JP2954046B2 - コースター - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コースターの改良
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コースターは様々な材料で成形されてい
る。その一つとして図２に示すようなコルク製のコース
ターＡがある。コルクはコルク樫の樹皮或いはゴム類を
原材料にして製造されることから、軽い、弾性または柔
軟性に富む、吸湿しにくい、通気しにくい、摩擦抵抗が
大きく濡れた使用場所でも滑らない等の諸種の特性を有
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、コルク単体で
成形されていると組織の柔軟性を要因として縁部分が剥
離し、欠ける問題がある。その上、このコースターに印
刷を施す方法はスクリーン印刷が一般的であり、オフセ
ット印刷は採用されていなかった。その理由はコルク板
が柔軟性を有することによってオフセット印刷機の版
胴、ゴムブランケット、圧胴等の印刷用ロール間を通過
させると引っ張られて延伸し、厚肉部と薄肉部とが形成
されて肉厚が不均一になり、歩留まりが低下したり、印
刷斑を発生させることが原因として挙げられる。また、
コースターはコルク単体で成形されているいないに関わ
らず、一枚板状になっており、面白みのないのが現状で
あった。尚、厚肉化すれば剛性を付与できることから縁
部分の剥離、欠けを防止可能であるが、高価になるばか
りでなく、オフセット印刷機に具合よく通過させにくく
なり、所定の印刷が行えなくなる。

【０００４】本発明は、従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は高価なコルクの使用を少なく抑
制した上で厚肉化することなく剛性を付与して（丈夫に
して）、コルクの特性を阻害せずに耐久性、使用勝手を
向上させ、しかも遊びができ、更に独特な外観、触感を
得ることができるコースターを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、表裏板をコルクで成形し、且つ
その表裏板間に引っ張られても延伸しない材料からなる
芯板を介在したサンドイッチ構造とし、表板のコルク表
面にオフセット印刷を施し、更にジグソーパズルを構成
していることを要旨とする。前記引っ張られても延伸し
ない材料としては塩化ビニール樹脂シート（厚さ０．５
〜１．０ｍｍ程度）、紙（厚さ０．０１〜０．４ｍｍ、
好ましくは厚さ０．３〜０．４ｍｍ程度のボール紙）、
前記塩化ビニール樹脂シートや紙と同様厚みのスチレン
ペーパー等が挙げられる。

【０００６】上記技術的手段によれば下記の作用を奏す
る。上記技術的手段によれば、引っ張られても延伸しな
い材料からなる芯板が、厚肉化することなくコルク製の
コースターに剛性を付与する。また、引っ張られても延
伸しない材料からなる芯板の補強機能によって旧来では
印刷不適合であったオフセット印刷を可能とし、オフセ
ット印刷によって多少ケバケバした独特の表面仕上げに
して今まで得られなかった外観・触感のコースターを得
る。 そして、分割されたピースを選択しての組み合わせ
を繰り返す組み付け遊びでコースターが完成すると同時
に所定の印刷（図柄、人の顔等）が表現される。また、
完成したジグソーパズルはコルクの柔軟性が有効に作用
して切目が殆ど見えず、途ぎれのない連続した所定の印
刷（図柄、人の顔）を表現し、且つピース相互がばらけ
ない結合力を発揮する。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１はコースターの実施の形態を
示している。図１に基づいて説明すると、

【０００８】符号Ａはコースターであり、表裏板１、３
をコルクで成形し、且つその表裏板１、３間に引っ張ら
れても延伸しない材料からなる芯板２を介在したサンド
イッチ構造にしてある。

【０００９】このコースターＡは厚みを１〜２ｍｍ程度
とし、ボール紙（厚さ０．０１〜０．４ｍｍ程度）の芯
板２の表裏にコルク製の表板１、裏板３を各々貼着して
成形されている。

【００１０】このコースターＡ表面への印刷は裏板３を
貼着する前、即ち表板１と芯板２からなる中途成形段階
でオフセット印刷によって行われる。印刷は図柄、人の
顔、絵画、文字等適宜看者の目を惹くものを表現する。

【００１１】前記芯板２は厚肉化を招くことなく強度を
増強しようとするものであり、厚い場合にはオフセット
印刷機に具合良く通過させにくくなり、逆に薄い場合に
は所望する強度が得にくくなる。テストによれば０．０
２〜０．０４ｍｍ程度の厚みのボール紙を使用した場合
に強度が満足され、またオフセット印刷した際の厚みを
均一に保持する好結果が得られた。

【００１２】前記のように裏板３を貼着する前に表板１
と芯板２とからなる中途成形段階のコースターをオフセ
ット印刷機の印刷用ローラ間に通過させるとコルク製の
表板１の表面にオフセット印刷されるが、コルクとオフ
セット印刷との整合によるものと考えられるが、恰も布
が印刷されたように多少ケバケバした独特な表面仕上が
りの加工品となる。

【００１３】裏板３はオフセット印刷を表面に施した
後、芯板２の裏面に貼着される。

【００１４】このようにコルク製の表裏板１、３間に引
っ張られても延伸しない材料からなる芯板２を介在した
サンドイッチ構造のコースターＡはコルク単体で成形さ
れているコースターのように敢えて厚肉にすることなく
強度を増強して縁部分からのコルクの剥がれ、欠落を防
止し、合わせてオフセット印刷を可能にして独特な触
感、外観を得ることができる。

【００１５】またこのコースターＡは、遊びながら組み
付けられるジグソーパズルＢを構成している。

【００１６】コースターＡはコルクの豊かな弾性、柔軟
性の着目してなされたものであり、その豊かな弾性、柔
軟性故にピースｂ…相互がぴったりと隙間なく密着し、
打ち抜きによる切目ｂ１が殆ど見えなくなり、オフセッ
ト印刷が途切れのない連続した印刷として視覚に入り、
また各ピースｂ…がばらばらになりにくくなる。

【００１７】打ち抜きは印刷し、裏板３を芯板２の裏面
に貼着した後に行われる。

【００１８】また、ジグソーパズルＢで構成されたコー
スターＡの場合には図示では平面視方形状を呈している
が、外観形状を所望の平面視形状を形作るようにしても
良いものである。例えば印刷が人の顔であればコースタ
ーＡの平面視形状も人の顔という具合にである。このよ
うにすると組み付け遊びもより面白いものになるし、使
用者の好みや顧客の好みで使い分けることによって利用
度が増大する。

【００１９】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したから、引
っ張られても延伸しない材料からなる芯板によってコー
スターが丈夫になってコルクが剥がれたりせず、耐久性
を高め、使用勝手を良くすることができるし、コルクの
特性を生かしながらコルク使用量を低減させ、低廉下で
提供することができる。その上、引っ張られても延伸し
ない材料からなる芯板を設けて印刷するから、延伸がな
くなり、従来はコルクに印刷不可能であったオフセット
印刷によって表面が多少ケバケバした独特な外観・触感
のコースターが得られ、商品価値多大である。 更に、分
割されたピースを組み付けてジグソーパズルが完成した
時点で表面の印刷（図柄や人の顔等）も出来上がること
から、遊び道具としても使用でき、面白みのある有意義
なコースターとなる。 しかも、このジグソーパズルはコ
ルクの柔軟性で切目が殆ど見えず、途ぎれのない連続し
た所定の印刷を表現できるから、今まで採用しにくかっ
た人の顔を積極的に採用することができるし、使用時に
バラバラになる心配もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】引っ張られても延伸しない材料からなる芯板を
介在し、更にジグソーパズルで構成した場合のコースタ
ーの斜視図で一部切欠して示す。

【図２】従来のコースターの斜視図で一部切欠して示
す。

【符号の説明】

Ａ ：コースター Ｂ ：ジグソーパズル １ ：表板 ３ ：裏板 ２ ：引っ張られても延伸しない材料からなる芯板 ｂ ：ピース ｂ１：切目

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表裏板をコルクで成形し、且つその表裏
   板間に引っ張られても延伸しない材料からなる芯板を介
   在したサンドイッチ構造とし、表板のコルク表面にオフ
   セット印刷を施し、更にジグソーパズルを構成している
   ことを特徴とするコースター。