JP3009560B2 - 義 足 - Google Patents

義 足

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JP3009560B2
JP3009560B2 JP5091506A JP9150693A JP3009560B2 JP 3009560 B2 JP3009560 B2 JP 3009560B2 JP 5091506 A JP5091506 A JP 5091506A JP 9150693 A JP9150693 A JP 9150693A JP 3009560 B2 JP3009560 B2 JP 3009560B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性複合材料を用
いた新規な義足に関するものである。更に詳しくは、義
足足部の強化用部材として用いられるインナーソールが
連続繊維で強化された熱可塑性複合材料からなる、軽量
性、対環境性、着用感、歩行性等を改善したフィット性
のよい、改良された義足に関するものである。
【0002】
【従来の技術】義足は、通常、着地面に対してほぼ垂直
に設けられた支柱の先端に接続用部材等を介して支柱と
ほぼ直交する方向に伸びたインナーソールが取付けら
れ、それらの外側を足部の形状に類似したゴム発泡体等
で覆っている。そして、義足足部のインナーソールとし
ては、軽量化、耐腐食性を考慮して、シート状のアルミ
材が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、義足の足部
におけるインナーソールに使用する上で、材料に求めら
れる特性としては、身体に対する負荷を軽減させるため
の軽量性、足を地面や床面等の着地面に下ろした時の衝
撃を吸収するための適度な弾性率、衝撃に耐える弾性限
界応力、及び、繰り返しの衝撃に耐える疲労特性があ
る。さらに、義足の足部全体の耐久性を高める上で、繰
り返し温度変化によるインナーソールの剥離を減少させ
るため、熱膨張係数の低いことも要求される。
【0004】従来使用されているアルミ材は強度及び疲
労性の点では充分であるが、弾性率の点で問題があり、
このため、足の土踏まずに似せてインナーソールを湾曲
させ、その弾性回復により急激な荷重変化の吸収効果を
持たせるようにしている。さらに、足部の肉に相当する
ものとして、ゴム発泡体で覆い衝撃を吸収している。
【0005】しかしながら、このようにして作られた義
足でも必ずしも満足できるものは得られていない。ま
た、軽量性の観点からは一層の改善が求められている。
さらに、アルミ材のインナーソールは熱線膨張係数が大
きいことから、例えば冬場等において暖房の有無により
使用温度差が大きい場合に、インナーソールの剥離が生
じ、義足内に水分が入ることにより耐久性が低下すると
いう問題が生じ易い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の如
き従来の材料のもつ機能面での課題を解決すべく鋭意研
究を重ねた結果、インナーソールとして連続繊維強化熱
可塑性複合材料を用いることでこれらの問題を解決し得
ることを見い出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は、(1)連続繊維よりなる
強化繊維のクロスと熱可塑性樹脂フィルムとを交互に積
層し加熱加圧して得た熱可塑性樹脂をマトリックスとす
る熱可塑性複合材料を用いて成型した、強靭かつ軽量な
インナーソールを備えたことを特徴とする義足に係るも
のである。さらには(2)上記インナーソールを構成す
る熱可塑性複合材料のVf(体積基準繊維含有率)が3
0〜60%であること、(3)上記(1)(2)におい
て強化繊維のクロスが炭素繊維又はガラス繊維より選ば
れた連続繊維の織物であること、また、(4)上記
(1)〜(3)において熱可塑性複合材料のマトリック
ス樹脂が、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂より選
ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であること、を特
徴とする新規な義足に係るものである。
【0008】本発明の義足は、それを構成するインナー
ソールとして、連続繊維のクロスを強化材とする熱可塑
性複合材料であって、連続繊維のクロスと熱可塑性樹脂
フィルムとを交互に積層し加熱加圧して樹脂をクロス中
に溶融含浸透させてなる、熱可塑性樹脂をマトリックス
とする複合材料を用いたことを最大の特徴とする。
【0009】本発明に使用する複合材料のマトリックス
樹脂としては熱可塑性樹脂が用いられる。一般に、複合
材料のマトリックスとしては熱可塑性樹脂の他に、熱硬
化性樹脂、金属、セラミックス等が知られているが、金
属は重量の点で好ましくなく、セラミックス等は耐衝撃
性の点で好ましくない。熱硬化性樹脂をマトリックスと
した複合材料は軽量性、剛性に関しては優れた材料であ
るが、耐衝撃性と耐疲労性において熱可塑性複合材料よ
り劣り、好ましくない。
【0010】本発明に使用できる熱可塑性樹脂として
は、熱可塑性である限り特に制限はないが、なかでも、
ナイロン66、ナイロン6等のナイロン樹脂やポリカー
ボネート樹脂が好ましい。これらは、強化繊維クロスと
積層して使用するためフィルム状のものが用いられる。
【0011】本発明に使用する強化繊維としては、マト
リックス樹脂の融点において充分な耐熱性を持ち、か
つ、剛性の高い繊維が好ましく、このような繊維として
は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、S
iC(炭化珪素)繊維、アルミナ繊維等があげられる
が、なかでも炭素繊維が最も好ましい。
【0012】強化繊維の形態としては、連続繊維のクロ
ス(織編物)が使用される。この中でも異方性の小さい
織物が好ましい。織物の織組織としては、平織り、朱子
織り、綾織り等が使用される。なかでも、炭素繊維又は
ガラス繊維の織物を強化材として使用した熱可塑性複合
材料では熱膨張係数を極めて小さい値に抑えることが可
能となるので好ましい。
【0013】本発明の義足においてインナーソールを構
成する熱可塑性複合材料の繊維含有率は体積基準(V
f)で30〜60%であることが好ましい。Vfが60
%をこえると複合材料シートを足の形状に合わせて曲げ
加工を行うのが困難になるので、好ましくない。一方V
fが30%未満になると弾性限界応力が低下し、好まし
くない。
【0014】次に、本発明の義足の構成の一例を図面に
より説明する。図1において、1はインナーソール、2
はゴム発泡体等からなる義足外周部、3はインナーソー
ルを先端に取付けた支柱である。本発明の義足は、イン
ナーソール1が上述の熱可塑性複合材料からなり、好ま
しくは足の形状に合せて一部湾曲させた複合材料シート
からなるものである。なお、支柱3は軽量な金属パイプ
でも、複合材料のパイプ又はロッドでもよく、支柱3の
先端に取付具を介してインナーソール1が係止されてい
る。
【0015】
【発明の効果】本発明の如く熱可塑性複合材料のインナ
ーソールを用いた義足は、着用感、歩行性に優れている
という利点がある。該複合材料製インナーソールを用い
ることより、従来の材料であるアルミ材を用いたインナ
ーソールを備えたものよりも着用性、歩行性に優れた製
品が得られる理由は定かではないが、軽量化の他に次の
ような理由が考えられる。即ち、本発明の義足を構成す
る複合材料は、アルミ材と比べて低い弾性率と高い弾性
限界応力を持っているため、着地の際の衝撃の吸収性に
優れ、かつ、しっかりと上体を支えることが可能になる
ためと推定される。
【0016】かくして、本発明に従えば軽量且つ着用
感、歩行性に優れた義足が提供される。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例を詳述するが、本発明
はこれらの実施例により限定されるものではない。な
お、これらの実施例において「CFクロス」は、東レ
(株)製の炭素繊維平織りクロス(CO6341B、目
付396g/m2 )を示し、「GFクロス」は、旭ファ
イバーグラス(株)製のガラス繊維平織りクロス(H2
01,目付け204g/m2 )を意味する。
【0018】
【実施例1】本例は、連続繊維強化熱可塑性複合材料を
用いた義足材料(インナーソール)の成形例である。
【0019】強化材として上記のCFクロスと、マトリ
ックス樹脂としてPC(ポリカーボネート樹脂)フィル
ムとを用い、上記CFクロスを7層、PCフィルムを8
層交互に積層し、平板金型の内部にセットし、熱圧プレ
スを用いて、温度290℃、圧力30kg/cm2 の条
件下にて30分間加熱加圧してCFクロス中に樹脂を含
浸した後、80℃迄冷却し金型より取り出した。得られ
た成形板の厚みは3mmで、Vfは52%であり、非常
に良好な樹脂含浸板であった。
【0020】次に、この成形板を用いて義足用インナー
ソールの成形を行った。すなわち、インナーソールを想
定した寸法(50×170mm)に裁断した樹脂含浸板
を一対の金型で挟み込み、220℃に加熱し、図1に示
すような湾曲した板状に加圧成形した。
【0021】得られた義足用インナーソールの重量は3
8gであって市販アルミ材インナーソールの重量の約3
5%で極めて軽量なものであった。また、該インナーソ
ールの弾性限界荷重は180kgでアルミ材の95kg
より大きく、曲げ弾性率は5230kg/mm2 でアル
ミ材の約70%で、破壊しにくく、かつ多少のしなやか
さも有していた。
【0022】このインナーソールを用い、図1の如くア
ルミパイプ製の支柱とゴム発泡体からなる被覆部と組合
せて、着用性、歩行性の良好な義足が得られた。
【0023】
【実施例2】実施例1と同様の目的で、連続強化繊維を
GFクロスに置き換えて、その他の条件は実施例1と同
一の条件で成形した。得られた樹脂含浸板はVfが48
%で上記実施例1と同様に含浸性の良いものが得られ
た。この樹脂含浸板を用いて、実施例1と同様の成形方
法で義足用インナーソールを成型した。
【0024】得られたインナーソールの重量は48gで
アルミ材インナーソールの44%であった。また、その
弾性限界荷重は160kg、ヤング率は1900kg/
mm 2 であり、実施例1と同様に、破壊しにくく、しな
やかさを持つものであった。
【0025】
【実施例3】実施例1と同様の目的で、連続強化繊維と
してCFクロスを用い、マトリックス樹脂をPCフィル
ムからナイロン6フィルムに置き換えて、含浸温度を2
70℃とし、その他の条件は実施例1と同一条件で成形
した。得られた樹脂含浸板は非常に含浸性の良好なもの
であった。この樹脂含浸板を用いて実施例1と同様にイ
ンナーソールとしての曲げ加工を実施した。
【0026】得られたインナーソールの重量は37gで
アルミ材インナーソールの約34%であった。また、該
インナーソールは弾性限界荷重210kg、ヤング率5
180kg/mm2 であり、実施例1と同様の効果が得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る義足の構造の一例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 インナーソール 2 ゴム発泡体 3 支柱
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−285166(JP,A) 特開 昭63−277053(JP,A) 特開 昭62−221346(JP,A) 特開 昭60−225549(JP,A) 実開 昭54−39998(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 2/54 - 2/78

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維からなる強化繊維のクロスと熱
    可塑性樹脂フィルムとを交互に積層し加熱加圧して得た
    熱可塑性樹脂をマトリックスとする熱可塑性複合材料を
    用いて成型した、強靭かつ軽量なインナーソールを備え
    たことを特徴とする義足。
  2. 【請求項2】 インナーソールを構成する熱可塑性複合
    材料のVf(体積基準繊維含有率)が、30〜60%で
    ある請求項1に記載の義足。
  3. 【請求項3】 強化繊維のクロスが、炭素繊維、ガラス
    繊維より選ばれた少なくとも種からなる連続繊維の織
    物である請求項1または2に記載の義足。
  4. 【請求項4】 熱可塑性複合材料のマトリックス樹脂
    が、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂より選ばれた
    少なくとも1種の熱可塑性樹脂である請求項1,2また
    は3に記載の義足。
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