に、各ピースごとにばらばらにばらけるようなことが 起りにくくなる。

【００１４】 また、引張られても伸びない裏打材又は引張られても殆ど伸びない裏打材をコ ルク板の裏面に設けて印刷するから、スクリーン印刷は勿論のこと、従来はコル クに印刷不可能であったオフセット印刷が可能になり、今迄得られなかった独特 の外観、触感のピースが得られると共に、コルクに対する印刷技術の選択幅が広 くなる。 そして、該ピースは、弾性或いは柔軟性に富むことにより、製造工程における 打抜き工程を一回で済ませることができ、製造工程の能率性を改善し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案ピースの斜視図。

【図２】 ピースを組込盤に組込んだ状態を示す斜視
図。

【図３】 図２の（３）−（３）線による縦断面図。

【符号の説明】

Ｐ…ピース １…ピース本体 ２…裏打材 ３…組込盤

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面印刷が施されるピース本体をコルク
   で成形すると共に、該ピース本体に、塩化ビニル樹脂シ
   ート、紙以外の引張られても伸びない裏打材を設けたジ
   グゾーパズル用ピース。
2. 【請求項２】 表面印刷が施されるピース本体をコルク
   で成形すると共に、該ピース本体に、引張られても殆ど
   伸びない裏打材を設けたジグソーパズル用ピース。
3. 【請求項３】 ピース本体の表面印刷がオフセット印刷
   である請求項１又は請求項２記載のジグソーパズル用ピ
   ース。
4. 【請求項４】 ピース本体の表面印刷がスクリーン印刷
   である請求項１又は請求項２記載のジグソーパズル用ピ
   ース。