JP3008471U - 取鍋用不定形耐火物供給機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取鍋の底面に不定形耐火物の層を労力少なく
迅速に行うことを可能となす。 【構成】 取鍋ｐの上縁間に架け渡される支持台１の概
ね中央位置にホッパー１０を通じて上方から不定形耐火
物ｗを投入される縦案内管９を一定高さ位置での回転駆
動自在に装設し、支持台の下方に位置された縦案内管下
端部には出口案内管１６の上端部１６ａを外嵌させてこ
れらの重合箇所を出口案内管の上下傾動自在に軸１７着
し、出口案内管と縦案内管の相互は伸縮作動装置１８で
連結してなる取鍋用不定形耐火物供給機である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、溶鉱炉などから取り出される溶融金属を受け入れるための取鍋の内 面に不定形耐火物を塗りつけるさいに取鍋底面に不定形耐火物を希望する適当配 置に供給することのできる取鍋用不定形耐火物供給機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

取鍋は内面全体に耐火煉瓦を敷き詰め、この耐火煉瓦層の上面に不定形耐火物 （キャスタブル）の層を形成するようになされるのであり、またこのようなもの となされた取鍋が実際に使用されると不定形耐火物の層が消耗するため適当時期 に不定形耐火物を除去しては新しく形成し直すことが行われる。

【０００３】 しかして上記取鍋における不定形耐火物の形成作業は無造作に外部から不定形 耐火物を一度に取鍋の底面上に山成り状に供給し、その後、作業者が容器内でス コップによる手作業で底面上の必要箇所に移動させてはコテ塗り作業を実施する 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記した在来の不定形耐火物の形成作業にあっては、取鍋が一般に直径凡そ４ ｍにも及ぶ大きなものであり、また不定形耐火物が重くて硬くねばいため、多く の労力と作業時間を要するという問題があるのであり、本考案は斯かる問題点を 解消し得るものとした取鍋用不定形耐火物供給機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するものとした本考案の供給機は、取鍋の上縁間に架け渡され る支持台の概ね中央位置にホッパーを通じて上方から不定形耐火物を投入される 縦案内管を一定高さ位置での回転駆動自在に装設し、支持台の下方に位置された 縦案内管下端部には出口案内管の上端部を外嵌させてこれらの重合箇所を出口案 内管の上下傾動自在に軸着し、出口案内管と縦案内管の相互は油圧シリンダ或い はスクリュウジヤッキなどの伸縮作動装置で連結したことを特徴とする。

【０００６】 このさい、出口案内管の主要部分を比較的細径のものとなすためにはその上端 部を上方へ向けて拡大された円錐形となすのがよいのであり、また不定形耐火物 の供給移動を円滑となすには出口案内管にバイブレータを設けるようにする。

【０００７】

【作用】

出口案内管は伸縮作動装置の作動によりその上端部の軸を中心として縦面に沿 って任意角度に傾斜すると共に縦案内管の回転によりこれを中心として回転する 。このため、出口案内管の下端出口は取鍋の底面の任意半径位置上を旋回するこ とが可能となり、不定形耐火物は取鍋の底面の任意位置に適当量を供給されるも のとなる。

【０００８】

【実施例】

図は本考案の一実施例に係る供給機の使用状態を示しており、１は取鍋ｐの上 縁間に架け渡される支持台で、梁部材２を十字状に交叉させるなどして取鍋ｐの 上縁上に安定的に載置されるものとなし、梁部材２の下面端部には横ずれ防止の ための係止片２ａを設けると共に上面側の適当位置には吊り手２ｂを固定したも のとなしてある。

【０００９】 ３は支持台１の上面中央箇所に固定された機械台で、これの上面には軸受４が 固定されると共にモータ５及び減速機６などが固定される。

【００１０】 ７は支持台１の下面中央箇所に固定された支持部材で、前記軸受４の直下とな る位置に別の軸受８を固定するものとなしてある。

【００１１】 ９は支持台１の中央位置に一対の軸受４、８を介して回転変位自在に支持され た縦案内管で、上端にはホッパー１０を固定されると共にモータ５の回転を減速 機６及びチェーン伝動装置１１を介して伝達されるものとなされている。

【００１２】 ここにチェーン伝動装置１１は減速機６の出力軸に原動歯車１２を、そして縦 案内管９の高さ途中に従動歯車１３を固定すると共に、これら二つの歯車１２、 １３間に無端状のチェーン１４を掛け回し、且つこのチェーン１４を緊張させる ためのテンショナー１５を設けたものとなしてある。

【００１３】 １６は上端部１６ａを上方へ向けて拡径された円錐形となした出口案内管で、 上端部１６ａを支持台１の下方に位置された縦案内管９下端部に外嵌され、これ らの重合箇所を軸１７着して上下傾動自在となされている。

【００１４】 １８は出口案内管１６と縦案内管９の相互を連結するように装着された伸縮作 動装置で例えば油圧シリンダ或いはスクリュウジヤッキなどとなされる。

【００１５】 １９は出口案内管１６の下面側に固定されたバイブレータ、２０は制御ボック ス、そして２１はモータ５や伸縮作動装置１８を遠隔操作するための遠隔操作ス イッチである。

【００１６】 次に上記の如く構成した供給機の使用例及びその作動を説明する。 取鍋ｐの内面全体に耐火煉瓦ｂを敷き詰めてその層を形成した後、或いは使用 済みの取鍋ｐの不定形耐火物を除去して耐火煉瓦層ｂを残した状態となした後に 、本考案品を取鍋ｐの上縁上に戴置する。

【００１７】 このさい、吊り手２ｂにワイヤを掛けてクレーンなどで吊り上げるようにする のであり、取鍋の高さが十分大きい場合は、図中の取鍋ｐ部分の左半分に示すよ うにその上縁上に支持台１を直接に載せるようになし、一方取鍋の高さが余り大 きくない場合は図中の取鍋ｐ部分の右半分に示すようにその上縁上に適宜なかさ 上げ台ｔを載せ、これの上に支持台１を載せるようにする。

【００１８】 この後、ベルトコンベアｃなどを使用して不定形耐火物ｗを適当速度でホッパ ー１０内へ投入し、一方では必要に応じてモータ５を作動させて縦案内管９を回 転させると共に伸縮作動装置１８を作動させて出口案内管１６を縦面に沿って軸 １７廻りへ上下傾動させる。

【００１９】 具体的には、例えば出口案内管１６の下端出口を取鍋ｐの底面の最も内寄りに 位置させ、縦案内管９を回転させつつ徐々にその下端出口を外寄りへ移動させる ようになすのであり、これにより不定形耐火物ｗは取鍋ｐの底面上に適当厚さで 一様に供給されるものとなる。

【００２０】 この供給中、出口案内管１６の傾斜が増大すると、その内方における不定形耐 火物ｗの供給移動が円滑に行われないことが生じる得るが、このような場合はバ イブレータ１９を作動させて出口案内管１６を上下往復振動させるようにするの であり、これにより不定形耐火物ｗは円滑に移動するものとなる。

【００２１】 作業者はこのようにして適時必要場所に供給される不定形耐火物ｗをスコップ などで移動させることなく直ちにコテ作業で均等な層状に塗り上げることのでき るものとなる。

【００２２】

【考案の効果】

上記の如く構成した本考案によれば、取鍋の底面に不定形耐火物の層を形成す るさい底面全体へ機械的に不定形耐火物を一様な厚さに供給することができ、作 業者の労力と労働時間を著しく軽減させ得るものである。

【００２３】 請求項２に記載のものによれば出口案内管の主要部分の直径を小さく抑えるこ とができるのであり、また請求項３に記載のものによれば出口案内管内における 不定形耐火物の移動を促進し得るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る供給機の使用例を示す
正面図である。

【符号の説明】

１ 支持台 ９ 縦案内管 １０ ホッパー １６ 出口案内管 １６ａ 出口案内管の上端部 １７ 軸 １８ 伸縮作動装置 １９ バイブレータ ｐ 取鍋 ｗ 不定形耐火物

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 取鍋の上縁間に架け渡される支持台の概
   ね中央位置にホッパーを通じて上方から不定形耐火物を
   投入される縦案内管を一定高さ位置での回転駆動自在に
   装設し、支持台の下方に位置された縦案内管下端部には
   出口案内管の上端部を外嵌させてこれらの重合箇所を出
   口案内管の上下傾動自在に軸着し、出口案内管と縦案内
   管の相互を油圧シリンダ或いはスクリュウジヤッキなど
   の伸縮作動装置で連結したことを特徴とする取鍋用不定
   形耐火物供給機。
2. 【請求項２】 出口案内管の上端部を上方へ向けて拡大
   された円錐形となしたことを特徴とする請求項１記載の
   取鍋用不定形耐火物供給機。
3. 【請求項３】 出口案内管にバイブレータを設けたこと
   を特徴とする請求項１記載の取鍋用不定形耐火物供給
   機。