JP3007662B2 - 耐縦割れ性の優れた熱延軟鋼板の製造方法 - Google Patents

耐縦割れ性の優れた熱延軟鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱延鋼板の製造方法に係り、特に、十分に良
好な加工性を有すると共に優れた耐縦割れ性能をも兼ね
備えた熱延軟鋼板の製造方法に関するものである。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 自動車分野の第二次軽量化時代及び製造コストダウン
への対応として、近年、加工性の極めて優れた鋼板の要
求が強まっている。特に自動車の足回り部品などに使用
される熱延鋼板については、伸び、フランジ性の改善要
求が強く、鉄鋼メーカー間の材料開発競争も激化してい
る。
ところで、従来の熱延鋼板では、一次加工時には良好
な伸び、延性を示すが、厳しい深絞り加工を与えた後、
更に二次加工を行うと、所謂、縦割れと呼ばれる脆性破
壊が生じ、問題となっている。
この点、絞り加工用に使用されることの多かった冷延
鋼板に関しては、耐縦割れ性能に関する種々の検討がな
されていたが、熱延鋼板に関してはかゝる性能に関する
検討や報告は極めて少ない。
しかしながら、冷延代替の熱延鋼板の要求が強まって
おり、自動車用部品などのように厳しい深絞り加工を施
す用途に熱延鋼板を適用しようとする傾向が著しく強く
なってきており、熱延鋼板における耐縦割れ性能も見過
ごすことのできない重要な材料特性となっている。とり
わけ、高延性を得るためには低炭素化が図られてきた極
低炭素鋼で、この問題は顕在化している。
かゝる問題を解決するために、Pの粒界偏析を抑制
する方法(特開昭60−204827号)や、粒界強度を高め
るために、固溶炭素を積極的に残す目的で、炭素量を多
く添加する方法、或いは添加炭素量は少なくしたまま
で、固溶炭素量を少しでも多く残すために低温巻取を実
施する方法が試みられている。
しかし、の方法では、P量を極力抑制しても、極低
炭素鋼ではその効果が認められない。また、の方法で
も、固溶炭素を残す目的で積極的に炭素量を増大する
と、延性、特に伸びが著しく劣化し加工性が損われる。
一方、の方法のように炭素の添加量を少なくし、且つ
巻取温度を低くすることで固溶炭素を残すことも可能で
あるが、これは、耐縦割れ性能は十分に得られることは
あっても、伸びの改善には限度がある。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、十分に良
好な加工性を有すると共に優れた耐縦割れ性能をも兼ね
備え、且つBH量が2kgf/mm2以上である熱延鋼板の製造方
法を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、従来の優れた加工性(伸び、延性)を
有する熱延鋼板は良好な耐縦割れ性能を有しないことに
鑑みて、良好な耐縦割れ性能を付与し得る方策について
鋭意研究を重ねた結果、伸び、延性の改善に有効な低炭
素鋼の成分組成と巻取温度を適切にして鋼中の固溶炭素
を最適な範囲に制御することにより、加工性と耐縦割れ
性をともに兼ね備え、且つBH量を2kgf/mm2以上とするこ
とができるとの知見を得て、ここに本発明をなしたもの
である。
すなわち、本発明は、 C:0.0004%以上、0.0030%未満 Mn:0.10〜0.80% Si:0.01〜0.40% P:0.10%以下 S:0.01%以下 A:0.01〜0.10% 残部:Fe及び不可避的不純物 からなる成分組成の鋼、或いは C:0.0050〜0.0100% Mn:0.10〜0.80% Si:0.01〜0.40% P:0.10%以下 S:0.01%以下 A:0.01〜0.10% を含有すると共に、更に Ti:0.10%以下 Nb:0.10%以下 Ca:0.010%以下 のうちの1種又は2種以上を含有し、 残部:Fe及び不可避的不純物 からなり、かつ、下式で定義される有効C量(ExC
量)が下式を満足する成分組成を有する鋼について、 0.0004≦ExC<0.0030 … 熱間圧延するに際し、巻取温度が550℃以上750℃以下
の温度域で巻取ることを特徴とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) 従来、固溶Cが残存する鋼では、残存しない鋼に比較
し、伸びが劣化するものと考えられていたが、本発明者
らは、ある巻取温度条件のもとで、固溶C量がある程度
存在しても、伸びは劣化せず、且つ耐縦割れ性能も十分
に確保できることを見い出したものである。
以下にかゝる知見を得た基礎実験結果について説明す
る。
まず、第1図に示すように、焼付硬化性の指標である
BH量と縦割れ遷移温度が明確な対応関係があり、BH量が
2kgf/mm2以上であれば、粒界破壊を生ぜず、縦割れ遷移
温度も−100℃以下で、実用上全く問題のない優れた耐
縦割れ性能を示すことを確認した。
そして、本発明条件のうち、特にC量又は有効C量
(ExC量)に関する条件式により鋼の成分組成を規定し
た理由は、第2図及び第3図に示すように、上記条件
(第1図)を満足することにより、伸びの著しい低下を
招くことなく、耐縦割れ性の指標であるBH量が十分確保
できるためである。なお、有効C量(ExC量)はTi、Nb
などが添加された場合に規制されるC量であるが、第2
図及び第3図においてExC量がマイナスの値は、Ti、Nb
が多量に添加されて式の値(ExC量)がマイナスにな
った場合を示す。
すなわち、C量又はExC量が0.0004%未満では、第3
図に示すように伸びは確保できるものの、第2図に示す
ように耐縦割れ性の指標であるBH量が2kgf/mm2以下とな
り、また0.0030%以上になると、第3図に示すように、
比較的高い巻取温度において伸びが急激に低下し始める
ためである。
次に、本発明における鋼の成分組成の限定理由につい
て説明する。
C: Cは強度上昇及び耐縦割れ性の改善をもたらす好まし
い元素であり、耐縦割れ性の確保の面より0.0004%以上
とする。しかし、0.0030%以上になると伸び、延性が劣
化するので、上限値を0.0030%未満とする。
但し、後述の如くTi、Nbなどを添加した場合には、前
記式で定義される有効C量(ExC量)により耐縦割れ
性及び伸びが規制されるので、このような場合には、C
の一部がTi、Nbなどで固定されることを考慮して、C量
の下限値は0.0050%、上限値は0.0100%とする。
Si: Siは固溶体硬化を通じて強度上昇に有効であるが、0.
01%未満ではその効果がないので、0.01%以上必要であ
る。しかし、表面性状の観点より、上限値を0.40%とす
る。
Mn: Mnは固溶体硬化、細粒硬化を通じて強靱化に有効な元
素である。しかし、その効果が大いに期待できる下限値
は0.10%であり、上限値は延性を確保するために0.80%
とする。
P: Pはセパレーション性能に対して好ましくない元素で
あり、可能な限り少ない方がよいが、経済性を考慮して
0.10%以下とする。好ましくは0.010%以下である。
S: SはMnと結合してA系介在物を生じ、靱性、延性を低
下させるばかりでなく、セパレーションを誘発し易い元
素であるので、可能な限り少ない方がよい。しかし、経
済性を考慮して0.01%以下とする。好ましくは0.005%
以下である。
A: Aは脱酸剤として添加されるが、0.01%未満ではそ
の効果がなく、一方、0.10%でその効果が飽和するの
で、上限値を0.10%とする。
以上の成分が必須成分であるが、必要に応じてTi、Nb
及びCaのうちの1種又は2種以上を適量で添加すること
ができる。
Ti、Nb: Ti、Nbは固溶C、Nを固定するために必要な元素であ
る。しかし、過剰の添加は伸び、延性を著しく劣化させ
るので、それぞれ0.10%以下とする。
Ca: Caは介在物の形態制御により、低温靱性、延性、伸び
に好ましいばかりでなく、セパレーション対策としても
好ましい元素である。しかし、多すぎると鋼中の介在物
量が増加して、靱性、延性の劣化を生じる。したがっ
て、0.010%以下とする。
なお、N量は可能な限り少ない方がよい。これは、経
済性の観点からだけでなく、上記の条件式及びを満
たすためのTi、Nbの必要量が多くなり、加工性が劣化す
るためである。
なお、他の成分としては、加工用熱延鋼板として通常
含まれる成分、すなわち、Cr、Cuなどを必要に応じて添
加してもよい。また、Bも必要に応じて添加できるが、
0.0050%以上のB添加は加工性に悪い影響を及ぼすと共
にコスト高ともなるので、0.0050%以下の添加であれ
ば、本発明の効果を損なうものではない。
上記化学成分を有する鋼は、従来のプロセスと同様、
熱間圧延されるが、本発明においては、巻取温度を550
〜750℃の範囲に規定するものである。
すなわち、第5図に示すように、巻取温度が550℃よ
り低くなると伸びEl)が著しく低下するため、巻取温度
は550℃以上とする。なお、巻取温度を750℃より高くす
ると、表面性状、成形時の肌荒れなどの問題が生じるの
で好ましくない。
なお、熱間圧延等の他の条件は特に制限されるもので
はない。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 第1表に示す化学成分の鋼を転炉で溶製し、通常の工
程により製造したスラブを加熱炉に挿入して加熱した
後、熱間圧延し、第2表に示す条件により巻取った。
得られた熱延鋼板のBH量及び伸びを第2表に示す。
第2表において、比較例No.4はExC量が多いために伸
びが不足しており、比較例No.5はExC量が少ないためにB
H量が2kgf/mm2以下で耐縦割れ性に劣っている。
比較例No.6〜No.8は、いずれも巻取温度が低いため、
良好な伸びが得られていない。
一方、本発明例No.1〜No.3は、良好な耐縦割れ性と良
好な伸びがともに得られている。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、成分組成と熱
延条件を適切に規制したので、従来の熱延軟鋼板に比べ
て、良好な耐縦割れ性と良好な加工性がともに確保で
き、冷延材の代替として使用できる強加工用熱延軟鋼板
を提供できる。
【図面の簡単な説明】 第1図はBH量と縦割れ遷移温度との関係を示す図、 第2図はExC量とBH量との関係を示す図、 第3図はExC量と伸び(El)との関係を示す図、 第4図は巻取温度(CT)とBH量との関係を示す図、 第5図は巻取温度(CT)と伸び(El)との関係を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−209424(JP,A) 特開 昭60−149730(JP,A) 特開 昭63−195223(JP,A) 特開 昭63−195228(JP,A) 特開 昭61−117246(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/02 - 8/04 C21D 9/46,9/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、 C:0.0004%以上、0.0030%未満 Mn:0.10〜0.80% Si:0.01〜0.40% P:0.10%以下 S:0.01%以下 A:0.01〜0.10% 残部:Fe及び不可避的不純物 からなる成分組成の鋼を熱間圧延するに際し、巻取温度
    が550℃以上750℃以下の温度域で巻取ることを特徴とす
    る耐縦割れ性及び加工性に優れ、BH量2kgf/mm2以上であ
    る熱延軟鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記鋼が、 C:0.0050〜0.0100% Mn:0.10〜0.80% Si:0.01〜0.40% P:0.10%以下 S:0.01%以下 A:0.01〜0.10% を含有すると共に、更に Ti:0.10%以下 Nb:0.10%以下 Ca:0.010%以下 のうちの1種又は2種以上を含有し、 残部:Fe及び不可避的不純物 からなり、かつ、下式で定義される有効C量(ExC
    量)が下式を満足する成分組成を有する鋼である請求
    項1に記載の方法。 0.0004≦ExC<0.0030 …
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CN103882300A (zh) * 2012-12-21 2014-06-25 鞍钢股份有限公司 一种160MPa高性能建筑结构用软钢及其制造方法
KR101635388B1 (ko) * 2013-09-23 2016-07-08 주식회사 지앤비에스엔지니어링 공정 폐가스 처리용 스크러버

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CN103882300A (zh) * 2012-12-21 2014-06-25 鞍钢股份有限公司 一种160MPa高性能建筑结构用软钢及其制造方法
CN103882300B (zh) * 2012-12-21 2016-05-11 鞍钢股份有限公司 一种160MPa高性能建筑结构用软钢及其制造方法
KR101635388B1 (ko) * 2013-09-23 2016-07-08 주식회사 지앤비에스엔지니어링 공정 폐가스 처리용 스크러버

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