JP3008963U - 電気ランプ - Google Patents
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- F21S41/19—Attachment of light sources or lamp holders
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ベース内に内蔵されている引っ張り応力逃が
し機構の最低強度を増大させる。 【構成】 電気ランプ1のベース2内において,ばね作
用を有するスリーブ11a・11bが各接続ケーブル6
a・6bを摩擦作用及び(又は)係合作用をもって取り
囲んでいる。ベース底9はベース部分7と結合されてい
る。スリーブはベース底の孔10a・10bによって取
り囲まれていて,半径方向で内方に向かう力がスリーブ
に作用せしめられている。これによって,接続ケーブル
の絶縁ジャケット12a・12bが圧縮される。
し機構の最低強度を増大させる。 【構成】 電気ランプ1のベース2内において,ばね作
用を有するスリーブ11a・11bが各接続ケーブル6
a・6bを摩擦作用及び(又は)係合作用をもって取り
囲んでいる。ベース底9はベース部分7と結合されてい
る。スリーブはベース底の孔10a・10bによって取
り囲まれていて,半径方向で内方に向かう力がスリーブ
に作用せしめられている。これによって,接続ケーブル
の絶縁ジャケット12a・12bが圧縮される。
Description
【0001】
本発明は,ベースによって保持されているバルブを有し,ベースはバルブの方 の側のベース部分とバルブとは逆の方の側のベース底とを有しており,バルブ内 の発光手段は電流供給導線によって接続ケーブルと導電性に接続されており,各 接続ケーブルは変形可能な絶縁ジャケットを有していて,ベース底から導き出さ れており,接続ケーブルのための引っ張り応力逃がし機構がベース内に内蔵され ている形式の電気ランプに関する。
【0002】 すなわちこの場合,ベースから,絶縁ジャケットと内部導線とから成る接続ケ ーブルが導き出されており,これらの接続ケーブルのために引っ張り応力逃がし 機構がベース内に内蔵されている。接続ケーブルに外部の力が作用した場合,こ の引っ張り応力逃がし機構は,接続ケーブルとバルブへの電流供給導線との間の 接触点(溶接点)における損傷を防止する。例えばISO(国際標準化機構)の 規格8092−9によれば,内部導線の横断面が0.75mm2 の場合には引っ張 り応力逃がし機構は70Nの最低強度が必要とされている。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第 40 37 964 号明細書によって公知の引っ張 り応力逃がし機構においては,締め付けくさび体が,2つの接続ケーブルの間で ベースに横方向に配置されている切り欠き部内に押し込まれるようになっている 。この場合締め付けくさび体は縦リブを備えていて,この縦リブは両方の接続ケ ーブルの絶縁ジャケット内に同時に食い込む。
【0004】 この公知の引っ張り応力逃がし機構の欠点は,接続ケーブルが締め付けくさび 体によってたんに片側で負荷され,これによって組み立ての際に,不都合なケー ブル運動(特にねじれ)が生じ得ることである。引っ張り応力逃がし機構が大き な強度を有していることが要求される場合には,縦リブを次のように,すなわち 接続ケーブルの絶縁ジャケットが片側で相応して強く圧縮され,若しくは縦リブ が絶縁ジャケット内に切り込むように,構成しなければならない。これによって 接続ケーブルの内部導線が締め付けくさび体の縦リブによって損傷する危険が増 大する。
【0005】
本考案の課題は,このような欠点を取り除いて,ベース内に内蔵されている引 っ張り応力逃がし機構の最低強度を増大させることである。
【0006】
この課題は本考案の構成では,最初に述べた形式の電気ランプにおいて,引っ 張り応力逃がし機構を構成するために,その都度1つのばね作用を有するスリー ブが各接続ケーブルを摩擦作用及び(又は)係合作用をもって取り囲んでおり, ベース底がベース部分と結合されており,ばね作用を有するスリーブは補助部分 の孔によって摩擦作用及び(又は)係合作用をもって取り囲まれていて,該補助 部分によってほぼ半径方向で内方に向かう力がスリーブに作用せしめられており ,これによって,ばね作用を有しているスリーブの円周が減少せしめられて,各 スリーブの内面が接続ケーブルの変形可能な絶縁ジャケットを圧縮し,かつ(又 は)絶縁ジャケット内に係合しているようにした。
【0007】
本考案の基本的な技術思想は,ベースの範囲において,接続ケーブルの全周に 沿ってほぼ均一に引っ張り応力逃がし機構を作用させることである。この場合, 接続ケーブルを取り囲んでいる変形可能な絶縁ジャケットに対してほぼ半径方向 に向いていて,均一に,近似的に回転対称的に,分配されている力が作用せしめ られる。
【0008】 これによって,一面では力の分配が局所的に不均一になることが避けられる。 換言すれば引っ張り強度が同じであっても内部導線が損傷する危険が著しくわず かになる。他面において,接続ケーブルの組み立て中に,引っ張り力及び回動力 によって欲せざるケーブル運動が生ずることはない。換言すれば接続ケーブルと バルブへの電流供給導線との間の接触点(溶接点)の損傷が生ずることはない。 この場合,ベース底の平面内における接続ケーブルの数も,またその空間的配 置も,特別な制約を受けることはない。それは各接続ケーブルは固有の引っ張り 応力逃がし機構を有しているからである。
【0009】 本考案によれば,引っ張り応力逃がし機構は接続ケーブルの絶縁ジャケットに 差しはめられたばね作用を有するスリーブによって実現され,このスリーブの最 初の直径若しくは円周は,組み立て作業中に適当な機構によって減少せしめられ て,スリーブの内面が接続ケーブルの変形可能な絶縁ジャケットを圧縮しながら この絶縁ジャケットに係合する。つまり,引っ張り応力逃がし機構全体を適当に 構成しておけば,スリーブの内面が絶縁ジャケットをたんに圧縮するか,あるい は付加的に少なくとも部分的に絶縁ジャケット内に食い込むようにすることがで きる。これら両方の場合に,スリーブと絶縁ジャケットとの間に,摩擦結合と係 合結合との組み合わせが生ぜしめられ,これによって引っ張り応力逃がし機構の 引っ張り強度が生ぜしめられる。この引っ張り強度は,食い込み深さ及び圧縮面 の大きさによって,またスリーブの内面の形状を適当に選択することによって, 並びに絶縁ジャケット及びスリーブの材料性質,特に弾性率及びせん断強さによ って,種々調整することができる。
【0010】 スリーブの内面は回転対称的な形状を有することができ,これによって係合結 合が相応に強化される。例えばほぼ円筒形の内面に少なくとも1つの環状の狭幅 部を設け,この狭幅部によって絶縁ジャケットが特に強く圧縮されるようにする ことができる。この場合,狭幅部は例えばスリーブの一方の端部に,あるいは両 方の端部の間の任意の箇所に配置しておくことができる。スリーブを接続ケーブ ルに簡単に差しはめられるようにするために,狭幅部は有利には,最初に接続ケ ーブルに差しはめられる方のスリーブ端部からある程度離れた箇所に配置してお くのがよい。この場合狭幅部はむしろ引っ張り方向とは逆の方の端部の近くに配 置される。これによって,このスリーブ端部は引っ張り負荷が作用した場合に, 絶縁ジャケット内に更に食い込み,この箇所における係合結合が付加的に強化さ れ,大きな引っ張り強度が生じる。
【0011】 狭幅部をスリーブの内面に設ける場合に,例えばほぼ円筒形の内面にカム状の 環状狭幅部を設けることができる。また,2つ以上の環状の狭幅部,例えば回転 対称的な隆起部,あるいは順次に繰り返して設けられている隆起部と凹所,例え ばのこ刃状の形状も有利であり,のこ刃状の形状の場合には回転対称的な形状に する必要はない。狭幅部が引っ張り負荷の方向に対して垂直の方向に延びている と,特に大きな引っ張り強度が達成される。これに対し,狭幅部が引っ張り負荷 の方向に延びていると,スリーブ及び絶縁ジャケットの材料性質が変わらない場 合,引っ張り強度がわずかになる。選択された形状及びスリーブと絶縁ジャケッ トの材料に応じて,係合結合は絶縁ジャケットを変形させるだけか,あるいは絶 縁ジャケット内への食い込みを生ぜしめる。
【0012】 スリーブの内径若しくは形状を定める場合に注意すべきことは,スリーブを組 み立て作業の始めに接続ケーブルの絶縁ジャケットに問題なく差しはめることが でき,絶縁ジャケットの圧縮若しくは絶縁ジャケット内への食い込みによって所 望の引っ張り強度を生ぜしめることができ,内部導線を損傷することがないよう にすることである。特に狭幅部(例えばのこ刃状の狭幅部)の縁に丸みをもたせ ることができる。有利には,取り付け前のスリーブの最小内径は接続ケーブルの 外径よりも,0.1mm〜1mm程度あるいはそれ以上,大きい。
【0013】 スリーブの最初の直径若しくは円周を確実に減少させるために,スリーブは少 なくとも1つのほぼ軸平行のスリットを有している。このスリットの幅,数及び 長さ並びに使用されている材料のばね作用によって,スリーブ直径の最大限可能 な減少度を調整することができる。この場合スリーブ材料は絶縁ジャケットの圧 縮される材料よりも大きな硬度を有していなければならない。適当な材料は例え ば相応する性質を有するプラスチックである。
【0014】 簡単な場合,スリーブはただ1つの全長にわたるスリットを有しており,この スリットは有利にはスリーブの縦軸線に対して平行であるか,ほぼ平行である。 この場合スリーブ円周の最大限可能な減少度は,スリットの幅及び使用されるス リーブ材料のばね作用によって決定される。この最大限可能な減少度は,遅くと も,スリーブの,スリットを形成している両方の縦縁がちょうど接触するときに 達成される。特別に成形されていない円筒形の内面の場合には,絶縁ジャケット がほとんど均一にほぼ円筒形に圧縮される。両方の縦縁が重なり合うことは好ま しくない。なぜなら,絶縁ジャケットが局所的に強く,つまり非回転対称的に, 圧縮されるからである。スリットの幅を過度に大きくして,スリーブの最初の直 径を過度に著しく減少させると,スリーブの内面が円筒形から許容し得ないほど 大きく変形し,力がもはや充分に回転対称的に分配されない。有利なスリットの 幅は,最初のスリーブ円周の約10〜15%である。スリットの両方の縦縁は必 ずしも平行である必要はない。換言すれば,スリットの幅は必ずしも軸方向で一 定不変でなくてもよい。例えばスリーブの円周を円すい状に減少させることが望 まれる場合には,スリットの幅を相応する方向に先細にしておくことができる。
【0015】 複数のスリットを形成しておく場合にもばね作用を生ぜしめることができる。 もちろんこの場合これらのスリットは,スリーブの全長にわたっていてはならな い。これによって,必要とされるスリット幅が複数のスリットに分配され,これ によって1つのスリットの幅に相当するばね行程が減少する。複数のスリットは ,円周の減少が,(ア)全長にわたって均一に行われるように,あるいは(イ) 全長にわたって不均一に,例えば円すい状にあるいはスリーブの長さの一部分だ けにわたって,行われるように,形成し,配置することができる。
【0016】 前記の(ア)の場合は,スリーブが少なくとも2つの,全長にわたっていない スリットを有していて,これらのスリットが交互にスリーブの一方又は他方の端 部から形成されていて,その長さがスリーブの長さの半分を越えている場合に, 実現することができる。2つのスリットのこの特別な組み合わせ(以下において は「逆向きスリット」と呼ぶ)によって,スリーブの全長にわたるスリットの場 合と同じように,スリーブの円周が近似的にその全長にわたって均一に減少せし められ,それも,スリットの長さがスリーブの長さに近付くほど,つまりスリッ トの端部に残されているウェブの長さが短くなるほど,一層均一に減少せしめら れる。これに対し,スリットがスリーブの中央までしか達していない場合あるい はそれよりも短い場合には,スリーブの両方の端部だけが細くされ,スリーブの 中央部分はその円周を維持することになる。
【0017】 もちろん,1つの全長にわたるスリットに対して逆向きスリットが有している 特別な利点は,スリーブが逆向きスリットを2対以上有している場合に生ずる。 すなわち,これらの逆向きスリット対がスリーブの円周に沿って対称的に分配さ れて配置されていると,円周の減少を,1つのスリットの場合よりも著しく均一 に,スリーブ壁に沿って分配して行うことができる。換言すれば,スリーブの内 面の最初の円筒形の基本形状が一層近似的に維持される。
【0018】 原理的には,複数のスリットをスリーブの円周に沿って全く非対称的に分配す ることも可能である。もちろんその場合には,スリーブの円周の減少は,最初の 円筒形の基本形状からの相応して大きな差をもたらす。
【0019】 複数のスリットを有しているスリーブの場合の最大限可能な円周減少度は,ス リットの数及び幅並びにスリーブ材料のばね作用のほかに,付加的にスリーブの 全長に対するスリットの長さ及びスリットの端部に残されているウェブのばね作 用によって,種々に調整することができる。
【0020】 前記の(イ)の場合は,原理的に前記の(ア)の場合のスリーブによっても実 現することができる。すなわち円周減少に必要な半径方向の力をスリーブの全長 に沿って不均一に作用させるのである。更に,逆向きスリット対のスリットの長 さを互いに異ならせることができる。また逆向きスリットは対をなすように配置 しないで,スリーブの両方の端部から形成されているスリットの数を異ならせる こともできる。円すい状に先細にするためには,例えばスリーブの先細にされる 端部にだけスリットを形成しておくことで充分である。このようなスリーブは簡 単に製作することができるので,費用を節減することができる。半径方向で内方 に向いた力によって生ぜしめられる円すい状の先細部が引っ張り方向とは逆向き に配置されると,これによって得られる係合結合は引っ張り負荷に対して特別な 強度を生ぜしめる。更にこの場合,スリーブ内面を特別に成形する必要がなく, これによって更に費用を節減することができる。
【0021】 逆向きスリットを直径方向で向き合わして,2対配置すると,特に有利である 。これによって,スリットは交互にスリーブの一方の端部及び他方の端部から始 まることになる。このようにスリットが対称的に分配されることに基づいて,ス リーブの各端部において始まっているそれぞれ2つのスリットが180°の角度 間隔で向き合い,一方のスリーブ端部において始まっている2つのスリットは他 方のスリーブ端部において始まっている2つのスリットに対して90°ずらされ て配置されている。これによってスリーブ壁は4つの可動のセグメントに分割さ れる。スリットのこの特別な配置は,特に著しい,それにもかかわらずスリーブ の全長に沿って均一な円周減少を可能にする。
【0022】 逆向きスリット対の数は原理的に制約はない。数が増大すれば,理想的な回転 対称的円周減少に近付くが,しかし,それだけ製作費が高価になることはもちろ んである。
【0023】 スリーブの最初の円周を減少させるためには,補助部分が使用される。有利に はこの補助部分はベースの一部分である。このためにベースは有利には2部分に ,つまり上方のベース部分とベース底とに分割されており,ベース底は各接続ケ ーブルに対してそれぞれ1つの孔を有している。組み立て作業中,ベース底と上 方のベース部分とは互いに結合せしめられ,スリットを有するスリーブが前記の 孔内に挿入される。このことを可能にするために,スリーブの最小の外径は孔の 最大の内径よりも小さい。この場合寸法を適当に定めることによって,最初のス リーブ円周は規定どおりに減少せしめられ,スリーブが接続ケーブルの絶縁ジャ ケット内に,所望の引っ張り強度で,圧縮作用をもって係合する。
【0024】 スリットを有するスリーブの円周減少は,組み立て作業中に−上方のベース部 分とベース底とを結合する際に−作用せしめられる軸方向に力が少なくとも部分 的に半径方向で内方に向かう力に変換せしめられることによって,生ぜしめられ る。このことは,スリーブの外面か,孔の内面か,あるいは両者が少なくとも部 分的に円すい状に先細になっているようにすることによって,実現することがで きる。スリーブの外面及び孔の内面を円すい状に先細にする場合には,スリーブ の円錐角と孔の円錐角とを必ずしも一致させる必要はない。スリーブの外面及び (又は)孔の内面をほぼ円筒形に構成することもでき,その場合には少なくとも 一方の外面又は内面の端部に,軸方向で傾斜した湾曲部を設けておかなければな らない。スリーブを孔内に挿入し得るようにするために,スリーブの最初の最小 外径は孔の最大内径よりも小さくしておかなければならない。
【0025】 接続ケーブルの縦軸線に対するスリーブの円すい形外面の角度αとベース底の 孔の円すい形内面の角度βとの比Vによって,半径方向でスリーブに作用する力 の,スリーブ縦方向での分配を調整することができる。このことは図6において ,円筒形の内面を有し,1つのスリットを付けられているスリーブを例にして, 3つの異なった比V=α/β=1,V>1及びV<1(ただしβは不変)によっ て概略的に示されている。これらの比は,αを不変にして,あるいはα及びβを 可変にして,示すこともできる。円すい角が同じ(V=1)場合,スリーブはそ の全外面を均一に半径方向に押され,スリーブ軸方向に沿って均一にスリーブ内 径が減少せしめられる。V>1の場合には,挿入前にベース底の孔から離れてい る方の第1のスリーブ端部において,逆の側の第2のスリーブ端部におけるより も著しい内径減少が生ぜしめられる。換言すればスリーブ内面は第1のスリーブ 端部に向かって先細にされる。V<1の場合にはスリーブ内面は逆に第2のスリ ーブ端部に向かって先細にされる。これによって,V≠1の絶対値に応じて,両 方のスリーブ端部の一方又は他方の範囲において絶縁ジャケットが程度の差こそ あれ強く圧縮される。
【0026】 いずれの場合でも組み立て作業中に,スリーブの外面が孔の内面に接触してか ら初めて円周の減少が行われる。すなわちスリーブが引き続いて軸方向に距離a だけ移動せしめられると,ΔUの円周減少が行われる。図7(例としてV=1の 場合が示されている)においては,孔内にスリーブを挿入する場合の3つの異な った段階が示されている。段階Aにおいては,スリーブは接続ケーブルに差しは められているが,まだ孔と接触していない。段階Bにおいては,スリーブは孔と 接触しているが,まだ最初の円周を有している。最後に段階Cにおいてスリーブ は距離aだけ軸方向に移動せしめられており,これによってスリーブの内面は絶 縁ジャケット内に距離: Δw=a・tanβ−s [式中,sはスリーブ内面と絶縁ジャケットとの間の環状透き間の厚さを示す] だけ食い込む。この場合達成されるスリーブ内面の円周の減少ΔU[これは最初 の円周U0と組み立て後の円周U(a,β)との差である]は次式: ΔU=U0−U(a,β)=2π・(Δw+s)=2π・a・tanβ で表すことができる。
【0027】 特にV>1の場合は,ベース底の組み立て作業中にスリーブが接続ケーブルの 絶縁ジャケット上を「空滑り」することが阻止される。この場合上方のベース部 分に向いたスリーブ端部が圧縮されて,絶縁ジャケット内に係合するので,接続 ケーブルの絶縁ジャケットに沿ったスリーブの運動は,ベース底及びベース部分 がその最終位置に達する前にかつスリーブがその最終直径に減径される前に,阻 止される。更に引っ張り応力逃がし機構の強度が増大せしめられる。なぜなら, 接続ケーブルに引っ張り負荷が作用した場合にベース部分の方の側のスリーブ端 部が絶縁ジャケット内にますます食い込むからである。
【0028】 V=1の場合に,「空滑り」を阻止するために,上方のベース部分は例えば環 状のストッパを備えることができる。このために上方のベース部分は接続ケーブ ルごとに1つの孔を備え,各孔の直径は,接続ケーブルは孔を通過することがで きるが,接続ケーブルに差しはめられているスリーブは孔を通過することができ ないような大きさに,定められている。スリーブが接続ケーブルの絶縁ジャケッ ト上をこのストッパまで押しずらされてから,ベース底が上方のベース部分に結 合されるようにすると,スリーブは半径方向の圧縮力をもって絶縁ジャケット内 に係合し,スリーブが接続ケーブルの軸方向に逃げることはない。これによって ,接続ケーブルの運動,ひいては接続ケーブルの内部導線と電流供給導線との間 の溶接点の損傷が阻止される。
【0029】
以下においては図面に示した実施例に基づいて本考案の構成を具体的に説明す る。
【0030】 図1において,ベース2内に内蔵された引っ張り応力逃がし機構を有するラン プ1が部分的に断面して示されている。このランプ1は殊に自動車の前照灯に使 用される高圧放電ランプ,特にメタルハライドランプ,である。2つの電極3a ・3bが気密に密封されガスを封入されているバルブ4内に配置されており,こ のバルブ4のシール部は延長部4aとして延長されていて,この延長部4aはセ ラミックから成るベース2によって保持されている。電極3a・3bは電流供給 導線5a・5bを介して接続ケーブル6a・6bに接続されている。この場合接 続ケーブル6a・6bはそれぞれ内部導線と絶縁ジャケット12a・12bとか ら成っており,電流供給導線5a・5bはベース2の内部において溶接点13a ・13bによって接続ケーブル6a・6bと導電性に接続されている。
【0031】 ベース2は円板形のカバー2aと,バルブ4に向かって開いているコップ形の ベース部分7と,このベース部分7の端面にかぶせはめられて結合されている円 板状のベース底9とから成っており,ベース部分7はバルブ4とは逆の側の端面 に接続ケーブル6a・6bのための2つの孔を有しており,ベース底9は2つの 円すい形の孔10a・10bを有している。これら2つの円すい形の孔10a・ 10bは外面円すい形のスリーブ11a・11bを取り囲んでおり,スリーブ1 1a・11bは接続ケーブル6a・6bを取り囲んで,その絶縁ジャケット12 a・12bを固定しており,かつバルブ4の側の端面を環状のストッパ8a・8 bに当接させている。これによって,組み立て作業中2つの接続ケーブル6a・ 6bがバルブ4の方に縦移動することが阻止される。このようにして,2つの溶 接点13a・13bが引っ張り負荷を受けて損傷することが効果的に防止されて いる。本考案による外面円すい形の2つのスリーブ11a・11bの機能につい ては図2を参照しながら説明する。絶縁ジャケット12a・12bの圧縮は2つ の外面円すい形のスリーブ11a・11bによって全周にわたってほぼ均一にか つ回転対称的に分配されて行われる。
【0032】 図2において,図1に示した実施例の外面円すい形のスリーブ11が縦断面図 (A)及び正面図(B)で示されている。このスリーブ11は互いに逆向きの2 対のスリット14a〜14dを有しており,この場合直径方向で向き合っている 2つのスリット14b・14dはスリーブ11の第1の端部15から形成されて おり,90°だけずらされて直径方向で向き合っている2つのスリット14a・ 14cはスリーブ11の第2の端部16から形成されており,これによって4つ の可動のセグメント17a〜17dが形成されている。これによって,特に半径 方向に作用する力によるスリーブ円周の減少及びそれに必要なばね行程は,4つ のスリット14a〜14dに分配される。円筒形の内面18は第1の端部15の ところにカム状の環状の狭幅部19を備えており,したがってこの場合,図1及 び図9に示すように,接続ケーブル6の絶縁ジャケット12内へのスリーブ11 の圧縮係合はこの箇所において強くされている。スリーブ11の特別な形状によ って,接続ケーブルの絶縁ジャケットにスリーブを真っすぐに差しはめることが 可能であり,したがってこの実施例はランプを自動製作する場合に適している。 図3においてはスリーブ11′の別の実施例の縦断面が示されており,この実 施例は図2の実施例と内面の形状が相違している。更に外面は円筒形である。内 面ののこ刃部21は絶縁ジャケットを相応して圧縮することによって,スリーブ 11′と接続ケーブルとの間に申し分のない係合結合を生ぜしめ,これによって 引っ張り負荷に対する強度が増大する。この場合のこ刃部21の寸法は,スリー ブ直径及び絶縁ジャケットの壁厚の所望の減少量に適合させて,接続ケーブルが 損傷せしめられることなしに所望の引っ張り強度が得られるように,定めなけれ ばならない。特にのこ刃部21の環状の縁に丸み(図3においては図示せず)を もたせておくことができる。
【0033】 図4は,外面円すい形のスリーブ11′′の実施例の縦断面(A)及び正面( B)を示す。このスリーブは1つの全長にわたるスリット14′′を有している 。内面18′′は円筒形である。1箇所にスリットを付けられたこのスリーブ1 1′′はスリーブ円周を,全長にわたってほぼ均一に減少させるのに適している 。このスリーブは構造が簡単であるために,製作費が安価である。
【0034】 図5は,スリーブ′′′の更に別の実施例の縦断面(A)及び正面(B)を示 す。このスリーブは1つの全長にわたるスリット14′′′を有している。内面 18′′′は回転対称的な凹面として形成されている。面取り部18a′′′は 接続ケーブルにスリーブを差しはめる作業を容易にする。外面20′′′はほぼ 円筒形であって,1つの軸方向の隆起部20a′′′を有しており,この隆起部 はスリーブ11′′′に沿って先細になっており,円すい形の外面と同じ機能を 果す。
【0035】 図8においては,内部導線22と絶縁ジャケット12とから成る接続ケーブル 6及び引っ張り応力逃がし機構の作用ユニット−ベース部分7′・図2に示した 外面円すい形のスリーブ11及びベース底9′−が予備組み立てされた状態で部 分的に縦断面して概略的に示されている。予備組み立てのために,ベース底9′ ・外面円すい形のスリーブ11及びベース部分7′はこの順序で,接続ケーブル 6の絶縁ジャケット12を除去された端部に差しはめられている。この状態にお いてベース底9′は矢印で示すようにベース部分7′の方にずらされ,スリーブ 11を連行し,スリーブ11がストッパ8に押し付けられる。次いで,円すい形 の孔10がスリーブ11上に押しずらされ,これによってスリーブ11が圧縮さ れ,ベース底9′の円すい形外面23がベース部分7′の円すい形内面24に座 着する。同時にベース底9′の突出している環状突起25がベース部分の環状溝 26内に係合し,これによってベース底9′が係止される。スリーブ11の外面 の円すい角は孔10の円すい角に近似的に等しい(V=1)。
【0036】 図9は,図8の作用ユニットが最終的に組み立てられた状態を示す。この場合 円すい形の孔10及びスリットの特別な配置によって,スリーブ11の最初の直 径が均一に減少せしめられている。これによってスリーブ11の内面は円すい形 のままであり,接続ケーブル6の絶縁ジャケット12を所望の形式で弾性的に変 形させている。スリーブ11の内面と接続ケーブル6の絶縁ジャケット12との 間の,要求される大きな引っ張り強度をもたらす回転対称的な係合結合が明確に 示されている。
【0037】 相応する形式で,円筒形の外面を有するスリーブ(図3)を,ベース底のわず かに円すい形の孔によって組み付けることができ,その場合には圧着力は均一に は分配されず,孔の最小直径のところに集中せしめられる。
【0038】 発光手段は電極であっても,白熱フィラメントであってもよい。
【0039】 本考案は図示の実施例に限定されるんものではない。特に,種々の実施例の個 々の特徴を適当に組み合わせることができる。
【図1】ベース内に内蔵された引っ張り応力逃がし機構
を有する本考案によるランプの部分的断面図である。
を有する本考案によるランプの部分的断面図である。
【図2】図1のランプにおいて使用されている外面円す
い形のスリーブの縦断面(A)及び正面(B)を示した
図である。
い形のスリーブの縦断面(A)及び正面(B)を示した
図である。
【図3】スリーブの別の実施例の縦断面図である。
【図4】スリーブの更に別の実施例の縦断面(A)及び
正面(B)を示した図である。
正面(B)を示した図である。
【図5】円すい形の外面に,軸方向で先細になっている
1つの隆起部を有しているスリーブの縦断面(A)及び
正面(B)を示した図である。
1つの隆起部を有しているスリーブの縦断面(A)及び
正面(B)を示した図である。
【図6】1つのスリットを付けられた外面円すい形のス
リーブと円すい形の孔を有するベース底との,円すい角
α及びβが等しい(V=1)場合(A),α>β(V>
1)の場合(B)及びα<β(V<1)の場合(C)の
概略的縦断面図である。
リーブと円すい形の孔を有するベース底との,円すい角
α及びβが等しい(V=1)場合(A),α>β(V>
1)の場合(B)及びα<β(V<1)の場合(C)の
概略的縦断面図である。
【図7】ベース底の円すい孔を通して導かれていて,外
面円すい形のスリーブが差しはめられている接続ケーブ
ルを,スリーブが種々の位置A〜Cにある状態で示した
部分的断面図である。
面円すい形のスリーブが差しはめられている接続ケーブ
ルを,スリーブが種々の位置A〜Cにある状態で示した
部分的断面図である。
【図8】接続ケーブルと,ベース部分・外面円すい形の
スリーブ及びベース底から成る引っ張り応力逃がし機構
の1実施例との,組み立て前の概略的縦断面図である。
スリーブ及びベース底から成る引っ張り応力逃がし機構
の1実施例との,組み立て前の概略的縦断面図である。
【図9】図8に示した接続ケーブルと引っ張り応力逃が
し機構との,組み立て後の概略的縦断面図である。
し機構との,組み立て後の概略的縦断面図である。
1 ランプ, 2 ベース, 2a カバー, 3a及
び3b 電極, 4バルブ, 4a 延長部, 5a及
び5b 電流供給導線, 6・6a及び6b接続ケーブ
ル, 7・7’ ベース部分, 8・8a及び8b ス
トッパ,9・9’・9a ベース底, 10・10a・
10b 孔, 11・11’・11’’・11’’’・
11a・11b スリーブ, 12・12a・12b
絶縁ジャケット, 13a及び13b 溶接点, 14
・14’’・14’’’・14a〜14d スリット,
15及び16 端部, 17a〜17d セグメン
ト, 18・18’’・18’’’ 内面, 18
a’’’ 面取り部, 19 狭幅部, 20・2
0’’’ 外面, 20a’’’ 隆起部, 21 の
こ刃部, 22 内部導線, 23 円すい形外面,
24 円すい形内面,25 環状突起, 26 環状
溝, 36 止まり穴
び3b 電極, 4バルブ, 4a 延長部, 5a及
び5b 電流供給導線, 6・6a及び6b接続ケーブ
ル, 7・7’ ベース部分, 8・8a及び8b ス
トッパ,9・9’・9a ベース底, 10・10a・
10b 孔, 11・11’・11’’・11’’’・
11a・11b スリーブ, 12・12a・12b
絶縁ジャケット, 13a及び13b 溶接点, 14
・14’’・14’’’・14a〜14d スリット,
15及び16 端部, 17a〜17d セグメン
ト, 18・18’’・18’’’ 内面, 18
a’’’ 面取り部, 19 狭幅部, 20・2
0’’’ 外面, 20a’’’ 隆起部, 21 の
こ刃部, 22 内部導線, 23 円すい形外面,
24 円すい形内面,25 環状突起, 26 環状
溝, 36 止まり穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ペーター ヘルビッヒ ドイツ連邦共和国 ゾントハイム レーマ ーシュトラーセ 20 (72)考案者 ヘルマン シュタイナー ドイツ連邦共和国 ヘルプレヒティンゲン エルヒヴェーク 29
Claims (9)
- 【請求項1】 ベース(2)によって保持されているバ
ルブ(4)を有し,ベース(2)はバルブ(4)の方の
側のベース部分(7)とバルブ(4)とは逆の方の側の
ベース底(9)とを有しており,バルブ(4)内の発光
手段(3a・3b)は電流供給導線(5a・5b)によ
って接続ケーブル(6a・6b)と導電性に接続されて
おり,各接続ケーブルは変形可能な絶縁ジャケット(1
2a・12b)を有していて,ベース底(9)から導き
出されており,接続ケーブル(6a・6b)のための引
っ張り応力逃がし機構がベース内に内蔵されている形式
の電気ランプにおいて,引っ張り応力逃がし機構を構成
するために,その都度1つのばね作用を有するスリーブ
(11a・11b)が各接続ケーブル(6a・6b)を
摩擦作用及び(又は)係合作用をもって取り囲んでお
り,ベース底(9)がベース部分(7)と結合されてお
り,ばね作用を有するスリーブ(11a・11b)は補
助部分の孔(10a・10b)によって摩擦作用及び
(又は)係合作用をもって取り囲まれていて,該補助部
分によってほぼ半径方向で内方に向かう力がスリーブに
作用せしめられており,これによって,ばね作用を有し
ているスリーブの円周が減少せしめられて,各スリーブ
(11a・11b)の内面(18)が接続ケーブル(6
a・6b)の変形可能な絶縁ジャケット(12a・12
b)を圧縮し,かつ(又は)絶縁ジャケット(12a・
12b)内に係合していることを特徴とする電気ラン
プ。 - 【請求項2】 補助部分がベース底(9)の一部分であ
ることを特徴とする,請求項1記載の電気ランプ。 - 【請求項3】 スリーブ(11a・11b)の最初の最
小直径が,対応する孔(10a・10b)の最大内径よ
りも小さくて,スリーブ(11a・11b)を対応する
孔(10a・10b)内に挿入することができ,スリー
ブの外面か,孔の内面か,あるいは両者が円すい形に形
成されていることを特徴とする,請求項1記載の電気ラ
ンプ。 - 【請求項4】 外面円すい形のスリーブ(11a・11
b)の内面が,絶縁ジャケットの圧縮を容易にし,した
がってスリーブと絶縁ジャケットとの摩擦結合及び(又
は)係合結合を増強するような形状を有していることを
特徴とする,請求項3記載の電気ランプ。 - 【請求項5】 スリーブ(11)のばね作用が,ほぼ軸
平行の少なくとも1つのスリット(14)によって生ぜ
しめられていることを特徴とする,請求項1から4まで
のいずれか1項に記載の電気ランプ。 - 【請求項6】 複数のスリットが,交互にスリーブ(1
1)の一方及び他方の端部から形成されていて,スリー
ブ(11)の長さの一部分にわたって延びていることを
特徴とする,請求項5記載の電気ランプ。 - 【請求項7】 スリーブ(11)が2対のスリット(1
4a〜14d)を有しており,直径方向で向き合ってい
る2つのスリット(14b・14d)がスリーブ(1
1)の第1の端部から形成されており,90°ずらされ
て直径方向で向き合っている2つのスリット(14a・
14c)はスリーブ(11)の第2の端部から形成され
ていて,これによって4つの可動なスリーブセグメント
が形成されていることを特徴とする,請求項6記載の電
気ランプ。 - 【請求項8】 ベース部分(7)に2つの孔が形成され
ており,これらの孔の直径は接続ケーブル(6a・6
b)の絶縁ジャケット(12a・12b)の外径に適合
せしめられており,ベース部分(7)のこれらの孔を取
り囲んでいる壁はスリーブのためのストッパを形成して
いることを特徴とする,請求項1から7までのいずれか
1項に記載の電気ランプ。 - 【請求項9】 ベース部分(7’)の,ベース底
(9’)の方の側の端面が,2つの孔の範囲に,孔より
も拡大された止まり穴(36)を有しており,これらの
止まり穴内に,スリーブ(11)を収容するためにベー
ス底に設けられた突出部がセンタを合わせて押し込まれ
ていることを特徴とする,請求項8記載の電気ランプ。
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US5291092A (en) * | 1992-04-24 | 1994-03-01 | Gte Products Corporation | HID vehicle headlamp capsule assembly |
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1993
- 1993-09-13 DE DE9313823U patent/DE9313823U1/de not_active Expired - Lifetime
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1994
- 1994-05-06 HU HU949400127U patent/HU456U/hu unknown
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