JP3010110B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3010110B2
JP3010110B2 JP5275524A JP27552493A JP3010110B2 JP 3010110 B2 JP3010110 B2 JP 3010110B2 JP 5275524 A JP5275524 A JP 5275524A JP 27552493 A JP27552493 A JP 27552493A JP 3010110 B2 JP3010110 B2 JP 3010110B2
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斉藤  潔
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、成形作業性,高温高
湿度雰囲気下での保存信頼性および半田実装時の耐クラ
ック性等に優れた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ,IC,LSI等の半導体
素子は、通常、セラミックパッケージもしくはプラスチ
ックパッケージ等により封止され、半導体装置化されて
いる。上記セラミックパッケージは、構成材料そのもの
が耐熱性を有し、耐透湿性にも優れているため、湿度,
温度に対して強く、信頼性の高い封止が可能である。し
かしながら、構成材料が比較的高価なものであること
と、量産性に劣る欠点があるため、最近では上記プラス
チックパッケージを用いた樹脂封止が主流になってい
る。この種のプラスチックパッケージ材料には、従来か
らエポキシ樹脂組成物が用いられている。上記エポキシ
樹脂組成物は、電気的特性,機械特性,耐薬品性等に優
れているため信頼性が高く、半導体装置の樹脂封止に広
く用いられている。このようなエポキシ樹脂組成物とし
ては、特に、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
と、硬化剤であるフェノールノボラック樹脂、その他、
添加剤である三級アミン等の硬化促進剤、充填剤である
シリカ粉末等で構成されるものが封止作業性(特にトラ
ンスファー成形時の作業性)に優れているとして賞用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体
分野の技術革新はめざましく、最近では素子の集積度の
向上とともに、素子サイズの大形化,配線の微細化が進
む反面、パッケージ形状の小形化、薄形化が進むように
なっており、封止材料に対してより以上の特性の向上が
望まれている。すなわち、従来からのエポキシ樹脂組成
物を用いて樹脂封止された半導体装置は、パッケージが
吸湿し易く、半田実装時に水分の蒸気圧により、膨れや
パッケージクラックを生じるという問題があった。
【0004】このパッケージクラックの防止には、エポ
キシ樹脂組成物の低吸湿化を図ることが最も有効な対策
であり、上記低吸湿化を図る方法として、低吸湿性の骨
格構造を有する樹脂の適用とともに、エポキシ樹脂組成
物中の無機質充填剤含有量を増加させるという方法が試
みられている。しかし、無機質充填剤の含有量を増加さ
せることは、溶融粘度の著しい増加を引き起こし、その
結果、成形性が劣ることになる。このため、用いる樹脂
自身の溶融粘度を低減させる必要が生じる。こうした低
粘度の樹脂を用いると、低粘度の樹脂は、モノマー含有
量が多く、その結果、エポキシ樹脂組成物の硬化体から
検出される不純物イオン量が増加し、樹脂封止された半
導体装置の高温高湿度雰囲気下での保存信頼性を低下さ
せるという問題が生じる。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、成形作業性,半田実装時の耐クラック性とと
もに、高温高湿度雰囲気下での保存信頼性に優れた半導
体装置の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の半導体装置は、下記の(A)〜(C)成
分を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を
封止してなる半導体装置であって、上記エポキシ樹脂組
成物の溶融粘度(高化式フローテスターを用い175℃
で測定した最低溶融粘度)が10〜150ポイズであ
り、かつプレッシャークッカー状態(160℃×20時
間×100%RH)下で抽出される上記エポキシ樹脂組
成物硬化物のアルカリ金属イオン含量が5ppm以下、
ハロゲンイオン含量が50ppm以下、抽出水(100
メッシュパス硬化粉に対して10重量倍の水を使用)の
電気伝導度が70μS/cm以下となるよう設定されて
いるという構成をとる。 (A)ビフェニル型エポキシ樹脂。 (B)硬化剤。 (C)無機質充填剤。
【0007】
【作用】すなわち、本発明者らは、成形作業性に優れ、
しかも半田実装時の耐クラック性と実装後の耐湿信頼性
に優れた封止樹脂を得るために一連の研究を重ねた。そ
の結果、上記特定のエポキシ樹脂〔(A)成分〕,硬化
剤〔(B)成分〕および無機質充填剤〔(C)成分〕を
組み合わせ、これら各成分を含有するエポキシ樹脂組成
物の溶融粘度を特定範囲に設定するとともに、その純度
を特定条件に設定すると、上記成形作業性および半田実
装時の耐クラック性に優れるようになることを突き止め
た。そして、そのエポキシ樹脂組成物硬化体中のアルカ
リ金属含量,ハロゲンイオン含量ならびに抽出水の電気
伝導度が低減されそれぞれ一定値以下に設定されること
により、実装後の耐湿信頼性を大きく向上できることを
見出しこの発明に到達した。
【0008】つぎに、この発明について詳しく説明す
る。
【0009】この発明に用いられるエポキシ樹脂組成物
は、特定のエポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成
分)と、無機質充填剤(C成分)とを用いて得られるも
のであって、通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブ
レット状になっている。
【0010】上記特定のエポキシ樹脂(A成分)は、ビ
フェニル型エポキシ樹脂であって、例えば、下記の一般
式(1)で表される。
【0011】
【化1】
【0012】上記ビフェニル型エポキシ樹脂(A成分)
は、グリシジル基を有するフェニル環に低級アルキル基
(好ましくはメチル基)が付加されたものであり、この
ような骨格構造から撥水性を有するようになる。そし
て、上記特定のエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹
脂)のみでエポキシ樹脂成分を構成してもよいし、それ
以外の通常用いられるエポキシ樹脂と併用するようにし
てもよい。前者の場合には、A成分の全部が上記ビフェ
ニル型エポキシ樹脂のみで構成され、後者の場合にはA
成分の一部がビフェニル型エポキシ樹脂で構成されるこ
ととなる。上記通常用いられるエポキシ樹脂としては、
クレゾールノボラック型,フェノールノボラック型,ノ
ボラックビスA型やビスフェノールA型等の各種エポキ
シ樹脂があげられる。上記ノボラック型エポキシ樹脂と
しては、通常、エポキシ当量150〜250、軟化点5
0〜130℃のものが用いられ、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜21
0、軟化点60〜110℃のものが一般に用いられる。
このように、特定のエポキシ樹脂と通常用いられるエポ
キシ樹脂の両者を併用する場合には、上記特定のエポキ
シ樹脂をエポキシ樹脂成分全体の20重量%(以下
「%」と略す)以上に設定することが好ましく、特に好
ましくは50%以上である。
【0013】上記A成分とともに用いられる硬化剤(B
成分)は、上記エポキシ樹脂成分の硬化剤として作用す
るものであり、上記硬化剤としては、特に限定するもの
ではなく従来公知のものがあげられる。なかでも、下記
の一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂を
用いることが好ましい。
【0014】
【化2】
【0015】上記フェノールアラルキル樹脂は、例えば
アラルキルフェノールとフェノールとをフリーデルクラ
フツ触媒で反応させることにより得られる。一般に、
α,α′−ジメトキシ−p−キシレンとフェノールモノ
マーの縮合重化合物が知られている。そして、上記フェ
ノールアラルキル樹脂としては、軟化点50〜110
℃、水酸基当量150〜220を有するものを用いるの
が好ましい。また、フェノールアラルキル樹脂は、それ
自体で硬化剤成分を構成することがより好ましいが、そ
れ以外の通常用いられるフェノール樹脂と併用してもよ
い。前者の場合には、硬化剤成分の全部が上記フェノー
ルアラルキル樹脂で構成され、後者の場合は硬化剤成分
の一部が上記フェノールアラルキル樹脂で構成されるこ
ととなる。上記通常用いられるフェノール樹脂として
は、フェノールノボラック,クレゾールノボラック等が
あげられる。これらノボラック樹脂としては、軟化点5
0〜110℃、水酸基当量70〜150のものを用いる
ことが望ましい。上記フェノールアラルキル樹脂と、通
常用いられるフェノール樹脂とを併用する場合には、上
記フェノールアラルキル樹脂を硬化剤成分全体の50%
以上の割合に設定することが好ましく、特に好ましくは
70%以上である。そして、上記硬化剤(B成分)の配
合割合は、上記特定のエポキシ樹脂(A成分)中のエポ
キシ基1当量当たり、硬化剤(B成分)中の水酸基が
0.7〜1.3当量となるように配合することが好適で
ある。より好適なのは0.9〜1.1当量である。
【0016】そして、上記特定のエポキシ樹脂(通常用
いるエポキシ樹脂を含む)および硬化剤に関して、でき
るだけ溶融粘度の低いものを用いることが望ましい。一
方、低溶融粘度のものは、モノマー成分含量が多く、不
純物となるイオン量も多いため、樹脂合成時の反応度や
その後の洗浄工程において、イオン量を一定量以下に制
御する必要がある。上記それぞれの樹脂の溶融粘度,イ
オン含量等は、目的とするエポキシ樹脂組成物の性状に
より適宜決定することができる。
【0017】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る無機質充填剤(C成分)としては、結晶性および溶融
性フィラーはもちろん、酸化アルミニウム,酸化ベリリ
ウム,炭化珪素,窒化珪素等があげられる。これら無機
質充填剤(C成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全
体の80〜95%の範囲に設定することが好ましい。す
なわち、無機質充填剤の含有量が80%未満では半田実
装時の耐クラック性が損なわれ、逆に95%を超えると
流動性の低下が生じ、成形作業性が低下する傾向がみら
れるからである。
【0018】なお、この発明に用いられるエポキシ樹脂
組成物には、上記A〜C成分以外に必要に応じて硬化促
進剤,難燃剤,カップリング剤,ワックス等の添加剤が
あげられる。
【0019】上記硬化促進剤としては、アミン系,リン
系,ホウ素系,リン−ホウ素系等の硬化促進剤があげら
れ、これらは単独でもしくは併せて用いられる。
【0020】上記難燃剤としては、例えばノボラック型
ブロム化エポキシ樹脂もしくはビスA型エポキシ樹脂,
五酸化アンチモン等の化合物があげられ、これを適宜単
独でもしくは併せて使用することが行われる。
【0021】上記カップリング剤としては、グリシジル
エーテルタイプ,アミンタイプ,チオシアンタイプ,ウ
レアタイプ等のメトキシないしはエトキシシランがあげ
られ、適宜に単独でもしくは併せて用いられる。そし
て、その使用方法としては、前記無機質充填剤に対して
ドライブレンドする方法もしくは予備加熱反応させる方
法、さらに有機成分原料に対して予備混合する方法等が
あげられ、適宜に選択することができる。
【0022】上記ワックスとしては、高級脂肪酸,高級
脂肪酸エステル,高級脂肪酸カルシウム等の化合物があ
げられ、これらは単独でもしくは併せて用いられる。
【0023】さらに、この発明に用いられるエポキシ樹
脂組成物には、上記添加剤以外に、低応力化を図るため
にシリコーンオイルおよびシリコーンゴム,合成ゴム等
のゴム成分を配合したり、耐湿信頼性テストにおける信
頼性向上を目的としてハイドロタルサイト等のイオント
ラップ剤を配合してもよい。
【0024】この発明に用いられるエポキシ樹脂組成物
は、上記A〜C成分および他の添加剤を用いて例えばつ
ぎのようにして製造することができる。すなわち、各成
分および添加剤を適宜に配合し予備混合した後、ミキシ
ングロール機等の混練機にかけて加熱状態で溶融混合す
る。そして、この混合物を室温に冷却した後、公知の手
段により粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工
程により製造することができる。
【0025】このようにして得られるエポキシ樹脂組成
物としては、175℃での溶融粘度を10〜150ポイ
ズの範囲に設定する必要がある。すなわち、エポキシ樹
脂組成物の溶融粘度を上記範囲に設定すると、金型内に
溶融圧入させる際の流動抵抗が低く、封止される半導体
素子の移動(変位)量が小さくなり、封止後パッケージ
表面に半導体素子が露出するという成形不良の発生が生
じない。そして、溶融粘度(175℃)が10ポイズ未
満では、金型内への溶融圧入時に空気の巻き込みが多く
なり、封止後のエポキシ樹脂組成物硬化体の内部や表面
にボイドが多く発生するようになる。また、150ポイ
ズを超えると、粘度が高過ぎて成形作業性に劣るからで
ある。なお、この発明において、エポキシ樹脂組成物の
175℃での溶融粘度とは、高化式フローテスター(ノ
ズル直径1mm,ノズル長さ10mm、荷重10kg/
cm2 )を用いて175℃で測定した最低溶融粘度を意
味する。
【0026】そして、上記エポキシ樹脂組成物の175
℃におけるスパイラルフロー(SF)値は、100〜2
00mmに設定されることが好ましい。すなわち、SF
値を上記範囲に設定することにより、ボイド,未充填,
ばり等において実用上問題のない良好なトランスファー
成形が可能となるからである。なお、上記スパイラルフ
ロー値は、図1に示すような、中心部に樹脂充填部5を
有し、これを起点とした渦巻き曲線状の溝1が設けられ
た下型4と、樹脂注入口2を有する上型3からなるスパ
イラルフロー試験金型(図2参照)を用いる。そして、
上記金型の樹脂注入口2にエポキシ樹脂組成物を注入し
て金型内の溝1を流れたエポキシ樹脂組成物の距離を測
定しスパイラルフロー値とした。また、上記エポキシ樹
脂組成物の175℃におけるゲルタイム(GT)は、1
0〜40秒に設定されることが好ましい。このような値
に設定することにより、成形性において問題がなく、ま
た成形サイクル時間も短縮可能となり、封止作業効率を
極めて高くすることができる。
【0027】さらに、上記エポキシ樹脂組成物は、これ
を完全に硬化させた後プレッシャークッカー状態(16
0℃×20時間×100%RH)下に放置したときに抽
出されるアルカリ金属イオン含量が5ppm以下で、か
つハロゲンイオン含量が50ppm以下であることが必
要である。すなわち、上記条件下で抽出されるアルカリ
金属イオン含量およびハロゲンイオン含量が上記範囲を
逸脱すると、高度の耐湿信頼性を得ることができないか
らである。
【0028】なお、ここで検出されるアルカリ金属イオ
ンは、前記A〜C成分から検出,内在されるアルカリ金
属イオンはもちろん、他の添加剤からもたらされるアル
カリ金属イオンをも含む。また、上記検出されるハロゲ
ンイオンも、前記A〜C成分から検出,内在されるハロ
ゲンイオンはもちろん、他の添加剤からもたらされるハ
ロゲンイオンをも含む。
【0029】つぎに、上記硬化物のアルカリ金属イオン
およびハロゲンイオンの検出について説明する。まず、
エポキシ樹脂組成物を完全に硬化(例えば175℃で5
時間加熱)したのち、ミルで100メッシュパスに粉砕
し、その硬化粉に対して10重量倍の精製水を加え、所
定のプレッシャークッカー状態(160℃×20時間×
100%RH)に放置したのち、アルカリ金属イオンは
原子吸光法で、ハロゲンイオンは硝酸銀水溶液を用いた
電位差滴定で定量することによりそれぞれ検出する。
【0030】このように、この発明に用いられるエポキ
シ樹脂組成物は、その溶融粘度およひ硬化物のアルカリ
金属イオン含量およびハロゲンイオン含量が上記に示す
値に設定されることが必要であるが、さらに、所定のプ
レッシャークッカー状態(160℃×20時間×100
%RH)に放置したとき、すなわち上記100メッシュ
パス硬化粉に対して10重量倍の精製水を用いてプレッ
シャークッカー状態に放置したときの抽出水の電気伝導
度が70μS/cm以下となるよう設定されていなけれ
ばならない。すなわち、電気伝導度が70μS/cm
超えるような樹脂組成物では、遊離されるアルカリ金属
イオン,ハロゲンイオンが多くなり、それにより封止さ
れた半導体素子の耐湿信頼性が著しく低下するからであ
る。上記電気伝導度は、プレッシャークッカー状態で放
出されるアルカリ金属イオン,ハロゲンイオンの他、上
記A〜C成分および他の添加剤中に含まれる微量成分に
よって影響される。このことから、この発明では、上記
硬化物の各イオン含量および電気伝導度の設定値を満足
させるように各種成分の種類,純度,組み合わせを考慮
しなければならない。
【0031】このような特殊なエポキシ樹脂組成物を用
いての半導体素子の封止は、特に限定するものではな
く、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法
により行うことができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明の半導体装置
は、前記A〜C成分を含有し、しかも上記各成分の組み
合わせを必須成分とするエポキシ樹脂組成物の硬化物か
ら抽出されるアルカリ金属イオン含量ならびにハロゲン
イオン含量、抽出水の電気伝導度をそれぞれ特定の値以
下に設定した特殊なエポキシ樹脂組成物を用いて半導体
素子を樹脂封止して構成されている。このため、低吸湿
化が図られ、優れた耐熱性ならびに耐湿性を有してい
る。したがって、半田実装時にパッケージクラックを生
ずることがなく、高温高湿度雰囲気下での優れた保存性
を備えている。しかも、上記エポキシ樹脂組成物の溶融
粘度が特定範囲に設定されているため、優れた成形性を
備えており、パッケージにボイドが生じる等の成形不良
の発生を防止することができる。このように、上記エポ
キシ樹脂組成物を用いて得られる半導体装置は、半導体
素子の大形化とともに、パッケージの小形化および薄形
化の進む現状において有効である。
【0033】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0034】まず、下記に示す各種エポキシ樹脂および
フェノール樹脂を準備した。
【0035】〔ビフェニル型エポキシ樹脂〕 下記に示す式(3)で表されるビフェニル型エポキシ樹
脂であって、エポキシ当量195、融点105℃であ
る。
【化3】
【0036】〔クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〕 エポキシ当量195、軟化点75℃
【0037】〔フェノールアラルキル樹脂A〕 前記一般式(2)において、繰り返し数nは0〜2、水
酸基当量175、軟化点70℃である。
【0038】〔フェノールアラルキル樹脂B〕 前記一般式(2)において、繰り返し数nは0〜1、水
酸基当量170、軟化点52℃である。
【0039】
【実施例1〜7、比較例1〜6】下記の表1および表2
に示す各原料を同表に示す割合で配合し、この配合物を
90〜110℃に加熱したロール混練機にかけて3分間
溶融混合した。ついで、この溶融混合物を冷却したのち
粉砕し、さらに打錠することによりタブレット状のエポ
キシ樹脂組成物を得た。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】このようにして得られた実施例および比較
例のエポキシ樹脂組成物を用い、高化式フローテスター
(ノズル直径1mm,ノズル長さ10mm、荷重10k
g/cm2 )を用いて175℃における最低溶融粘度を
測定しこれを各エポキシ樹脂組成物の溶融粘度とした。
この結果を上記表1および表2に示した。また、上記エ
ポキシ樹脂組成物の175℃におけるスパイラルフロー
値(SF値)をつぎのようにして測定した。すなわち、
図1に示すような、中心部に樹脂充填部5を有し、これ
を起点とした渦巻き曲線状の溝1が設けられた下型4
と、樹脂注入口2を有する上型3からなるスパイラルフ
ロー試験金型(図2参照)を準備した。そして、上記金
型の樹脂注入口2にエポキシ樹脂組成物を注入して金型
内の溝1を流れたエポキシ樹脂組成物の距離を測定し
た。また、エポキシ樹脂組成物の175℃におけるゲル
タイムを測定した。これらSF値およびゲルタイムを上
記表1および表2に併せて示した。
【0043】さらに、上記各エポキシ樹脂組成物の硬化
物(硬化条件:175℃×5時間)を作製し、その硬化
物についてのアルカリ金属イオン含量,ハロゲンイオン
含量およびその抽出水の電気伝導度を測定した。これら
の測定は、まず、上記硬化物を粉砕した後、100メッ
シュの篩を通過した粉末を、その10重量倍のイオン交
換水中に入れた。そして、プレッシャークッカー状態
(160℃×20時間×100%RH)下で放置した
後、イオン交換水中に抽出されたアルカリ金属イオン含
量は原子吸光法により、ハロゲンイオンは硝酸銀水溶液
を用いた電位差滴定により定量してそれぞれの含量を検
出した。さらに、上記抽出水の電気伝導度を併せて測定
した。これらの結果を上記表1および表2に示した。
【0044】また、上記実施例および比較例のタブレッ
ト状のエポキシ樹脂組成物を用い、金線をワイヤーボン
ドした半導体素子を、トランスファー成形(成形条件:
設定温度175℃,注入圧力80kg/cm2 ,硬化時
間120秒)し半導体装置を作製した。この半導体装置
は、80ピンクワッドフラットパッケージ(80pin
−QFP)(20mm×14mm×厚み1.5mm)で
6×6mmのチップを有するものである。このトランス
ファー成形によりパッケージを各20個製造し、得られ
たパッケージに不良部分の生じた個数をカウントした。
そして、この半導体装置を用いて、85℃/85%RH
雰囲気下、48時間放置したものと、72時間放置した
ものについて、260℃×10秒間の条件で半田浸漬を
それぞれ行った。そして、半田浸漬後のパッケージクラ
ックの発生数を測定した。これら成形時の不良パッケー
ジ数,半田浸漬後のパッケージクラック発生数を後記の
表3〜表6に併せて示した。
【0045】さらに、上記半導体装置について、各10
個を30Vのバイアス電圧をかけた状態でプレッシャー
クッカー槽(121℃×2気圧)内で200時間放置し
た。その結果、半導体素子上のアルミニウム配線の腐食
による導通不良が発生した半導体装置数を測定した(P
CBT試験)。これらの結果を下記の表3〜表6に併せ
て示した。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】上記表3〜表6の結果から、比較例1およ
び2品は、成形性面では問題がなく、半田浸漬時の耐ク
ラック性も優れていたが、PCBT試験では全てにおい
て不良が発生した。また、比較例3および4品は、溶融
粘度が高く成形時に不良が発生した。このように、比較
例品は、半田時の耐クラック性,耐湿信頼性,成形性の
いずれかに劣っている。これに対して、実施例品は、全
ての評価結果において高い評価が得られた。このことか
ら、実施例品は、半田実装時の耐クラック性,高温高湿
度雰囲気下での保存信頼性および成形性の全てに優れて
いることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパイラルフロー試験金型の下型を示す平面図
である。
【図2】スパイラルフロー試験金型を示す断面図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 正幸 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−67702(JP,A) 特開 平5−267371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/29 C08G 59/18 C08G 59/20 C08G 59/62 H01L 23/31

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するエ
    ポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半
    導体装置であって、上記エポキシ樹脂組成物の溶融粘度
    (高化式フローテスターを用い175℃で測定した最低
    溶融粘度)が10〜150ポイズであり、かつプレッシ
    ャークッカー状態(160℃×20時間×100%R
    H)下で抽出される上記エポキシ樹脂組成物硬化物のア
    ルカリ金属イオン含量が5ppm以下、ハロゲンイオン
    含量が50ppm以下、抽出水(100メッシュパス硬
    化粉に対して10重量倍の水を使用)の電気伝導度が7
    μS/cm以下となるよう設定されていることを特徴
    とする半導体装置。 (A)ビフェニル型エポキシ樹脂。 (B)硬化剤。 (C)無機質充填剤。
  2. 【請求項2】 (B)成分である硬化剤が、フェノール
    アラルキル樹脂である請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 下記の(A)〜(C)成分を含有するエ
    ポキシ樹脂組成物であって、上記エポキシ樹脂組成物の
    溶融粘度(高化式フローテスターを用い175℃で測定
    した最低溶融粘度)が10〜150ポイズであり、かつ
    プレッシャークッカー状態(160℃×20時間×10
    0%RH)下で抽出される上記エポキシ樹脂組成物硬化
    物のアルカリ金属イオン含量が5ppm以下、ハロゲン
    イオン含量が50ppm以下、抽出水(100メッシュ
    パス硬化粉に対して10重量倍の水を使用)の電気伝導
    度が70μS/cm以下となるような配合組成とされた
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (A)ビフェニル型エポキシ樹脂。 (B)硬化剤。 (C)無機質充填剤。
  4. 【請求項4】 (B)成分である硬化剤が、フェノール
    アラルキル樹脂である請求項3記載の半導体封止用エポ
    キシ樹脂組成物。
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