JP3007853B2 - 半導体製造装置用無摺動ゲートバルブ - Google Patents

半導体製造装置用無摺動ゲートバルブ

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JP3007853B2
JP3007853B2 JP8303679A JP30367996A JP3007853B2 JP 3007853 B2 JP3007853 B2 JP 3007853B2 JP 8303679 A JP8303679 A JP 8303679A JP 30367996 A JP30367996 A JP 30367996A JP 3007853 B2 JP3007853 B2 JP 3007853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置用
無摺動ゲートバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のゲートバルブは、図9、図10に
示すように流体流通路の途中に直交して配設され、シリ
ンダーに空気圧を供給することにより、又はハンドル車
を回転することにより、アーム51に連結されているゲ
ート押し52とゲート53を移動し、開閉する。即ち、
図9に示すようにゲート53がローラー54に接する
と、カム55(又はリンク)により力の方向が変換され
てゲート53の周囲の溝に嵌め込まれているOリング5
6を、本体57の内壁に設けられたバルブシート面58
に押し付け、完全閉止状態とすることができる。これと
は逆に、Oリング56によりバルブシート面58に圧着
されているゲート53をスプリング59の引張力により
一旦バルブシート面58から引き離し、その状態から更
にアーム51を引き戻すことにより、図10に示すよう
にゲート押し52とゲート53を移動させてゲート53
を開放することができる。従って、Oリング56はバル
ブシート面58に圧着されるのみで、全く摺動しないと
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このゲート
バルブは、前記のようにゲート53を閉じる動きを図1
1(a),(b)に示すように台形状のカム55で作動
させるが、開く動作はスプリング59の引張力によるも
のであった。
【0004】そのため、Oリング56がバルブシート面
58に張り付いてしまうと、スプリング59の引張力で
はゲート53が開かず、ゲート53をアーム51、ゲー
ト押し52の後退に伴う引き上げ力で開くことになり、
Oリング56がバルブシート面58をこすることとな
る。また、ゲート53の裏面から圧力が加わる逆圧状態
でもスプリング59の引張力だけではゲート53を開く
ことができず、結局、ゲート53を引き上げる力で開く
ことになり、Oリング56がバルブシート面58をこす
ることになる。
【0005】このようにOリング56がバルブシート面
58をこすることは、パーティクルの発生が増大するの
で、半導体製造装置においてはぜひとも回避しなければ
ならない問題である。また、前記の無摺動ゲートバルブ
の構造では、バルブの内側にカム55やローラー54な
どの摺動部を有するので、発塵し易かった。さらに反応
ガスが触れる部位で使用される場合、ゲート53は、生
成物が付着しないようにヒーターにより加熱するように
するが、その場合、Oリング56が熱によりバルブシー
ト面58に粘着し易くなり、ゲート53を開く時、Oリ
ング53のこすれ現象は免れることができなくなる。
【0006】そこで本発明は、Oリングが貼り付いて
も、また、ゲートの裏面から圧力が加わる逆圧状態でも
ゲートをほぼ水平方向に移動させて開閉し、上下できる
ようにして、Oリングのこすれ現象を無くし、ゲートを
スムーズに、且つ確実に開閉できるとともに、パーティ
クルの発生を抑制できるようにした半導体製造装置用無
摺動ゲートバルブを提供しようとするものである。ま
た、本発明は、ゲートを均一に加熱でき、Oリングがバ
ルブシート面に粘着し易くなってもゲートを開く時にO
リングのこすれ現象を無くし、ゲートをスムーズに、且
つ確実に開閉できるとともに、パーティクルの発生を抑
制できるようにした半導体製造装置用無摺動ゲートバル
ブを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の半導体製造装置用無摺動ゲートバルブは、流
路口を開閉するゲートの表面周縁部にOリングが備えら
れ、ゲートのステムがベローズに挿通され、前記ステム
における前記ベローズの上方突出部と上端部に夫々ステ
ムホルダーとローラーホルダーが取付けられ、ゲート開
閉用の左右両側のシリンダーのピストンロッド上端にカ
ムプレートが結合され、このカムプレートの下側に前記
ゲート開閉用のカム溝を有するローラーカムが左右一対
設けられ、前記ステムホルダーの左右に支点ローラーが
軸支され、前記ステムおよびステムホルダーを介し、前
記ゲートを前記流路口との対向位置と、前記流路口の開
放位置とに前記流路口の軸心と直角方向に移動させるこ
とができ、且つ前記ゲートを前記流路口に対向させた位
置で前記流路口を開閉することができるように、前記支
点ローラーが夫々前記シリンダーのハウジング外側面に
おける垂直溝に上下動可能に、且つ回転可能に嵌合さ
れ、前記ローラーホルダーに左右一対のカム用ローラー
が支持され、これらのカム用ローラーが前記ローラーカ
ムのカム溝に係合され、前記ステムホルダーの左右両側
上面と前記ローラーカムの左右両側下面との間で夫々前
記ステム、ゲート等を前記流路口の開放側へ回転させる
ように付勢する方向にスプリングが張設され、前記ロー
ラーカムのカム溝は、このローラーカムの移動方向にお
いて前記スプリングにより付勢された前記カム用ローラ
ーを係合する円弧状の係合部に続いて前記カム用ローラ
ーを前記スプリングの弾性に抗して乗り越えさせる頂点
部により緩やかに屈折する形状に形成され、前記カム用
ローラーが前記係合部に係合された状態で前記ステム、
ゲート等が前記スプリングの引張力により前記支点ロー
ラーを中心として前記流路口の開放位置に回動した状態
に保持され、前記カム用ローラーが前記係合部から前記
頂点部を、前記ローラーカムの移動方向において前記頂
点部の高さと同じ、若しくは前記頂点部より僅に低くな
る位置に乗り越えることにより、前記ステム、ゲート等
が前記スプリングの引張力に抗し、前記支点ローラーを
中心として前記流路口の閉塞位置に回動した状態に保持
されるように構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】上記課題を解決するための本発明の他の半
導体製造装置用無摺動ゲートバルブは、上記構成におい
て、ゲートの裏面側にこのゲートを加熱するためのゲー
トヒーターが設けられたことを特徴とするものである。
【0009】上記課題を解決するための本発明の更に他
の半導体製造装置用無摺動ゲートバルブは、前記ゲート
ヒーターに加えてベローズの外周側にシーズヒーターを
備えたことを特徴とするものである。
【0010】前記のように構成された本発明の半導体製
造装置用無摺動ゲートバルブによれば、ゲートが流路口
に対向した位置でシリンダーの推力により流路の外部に
設けたカム機構を動作させ、ゲートをほぼ水平方向に移
動させて流路口を開閉することができる。そして、カム
機構においてカム溝は、スプリングにより付勢されたカ
ム用ローラーを係合する円弧状の係合部に続いて前記カ
ム用ローラーを前記スプリングの弾性に抗して乗り越え
させる頂点部により緩やかに屈折する形状に形成されて
いるので、シリンダーの推力によりゲートが流路口の開
放状態で上下動する間、カム用ローラーをカム溝の係合
部に係合し、カム用ローラー24がカム溝において頂点
部を乗り越えなければステム、ゲート等を支点ローラー
を中心として回動させて流路口を閉じることができない
ようになっている。したがって、カム用ローラーが頂点
部を乗り越える荷重が大きくなるので、スプリングの引
張力が小さくても、本ゲートバルブを上下逆向きの配置
で使用した場合など、ゲート等の自重と慣性でゲートが
流路口に対向する以前に閉鎖位置へ揺動するのを防止す
ることができる。また、ゲートで流路口を閉塞する際、
カム用ローラーがカム溝における頂点部を、ローラーカ
ムの移動方向において頂点部の高さと同じ、若しくは頂
点部より僅に低くなる位置に乗り越えることで、ゲート
の締め付け推力を大きくすることができ、シリンダーの
操作圧力がなくなっても流路口の閉塞状態にロックする
ことができる。このように流路の外部にカム機構を設
け、流路の内部に摺動部が無いので、発塵を防止するこ
とができる。また、ゲートの裏面から圧力がかかる逆圧
状態でも同様にゲートの開動作を行うことにより、Oリ
ングのこすれ現象はなくなる。
【0011】また、ゲートをその裏面側に設けられたゲ
ートヒーターにより加熱することにより、Oリングは粘
着し易くなるが、ゲートを開放するには、前記のように
シリンダー推力で強制的にカム機構を動作させることに
より、ゲートをほぼ水平に移動させるので、Oリングの
こすれ現象はなくなる。したがって、パーティクルの発
生も無くなり、ゲートの開閉はスムーズに安定して行う
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体製造装置用
無摺動ゲートバルブの実施形態を反応ガスが触れる部位
で使用した場合について説明する。図1〜図6におい
て、1はボディ、2はボディ1の前面側に設けられた流
路口3を開閉するゲートで、このゲート2の表面は上部
が厚く、下部が薄くなるように僅かにテーパが付され、
表面周縁部に形成された溝にフッ素ゴム製Oリング4が
備えられ、裏面側にゲートヒーターが設けられている。
ゲートヒーターは、ゲート2の裏面に配置され、ゲート
2と同じ大きさのホットプレート6とシールプレート5
とにシーズヒーター9が内蔵されている。ゲートヒータ
ーは、ホットプレート6の背面に取付けられたコネクタ
ー7を介してステム8の下端部に接続されている。ステ
ム8の下側でゲート2がゲートヒーターのシールプレー
ト5上に重ねられ、ホットプレート6の背面側からボル
ト46により取り付けられている。ステム8の下端部内
側の空所にはシーズヒーター9の外部接続部9a及び温
度調節用の熱電対10が収められている。
【0013】ボディ1の上面にボンネット11が固設さ
れ、ボンネット11の中央透孔12にステム8が挿通さ
れている。ステム8の突出部外周にはベローズ14が設
けられ、ベローズ14は中央透孔12の下縁周縁に固設
されたフランジ13とステム8の上端側外周に固設され
た支持部材とに取付けられている。ベローズ14は外周
側にシーズヒーター16及び熱電対17が備えられてい
る。ステム8の上端部にはステムホルダー15が取り付
けられ、ステムホルダー15の左右両側下部には支点ロ
ーラー18が回転可能に軸支されている。ボンネット1
1上の左右両側にゲート開閉用のシリンダー19が立設
され、前記左右の支点ローラー18がシリンダー19の
ハウジング20における外側面に形成された垂直溝21
に上下動可能に嵌合されている。そして、ステム8、ゲ
ート2等が垂直溝21と支点ローラー18との案内によ
り流路口3の軸心と直角方向で上下動し、上昇によりゲ
ート2が流路口3の上方へ離脱し、支点ローラー18が
垂直溝21の下端部に係合した下降位置でゲート2が流
路口3に対向し、この下降位置で支点ローラー18を中
心としてステム8、ゲート2等が回動してゲート2によ
り流路口3をほぼ水平方向(軸心に沿う方向)で開閉し
得るようになっている。
【0014】左右両側のシリンダー19のピストンロッ
ド22の上端にはカムプレート23の左右両端部が結合
されている。カムプレート23にはローラーカム26が
左右一対設けられ、この左右一対のローラーカム26は
ゲート2を開閉するためのカム溝25を有している。ス
テム8の上端にローラーホルダー27が結合され、ロー
ラーホルダー27に左右一対のカム用ローラー24が回
転可能に支持され、各カム用ローラー24がカム溝25
に係合されている。
【0015】各ローラーカム26のカム溝25は、ロー
ラーカム26の上下方向への移動方向において、後述す
るスプリング30により付勢されたカム用ローラー24
を係合する円弧状の係合部25bに続いてカム用ローラ
ー24をスプリング30の弾性に抗して乗り越えさせる
頂点部25aにより緩やかに屈折する傾斜面25cに形
成されている。そして、カム用ローラー24が係合部2
5bに係合された状態(図2、図5および図3の実線参
照)で、ステム8、ゲート2等が支点ローラー18を中
心として流路口3の開放位置に回動した状態に保持さ
れ、カム用ローラー24が頂点部25aを傾斜面25c
側でローラーカム26の移動方向にいて頂点部25aの
高さと同じ、若しくは頂点部25aより僅に低くなる位
置に乗り越えることにより(図6および図3の鎖線参
照)、ステム8、ゲート2等が支点ローラー18を中心
として流路口3の閉塞位置に回動し得るように設定され
ている(なお、図3においては、図示の便宜上、カム用
ローラー24を上下に移動させて示しているが、ゲート
2による流路口3に対向した流路口3の開閉位置ではカ
ム用ローラー24は上下に移動せず、ローラーカム26
が上下に移動する。)。ステムホルダー15の左右両側
上面の後端部にはスプリング用フック28が設けられ、
ローラーカム26の左右両側下面の前端部にはスプリン
グ用フック29が設けられ、これらスプリング用フック
28、29間に夫々前後方向、即ち、ステム8、ゲート
2等を流路口3の開放側へ回動させるように付勢するス
プリング30が張設されている。
【0016】尚、31は左右両側のシリンダー19にワ
ンタッチ継手32にて接続した流体供給管、33は流体
流量を制御してシリンダー19の作動速度を調整するス
ピードコントローラ、34はサイドプレート、35はア
ッパープレート、36はカバープレート、37、38は
シーズヒーター9、シーズヒーター16の端子板、39
はヒーターのコードで、ホルダー40に保持されてい
る。
【0017】前記シリンダー19の図1に示すストロー
クAは、ゲートの図2に示すストロークBにローラーカ
ム26の図3に示す作動ストロークCを加えたもので、
作動ストロークCは図3に示す水平方向の動きDに変換
されるものである。
【0018】このように構成された本実施形態の半導体
製造装置用無摺動ゲートバルブは、例えば、CVD装置
の反応炉とロードロック室の仕切りに用いられる。今、
図1、図2に示すように、ステム8、ゲート2等が上昇
し、カム用ローラー24がローラーカム26のカム溝2
5における係合部25bに係合し、流路口3を開放した
状態に保持しているとする。この状態から流路口3を閉
じるには、左右両側のシリンダー19の上室にエアーを
供給し、ピストンロッド22の上端に結合されたカムプ
レート23およびローラーカム26を図4、図5に示す
ように下降させる。これに伴い、スプリング30の引張
力によりカム溝25の係合部25bに係合状態に保持さ
れているカム用ローラー24を介してローラーホルダー
27、ステム8、ゲート2、ステムホルダー15等が垂
直溝21と支点ローラー18の案内によりベローズ14
を圧縮させて下降する。ゲート2がボディ1の流路口3
に対面するレベルまで下降すると、ステムホルダー15
の左右両側下部に軸支された支点ローラー18がシリン
ダー19のハウジング20における垂直溝21の下端に
係合して停止する。これにより、ステムホルダー15に
保持されたステム8の下降も停止する結果、ゲート2は
ストロークBで下降が停止する。
【0019】続いて、シリンダー19の作動によりカム
プレート23およびローラーカム26が図3に示すスト
ロークCだけ下降すると、スプリング30の引張力に抗
してカム用ローラー24をカム溝25の係合部25bか
ら頂点部25aを傾斜面25c側へ乗り越えさせて後方
に距離Dだけほぼ水平移動する結果、カム用ローラー2
4を保持せるローラーホルダー27、ステムホルダー1
5、スムテ8、ゲート2等が支点ローラー18を支点に
して図6に示すように傾動し、表面にテーパが付された
ゲート2の表面が垂直となって流路口3を閉じることに
なる。そして、ゲート2の表面周縁部のOリング4は流
路口3の周縁部に密着し、確実にシールすることにな
る。このとき、前記のようにカム用ローラー24が頂点
部25aをローラーカム26の移動方向において頂点部
25aの高さと同じ、若しくは頂点部25aより僅に低
くなる位置に乗り越えるようにして、ステム8、ゲート
2等がほとんど傾動しないようにしている。したがっ
て、カム用ローラー24がカム溝25の頂点部25aに
位置するゲート2による流路口3の閉状態で、ゲート2
の推力が最大となり、Oリング4やステム8の弾性によ
りシール荷重を保持するように設定しておくことによ
り、ローラーカム26が前記のように頂点部25aを乗
り越えたゲート2による流路口3の閉状態でゲート2の
推力をほとんど弱めることなく、確実にシールした閉状
態でロックすることができる。
【0020】これとは逆に、流路口3を開放するには、
左右両側のシリンダー19の下室にエアーを供給し、ピ
ストンロッド22の上端に結合されたカムプレート23
およびローラーカム26を図4、図5に示すように上昇
させる。この上昇に伴い、まず、ローラーカム26が図
3に示すストロークCだけ上昇すると、カム溝25にお
ける頂点部25aを傾斜面25c側に乗り越えた状態に
保持されているカム用ローラー24が頂点部25aを乗
り越えてスプリング30の引張力により前方に距離Dだ
けほぼ水平移動して係合部25bに落ち込んで係合する
結果、カム用ローラー24を保持せるローラーホルダー
27、ステムホルダー15、ステム8、ゲート2等が支
点ローラー18を支点にして回動し、垂直に起立してゲ
ート2が流路口3の周縁より離れる。
【0021】続いて、カムプレート23、ローラーカム
26、ローラーカム26のカム溝25における係合部2
5bにスプリング30の引張力により係合状態に保持さ
れたカム用ローラー24、ローラーホルダー27、ステ
ム8、ゲート2、ステムホルダー15等が垂直溝21と
支点ローラー18との案内によりベローズ14を伸長し
て上昇する。ゲート2が図1、図2に示すように流路口
3を開放するレベルまでストロークBだけ上昇すると、
シリンダー19のストロークがA=B+Cの上昇限とな
り、ゲート2の上昇は停止する。
【0022】そして、前記のようにシリンダー19の作
動によりゲート2が流路口3の開放状態で上下動する
間、カム用ローラー24をカム溝25の係合部25bに
係合し、カム用ローラー24がカム溝25の頂点部25
aを傾斜面25c側へ乗り越えなければステム8、ゲー
ト2等を回動させて流路口3を閉じることができないよ
うになっている。したがって、カム用ローラー24が頂
点部25aを乗り越える荷重が大きくなるので、スプリ
ング30の引張力が小さくても、本ゲートバルブを上下
逆向きに配置した場合など、ゲート2等の自重と慣性で
ゲート2が流路口3に対向する以前に流路口3の閉鎖位
置へ揺動するのを防止し、Oリング4を流路口3の周縁
でこすらないようにすることができる。また、ゲート2
で流路口3を閉塞する際、カム用ローラー24がカム溝
25における頂点部25aを乗り越えることで、ゲート
2の締め付け推力を大きくすることができ、シリンダー
19の操作圧力がなくともロックすることができる。
【0023】かかる無摺動ゲートバルブは、ゲート2を
裏面側のホットプレート6に収めたシーズヒーター9に
よりシールプレート5を介して加熱しているので、、ゲ
ート2やOリング4にCVD装置の反応炉で生成した反
応生成物が付着しないようにすることができる。また、
ステム8を上下動するように挿通したベローズ14を外
周側からシーズヒーター16により加熱しているので、
ベローズ14に反応生成物が付着しないようにすること
ができる。また、ゲート2の加熱によりOリング4の流
路口3周囲に対する粘着性が生じても、ローラーカム2
6のカム溝25とカム用ローラー24との係合によるカ
ム機構をシリンダー19の推力により強制的に動作させ
て、ゲート2を流路口3の軸線方向に沿うようにほぼ水
平方向に移動させて開くので、Oリング4は流路口3の
周縁をこすることがなく、パーティクルの発生を抑制で
きる。また、ゲート2の裏面から圧力が加わる逆圧状態
でも、シリンダー19の推力で強制的にカム機構を動作
し、ゲート2をほぼ水平方向に移動させて開くので、O
リング4は流路口3の周縁をこすることがなく、パーテ
ィクルの発生を抑制できる。
【0024】上記実施形態におけるゲートバルブは、反
応ガスが触れる部位で使用しているが、反応ガスが触れ
ず、生成物等が付着することのない部位で使用する場合
には、ゲート2の裏面側にゲートヒーターを内蔵する必
要がなく、また、ベローズ14の外周側にシーズヒータ
ー16を備える必要はない。
【0025】次に、上記実施形態の半導体製造装置用無
摺動ゲートバルブにおいて用いられるゲートヒーターの
他の例について説明する。図7(a)、(b)、
(c)、(d)に示すように、軸中心部に透孔41を設
けたステム8′の下端部がホットプレート6′の上板中
央に貫通されてホットプレート6′の上端中央に結合さ
れ、上板中央の貫通部周縁とステム8′とがシール溶接
されている。ホットプレート6′のゲート2側の表面周
縁部に溝42が形成され、この溝42内にカートリッジ
ヒーター43が収められ、カートリッジヒーター43の
電線44がステム8′の軸中心部の透孔41に通され、
図1に示されるハウジング20の上側のサイドプレート
34に取り付けられている端子板37に接続されてい
る。ホットプレート6′の表面にシールプレート5′が
当てがわれ、それらの全周にシール溶接45が施されて
カートリッジヒーター43が密閉されている。そして、
前記のように構成されたゲートヒーターにおけるシール
プレート5′の表面に同じ大きさのゲート2が重ねら
れ、ホットプレート6′の背面からボルト46にて締め
付けられてゲート2がゲートヒーターに取外し可能に取
り付けられている。
【0026】次に、上記実施形態の半導体製造装置用無
摺動ゲートバルブに用いられるゲートヒーターの更に他
の例について説明する。図8(a)、(b)、(c)、
(d)に示すように、ホットプレート6′のゲート2側
の表面周縁部に溝状の熱媒流路42が形成されている。
ステム8′の軸中心部に設けた透孔41に熱媒供給管4
8の一端がステム8′の上端にねじにより固定した熱媒
給排ブロック47の熱媒供給口47aに接続され、熱媒
供給管48の他端がL形の継手管49を介して熱媒流路
42に接続されている。熱媒供給管48の外周の熱媒排
出路48′が熱媒給排ブロック47における熱媒排出口
47bを横向きに有する熱媒排出路48″に接続されて
いる。ホットプレート6′の表面にシールプレート5′
が当てがわれ、それらの全周にシール溶接45が施され
て熱媒流路42が密閉されている。そして、前記のよう
に構成されたゲートヒーターにおけるシールプレート
5′の表面に同じ大きさのゲート2が重ねられ、ホット
プレート6′の背面からボルト46にて締め付けられて
ゲート2がゲートヒーターに取外し可能に取り付けられ
ている。
【0027】前記ゲートヒーターのように、カートリッ
ジヒーター43や熱媒循環方式のヒーターを収めたホッ
トプレート6′をシールプレート5′にて完全密閉する
ことにより、大気圧から真空への圧力変化があっても温
度が不均一となることがなく、ゲート2は均一に加熱さ
れる。
【0028】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ゲートを
ほぼ水平方向に移動させて流路口を開閉するようにした
半導体製造装置用無摺動ゲートバルブにおいて、シリン
ダー推力で強制的にカム機構を動作させることにより、
ゲートの裏側から圧力が加わる逆圧状態でも、ゲートを
ほぼ水平方向に移動させて流路口を開閉することがで
き、しかも、シール用Oリングは流路口の周縁をこすら
ないようにすることができるので、ゲートをスムーズ
に、且つ確実に開閉することができるとともに、パーテ
ィクルの発生を抑制することができる。
【0029】また、反応ガスが触れる部位、例えばCV
D装置等の反応炉の仕切りに使用する場合、ゲートやシ
ール用Oリングに反応生成物が付着しないようにゲート
を加熱することにより、シール用Oリングが粘着しても
前記と同様にシール用Oリングは流路口の周縁をこする
ことがなく、ゲートをスムーズに、且つ確実に開閉する
ことができるとともに、パーティクルの発生を抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体製造装置用無摺動ゲートバルブ
の一実施形態を示す開状態の縦断正面図である。
【図2】同半導体製造装置用無摺動ゲートバルブを示
し、図1のI−I線縦断側面図である。
【図3】同半導体製造装置用無摺動ゲートバルブに用い
るカム機構を示す縦断面図である。
【図4】同半導体製造装置用無摺動ゲートバルブを示
し、流路口を閉じるためにゲートを垂直に下降した状態
の縦断面図である。
【図5】同半導体製造装置用無摺動ゲートバルブを示
し、図4のII−II線縦断側面図である。
【図6】同半導体製造装置用無摺動ゲートバルブを示
し、ゲートを傾動して流路口を閉鎖した状態の縦断側面
図である。
【図7】本発明の半導体製造装置用無摺動ゲートバルブ
に用いるゲートヒーターの他の例を示し、(a)はゲー
ト取付け前の一部縦断正面図、(b)は(a)のIII−I
II線縦断側面図、(c)は(a)の側面図、(d)はゲ
ートを取付けた状態における(a)のIV−IV線断面矢視
図である。
【図8】本発明の半導体製造装置用無摺動ゲートバルブ
に用いるゲートヒーターの更に他の例を示し、(a)は
ゲート取付け前の一部縦断正面図、(b)は(a)のV
−V線縦断側面図、(c)は(a)の側面図、(d)は
ゲートを取付けた状態における(a)のVI−VI線断面矢
視図である。
【図9】従来のゲートバルブを示し、閉状態の縦断側面
図である。
【図10】同ゲートバルブを示し、開状態の縦断側面図
である。
【図11】同ゲートバルブにおけるゲートを閉じるカム
機構を示し、(a)はゲートが開いたとき、(b)はゲ
ートを閉じたときの状態を示す一部拡大図である。
【符号の説明】
1 ボディ 2 ゲート 3 流路口 4 Oリング 5,5′ シールプレート 6,6′ ホットプレート 8,8′ ステム 9 シーズヒーター 14 ベローズ 15 ステムホルダー 16 シーズヒーター 18 支点ローラー 19 シリンダー 20 ハウジング 21 垂直溝 22 ピストンロッド 23 カムプレート 24 カム用ローラー 25 カム溝 26 ローラーカム 27 ローラーホルダー 30 スプリング 42 熱媒流路 43 カートリッジヒーター 45 シール溶接 46 ボルト 47 熱媒給排ブロック

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路口を開閉するゲートの表面周縁部に
    Oリングが備えられ、ゲートのステムがベローズに挿通
    され、前記ステムにおける前記ベローズの上方突出部と
    上端部に夫々ステムホルダーとローラーホルダーが取付
    けられ、ゲート開閉用の左右両側のシリンダーのピスト
    ンロッド上端にカムプレートが結合され、このカムプレ
    ートの下側に前記ゲート開閉用のカム溝を有するローラ
    ーカムが左右一対設けられ、前記ステムホルダーの左右
    に支点ローラーが軸支され、前記ステムおよびステムホ
    ルダーを介し、前記ゲートを前記流路口との対向位置
    と、前記流路口の開放位置とに前記流路口の軸心と直角
    方向に移動させることができ、且つ前記ゲートを前記流
    路口に対向させた位置で前記流路口を開閉することがで
    きるように、前記支点ローラーが夫々前記シリンダーの
    ハウジング外側面における垂直溝に上下動可能に、且つ
    回転可能に嵌合され、前記ローラーホルダーに左右一対
    のカム用ローラーが支持され、これらのカム用ローラー
    が前記ローラーカムのカム溝に係合され、前記ステムホ
    ルダーの左右両側上面と前記ローラーカムの左右両側下
    面との間で夫々前記ステム、ゲート等を前記流路口の開
    放側へ回転させるように付勢する方向にスプリングが張
    設され、前記ローラーカムのカム溝は、このローラーカ
    ムの移動方向において前記スプリングにより付勢された
    前記カム用ローラーを係合する円弧状の係合部に続いて
    前記カム用ローラーを前記スプリングの弾性に抗して乗
    り越えさせる頂点部により緩やかに屈折する形状に形成
    され、前記カム用ローラーが前記係合部に係合された状
    態で前記ステム、ゲート等が前記スプリングの引張力に
    より前記支点ローラーを中心として前記流路口の開放位
    置に回動した状態に保持され、前記カム用ローラーが前
    記係合部から前記頂点部を、前記ローラーカムの移動方
    向において前記頂点部の高さと同じ、若しくは前記頂点
    部より僅に低くなる位置に乗り越えることにより、前記
    ステム、ゲート等が前記スプリングの引張力に抗し、前
    記支点ローラーを中心として前記流路口の閉塞位置に回
    動した状態に保持されるように構成されていることを特
    徴とする半導体製造装置用無摺動ゲートバルブ。
  2. 【請求項2】 ゲートの裏面側にこのゲートを加熱する
    ためのゲートヒーターが設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の半導体製造装置用無摺動ゲートバル
    ブ。
  3. 【請求項3】 ベローズの外周部にシーズヒーターが備
    えられていることを特徴とする請求項2記載の半導体製
    造装置用無摺動ゲートバルブ。
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