JP3010412U - 中通し式釣竿の釣り糸通し具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中通し式釣竿において、特に穂先内部に付着
する異物を簡便な作業で取り除き、釣り糸の上げ下ろし
をスムースに行わしめる。 【構成】 線状材１からなる釣り糸通し具の先端３から
所要長さの範囲を除いた外周面に、釣竿の穂先内部を摺
擦するブラシ状の短毛４を放射状に密に植設し、釣り糸
を中通し式釣竿に挿通させる一連の作業を行うことによ
り、上記短毛４が上記穂先内部をこすり清掃する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、中通し式釣竿にリールからの釣り糸を挿通させるための中通し式釣 竿の釣り糸通し具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

中通し式釣竿は、釣竿を穂先まで中空に形成し、その内部にリールからの釣り 糸を挿通させることにより、通常は釣竿の外側に取着されるリング状の多数のガ イドを省略したものであり、ガイドへの糸絡みを防げることや、釣竿と釣り糸の 一体感が得られることなどから、近年、船釣りをはじめとする釣竿に多く見られ るようになっている。 この中通し式釣竿の最初のセッティングは、リールからの釣り糸を細いワイヤ の基端に結び、このワイヤを先端側から釣竿内に挿入し、竿の穂先まで順に抜き 通すことにより、上記釣り糸を釣竿内に挿通させるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記船釣りなどにおいて、仕掛けを海中深く沈めていると、潮の流 れによってクラゲや撒き餌などが釣り糸に付着し、この釣り糸に付いた異物が釣 り糸の巻き上げ時や投入時に、釣り糸の摺動にともなって前記中通し式釣竿の特 に穂先内部にこびりつくという問題がある。

【０００４】 この釣竿内に付着した異物は、乾燥すると釣竿内での釣り糸の円滑な移動を妨 げ、特に仕掛けの投入時などにスムースに釣り糸が出て行かない場合は、仕掛け が絡んだり、撒き餌カゴから撒き餌が不用意に出たりして、思うように釣りがで きないことがある。

【０００５】 本考案は、叙情のごとき実状に対処し、釣り糸を釣竿に通す釣り糸通し具に新 規な構成を見いだすことにより、上記中通し式釣竿内部の異物を取り除き、釣竿 をトラブルのない正常な状態に保つことを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記目的に適合する本考案の中通し式釣竿の釣り糸通し具は、 基端に釣り糸を係止する係着部を備えた、所定の弾性と柔軟性とを有するワイ ヤ等の線状材からなり、先端から中通し式釣竿に挿入して上記釣り糸を釣竿の穂 先まで挿通せしめる釣り糸通し具であって、 先端から所要範囲を除いた上記線状材の外周面に、上記穂先内部を摺擦する短 毛を放射状に密に植設したところにある。 また、上記本考案の釣り糸通し具において、上記短毛を植設しない範囲が、少 なくとも釣り糸通し具を挿通する上記穂先の長さ以上にわたることも、糸通し具 の挿通作業を行い易くする点で好適である。

【０００７】

【作用】

上記構成を有する本考案の釣り糸通し具では、釣り糸を中通し式釣竿に挿通さ せる一連の作業を行うことにより、線状材に植設した短毛が釣竿の穂先内部をこ すってこの部分を清掃することになり、これにより釣竿を使用するときは、穂先 内部は常に異物のない正常な状態に保たれる。 しかも、上記釣竿内部の清掃は、上記のごとく釣り糸を釣竿に挿通させるため の必要な作業によって自動的に行われることから、釣り人に特別の手間をかけさ せたりすることなどなく、何らわずらわしさを感じさせることがない。

【０００８】

【実施例】

以下、さらに添付図面を参照し、本考案の実施例を例示的に説明する。 図１は本考案実施例の中通し式釣竿の釣り糸通し具を示す一部を省略した正面 図、図２は図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【０００９】 上記実施例の釣り糸通し具は、中空の穂先にも挿通可能でかつコイル状に巻回 して収納し得る、所定の弾性と柔軟性とを有するステンレス製の釣り用撚り線ワ イヤ１からなり、基端に釣り糸を結ぶリング状の係着部２を備えている。このリ ング状係着部２は、上記ワイヤ１を折り返すことによって形成されており、釣竿 の小さな穴でも屈曲して通ることが可能である。また、上記ワイヤ１の先端３に は撚りに対するほつれ止めが施されている。

【００１０】 上記ワイヤ１は、釣竿の穂先や２番竿など釣り糸を挿通させる部材より約２０ 〜７０センチ程度長い全長を有し、上記先端３から中通し式釣竿に挿入して穂先 まで抜き通すことにより、上記係着部２に結んだ釣り糸を釣竿の穂先まで挿通さ せることができる。この実施例では、上記ワイヤ１の全長は約１．５メートルで ある。

【００１１】 そして、上記本考案の実施例では、上記先端３から前記穂先などの長さ程度の 範囲を除いた上記ワイヤ１の外周面に、約３０センチ程にわたって、上記穂先内 部を摺擦するナイロン、ポリエステル等の繊維からなる約１ミリ前後の短毛４を 、ブラシのように放射状に密に植設している。この短毛４は、電気植毛などによ り容易に植設することが可能で、その長さも、使用する釣竿の穂先の内径に合わ せて適宜に変更することが可能である。

【００１２】 しかして、上記本考案実施例の釣り糸通し具では、通常の釣り糸通し具と同様 に釣り糸を中通し式釣竿に挿通させる一連の作業を行うことにより、図３に示す ように、ワイヤ１に植設した短毛４が釣竿の穂先５の内部をブラシのようにこす り、この部分を清掃することになり、これにより釣竿を使用するときは、穂先５ の内部は常に異物のない正常な状態に保たれる。 しかも、上記釣竿内部の清掃は、上記のごとく釣り糸を釣竿に挿通させるため の必要な作業によって自動的に行われることから、釣り人に特別の手間をかけさ せたりすることなく、何らわずらわしさを感じさせることがない。

【００１３】 以上、本考案の実施例を説明したが、撚り線ワイヤ１によって構成した線状材 は、前記所定の弾性と柔軟性を備えた単線ワイヤ又は樹脂製線状材等に代えるこ ともでき、さらに前記係着部はリング状以外に、螺旋状、結びこぶ状等を採用す ることが可能である。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の中通し式釣竿の釣り糸通し具は、線状材からな る釣り糸通し具の先端から所要範囲を除いた外周面に、釣竿の穂先内部を摺擦す る短毛を放射状に密に植設したものであり、通常の釣り糸通し具と同様に釣り糸 を中通し式釣竿に挿通させる一連の作業を行うことにより、線状材に植設した短 毛が上記穂先内部をブラシのようにこすって清掃し、これにより釣竿を使用する ときは、穂先内部は常に異物のない正常な状態に保たれ、釣り糸および仕掛けの 上げ下ろしをトラブルなく行わしめるとの顕著な効果を奏するものである。 しかも、上記釣竿内部の清掃は、上記のごとく釣り糸を釣竿に挿通させるため の必要な作業によって自動的に行われることから、釣り人に特別の手間をかけさ せたりすることなく、何らわずらわしさを感じさせることがないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の中通し式釣竿の釣り糸通し具を
示す一部を省略した正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】同実施例の使用状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ワイヤ（線状材） ２ 係着部 ３ 先端 ４ 短毛 ５ 穂先

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基端に釣り糸を係止する係着部を備えた、
   所定の弾性と柔軟性とを有するワイヤ等の線状材からな
   り、先端から中通し式釣竿に挿入して上記釣り糸を釣竿
   の穂先まで挿通せしめる中通し式釣竿の釣り糸通し具に
   おいて、先端から所要範囲を除いた上記線状材の外周面
   に、上記穂先内部を摺擦する短毛を放射状に密に植設し
   たことを特徴とする中通し釣り竿の釣り糸通し具。
2. 【請求項２】上記短毛を植設しない範囲が、少なくとも
   釣り糸通し具を挿通する上記穂先の長さ以上にわたる請
   求項１記載の中通し式釣竿の釣り糸通し具。