JP3008548B2 - 低温焼成セラミック組成物 - Google Patents
低温焼成セラミック組成物Info
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- JP3008548B2 JP3008548B2 JP3121337A JP12133791A JP3008548B2 JP 3008548 B2 JP3008548 B2 JP 3008548B2 JP 3121337 A JP3121337 A JP 3121337A JP 12133791 A JP12133791 A JP 12133791A JP 3008548 B2 JP3008548 B2 JP 3008548B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温焼成セラミックス組
成物に関し、詳しくは、電子機器の回路に使用されるセ
ラミック基板に供して好適な低温焼成セラミック組成物
に関する。
成物に関し、詳しくは、電子機器の回路に使用されるセ
ラミック基板に供して好適な低温焼成セラミック組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化・高性能化に伴
い、IC、LSI等の回路も高集積化の傾向にあり、高
集積の回路として多層回路が実用化されている。この多
層回路用のセラミック基板としては、従来一般的にアル
ミナが用いられているが、アルミナを焼結させるために
は約1600℃の高温で、かつ還元雰囲気で焼成する必
要がある。そのため多層回路用内部導体材料として、
W、Mo等の電気抵抗及び価格の高い高融点材料を使用
しなければならず、多層回路として信号遅延、高コスト
等の課題を有していた。
い、IC、LSI等の回路も高集積化の傾向にあり、高
集積の回路として多層回路が実用化されている。この多
層回路用のセラミック基板としては、従来一般的にアル
ミナが用いられているが、アルミナを焼結させるために
は約1600℃の高温で、かつ還元雰囲気で焼成する必
要がある。そのため多層回路用内部導体材料として、
W、Mo等の電気抵抗及び価格の高い高融点材料を使用
しなければならず、多層回路として信号遅延、高コスト
等の課題を有していた。
【0003】近年の回路の発達はセラミック基板の高性
能化を要求しており、その一つとして上記課題を解決し
た低温焼成化があり、低温焼成セラミック基板を用いた
多層回路が実用化されてきている。しかしながら低温焼
成セラミック基板は一般的に熱電導率・強度の点でアル
ミナに比べて劣り、できるだけその改善が望まれてい
る。
能化を要求しており、その一つとして上記課題を解決し
た低温焼成化があり、低温焼成セラミック基板を用いた
多層回路が実用化されてきている。しかしながら低温焼
成セラミック基板は一般的に熱電導率・強度の点でアル
ミナに比べて劣り、できるだけその改善が望まれてい
る。
【0004】従来の低温焼成セラミック組成物として、
例えば特開平2−26864号公報には、Al2 O3 粉
末:45〜60重量%、SiO2 粉末:15〜30重量
%、及びPbO粉末:20〜35重量%よりなるものが
開示されている。
例えば特開平2−26864号公報には、Al2 O3 粉
末:45〜60重量%、SiO2 粉末:15〜30重量
%、及びPbO粉末:20〜35重量%よりなるものが
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のAl2 O3
ーSiO2 ーPbO系の低温焼成セラミック組成物は、
熱伝導率、強度等の特性を向上させるフィラー成分(ア
ルミナ)と、低温焼成を可能とするフラックス成分(ガ
ラス)とからなっている。このAl2 O3 ーSiO2 ー
PbO系のセラミック組成物では、焼成時の温度上昇と
ともに、部分的に共融・ガラス化し、そのガラスが軟化
してアルミナ粒子を包み込むことにより緻密化する。こ
こで、アルミナ等のフィラー成分を増加させることによ
り、熱伝導率、強度の向上が期待できるが、アルミナを
増加しすぎると共融するガラス相が減少するので、アル
ミナ粒子を十分に包むことができず、焼成体の緻密性が
低下してしまう。このため、実際は一定割合以上(55
%)のアルミナを加えると焼成体の緻密性が低下するこ
とにより、熱伝導率、強度は低下してしまう。この緻密
性の低下を避けるため従来は一般的にフラックス成分
(ガラス)として微粉末を用いているが、高コスト、成
形性が悪くなるという欠点がある。このため、フィラー
添加量として50〜55%が限度であった。
ーSiO2 ーPbO系の低温焼成セラミック組成物は、
熱伝導率、強度等の特性を向上させるフィラー成分(ア
ルミナ)と、低温焼成を可能とするフラックス成分(ガ
ラス)とからなっている。このAl2 O3 ーSiO2 ー
PbO系のセラミック組成物では、焼成時の温度上昇と
ともに、部分的に共融・ガラス化し、そのガラスが軟化
してアルミナ粒子を包み込むことにより緻密化する。こ
こで、アルミナ等のフィラー成分を増加させることによ
り、熱伝導率、強度の向上が期待できるが、アルミナを
増加しすぎると共融するガラス相が減少するので、アル
ミナ粒子を十分に包むことができず、焼成体の緻密性が
低下してしまう。このため、実際は一定割合以上(55
%)のアルミナを加えると焼成体の緻密性が低下するこ
とにより、熱伝導率、強度は低下してしまう。この緻密
性の低下を避けるため従来は一般的にフラックス成分
(ガラス)として微粉末を用いているが、高コスト、成
形性が悪くなるという欠点がある。このため、フィラー
添加量として50〜55%が限度であった。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、上記フィラー成分としてのアルミナ添加量を増加
可能として、高熱伝導、高強度な焼成体を得ることので
きる低温焼成セラミック組成物を提供することを目的と
する。
あり、上記フィラー成分としてのアルミナ添加量を増加
可能として、高熱伝導、高強度な焼成体を得ることので
きる低温焼成セラミック組成物を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともA
l 2 O 3 粉末、SiO 2 粉末及びPbO粉末のセラミッ
ク粉末のみからなるAl2 O3 −SiO2 −PbO系の
低温焼成セラミック組成物において、前記組成物全体を
100重量%としたとき、Al2 O3 粉末が55〜65
重量%、SiO2 粉末が10〜20重量%、及びPbO
粉末が20〜30重量%であり、かつ上記Al2 O3 粉
末の平均粒径が2.5〜6.0μmであることを特徴と
する。
l 2 O 3 粉末、SiO 2 粉末及びPbO粉末のセラミッ
ク粉末のみからなるAl2 O3 −SiO2 −PbO系の
低温焼成セラミック組成物において、前記組成物全体を
100重量%としたとき、Al2 O3 粉末が55〜65
重量%、SiO2 粉末が10〜20重量%、及びPbO
粉末が20〜30重量%であり、かつ上記Al2 O3 粉
末の平均粒径が2.5〜6.0μmであることを特徴と
する。
【0008】本発明の組成物の限定理由は、以下の通り
である。Al2 O3 は、基板の主成分であり、焼成体の
熱伝導率および強度を大きくするためのものである。5
5%未満ではこれらの効果が少なく、65%を超えると
低温焼成の効果を減少させて、かつ緻密性を悪くする。
SiO2 は、焼成後にケイ酸塩結晶を生成し、低熱膨張
性を付与する。10%未満では焼結しにくくなるととも
に低熱膨張の効果が少なく、20%を超えると熱伝導率
が低下するとともに熱膨張係数が大きくなる。
である。Al2 O3 は、基板の主成分であり、焼成体の
熱伝導率および強度を大きくするためのものである。5
5%未満ではこれらの効果が少なく、65%を超えると
低温焼成の効果を減少させて、かつ緻密性を悪くする。
SiO2 は、焼成後にケイ酸塩結晶を生成し、低熱膨張
性を付与する。10%未満では焼結しにくくなるととも
に低熱膨張の効果が少なく、20%を超えると熱伝導率
が低下するとともに熱膨張係数が大きくなる。
【0009】PbOは、低温での焼結性を向上させる。
20%未満では、低温で焼結しにくくなり、30%を超
えても逆に低温で焼結しにくくなる。なお、好ましいS
iO 2 /PbOの比は、0.5〜1である。また、上記
Al2 O3 粉末の平均粒径が2.5μmより小さいと、
アルミナ粒子の比表面積の増大により共融ガラス相が相
対的に減少する。このため、Al2 O3 粉末が55重量
%以上添加されるような場合には、アルミナ粒子を共融
ガラス相で十分に包むことができず、焼成体の緻密性が
低下する。この結果、焼成体の強度、熱伝導率が低下す
る。逆に、Al2 O3 粉末の平均粒径が6.0μmより
大きいと、焼成体の気孔が大きくなり、強度が低下す
る。
20%未満では、低温で焼結しにくくなり、30%を超
えても逆に低温で焼結しにくくなる。なお、好ましいS
iO 2 /PbOの比は、0.5〜1である。また、上記
Al2 O3 粉末の平均粒径が2.5μmより小さいと、
アルミナ粒子の比表面積の増大により共融ガラス相が相
対的に減少する。このため、Al2 O3 粉末が55重量
%以上添加されるような場合には、アルミナ粒子を共融
ガラス相で十分に包むことができず、焼成体の緻密性が
低下する。この結果、焼成体の強度、熱伝導率が低下す
る。逆に、Al2 O3 粉末の平均粒径が6.0μmより
大きいと、焼成体の気孔が大きくなり、強度が低下す
る。
【0010】なお、本発明の低温焼成セラミック組成物
に、TiO2 粉末を0.1〜3重量%添加することも好
ましい。TiO2 は、低温でのケイ酸塩結晶の成長を促
進することによりさらに低温焼成を可能とする。0.1
重量%未満ではこの効果が少なく、3%を超えると緻密
性が悪くなる。また、TiO2 粉末の平均粒径は、緻密
性を考慮すると、2.0μm以下とすることが好まし
く、より好ましくは1.5μm以下とすることである。
に、TiO2 粉末を0.1〜3重量%添加することも好
ましい。TiO2 は、低温でのケイ酸塩結晶の成長を促
進することによりさらに低温焼成を可能とする。0.1
重量%未満ではこの効果が少なく、3%を超えると緻密
性が悪くなる。また、TiO2 粉末の平均粒径は、緻密
性を考慮すると、2.0μm以下とすることが好まし
く、より好ましくは1.5μm以下とすることである。
【0011】また使用する原料としては、結晶質、非晶
質いずれでもかまわない。調合、混合した原料を予め仮
焼しても良い。
質いずれでもかまわない。調合、混合した原料を予め仮
焼しても良い。
【0012】
【作用】Al2 O3 ーSiO2 ーPbOセラミック組成
物系では、前述したように、焼成時の温度上昇ととも
に、部分的に共融・ガラス化し、そのガラスが軟化して
アルミナ粒子を包み込むことにより緻密化する。本発明
では、Al2 O3 粉末の粒径が2.5〜6μmと大きい
ので、アルミナ粒子の比表面積が減少する。このため、
アルミナ粒子を包み込むに足るガラス相を確保して緻密
性を損なうことなく、Al2 O3 粉末の添加量を55〜
65重量%と増大させることができる。したがって、本
発明の低温焼成セラミック組成物によれば、焼成体の単
位体積当たりのアルミナ粒子の体積割合を増大させるこ
とができる。
物系では、前述したように、焼成時の温度上昇ととも
に、部分的に共融・ガラス化し、そのガラスが軟化して
アルミナ粒子を包み込むことにより緻密化する。本発明
では、Al2 O3 粉末の粒径が2.5〜6μmと大きい
ので、アルミナ粒子の比表面積が減少する。このため、
アルミナ粒子を包み込むに足るガラス相を確保して緻密
性を損なうことなく、Al2 O3 粉末の添加量を55〜
65重量%と増大させることができる。したがって、本
発明の低温焼成セラミック組成物によれば、焼成体の単
位体積当たりのアルミナ粒子の体積割合を増大させるこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を説明す
る。表1及び表2に示す組成をもつ低温焼成セラミック
組成物(試料1〜14)を調合した。以下、試料No.
14を例にとって説明する。まず平均粒径3.5μmの
Al2 O3 粉末600g 、平均粒径約2μmのSiO2
粉末158g 、平均粒径約2μmのPbO粉末237
g、及び平均粒径約1μmのTiO2 粉末5g を調合
し、低温焼成セラミック組成物とした。
る。表1及び表2に示す組成をもつ低温焼成セラミック
組成物(試料1〜14)を調合した。以下、試料No.
14を例にとって説明する。まず平均粒径3.5μmの
Al2 O3 粉末600g 、平均粒径約2μmのSiO2
粉末158g 、平均粒径約2μmのPbO粉末237
g、及び平均粒径約1μmのTiO2 粉末5g を調合
し、低温焼成セラミック組成物とした。
【0014】そして、この組成物に、エタノ−ル:nー
ブタノール:z−ブタノール=1:1:1の混合溶剤4
00g 及び解こう剤E503(中京油脂製)6g 、さら
にバインダ−としてPVB(ポリビニルブチラール)4
0g 及びDBP(ブチルフタレート)50g を加え、4
0時間混合し、その後、真空中にて攪拌・脱泡し、粘度
5000〜20000cps のスラリ−を得た。このスラ
リ−を用い、ドクターブレード法により、厚さ0.3mm
のグリーンシートを作成した。このグリーンシートを1
50mm角に切断し、4枚重ね、300kg/cm2の圧力を加
え、厚さ約1mmの板状体とした。この板状体から測定サ
ンプルの大きさに切り出し、毎時100℃の割合で昇温
し、500℃で2時間保持することにより前記PVB、
DBPを除去し、セラミック脱脂体を得た。このセラミ
ック脱脂体を空気中にて毎時1500℃の割合で昇温
し、960℃の焼成温度で15分保持し、その後冷却し
焼成体を得て、測定サンプルとした。
ブタノール:z−ブタノール=1:1:1の混合溶剤4
00g 及び解こう剤E503(中京油脂製)6g 、さら
にバインダ−としてPVB(ポリビニルブチラール)4
0g 及びDBP(ブチルフタレート)50g を加え、4
0時間混合し、その後、真空中にて攪拌・脱泡し、粘度
5000〜20000cps のスラリ−を得た。このスラ
リ−を用い、ドクターブレード法により、厚さ0.3mm
のグリーンシートを作成した。このグリーンシートを1
50mm角に切断し、4枚重ね、300kg/cm2の圧力を加
え、厚さ約1mmの板状体とした。この板状体から測定サ
ンプルの大きさに切り出し、毎時100℃の割合で昇温
し、500℃で2時間保持することにより前記PVB、
DBPを除去し、セラミック脱脂体を得た。このセラミ
ック脱脂体を空気中にて毎時1500℃の割合で昇温
し、960℃の焼成温度で15分保持し、その後冷却し
焼成体を得て、測定サンプルとした。
【0015】このようにして、表1及び表2に示す各試
料の焼成体サンプルを作成し、焼成体比重、曲げ強度、
熱伝導率を測定した。
料の焼成体サンプルを作成し、焼成体比重、曲げ強度、
熱伝導率を測定した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】 表1の結果からも明らかなように、本実施例の低温焼
成セラミック組成物(試料1〜5)の焼成体サンプル
は、いずれも高強度及び高熱伝導率が得られた。
成セラミック組成物(試料1〜5)の焼成体サンプル
は、いずれも高強度及び高熱伝導率が得られた。
【0018】一方、Al2 O3 粉末の平均粒径が3.0
μmと大きくAl2 O3 粉末の添加量が本発明の範囲よ
り少ない試料6の焼成体サンプルは、焼成後、焼成体が
基台に融着して測定ができなかった。これは、ガラス相
がアルミナ粒子を包み込むのに過剰量となったためと考
えられる。また、試料7〜11の焼成体サンプルは、い
ずれも高強度及び高熱伝導率が得られなかった。Al2
O3 粉末の割合が多過ぎる試料7の焼成体サンプルは、
共融するガラス相が減少するのでアルミナ粒子を十分に
包むことができず、焼成体の緻密性が低下したためと考
えられる。Al 2 O3 粉末の平均粒径が小さ過ぎる試料
8〜10の焼成体サンプルは、アルミナ粒子の比表面積
が大きいため、共融するガラス相でアルミナ粒子を十分
に包むことができず、焼成体の緻密性が低下したためと
考えられる。Al2 O3 粉末の平均粒径が大き過ぎる試
料11の焼成体サンプルは、焼成体に大きな気孔が発生
したため抗折強度が低下したと考えられる。
μmと大きくAl2 O3 粉末の添加量が本発明の範囲よ
り少ない試料6の焼成体サンプルは、焼成後、焼成体が
基台に融着して測定ができなかった。これは、ガラス相
がアルミナ粒子を包み込むのに過剰量となったためと考
えられる。また、試料7〜11の焼成体サンプルは、い
ずれも高強度及び高熱伝導率が得られなかった。Al2
O3 粉末の割合が多過ぎる試料7の焼成体サンプルは、
共融するガラス相が減少するのでアルミナ粒子を十分に
包むことができず、焼成体の緻密性が低下したためと考
えられる。Al 2 O3 粉末の平均粒径が小さ過ぎる試料
8〜10の焼成体サンプルは、アルミナ粒子の比表面積
が大きいため、共融するガラス相でアルミナ粒子を十分
に包むことができず、焼成体の緻密性が低下したためと
考えられる。Al2 O3 粉末の平均粒径が大き過ぎる試
料11の焼成体サンプルは、焼成体に大きな気孔が発生
したため抗折強度が低下したと考えられる。
【0019】また、表2に示すように、本発明の低温焼
成セラミック組成物にTiO2 粉末を所定量添加した試
料12〜14の焼成体サンプルは、いずれも高強度及び
高熱伝導率が得られれるとともに、5.5〜7.0×1
0- 6 /℃の範囲内で所定の熱膨張係数を得ることがで
きた。これは、TiO2 を所定量添加することによりガ
ラス相に比べ低熱膨張なPbAl2 O3 Si2 O8 の結
晶化反応を促進させることができたためと考えられる。
TiO2 を0.5重量%添加した試料14の焼成体サン
プルとTiO2 を添加していない焼成体サンプル(試料
2)とのX線回析結果を図5に示すように、TiO2 の
添加によりガラス相がPbAl2 O3 Si2 O8 結晶に
変化していることがわかる。
成セラミック組成物にTiO2 粉末を所定量添加した試
料12〜14の焼成体サンプルは、いずれも高強度及び
高熱伝導率が得られれるとともに、5.5〜7.0×1
0- 6 /℃の範囲内で所定の熱膨張係数を得ることがで
きた。これは、TiO2 を所定量添加することによりガ
ラス相に比べ低熱膨張なPbAl2 O3 Si2 O8 の結
晶化反応を促進させることができたためと考えられる。
TiO2 を0.5重量%添加した試料14の焼成体サン
プルとTiO2 を添加していない焼成体サンプル(試料
2)とのX線回析結果を図5に示すように、TiO2 の
添加によりガラス相がPbAl2 O3 Si2 O8 結晶に
変化していることがわかる。
【0020】さらに、上記試料4、5、8、9、11の
焼成体サンプルについて、Al2 O 3 粉末の平均粒径
と、焼成体比重、曲げ強度及び熱伝導率との関係をそれ
ぞれ図1、図2及び図3に示す。これらの図からも明ら
かなように、Al2 O3 粉末の粒径が本発明の範囲内に
ある焼成体サンプル(試料4、5)は、、比重、曲げ強
度及び熱伝導率がいずれも良好な値を示した。
焼成体サンプルについて、Al2 O 3 粉末の平均粒径
と、焼成体比重、曲げ強度及び熱伝導率との関係をそれ
ぞれ図1、図2及び図3に示す。これらの図からも明ら
かなように、Al2 O3 粉末の粒径が本発明の範囲内に
ある焼成体サンプル(試料4、5)は、、比重、曲げ強
度及び熱伝導率がいずれも良好な値を示した。
【0021】さらにまた、上記試料4、5、8、9の焼
成体サンプルについて、焼成温度と比重の関係を調べた
結果を図4に示す。この図からも明らかなように、本発
明の低温焼成セラミック組成物の焼成体サンプル(試料
4、5)は、低温焼成により所定の緻密化を達成するこ
とができる。
成体サンプルについて、焼成温度と比重の関係を調べた
結果を図4に示す。この図からも明らかなように、本発
明の低温焼成セラミック組成物の焼成体サンプル(試料
4、5)は、低温焼成により所定の緻密化を達成するこ
とができる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の低温焼成
セラミック組成物は、Al2 O3 粉末の粒径を2.5〜
6μmと増大させることにより、焼成体の緻密性を損な
うことがなくAl2 O3 粉末の添加量を増加させること
ができる。したがって、本発明の低温焼成セラミック組
成物によれば、単位体積当たりのアルミナ粒子の体積割
合が増大した高強度、高熱伝導率の焼成体を得ることが
できる。
セラミック組成物は、Al2 O3 粉末の粒径を2.5〜
6μmと増大させることにより、焼成体の緻密性を損な
うことがなくAl2 O3 粉末の添加量を増加させること
ができる。したがって、本発明の低温焼成セラミック組
成物によれば、単位体積当たりのアルミナ粒子の体積割
合が増大した高強度、高熱伝導率の焼成体を得ることが
できる。
【図1】Al2 O3 粉末の粒径と比重との関係を示す線
図である。
図である。
【図2】Al2 O3 粉末の粒径と曲げ強度との関係を示
す線図である。
す線図である。
【図3】Al2 O3 粉末の粒径と熱伝導率との関係を示
す線図である。
す線図である。
【図4】焼成温度と比重との関係を示す線図である。
【図5】X線回析の結果を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 勝弥 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 小林 清美 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−205658(JP,A) 特開 昭62−159492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/18
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくともAl 2 O 3 粉末、SiO 2 粉
末及びPbO粉末のセラミック粉末のみからなるAl2
O3 −SiO2 −PbO系の低温焼成セラミック組成物
において、 前記組成物全体を100重量%としたとき、Al2 O3
粉末が55〜65重量%、SiO2 粉末が10〜20重
量%、及びPbO粉末が20〜30重量%であり、かつ
上記Al2 O3 粉末の平均粒径が2.5〜6.0μmで
あることを特徴とする低温焼成セラミック組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3121337A JP3008548B2 (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 低温焼成セラミック組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3121337A JP3008548B2 (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 低温焼成セラミック組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04349166A JPH04349166A (ja) | 1992-12-03 |
JP3008548B2 true JP3008548B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=14808761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3121337A Expired - Fee Related JP3008548B2 (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 低温焼成セラミック組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3008548B2 (ja) |
-
1991
- 1991-05-27 JP JP3121337A patent/JP3008548B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04349166A (ja) | 1992-12-03 |
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