JP3008697U - 等速光走査用の結像ミラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 等速光走査用の結像ミラーのミラー面の蒸着
時に、光学ハウジングへの位置決め用の凸部が邪魔にな
らず蒸着個数を増加させて行なえるようにする。 【構成】 結像ミラー１０の偏向面に平行な一対の平面
１０ａ、１０ｂのうち、光学ハウジング１１への取り付
け側となる平面１０ａの略中央部に凸部１４を設ける。
その両端には凹部１５、１５を設ける。他方の平面１０
ｂには略中央部に凹部１６を設ける。結像ミラー１０と
なる樹脂部材を蒸着時に重ね合わせるときは、下側の結
像ミラー１０の平面１０ｂの凹部１６に、上側の結像ミ
ラー１０の平面１０ａの凸部１４を嵌合させ、重ねる枚
数が凸部１４のために減らないようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はレーザプリンタ等のレーザ書き込み系等に用いる等速光走査用の結像 ミラーに関し、特にその位置決め固定に関する。

【０００２】

【従来の技術】

レーザプリンタやディジタル複写機等のレーザー光線を用いて感光体に書きこ む画像形成装置の書き込み光学系としては、図２に示すような等速光走査用の結 像ミラーを用いたものがある。この光学系は、半導体レーザユニット１からの画 像信号により変調された出射ビームをアパーチヤ２により整形した後、回転多面 鏡３により所定の角度範囲を繰り返し偏向させ、等速光走査用の結像ミラー４を 経て感光体５上にスポット状に結像させて感光体５の軸方向に主走査し、感光体 ５の移動により副走査を行なうようにしている。結像ミラー４は、所定の角度範 囲を偏向するレーザ光線を通過させて感光体５の幅の概ねいっぱいに走査させる ため、偏向面に平行な２つの平面４ａ、４ｂを有する短冊状のミラーとして形成 されている。

【０００３】 このような結像ミラー４は図示せぬ光学ハウジングに対して固定するが、この 固定構造については、例えば同様の機能を有する光学素子である樹脂製結像レン ズについての特開平４−２６５９１９号公報に記載されているような技術がある 。この技術は、レーザプリンタ等のレーザ書き込み光学系のメニスカスレンズと して形成された短冊状の樹脂製結像レンズを簡単な構成で光学ハウジングに対し て熱応力により歪が生じないように位置ぎめ固定するもので、偏向面に平行な２ つの平面の一方の両端２個所と他方の中央部１個所を所定の位置に挟んで支持す る凸部を設け、これらにより位置ぎめされたレンズの平面部の中央部１点で光学 ハウジングに接着して固定するものである。このような固定構造を採用すると、 レンズとして樹脂を使用し熱膨張あるいは熱収縮した場合にも結像レンズの長手 方向に応力が掛からず、レンズが歪むことによる結像特性の劣化や、光学ハウジ ングからの剥離を防止することができる。

【０００４】 図２に示す等速光走査結像ミラー（以下結像ミラーと略す）も上記の結像レン ズと同様に短冊形状であり、安価な樹脂が使用されており、上記結像レンズと同 様に中央部１点に設けた凸部で光学ハウジングに固定される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、結像ミラーは結像レンズとは異なり、ミラー面に対してアルミ 蒸着等の成膜が必要であり、膜形成の際は蒸着装置に複数の樹脂部材を同時にセ ットして行なうようになっているが、偏向面に平行な平面に凸部があると、凸部 が突出している分だけ蒸着装置に投入できる個数が減少し、コストアップにつな がっていた。

【０００６】 本考案はこのような問題点に鑑みてなしたもので、光学ハウジングへの位置決 めが問題なく行なえることはもちろん、ミラー面の蒸着時における複数部材のセ ットにおいては凸部が邪魔にならず１回の蒸着個数を増加させることができる等 速光走査用の結像ミラーを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る等速光走査用の結像ミラーは上記目的を達成するために、１平面 内を偏向する光線を結像面の１直線上に結像させる短冊状の等速光走査用の結像 ミラーであって、上記偏向面に平行な一対の平面の略中央部に、光学ハウジング 側と接する平面には凸部を、他方の平面には該凸部と嵌合可能な凹部を設けた構 成としたものである。

【０００８】 本考案に係る等速光走査用の結像ミラーは、上記凸部を設けた光学ハウジング 側と接する平面の両端位置に、上記光学ハウジングに設けた凸部と嵌合する凹部 を設けてなる構成とすることもできる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１は本考案に係る等速光走 査用の結像ミラーの一実施例を示す斜視図である。図中１０は結像ミラー、１１ は光学ハウジングで、光学ハウジング１１の結像ミラー１０を位置決め固定すべ き部位の中央には凹部１２が、結像ミラー１０の入出射両端部が当接すべき両端 位置には凸部１３、１３が設けてある。

【００１０】 一方、結像ミラー１０の偏向面に平行な一対の平面１０ａ、１０ｂのうち光学 ハウジング１１への取り付け側となる平面１０ａには、略中央部に凸部１４を、 また両端には詳細な図示は省略するが凹部１５、１５を設けてある。また他方の 平面１０ｂには略中央部に凹部１６を設けてある。凸部１４は、光学ハウジング １１の凹部１２と嵌合可能であるとともに、他の結像ミラー１０の平面１０ｂの 凹部１６とも嵌合可能である。もちろん凹部１５、１５は、光学ハウジング１１ の両端の凸部１３、１３と嵌合可能である。

【００１１】 即ち本実施例の結像ミラー１０を形成するための樹脂部材をミラー面の成膜の 際に重ねると、下側の結像ミラー１０の平面１０ｂの凹部１６に、上側の結像ミ ラー１０の平面１０ａの凸部１４が嵌合する。従って複数の樹脂部材を重ねる際 の凸部１４の高さによる影響がなくなり、重ねられる枚数は凸部１４に影響され ずに蒸着装置のサイズによってのみ左右されることになる。また膜成形後にミラ ーとして光学ハウジング１１に取り付ける際には、従来の例と同様に凸部１４と 凹部１５、１５とによってしっかり位置決め固定できる。

【００１２】

【考案の作用効果】

本考案に係る等速光走査用の結像ミラーは以上説明してきたように、走査する 光線の偏向面に平行な一対の平面の略中央部に、光学ハウジング側と接する平面 には凸部を設け、これと嵌合可能な凹部を他方の平面に設けるようにしたので、 ミラー面を形成するための膜成形において、蒸着装置内で重ねられる枚数が増え 、１個あたりの成形コストを下げることができるようになるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る等速光走査用の結像ミラーの一実
施例を示す分解斜視図である。

【図２】等速光走査用の結像ミラーを用いた画像形成装
置の書き込み光学系との例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 結像ミラー １１ 光学ハウジング１２ 光学ハウジング１１の凹部 １３ 、１３ 同凸部 １０ａ、１０ｂ 結像ミラーの偏向面に平行な平面 １４ 凸部 １５、１５ 凹部 １６ 凹部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １平面内を偏向する光線を結像面の１直
   線上に結像させる短冊状の等速光走査用の結像ミラーで
   あって、上記偏向面に平行な一対の平面の略中央部に、
   平面には凸部を、他方の平面には該凸部と嵌合可能な凹
   部を設けたことを特徴とする等速光走査用の結像ミラ
   ー。
2. 【請求項２】 上記凸部を設けた光学ハウジング側と接
   する平面の両端位置に、上記光学ハウジングに設けた凸
   部と嵌合する凹部を設けてなることを特徴とする請求項
   １の等速光走査用の結像ミラー。