JP3010486B2 - 磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

磁気共鳴撮影装置

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JP3010486B2
JP3010486B2 JP10027005A JP2700598A JP3010486B2 JP 3010486 B2 JP3010486 B2 JP 3010486B2 JP 10027005 A JP10027005 A JP 10027005A JP 2700598 A JP2700598 A JP 2700598A JP 3010486 B2 JP3010486 B2 JP 3010486B2
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智嗣 平田
久晃 越智
啓二 塚田
博道 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴撮影装
に係り、特に、高周波磁場パルスとしてバースト波を用
いて磁気共鳴スペクトロスコピックイメージ(画像)を
取得して診断等に用いる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴状態では、同じ種類の原子核
を含む物質であっても、分子構造が異なれば共鳴周波数
がわずかに変化する。これは、ケミカルシフトと呼ばれ
る現象であり、この現象を利用すれば、物質ごとの共鳴
信号を分離することができる。磁気共鳴スペクトロスコ
ピックイメ−ジング (Magnetic ResonanceSpectroscopi
c Imaging : MRSI) は、上記のようにして分離された信
号に対応する物質ごとに、その空間分布を画像化する手
法である。
【0003】一般的なMRSIの一手法として、ジャー
ナル オブ マグネティック レゾナンス第61巻 : 第188-
191頁 (1985年) に記載された4-Dimensional ChemicalS
hift Imaging (4D-CSI) のパルスシーケンスを図23に
示し、その動作について次に説明する。
【0004】まず、核磁化励起用の高周波磁場パルスR
1には、磁気共鳴信号の検出プローブにより検出され
る横磁化の大きさを最大にするため、通常はフリップ角
の大きさを90°にした、いわゆる90°パルスが用い
られる。そして、高周波磁場パルスRF1を、Z軸方向
に強度の勾配(傾斜)を有するスライス(ボリューム)選
択用の傾斜磁場Gs1と同時に印加することにより、Z
軸に垂直な所定の厚みを有するスライス(ボリューム)領
域内に含まれる核スピンの磁化を選択的に励起する。次
に、この励起により生じる磁化に対して、X軸、Y軸及
びZ軸方向に強度の勾配を有する位相エンコード用の傾
斜磁場Ge1、Ge2及びGe3を印加することにより、
各磁化の位相にX軸、Y軸及びZ軸方向の空間情報を付
与する。さらに、RF1の印加からTE/2後に(TE=
エコータイム)、核磁化反転用の高周波磁場パルスRF2
(180°パルス)と、Z軸方向に強度の勾配を有するス
ライス(ボリューム)選択用の傾斜磁場Gs2を同時に印
加することにより、静磁場不均一により位相が互いにず
れていた核スピンの磁化を再び収束させて、RF2の印
加からTE/2後に磁気共鳴信号であるスピンエコー信
号を発生させる。
【0005】このスピンエコー信号には、前述のケミカ
ルシフト情報が含まれており、スペクトル点数をn(整
数)とする場合は、n点のサンプリングを行う。そし
て、サンプリングしたスピンエコー信号に逆フーリエ変
換を施すことにより、磁気共鳴スペクトルを得ることが
できる。なお、スペクトル帯域Fはサンプリング間隔Δ
tの逆数で決まり、スペクトル分解能Δfはサンプリン
グ期間T(=Δt×n)の逆数で定まる。
【0006】上記の一連の励起及び計測過程を、G
1、Ge2及びGe3の印加強度を段階的に変化させ、
X軸、Y軸及びZ軸方向のピクセル数(画素数)に相当
する回数分、TRの間隔で繰り返す。これにより、ケミ
カルシフト情報、X軸、Y軸及びZ軸方向の空間情報を
含んだ磁気共鳴信号Sigを得ることができる。
【0007】ここで、図23の撮影シーケンスの繰り返
し時間TRは、励起された核スピンの縦磁化が元の熱平
衡状態に自然に回復する時間(縦緩和時間)に応じて決め
られる。この縦緩和時間は、物質ごとに異なり、また、
その物質の置かれた物理的及び化学的状態によっても変
化する。そして、磁気共鳴信号Sigに対して、計測次元
(軸)ごとに逆フーリエ変換を施すことにより、4次元ス
ペクトロスコピックイメージを得ることができる。例え
ば、空間マトリクス数mx×my×mzからなる画像を
得るためには、計測時間としてmx×my×mz×TR
が必要とされる。例えば、mx=my=mz=16、T
R=2秒とすると、計測時間は136.5分になり、か
なり長い時間が必要になる。
【0008】この計測時間を短縮する高速MRSIの一
手法として、ジャーナル オブ マグネティック レゾナ
ンス シリーズ ビー第110巻 : 第278-283頁 (1996年)
に記載されたSingle-Shot Spectroscopic Imaging (S
ISSI) のパルスシーケンスが提案されており、これ
を図24に示す。この方法では、核磁化励起用の高周波
磁場パルスRF1として、バースト波を用いている。通
常、このバースト波は、横磁化を最大にするためバース
ト波のフリップ角の大きさの合計を90°に設定されて
いる。ここで、バースト波とは、図25(a)に示すよ
うに、複数の高周波磁場パルスをサブパルス101とし
て、時間軸上に離散的に配列してなる一連の高周波磁場
パルスをいう。この時間軸上のバースト波をフーリエ変
換すると、図25(b)に示すように、周波数軸上でも
時間軸上とよく似たバースト形状となる。いま、時間軸
上のバースト波のサブパルス101の間隔をτ、全体の
時間幅をWとすると、周波数軸上のバースト波を構成す
る方形波102の幅は1/W、方形波の間隔は1/τの
関係になる。
【0009】ここで、図24の高周波磁場パルスRF1
を構成する1つ1つのサブパルス101は、図26
(a)に示すように、磁気共鳴周波数(搬送周波数)10
3で周波数変調されたパルスである。この磁気共鳴周波
数で周波数変調されたサブパルス101を、この明細書
では説明を簡単にするため、図26(b)に示すよう
に、時間軸の上側にサブパルス101の時間幅と振幅と
を有する外形として表現する。また、図26(c)は、
図26(a)に示したサブパルス101に対して、位相
が反転したサブパルス101’である。これも同様に、
図26(d)に示すように、時間軸の下側にサブパルス
101’の時間幅と振幅を有する外形として表現し、図
26(a)のサブパルス101と区別する。
【0010】ところで、X軸方向に強度勾配を有する傾
斜磁場Gr1とバースト状の高周波磁場パルスRF1を被
検体に同時に印加すると、図27に示すように、細いス
トリップ状のストリップ領域103内に存在する原子核
のみが励起される。図27のストリップ領域103の実
空間上の位置は、時間軸上のバースト波のサブパルス1
01の間隔τと、傾斜磁場Gr1の強度勾配によって決
まる。例えば、τ=200マイクロ秒、Gr1=46.
5ミリテスラ/メートルとする。ここで、1テスラの磁
場強度における水素原子核の磁気共鳴周波数は、約43
メガヘルツであるため、強度勾配Gr1=46.5ミリ
テスラ/メートルの傾斜磁場の下では、1ミリメートル
離れた水素原子核の磁気共鳴周波数は、約2キロヘルツ
異なることになる。サブパルス101の間隔τ=200
マイクロ秒の時間軸上のバースト波を、フーリエ変換し
た周波数軸上のバースト波の方形波102の間隔1/τ
であるから、5キロヘルツになる。その結果、実空間上
では、X軸方向に2.5ミリメートルおきに、原子核が
励起される細いストリップ状のストリップ領域103が
存在することになる。
【0011】次に、RF1の印加からTE/2後に、核
磁化反転用の高周波磁場パルスRF2(180°パルス)と、
Z軸方向に強度勾配を有するスライス選択用の傾斜磁場
Gs1を同時に印加する。これにより、ストリップ状の
励起領域を含むZ軸に垂直な所定の厚みを有するスライ
ス領域内に含まれる核スピンの磁化が選択的に反転さ
れ、静磁場不均一により位相が互いにずれていた核スピ
ンの磁化が再び収束する。これにより、RF2の印加か
らTE/2後にスピンエコー信号Sigが発生することに
なる。
【0012】このスピンエコー信号Sigを計測する際
に、X軸方向に強度勾配を有するリードアウト用の傾斜
磁場Gr2を印加する。これにより、Gr1の印加によっ
て位相が互いにずれていたストリップ領域103に含ま
れる原子核の磁気モーメントの位相が再び揃い、RF1
のバースト波のサブパルス101の数と同数のグラジエ
ントエコー信号群からなるグラジエントエコートレイン
Sigiが観測される。このSigiに含まれる各グラジエン
トエコー信号には、同じX軸方向の位置情報が周波数情
報としてエンコード(周波数エンコード)されており、
X軸方向のマトリクス数(リードアウト点数)をmxとす
る場合は、各エコー毎にmx点のサンプリングを行う。
【0013】また、図24に示すように、Gr1と同時
に、Y軸方向に強度勾配を有する位相エンコード用の傾
斜磁場Ge1を印加することにより、エコー毎に異なる
Y軸方向の位置情報を位相エンコードさせることができ
る。その結果、1つのグラジエントエコートレインSig
iに含まれるエコーの数が、Y軸方向のマトリクス数m
y(エンコード点数)になる。したがって、1つのグラジ
エントエコートレインSigiに対して、計測次元(X軸、
Y軸)ごとに、逆フーリエ変換を施して画像の再構成を
することにより、1枚の2次元画像(通常の磁気共鳴画
像)を得ることができる。
【0014】なお、図24において、Y軸方向に強度勾
配を有するGe2は、中心のグラジエントエコー信号Si
gkにY軸方向のゼロエンコード情報(中心位置情報)を
付与するために印加する。さらに、Gr2の強度勾配の
極性を周期的に反転させて繰り返し印加することによ
り、連続的に、グラジエントエコートレインSig1、Si
g2、・・・、Sigi、・・・、 Signを発生させること
ができる。これらの各グラジエントエコートレインSig
1、Sig2、・・・、Sigi、・・・、Signには、各サン
プリング時刻とエコータイムTEとの時間差に応じて、
n個の異なるケミカルシフト情報が周波数エンコードさ
れている。
【0015】ここで、スペクトル帯域Fは、各グラジエ
ントエコートレインSigiとSigi+1の間隔Δtの逆数で
決まる。また、スペクトル分解能Δfは、サンプリング
期間T(=Δt×n)の逆数で定まる。したがって、図
24のパルスシーケンスによる1回の励起及び計測で、
ケミカルシフト情報、X軸及びY軸方向の空間情報を含
んだ磁気共鳴信号を得ることができる。そして、この磁
気共鳴信号に対して、計測次元(軸)毎に逆フーリエ変換
を施すことにより、3次元スペクトロスコピックイメー
ジを得ることができる。
【0016】図28は、Z軸方向に強度勾配を有する第
2位相エンコード用の傾斜磁場Ge3を用いて、4次元
化した場合のSISSIのシーケンスである。このシー
ケンスを用いて、空間マトリクス数mx×my×mzの
画像を得るには、計測時間としてmz×TRが必要とな
る。これは、4D−CSIの計測時間の1/(mx×m
y)に相当するから、例えば、mx=my=mz=16
としたとき、計測時間を1/256に短縮することが可
能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術」
によるSISSIによる磁気共鳴撮影方法によれば、高
速に磁気共鳴スペクトロスコピック画像を撮影できる
が、画像のS/N比(SNR:Signal-to-Noise Rati
o)が悪いという欠点がある。
【0018】すなわち、図25(a)に示した同一のサ
ブパルス101のパルス列からなるバースト波を、高周
波磁場パルスRF1として用いると、図27に示したス
トリップ領域103に含まれる原子核しか励起されな
い。これを図25(b)に示した周波数軸上でみると、
方形波102の周波数帯域(τ/Wに相当)が狭いこと
からも説明できる。
【0019】本発明が解決しようとする課題は、磁気共
鳴スペクトロスコピック画像のSNRを改善することに
ある。
【0020】また、磁気共鳴スペクトロスコピック画像
の計測時間を短縮することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、基本的に、励起用の高周波磁場パルスとし
て、時間軸上に離散された複数の高周波磁場サブパルス
を、極性反転を繰り返しかつ極性反転毎に振幅が変化す
る関数(例えばsinc関数であり、以下、簡単のため特定
変調関数という。)で変調したバースト波を用いること
を特徴とする。
【0022】このような特定変調関数で振幅変調したバ
ースト波は、特定変調関数の周期をTとし、サブパルス
の間隔をτとすると、周波数軸上のバースト波の方形波
の幅は1/T、方形波相互の間隔は1/τとなる。した
がって、1つの方形波の幅が相互の間隔に占める割合
は、τ/Tとなる。図25に示した従来のバースト波の
全体幅Wと上記Tとの関係はW>Tであるから、本発明
によれば周波数軸上の方形波の周波数帯域を十分に広く
することができる。その結果、本発明の特定変調関数で
振幅変調したバースト波により被検体を励起すると、サ
ブパルスに対応したストリップ領域のみだけでなく、ス
トリップ領域に挟まれた領域にも励起領域が広がり、エ
コー信号の強度が増加してSNRが改善される。
【0023】具体的には、被検体が置かれる空間に静磁
場を発生する静磁場発生手段と、前記空間に互いに直交
する3軸方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段
と、前記空間に高周波磁場を発生する高周波磁場発生手
段と、前記被検体から発生する磁気共鳴信号を検出する
信号検出手段と、該信号検出手段により得られた磁気共
鳴信号に基づいて処理演算を行う演算手段と、前記各手
段を制御するシーケンス制御手段とを備えてなる磁気共
鳴撮影装置において、前記高周波磁場発生手段は、時間
軸上に離散された複数の高周波磁場サブパルスを、極性
反転を繰り返しかつ極性反転毎に振幅が変化する関数で
振幅変調した励起用のバースト高周波磁場パルスを発生
するものとする。そして、シーケンス制御手段は、前記
傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場発生手段とを制御し
て、直交3軸方向の傾斜磁場のうち第1軸方向と第2軸
方向の傾斜磁場と前記バースト高周波磁場パルスとを、
又は第1軸方向の傾斜磁場と前記バースト高周波磁場パ
ルスとを、前記被検体に同一時に印加して前記被検体を
励起させる第1段階と、該第1段階の後に、前記直交3
軸方向の傾斜磁場のうちの第2軸と第3軸の少なくとも
いずれかの軸方向の傾斜磁場を位相エンコード用傾斜磁
場として印加する第2段階と、該第2段階の後に、前記
被検体に前記直交3軸方向の傾斜磁場のうちの第1軸と
第3軸のいずれかの軸方向の傾斜磁場と、核磁化反転用
の高周波磁場パルスを印加する第3段階と、該第3段階
の後に、前記被検体に第1軸方向の傾斜磁場の傾斜極性
を反転させながらリードアウト用傾斜磁場として繰り返
し印加するとともに、前記傾斜極性の少なくとも一方の
極性の印加に合わせて前記被検体から発生する磁気共鳴
信号を繰り返し検出させる第4段階からなる撮影制御手
順を実行するものとする。そして、前記演算手段は、前
記磁気共鳴信号を用いて磁気共鳴スペクトロスコピック
画像を再構成するものとする。
【0024】この場合において、前記第3軸方向の強度
を変化させながら、前記第1から4段階の動作を繰り返
し実行する第5段階を付加することにより、画像の計測
次元を増やすことができる。
【0025】第3段階の核磁化反転用の高周波磁場パル
スとして、極性反転を繰り返しかつ極性反転毎に振幅が
変化する関数で振幅変調してなる連続した高周波磁場パ
ルスを用いることができる。
【0026】また、第3段階の磁化反転用の高周波磁場
パルスとして、核磁化励起用の高周波磁場パルスと同様
のバースト波を用い、核磁化反転用の高調波磁場パルス
の印加とともに第1軸方向の傾斜磁場を印加することが
好ましい。これによれば、励起用の高周波磁場パルスと
第1軸方向の傾斜磁場によって励起されたストリップ状
の励起領域の核スピンを選択的に反転させることができ
る。その結果、選択されなかったストリップ領域の核ス
ピンの縦磁化の大きさの低減が抑えられるから、1つの
ストリップ領域からのエコー信号取得後、縦磁化の回復
を待たずに、直ちに他のストリップ領域を励起・反転さ
せることができる。したがって、核磁化励起用と核磁化
反転用の高周波磁場パルスの中心周波数を、ストリップ
領域の幅に応じて順次ずらすことにより、縦磁化の回復
を待たずに順次隣のストリップ領域からのエコー信号を
取得することができ、撮影時間ないし計測時間を短縮で
きる。この場合に、第3軸方向の傾斜磁場(位相エンコ
ード用傾斜磁場)の強度を変化させずに上記操作を繰り
返すと、各ストリップ領域から同じ第2位相エンコード
が付与されたエコー信号が得られるので、それらのエコ
ー信号を加算することにより、撮影対象全域からのエコ
ー信号を得ることができるので、SNRを改善すること
ができる。これに代えて、励起・反転の繰返しごとに、
第3軸方向の傾斜磁場(位相エンコード用傾斜磁場)の
強度を変化させると、4次元のMRSIが得られ、かつ
その計測時間を短縮することができる。
【0027】上記において、リードアウト用傾斜磁場の
波形は、傾斜極性が正極性時と負極性時とで異なるもの
でも、同一のものでもよい。
【0028】
【0029】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。 (第1実施の形態) 図1に、本発明に係る磁気共鳴撮影装置の主要部である
撮影シーケンスの一実施の形態を示し、図2に、図1の
撮影シーケンスを適用してなる磁気共鳴診断装置の一実
施形態のブロック構成図を示す。
【0030】図2に示すように、被検体1は、静磁場発
生マグネット2により生成される静磁場および傾斜磁場
発生コイル3により生成される直交3軸方向の傾斜磁場
が印加される空間に置かれる。各コイルに流す電流を変
化させることにより、静磁場の均一度を調整することの
できるシムコイル11を備えてもよい。被検体1に対
し、プロ−ブ4により生成される高周波磁場を照射して
磁気共鳴現象を生じさせるとともに、被検体1から発生
する磁気共鳴信号をプロ−ブ4により検出するようにな
っている。計算機5は、検出された磁気共鳴信号を取り
込み、被検体1の撮影部位の画像情報を生成してディス
プレイ6に表示する。シムコイル11を駆動するシム用
電源部12、傾斜磁場発生コイル3の傾斜磁場用電源部
7、送信器8および受信器9は、シ−ケンス制御装置1
0により図1に示すシーケンスに従って制御されるよう
になっている。また、必要に応じて、記憶媒体13に測
定条件、計測信号、画像情報等を記憶させるようになっ
ている。
【0031】ここで、図1に示した本発明の特徴である
シーケンスを説明する。
【0032】まず、静磁場内に置かれた被検体に、直交
3軸(X、Y、Z)方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzの
うちの2軸方向の傾斜磁場Gx、Gyを用いてGr1
Ge1とを印加しながら、励起用の高周波磁場パルスR
1(90°パルス)を同一時に印加して、被検体を励
起させる。これにより、図27に示した細いストリップ
状のストリップ領域103内に存在する原子核のみが励
起される。次いで、残りの軸方向の傾斜磁場Gzを用い
てGe3を印加する。一般に、傾斜磁場Gr1はリードア
ウト軸方向のディフェイズ用の傾斜磁場と称され、傾斜
磁場Ge1及びGe3は、位相エンコード用の傾斜磁場と
称される。
【0033】次いで、RF1印加の中心からTE/2経
過時に、Gz方向の傾斜磁場Gs1を印加しながら、核
磁化反転用の高周波磁場パルスRF2(180°パル
ス)を印加する。ここで、傾斜磁場Gs1は一般にスラ
イス選択用の傾斜磁場と称されている。この操作によ
り、ストリップ状の励起領域を含むZ軸に垂直な所定の
厚みを有するスライス内に含まれる核スピンの磁化を選
択的に反転し、静磁場不均一により位相が互いにずれて
いた核スピンの磁化を再び収束させる。
【0034】その後、被検体に励起時に印加した傾斜磁
場の1つの傾斜磁場、図1では傾斜磁場Gxをリードア
ウト用傾斜磁場Gr2として繰り返し印加する。この繰
り返し印加の際に、傾斜磁場の傾斜極性(すなわち、勾
配の向き)を反転させて印加する。そして、傾斜極性の
少なくとも一方の極性の印加に合わせて、被検体から発
生する磁気共鳴信号、つまり一群のエコー信号からなる
グラジエントエコートレインSigiを繰り返し検出す
る。ここで、リードアウトのタイミングは、RF2印加
からTE/2時間経過時に、グラジエントエコートレイ
ンの中心が位置するようなタイミングとする。なお、リ
ードアウト用傾斜磁場Gr2を印加する前に、位相エン
コード用傾斜磁場Ge2を印加しているのは、中心のグ
ラジエントエコー信号にY軸方向のゼロエンコード情報
を付与するためである。
【0035】観測されるグラジエントエコートレインS
igiに含まれるエコーの数は、RF1のバースト波のサブ
パルス101の数と同数になる。そして、このSigiに
含まれる各グラジエントエコー信号には、同じX軸方向
の位置情報が周波数情報としてエンコード(周波数エン
コード)されており、X軸方向のマトリクス数(リード
アウト点数)をmxとする場合は、各エコー毎にmx点
のサンプリングを行う。また、Gr1と同時に、Y軸方
向に強度勾配を有する位相エンコード用の傾斜磁場Ge
1を印加しているので、各グラジエントエコー信号に
は、エコー毎に異なるY軸方向の位置情報が位相エンコ
ードされている。その結果、1つのグラジエントエコー
トレインSigiに含まれるエコーの数が、Y軸方向のマ
トリクス数my(エンコード点数)になる。したがって、
1つのグラジエントエコートレインSigiに対して、計
測次元(X軸、Y軸)ごとに、逆フーリエ変換を施して画
像の再構成をすることにより、1枚の2次元画像(通常
の磁気共鳴画像)を得ることができる。
【0036】そして、各グラジエントエコートレインS
ig1、Sig2、・・・、Sigi、・・・、Signには、各サ
ンプリング時刻とエコータイムTEとの時間差に応じ
て、n個の異なるケミカルシフト情報が周波数エンコー
ドされているので、図1のシーケンスによる1回の励起
及び計測で、ケミカルシフト情報、X軸及びY軸方向の
空間情報を含んだ磁気共鳴信号を得ることができ、これ
に基づいてスペクトロスコピック画像を得ることができ
る。
【0037】このような1回の計測を、第2位相エンコ
ード用傾斜磁場であるZ軸方向の傾斜磁場Ge3の強度
を、図中に点線で示したように変化させながら、必要な
回数実行することにより3次元の画像情報を計測するこ
とができる。
【0038】ここで、本発明の特徴である、励起用の高
周波磁場パルスRF1として、時間軸上に離散された複
数の高周波磁場サブパルスを極性反転を繰り返しかつ極
性反転毎に振幅が変化する関数で変調したバースト波に
ついて、図3〜6を用いて詳細に説明する。図1の核磁
化励起用の高周波磁場パルスRF1は、図3に示すよう
に、16個の高周波磁場サブパルス(以下、単にサブパ
ルスという)101時間軸上に離散して配列し、そのサ
ブパルス列をsinc関数で振幅変調したバースト波であ
る。
【0039】ここで、sinc関数で振幅変調したバースト
波を生成する装置構成の一例を図5に示す。まず、発信
器21により所定の磁気共鳴周波数で周波数変調された
一定の時間幅と振幅を有する高周波磁場パルス22を発
生する。次に、この高周波磁場パルス22を一定時間間
隔で電圧のオン-オフを繰り返す装置23に入力して一
定振幅で一定周期の離散サブパルスからなるバースト波
24を生成する。そして、そのバースト波24を、位相
反転装置25に入力し、所望の変調態様に応じて1つ1
つのサブパルスの位相を適宜反転する。次に、位相反転
したバースト波26を、増幅率がsinc関数の絶対値に従
って変化する増幅器27に入力し、所望とするsinc関数
で振幅変調したバースト波28を生成することができ
る。なお、位相反転装置25と増幅器27の順序は入れ
替えても構わない。また、1個のサブパルスの振幅は、
図6(a)に示すようにsinc関数に従って変化させるこ
とが望ましいが、装置の簡単化のため、図6(b)に示
すように平均的な一定値にしても構わない。
【0040】このようにして図7のバースト波が得られ
る。図7のような時間軸上のバースト波をフーリエ変換
すると、図8に示すように周波数軸上では特定の幅を持
った方形波の周期波となる。ここで、時間軸上のバース
ト波の間隔をτとすると、周波数軸上の方形波の周期は
1/τとなる。また、時間軸上のバースト波を振幅変調
したsinc関数の周期をTとすると、周波数軸上の方形波
の幅は1/Tとなる。
【0041】したがって、1つの方形波の幅が方形波の
周期に占める割合は、τ/Tとなり、図25に示した従
来のバースト波の場合に比べて、図1実施の形態によれ
ば、周波数帯域を十分に広くすることができる。その結
果、図27に示したストリップ103の領域のみだけで
なく、ストリップ103の間の領域にも励起領域が広が
り、エコー信号の強度が増加してSNRが改善される。
例えば、時間軸上のバースト波の間隔、つまりサブパル
ス101の間隔τを216マイクロ秒、バースト波を振
幅変調したsinc関数の周期Tを240マイクロ秒とし、
これをフーリエ変換すると図4に示すような周波数軸上
では周期的な方形波102からなるバースト波になる。
ここでは、時間軸上のバースト波の個数を有限の数(1
6個)にしているため、周波数軸上では完全な方形波で
なく、ギプス現象が生じているが、周波数軸上でゼロの
値を持つ帯域は全領域の約10%になる。すなわち、撮
影断面内の約90%の原子核を励起することができる。
これにより、図5に示した振幅変調しない単純なバース
ト波を用いた場合と比べて、ストリップ間の原子核を励
起できるため、画像のSNRが向上する。
【0042】(第2実施の形態) 図9に、本発明に係る磁気共鳴撮影装置の主要部である
撮影シーケンスの他の実施の形態を示す。本例では、核
磁化励起用の高周波磁場パルスRF1、および核磁化反
転用の高周波磁場パルスRF2として、15個のサブパ
ルスの振幅をsinc関数で変調したバースト波を用いてい
る。例えば、図10に示すように、時間軸上のバースト
波の間隔τを15マイクロ秒とし、sinc関数の周期Tを
240マイクロ秒とした。この時間軸上のバースト波を
フーリエ変換すると、図11に示すような周波数軸上の
バースト波になる。そして、τ/Tの関係から、撮影断
面内の約6%のストリップ領域(図12のストリップS
1群)の原子核を励起することができる。
【0043】ところで、図1の実施の形態のように、核
磁化反転用の高周波磁場パルスRF2(180°パルス)とし
て、通常のsincパルスを用いるとともに、Z軸方向に強
度勾配を有するスライス選択用傾斜磁場Gs1を同時に
印加した場合は、ストリップS1だけではなく、これ以
外のZ軸に垂直な所定の厚みを有するスライスに含まれ
る核スピンの磁化も反転させてしまう。このため、スト
リップS1からの磁気共鳴信号を取得している間に、ス
トリップS1以外のZ軸に垂直な所定の厚みを有するス
ライスに含まれる核スピンの縦磁化の大きさが小さくな
る。
【0044】この点、本実施の形態では、15個のサブ
パルスをsinc関数で振幅変調したバースト波をRF2
して用い、スライス選択用傾斜磁場Gs1に代えて、X
軸方向に強度勾配を有する傾斜磁場Gr3を同時に印加
するようにしている。これにより、ストリップS1内に
含まれる核スピンの磁化だけを選択的に反転させること
ができる。つまり、図12に示すように、ストリップS
1領域からのエコー信号を取得後、直ちにストリップS2
内に含まれる核スピンの磁化だけを選択的に励起・反転
させることができる。このように、ストリップS2内に
含まれる核スピンの磁化だけを、選択的に励起・反転さ
せるためには、S1のときのRF1およびRF2に対し
て、S2のRF1およびRF2の中心周波数(送信時の搬送
周波数)を1/Tだけずらせばよい。したがって、図1
2のストリップS1〜S16を選択的に励起・反転させる
ためには、図9の1回の励起・反転シーケンス(TR)
を繰り返すごとに、RF1およびRF2の中心周波数(送
信時の搬送周波数)を順次1/Tずらしながら実行する
ことにより、縦磁化の回復を待たずに、ストリップS1
〜S16からの信号を発生させることができる。
【0045】ストリップS1〜S16からの信号を発生さ
せるにあたり、第2位相エンコード用傾斜磁場Ge3
変化させずに、繰り返し実行した場合は、発生したスト
リップS1〜S16からの信号に同じ位相エンコードの空
間情報が付与される。したがって、それらのエコー信号
を足し合わせることにより、撮影領域全体からの信号を
取得できるから、画像のSNRを向上させることができ
る。
【0046】これに代えて、ストリップS1〜S16から
の信号を発生させるにあたり、RF1およびRF2の中心
周波数をずらす度に、第2位相エンコード用傾斜磁場G
3の強度を図示点線のように変化させて、異なる空間
情報を付与しながら繰り返し実行した場合は、4次元M
RSIの計測を行うことになり、その計測時間を短縮さ
せることができる。
【0047】(第3実施の形態)図13に、本発明に係
る撮影シーケンスの更に他の実施の形態を示す。本例で
は、核磁化励起用の高周波磁場パルスRF1、および核
磁化反転用の高周波磁場パルスRF2として、9個のサ
ブパルスの振幅をsinc関数で変調したバースト波を用い
ている。例えば、図14に示すように、時間軸上のバー
スト波の間隔τを80マイクロ秒とし、sinc関数の周期
Tを240マイクロ秒とした。この時間軸上のバースト
波をフーリエ変換すると、図15に示すような周波数軸
上のバースト波になる。そして、τ/Tの関係から、撮
影断面内の約33%の原子核を励起することができる。
【0048】第1、第2実施の形態と同様に、リードア
ウト傾斜磁場Gr2の反転繰り返し印加の第1番目のブ
ロックの印加量(図16のGr2の斜線部)を、Gr1
印加量と同一にした場合は、従来の技術で述べたとお
り、Gr1の印加により位相が互いにずれていたストリ
ップ状の励起領域に含まれる原子核の磁気モーメントの
位相が再び揃う。そのため、RF1のサブパルスの数と
同じ9個のグラジエントエコー信号(E11、E12、・・
・E19)を含んだグラジエントエコートレインSigiが
観測される。
【0049】ここで、図16に示す9個のグラジエント
エコー信号E11、E12、・・・E19の信号強度に注目
すると、両端のエコー信号ほど信号強度が減少している
ことがわかる。これは、中央のエコー信号E15の取得
時には、エコー(横磁化のベクトル和)を形成する励起領
域内の横磁化が揃っているのに対し、両端のエコー信号
の取得時には、Gr1及びGr2の影響により、横磁化の
位相がバラバラになるためである。このため、特に信号
減衰の激しいE11、E12、E18、E19を画像の再構成デ
ータとして用いると、画像全体のSNRが低下してしま
うことになる。
【0050】そこで、本実施の形態では、図17に示す
ように、エコートレインの中心付近の5つのエコー信号
のみが発生するように、X軸方向に強度勾配を有するリ
ードアウト用傾斜磁場Gr2の印加量(特に、時間)を
決めるようにしている。すなわち、まず、1セット目の
エコートレインSig1発生の際には、7個のエコー信号
11〜E17が発生するようにGr2の印加量を決める。
続いて、リードアウト用傾斜磁場反転による2セット目
のエコートレインSig2を発生させるにあたり、真中の
5個のエコー信号E23〜E27が発生するようにGr2
印加量を決める。以下、同様に、リードアウト用傾斜磁
場反転による3セット目以降のエコートレインSig3
発生の際にも、5個のエコー信号E33〜E37が発生する
ようにGr2の印加量を決める。
【0051】そして、本実施の形態では、1セット目の
7個のエコー信号の中で、1番目及び2番目のエコー信
号E11とE12は計測しないで、残りの5個のエコー信号
13〜E17を計測し、2セット目以降の5個のエコー信
号は全て計測するようにする。これにより、エコー取得
時に励起されている領域の横磁化の向きがほぼそろって
いるエコーのみを画像再構成に用いることができるか
ら、画像全体のSNRを向上させることができる。
【0052】また、本実施の形態では、図17に示した
波形のリードアウト用傾斜磁場Gr2を用いることによ
り、図16の場合に比べ反転周期を短くできるから、計
測可能なスペクトル帯域を拡大することができ、所望の
周波数成分の物質の検出範囲を広くすることができる。
【0053】ところで、従来の技術で述べたように、1
つのグラジエントエコートレインに含まれるエコー信号
の数が、第1エンコード点数に相当するため、5個しか
エコーを取得しない場合には、第1エンコード軸方向の
視野が小さくなるか、あるいは空間分解能が低下する。
そこで、本実施の形態では、第2の実施の形態と同様
に、離散して配列された9個のサブパルスをsinc関数で
振幅変調したバースト波を核磁化反転用の高周波磁場パ
ルスRF2として用い、X軸方向に強度勾配を有する傾
斜磁場Gr3を同時に印加するようにしている。これに
より、図18に示すように、RF1で励起された各スト
リップSi(i=1,2,3)内に含まれる磁化だけを
反転させる。その結果、縦磁化の回復を待たずに、連続
してストリップS1、S2、S3からの信号を発生させる
ことができる。
【0054】また、第2実施の形態と同様に、RF1
RF2の中心周波数を1/Tずつずらしながら、本実施
の形態ではY軸方向に強度勾配を有する第1位相エンコ
ード用のオフセット傾斜磁場Ge4のステップ強度を変
化させることにより、ストリップS1、S2、S3からの
信号にそれぞれ異なる空間情報(第1位相エンコード磁
場)を付与することができる。この場合は、第1位相エ
ンコード点数を3倍の15に拡張することが可能とな
る。
【0055】なお、本実施の形態において、図19に示
すような、離散して配列された5個のサブパルス101
をsinc関数で振幅変調したバースト波を、RF1とRF2
として用いることもできる。しかし、その場合は、励起
されている領域の横磁化の位相が全てのエコー信号につ
いてほぼそろうものの、バースト波のサブパルスの数が
減少しているため、ギプス現象による周波数軸上のバー
スト波の方形波又は台形波からなる周期波の乱れが大き
くなり、励起プロファイルの隣のストリップへの漏れ込
みが大きくなるという問題がある。したがって、中心周
波数をずらしたバースト波の高周波磁場パルスRFを併
用しても、被写体の撮影断面内の原子核ほぼ全てを励起
して撮影を行うことができなくなり、画像のSNRは低
下する。
【0056】(変形例1)第2と第3の実施の形態で
は、Z軸方向に強度勾配を有するスライス(ボリューム)
選択用傾斜磁場を印加せず、Z軸方向の空間情報を第2
位相エンコードで取得しているため、第2エンコード視
野外で且つプローブ感度内に信号源がある場合、その信
号が折り返して視野内の信号に重畳してしまう。これに
対しては、あらかじめ核磁化励起用の高周波磁場パルス
RF1の印加前に、上記第2エンコード視野外の領域に
含まれる核スピンの磁化を選択的に疑似飽和させてお
く、いわゆるプレサチュレーションを行うことにより、
上記信号の混入を防ぐことができる。
【0057】(変形例2)第1〜3実施の形態では、リ
ードアウト用傾斜磁場の反転周期を短くするために、図
20に示すように、偶数番目のブロックを三角波とする
波形を用いていた。このような波形を用いた場合、偶数
番目のエコートレインSigeiの発生時におけるリードア
ウト傾斜磁場強度が一定でないため、偶数番目のエコー
トレインSigeiを画像再構成に用いることが困難であ
る。なお、図1、図9、図13、図16、図17のシー
ケンス図では、説明を分かり易くするため、偶数番目の
エコートレインの表示を省略している。
【0058】これに対して、図21のように、リードア
ウト用傾斜磁場を繰り返し反転する波形として、偶数番
目のブロックを矩形波又は台形波の波形を用いた場合
は、リードアウト用傾斜磁場の反転周期が延びて計測時
間がかかるため、計測可能なスペクトル帯域は狭まる
が、偶数番目のエコートレインSigeiを画像再構成に用
いることが可能となる。すなわち、得られたエコートレ
インを奇数番目のグループ(Sigoi)と偶数番目のグルー
プ(Sigei)に分離した後、両方のグループに対してそれ
ぞれ各実施の形態と同様の画像再構成を施す。そして、
得られた2つのケミカルシフト画像を、足し合わせるこ
とにより、SNRの高いケミカルシフト画像を得ること
ができる。なお、奇数番目のエコートレインと偶数番目
のエコートレインのサンプリング時刻が異なるため、上
記加算を行う前に、ケミカルシフト軸方向の位相ずれの
補正(いわゆる一次の位相補正)を行う必要が生じるが、
これは公知の位相ずれ補正で対応できる。
【0059】(変形例3) 第1〜3実施の形態では、X軸方向の傾斜磁場Gr1と
バースト状の高周波磁場パルスRF1と同時に、Y軸方
向の位相エンコード用傾斜磁場Ge1を印加することに
より、エコー毎に異なるY軸方向の位置情報を位相エン
コードさせていた。このGe1の代わりに、図22に示
すように、Y軸方向の位相エンコード用傾斜磁場Ge5
を、Gr2と同期させて周期的に強度勾配(傾斜極性)
を反転させて繰り返し印加することにより、エコー毎に
異なるY軸方向の位置情報を位相エンコードさせること
もできる。
【0060】(変形例)第1〜3実施の形態では、バー
スト波の振幅をsinc関数で変調した場合について説明し
たが、本発明はsinc関数に限らず、フーリエ変換したと
きに周波数帯域を広くすることができる種々の変調関数
でバースト波を振幅変調することにより、同様の効果を
得ることができる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、周波数軸上のバースト
波を構成する方形波の周波数帯域を十分に広くすること
ができるから、本発明の特定変調関数で変調したバース
ト波により被検体を励起すると、サブパルスに対応した
ストリップ領域のみだけでなく、ストリップ領域に挟ま
れた領域にも励起領域が広がり、エコー信号の強度が増
加してSNRが改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気共鳴撮影装置の第1実施の形態
係る撮影シーケンスを示す図である。
【図2】本発明を適用してなる一実施の形態の磁気共鳴
診断装置の概要構成図である。
【図3】sinc関数で振幅変調された16個のサブパルス
からなる本発明の特徴に係るバースト波の一例を示す図
である。
【図4】図3のバースト波をフーリエ変換した周波数軸
上でのバースト波を示す図である。
【図5】本発明の特徴に係るバースト波を生成する装置
の一例のブロック構成図である。
【図6】本発明の特徴に係るバースト波を構成するサブ
パルスの振幅の形状を説明する図である。
【図7】sinc関数で振幅変調したバースト波の一例を示
す図である。
【図8】図7のバースト波をフーリエ変換した周波数軸
上でのバースト波を示す図である。
【図9】本発明の磁気共鳴撮影装置の第2実施の形態
係る撮影シーケンスを示す図である。
【図10】sinc関数で振幅変調された15個のサブパル
スからなる本発明の特徴に係るバースト波の一例を示す
図である。
【図11】図10のバースト波をフーリエ変換した周波
数軸上でのバースト波を示す図である。
【図12】図9の撮影シーケンスよる連続励起・反転の
プロファイルを周波数軸上に示した図である。
【図13】本発明の磁気共鳴撮影装置の第3実施の形態
に係る撮影シーケンスを示す図である。
【図14】sinc関数で振幅変調された9個のサブパルス
からなる本発明の特徴に係るバースト波の一例を示す図
である。
【図15】図14のバースト波をフーリエ変換した周波
数軸上でのバースト波を示す図である。
【図16】第1と第2実施の形態で用いるリードアウト
用傾斜磁場の波形を拡大して示した図である。
【図17】第3実施の形態で用いるリードアウト用傾斜
磁場の波形を拡大して示した図である。
【図18】図13の撮影シーケンスよる連続励起・反転
のプロファイルを周波数軸上に示した図である。
【図19】sinc関数で振幅変調された5個のサブパルス
からなる本発明の特徴に係るバースト波の一例を示す図
である。
【図20】奇数番目のエコートレインのみを画像再構成
に用いる場合のリードアウト用傾斜磁場の波形を拡大し
て示した図である。
【図21】奇数番目と偶数番目のエコートレインの双方
を画像再構成に用いる場合のリードアウト用傾斜磁場の
波形を拡大して示した図である。
【図22】リードアウト用傾斜磁場の傾斜極性の反転に
同期させて、位相エンコード用傾斜磁場の傾斜極性を周
期的に反転させて繰返し印加する例を説明する波形図で
ある。
【図23】従来技術による4D−CSIの撮影シーケン
スの一例を示す図である。
【図24】従来技術による3D−SISSIの撮影シー
ケンスの一例を示す図である。
【図25】従来の時間軸上のバースト波及びそれをフー
リエ変換した周波数軸上のバースト波を示す図である。
【図26】バースト波を構成する1個のサブパルスの波
形を説明する図である。
【図27】バースト波により原子核が励起される細いス
トリップ領域を説明する図である。
【図28】従来技術による4D−SISSIの撮影シー
ケンスの一例を示す図である。
【符号の説明】
RF1 核磁化励起用の高周波磁場パルス RF2 核磁化反転用の高周波磁場パルス Gx X軸方向に強度勾配を有する傾斜磁場 Gy Y軸方向に強度勾配を有する傾斜磁場 Gz Z軸方向に強度勾配を有する傾斜磁場 Gs スライス選択用傾斜磁場 Gr リ−ドアウト用傾斜磁場 Ge 位相エンコ−ド用磁場 Sig エコ−信号/エコートレイン TR 計測繰返し時間 TE エコー時間 E エコー信号 2 静磁場発生マグネット 3 傾斜磁場発生コイル 4 プローブ 5 計算機 6 ディスプレイ 7 傾斜磁場用電源部 8 送信器 9 受信器 10 シーケンス制御装置 13 記憶媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 博道 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株式会社 日立メディコ内 (56)参考文献 特開 平8−308809(JP,A) 特開 平9−262220(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体が置かれる空間に静磁場を発生す
    る静磁場発生手段と、前記空間に互いに直交する3軸方
    向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記空間
    に高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と、前記被
    検体から発生する磁気共鳴信号を検出する信号検出手段
    と、該信号検出手段により得られた磁気共鳴信号に基づ
    いて処理演算を行う演算手段と、前記各手段を制御する
    シーケンス制御手段とを備え、 前記高周波磁場発生手段は、時間軸上に離散された複数
    の高周波磁場サブパルスを、極性反転を繰り返しかつ極
    性反転毎に振幅が変化する関数で振幅変調した励起用の
    バースト高周波磁場パルスを発生するものであり、 前記シーケンス制御手段は、前記傾斜磁場発生手段と前
    記高周波磁場発生手段とを制御して、直交3軸方向の傾
    斜磁場のうち第1軸方向と第2軸方向の傾斜磁場と前記
    バースト高周波磁場パルスとを、又は第1軸方向の傾斜
    磁場と前記バースト高周波磁場パルスとを、前記被検体
    同一時に印加して前記被検体を励起させ、該励起され
    た前記被検体に前記直交3軸方向の傾斜磁場のうちの第
    2軸と第3軸の少なくともいずれかの軸方向の傾斜磁場
    を位相エンコード用傾斜磁場として印加し、該印加後に
    前記被検体に前記直交3軸方向の傾斜磁場のうちの第1
    軸と第3軸のいずれかの軸方向の傾斜磁場と核磁化反転
    用の高周波磁場パルスを印加し、該印加後に前記被検体
    に第1軸方向の傾斜磁場の傾斜極性を反転させながらリ
    ードアウト用傾斜磁場として繰り返し印加するととも
    に、前記信号検出手段を制御して前記傾斜極性の少なく
    とも一方の極性の印加に合わせて前記被検体から発生す
    る磁気共鳴信号を繰り返し検出させる撮影制御を実行
    し、 前記演算手段は、前記磁気共鳴信号を用いて磁気共鳴ス
    ペクトロスコピック画像を再構成するものである磁気共
    鳴撮影装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気共鳴撮影装置にお
    いて、 前記シーケンス制御手段は、前記位相エンコード用傾斜
    磁場の強度を変化させながら、前記撮影制御を繰り返し
    実行することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の磁気共鳴撮影装
    置において、 前記高周波磁場発生手段は、前記核磁化反転用の高周波
    磁場パルスとして、極性反転を繰り返しかつ極性反転毎
    に振幅が変化する関数で振幅変調してなる連続した高周
    波磁場パルスを発生することを特徴とする磁気共鳴撮影
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の磁気共鳴撮影装
    置において、 前記高周波磁場発生手段は、核磁化反転用の高周波磁場
    パルスとして、時間軸上に離散された複数の高周波磁場
    サブパルスを極性反転を繰り返しかつ極性反転毎に振幅
    が変化する関数で振幅変調したバースト波を発生し、 前記シーケンス制御手段は、核磁化反転用の高周波磁場
    パルスとともに印可する前記傾斜磁場として、前記第1
    軸方向の傾斜磁場を用いることを特徴とする磁気共鳴撮
    影装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の磁気共鳴撮影装置にお
    いて、 前記シーケンス制御手段は、前記撮影制御の繰り返しの
    都度、前記第3軸方向の位相エンコード用傾斜磁場の強
    度を変化させ、かつ前記励起用と核磁化反転用の高周波
    磁場パルスの中心周波数をそれぞれ一定量シフトさせな
    がら前記撮影制御を実行することを特徴とする磁気共鳴
    撮影装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気
    共鳴撮影装置において、 前記傾斜磁場発生手段は、前記リードアウト用傾斜磁場
    として、傾斜極性の正極性と負極性とで異なる波形の傾
    斜磁場を発生することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気
    共鳴撮影装置において、 前記傾斜磁場発生手段は、前記リードアウト用傾斜磁場
    として、傾斜極性の正極性と負極性とで同一波形の傾斜
    磁場を発生することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気
    共鳴撮影装置において、 前記バースト波を形成する高周波磁場サブパルスの個数
    が9個以上であり、前記変調されたバースト波の時間軸
    の中心に位置するサブパルスを中心として、5個のサブ
    パルスに対応する磁気共鳴信号を発生させるように、前
    記リードアウト用傾斜磁場の印加量が設定されてなるこ
    とを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気
    共鳴撮影装置において、 前記バースト波を形成する高周波磁場サブパルスの個数
    が9個以上であり、前記磁気共鳴信号を検出する際に、
    前記リードアウト用傾斜磁場の傾斜極性反転に合わせて
    発生する第1番目と第2番目の磁気共鳴信号を検出しな
    いように設定されてなることを特徴とする磁気共鳴撮影
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の磁
    気共鳴撮影装置において、 前記シーケンス制御手段は、前記リードアウト用傾斜磁
    場の傾斜極性反転に同期して、前記第2軸方向の傾斜磁
    場を周期的に傾斜極性を反転させながら繰り返し印加す
    ることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    磁気共鳴撮影装置において、 前記バースト波の変調に係る関数が、sinc関数であるこ
    とを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
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