JP3007312B2 - 包接複合体を製造するための塩の選別法 - Google Patents

包接複合体を製造するための塩の選別法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品化合物の塩
およびシクロデキストリンを含む物質の組成物を製造す
る場合に用いるための該塩を選別する方法に関する。特
に、本発明は、シクロデキストリン水溶液中に極めて溶
解性である塩を探索する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薬剤剤形の製剤化は、しばしば、目的の
薬物の不十分な水溶性および/または安定性によって妨
げられ、それが次に、その治療的用途を厳しく制限する
ことがある。逆に、適当な製剤化による薬物溶解性およ
び安定性の増加は、それによって、薬物の増加した治療
的効率をもたらすことがある。薬物の溶解性および安定
性を増加させるために、有機溶媒、エマルジョン、リポ
ソームおよびミセルの使用、製剤溶媒系のpHおよび誘
電率の調整、化学修飾、並びにシクロデキストリンなど
の適当な複合体形成剤を用いる薬物の複合体形成のよう
な種々の方法が用いられてきた。
【0003】シクロデキストリンは、時には、シャルジ
ンガーデキストリンと称され、ビラーズ(Villiers)に
よって、ジャガイモデンプンに対するバチルス・アミロ
バクター(Bacillus amylobacter)の消化物として19
81年に最初に単離された。シクロデキストリン化学の
基礎は、シャルジンガー(Schardinger)によって19
03〜1911年の間に築かれた。しかしながら、19
70年まで、実験室では少量のシクロデキストリンしか
製造できなかったし、しかもその高い製造費用が、産業
におけるシクロデキストリンの利用を妨げていた。近
年、シクロデキストリン製造および精製において劇的な
改良がなされ、シクロデキストリンははるかに安価にな
ったし、それによってシクロデキストリンの産業用途が
可能になった。
【0004】シクロデキストリンは、外面上にヒドロキ
シル基および中心に空洞を有する環状オリゴ糖である。
それらの外面は親水性であり、したがって、通常、それ
らは水溶性であるが、その空洞は親油性を有する。大部
分の一般的なシクロデキストリンは、それぞれ、6、7
および8α−1,4−結合グルコース単位から成るα−
シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ
−シクロデキストリンである。これらの単位数は空洞の
寸法を決定する。
【0005】シクロデキストリンは、その空洞中に分子
全体またはその若干の部分を取込むことによって広範囲
の疎水性分子と一緒に包接複合体を形成することができ
る。形成された複合体の安定性は、ゲスト分子がシクロ
デキストリン空洞中にいかに十分に適合しているかに依
る。一般的なシクロデキストリン誘導体は、α−、β−
およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシエチル誘導
体のアルキル化(例えば、メチル−およびエチル−β−
シクロデキストリン)若しくはヒドロキシアルキル化に
より、または主要なヒドロキシル基をサッカライド(例
えば、グルコシ−およびマルトシル−β−シクロデキス
トリン)によって置換することにより形成される。β−
シクロデキストリンに対するプロピレンオキシド付加に
よるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよ
びその標品、並びにβ−シクロデキストリンに対するエ
チレンオキシド付加によるヒドロキシエチル−β−シク
ロデキストリンおよびその標品は、グラメラ(Gramer
a)らの特許(1969年8月発行の米国特許第3,459,731号
明細書)で20年以上前に記載された。
【0006】シクロデキストリンは、極めて多数の化合
物の溶解性、分散速度および/または安定性を増加させ
るのに用いられてきたが、シクロデキストリン複合体形
成が不可能であるかまたは何の利点も生じない多数の薬
物が存在することもまた知られている。J.セチュリ
(Szejtli)、Cyclodextrins in Drug Formulations:Pa
rt II,Pharmaceutical Technology,24-38,1991年8月を
参照されたい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】多数の医薬品化合物
は、塩形成が可能である場合、それらの薬学的に許容し
うる塩の一つまたは別の形で投与される。このような塩
全てが水性基剤中に自由に可溶性ではないが、しかしな
がら、それによって、目的の塩とシクロデキストリンと
の複合体形成は、しばしば、塩の水溶性を増加させる手
段として探求される。従来、薬物の塩は簡単に解離する
ことによってシクロデキストリン含有水性基剤中に溶解
して、荷電した薬物分子および対イオンを生成するこ
と、および解離した(すなわち、荷電した)薬物分子
は、シクロデキストリンと一緒に包接複合体を形成する
ゲスト分子であることが考えられる。この結果は、特定
のシクロデキストリン中のある与えられた薬物の塩の中
では、平衡溶解度に差がないという確信である。したが
って、特定の水性シクロデキストリン中の特定の薬物に
ついて溶解状態図を作成する場合(すなわち、シクロデ
キストリン濃度の関数としての水性シクロデキストリン
中の薬物塩の最大平衡溶解度のプロット)、薬物の種々
の塩は、同様の勾配を有する線として描かれるはずであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、化合物の1種
類またはそれ以上の塩を選別し、選択しまたは探索する
方法であって、該塩のシクロデキストリンへの溶解度は
所望の標的溶解度と等しいまたはより大であり、該化合
物の塩の系列を得、該系列中のそれぞれの塩の該シクロ
デキストリン水溶液への平衡溶解度を測定し、そしてそ
れぞれの測定された溶解度と該標的溶解度とを比較する
ことを含む上記方法を提供する。所望の標的溶解度より
大の平衡溶解度を有する1種類または複数の塩は、した
がって、1種類または複数の所望の塩であるように選択
される。
【0009】シクロデキストリンの使用に精通している
者は、塩を形成するであろう、シクロデキストリンと一
緒に複合体を形成するであろう、そして不十分な水溶性
を有する任意の医薬品化合物に対して本発明が適応性を
有することを理解するであろう。
【0010】類似の態様において、本発明は、特定の医
薬品化合物の塩の系列の範囲内から、該塩およびシクロ
デキストリンを含む物質の組成物を製造する場合に用い
るのに有用な塩を決定する方法であって、 a.該系列の塩を得; b.該系列中の該塩それぞれの、シクロデキストリン水
溶液への平衡溶解度を測定し;そして c.該シクロデキストリン溶液への溶解度が所望の標的
溶解度と等しいまたはより大の該系列中の塩を有用な塩
として選別することを含む上記方法を提供する。
【0011】本発明は、更に、医薬品化合物の薬学的に
許容しうる塩およびシクロデキストリンを含む物質の組
成物であって、該塩が上記方法によって探索されたまた
は選択された上記組成物を提供する。好ましい実施態様
において、該組成物は、シクロデキストリン中に複合体
形成された塩の包接複合体である。
【0012】本明細書中で用いられる「物質の組成物」
という言いまわしは、特に、乾燥した物理的混合物であ
り、乾燥した包接複合体であり、そして溶解した包接複
合体の水溶液である医薬品化合物およびシクロデキスト
リンの組成物を包含する。例えば、該組成物は、乾燥シ
クロデキストリンと物理的に混合された医薬品化合物の
乾燥混合物を含むことができる。組成物は、好ましい実
施態様において、該組成物が、後で還元することができ
るシクロデキストリンによって複合体形成された化合物
の(予備成形された)包接複合体を含むように、凍結乾
燥されたまた他の方法で、例えば、真空オーブン中若し
くは他の適当な装置で乾燥された水溶液を更に含むこと
ができる。組成物はまた、溶液自体、すなわち、医薬品
化合物とシクロデキストリンと水とを含むことができ
る。包接複合体は、それらが予備成形されようと、in s
itu 成形されようと、または in vivo 成形されようと
いずれにせよ、「物質の組成物」という用語の範囲内で
ある。
【0013】更に具体的な実施態様において、本発明
は、特定の医薬品化合物の塩の系列の範囲内から、該塩
のシクロデキストリン中包接複合体を含む物質の組成物
を製造する場合に用いるのに有用な塩を決定する方法で
あって、 a.治療的効力に必要な該医薬品化合物の量を決定しま
たは選択し; b.医薬品化合物の該量を投与するための最大全用量を
決定しまたは選択し; c.該最大全用量を製剤化するのに必要な該化合物の塩
の最小限必要な溶解度を計算し; d.該系列の塩を得; e.該塩のそれぞれの該シクロデキストリンへの平衡溶
解度を測定し;そして f.該シクロデキストリンへの平衡溶解度が、該最大全
用量と等しいまたはそれ未満の全用量を製造させるのに
十分である該系列からの塩を有用な塩として選別するこ
とを含む上記方法を提供する。
【0014】化合物の「塩の系列」に対する上記論及
は、当然ながら、該化合物が塩形成可能であるべきであ
ることを意味する。更に、「特定の医薬品化合物の塩の
系列」という専門用語は、特定の医薬品化合物の任意の
2種類またはそれ以上の異なる塩を意味する。該系列
は、一つの群として集めることができるし、そしてその
塩のいずれかが、有用な塩/シクロデキストリン組成物
を製造するのに有用であるかどうかを確認するために
「平行して」試験することができるし、またはその群の
それぞれのメンバーを別々に、例えば、異なった時間で
および異なった場所で試験することができる。塩の系列
は、任意の方法で、例えば、それらを製造することによ
ってまたは販売業者にそれらの予備製造を注文すること
によって「得る」ことができる。「塩」という用語は、
概して、薬学的に許容しうる塩を意味する。塩は、無水
物でありうるし、または水和物などの1種類若しくはそ
れ以上の溶媒和化合物の、それらの混合物を含めた形で
ありうる。塩は、種々の多形型で存在しうる。
【0015】本明細書中で用いられる「所望の標的溶解
度」とは、試験される化合物に必要な、通常は予め決定
されるかまたは予め選択される最小溶解度でありうる。
必要な最小溶解度は、概して、治療的必要性に基いて選
択されるであろう。例えば、化合物(「化合物X」)2
0mgを非経口的に注射によって投与するのが望ましい
こと、および注射時の痛みを最小限にするために2ml
以下の注射容量を投与することが望ましいことを想定さ
れたい。したがって、化合物Xの塩は、「有用」である
ために、選択された水性シクロデキストリン中におい
て、溶解度が活性型の化合物Xの10mg/mlに等し
いまたはより大である必要があると考えられる。
【0016】塩のある与えられた系列の範囲内で最も可
溶性の塩は、ある与えられた用途に対して最も有用な候
補でなくてもよい。化学的安定性、吸湿性および沈殿の
可能性などの因子も考えられうるが、標的溶解度より大
であるが系列中で測定される最大値未満の溶解度を有す
る候補の選択のために考慮される。
【0017】一方、時々、特定の化合物の塩の系列中の
全ての塩から最高溶解度を有する塩を見つけることが単
に望まれることが実際にある。この場合、「所望の標的
溶解度」は、単に、種々の塩候補中での平衡溶解度の比
較によって塩の系列中で見出された最高溶解度である。
例えば、化合物Xの塩の包接複合体を用いてカプセル剤
または錠剤などの乾燥経口剤形を製造することが望まれ
る場合、剤形中の包接複合体の量を最小限にすることに
よって剤形自体の大きさを最小限するために、利用可能
な最も可溶性の塩を見つけることが単に望まれることが
ありうる。
【0018】「最大全用量」とは、剤形が目的としてい
る患者または患者集団を考慮して、剤形中に含まれるべ
き賦形剤および液剤(例えば、注射用)を含めた用量の
最大寸法を意味する。典型的に、注射用の最大全用量
は、成人に対して約2mlであると考えられる。錠剤ま
たはカプセル剤の最大全用量は、典型的に、その剤形が
飲込み可能であることを確実にするように2グラムであ
る。寸法、重量および容量は、それらが特定の患者集団
に応じて変化しまたは変動しうるという意味を有する。
【0019】本発明は、特に、特定のシクロデキストリ
ン対して、特定の化合物のシクロデキストリン水溶液へ
の溶解度が、用いられた塩と無関係ではないという発見
に基く。すなわち、同じ化合物の種々の塩は、しばし
ば、同じシクロデキストリン中で広く異なった溶解度を
示すことがある。同じシクロデキストリン中において化
合物の種々の塩によって示された示差的な溶解度現象
は、当該技術分野においてこれまで知られていなかっ
た。更に、溶解度の等級順序、すなわち、シクロデキス
トリン水溶液中の塩の系列の溶解度の順序の増加または
減少は、必ずしも塩の水への溶解度の順序と相関しない
ことが確認された。
【0020】特定のシクロデキストリン中での種々の塩
のこのような示差的溶解度の発見は、シクロデキストリ
ン含有水溶液中の電離性化合物の全溶解度が、溶液中に
様々な形で存在する化合物の種類全部の溶解度の総和で
あるということを示す従来の知見によれば、驚くべきこ
とであり且つ意外であった。シクロデキストリン含有溶
液中において、これは、下記の式、全薬物溶解度=非電
離型の遊離薬物部分+非電離型の複合薬物部分+遊離型
の荷電薬物部分+複合型の荷電薬物部分によって表すこ
とができる。
【0021】更に、従来、塩の形の電離性化合物は、
式、
【化1】 (式中、
【化2】 であり、DHXは塩基性化合物の酸付加塩であり、DH
+は溶液中の荷電型であり、X-は対イオンであり、Dは
溶液中の非電離型であり、H+は溶液のpHによって指
定されるプロトン濃度であり、そしてKaは解離定数で
ある)によって記載されるように、その溶解度によって
生成物を解離させることによって水溶液中に溶解すると
考えられる。したがって、特定の化合物に対して、種々
の塩の形は、Kspによって指定される種々の水性溶解
度を有すると考えられる。上記式は、更に、一定の電離
状態(すなわち、一定のpH)において、特定の化合物
に対する種々の塩の形の内での溶解度の差は、特定のシ
クロデキストリンの存在下でも不存在下でも同じである
はずであるということを示す。したがって、相溶解度ダ
イヤグラムを、シクロデキストリン濃度の関数として、
特定のシクロデキストリンを含有する水溶液中の特定の
化合物に対して作成する場合、該化合物の種々の塩は、
異なる切片を有するが同じ勾配を有する線として描かれ
るはずである。したがって、従来の確信に基いて、対イ
オンは複合体形成過程において役割を果たさないと考え
られるので、特定の化合物の種々の塩が、同じシクロデ
キストリン中に示差的に溶解すると考える根拠はない。
【0022】更に、示差的溶解度の現象は、それが、特
定の化合物の種々の塩の系列を試験し且つ望まれる高い
溶解度を与える塩を選択し、それによってシクロデキス
トリンへの可溶性がより小さい塩に相対してより少ない
量のシクロデキストリンの使用を可能にすることによ
り、シクロデキストリン中のその化合物の添加量を増加
させる能力を可能にするので重要である。その現象は、
水中の一定濃度の包接複合体を想定して、適当な極めて
シクロデキストリン可溶性の塩を選択することによって
注射容量を減少させることができるので、非経口(すな
わち、注射による)投与の場合に特に重要である。上記
のように、極めてシクロデキストリン可溶性の塩を探索
することにより、本発明は、更に、シクロデキストリン
への可溶性がより小さい塩の包接複合体の量に相対して
同様により少ない量の包接複合体を用いることにより、
(錠剤およびカプセル剤などの)乾燥剤形の寸法を減少
させる機会を提供する。
【0023】詳細な考察 患者に対して投与される医薬品化合物の量は有効量であ
る。その量、経口、非経口等のような投与方式、および
投薬計画(例えば、用量を分割するかどうかおよび投与
回数)は、当然ながら、投与される化合物、患者集団等
によって変化するであろう。特定の製剤中で用いられる
シクロデキストリンの量は、生物学的利用能を増加させ
る量であろう。少量のシクロデキストリンは、混合物で
ある剤形中に存在する場合でも、包接複合体を in vivo
で形成することによって生物学的利用能を向上させ、
したがって、非複 合体形成薬物に相対してその薬物の
生物学的利用能を増加させることができる。概して、製
剤中のシクロデキストリンの量は、通常、シクロデキス
トリン対薬物のモル比が0.1:1〜100:1、好ま
しくは、0.25:1〜10:1、更に好ましくは、
0.5:1〜5:1であるようにある。製剤が水溶液で
ある場合、それは、シクロデキストリンを広範囲の濃度
で、例えば、5重量%(w/v)〜100重量%(w/
v)を越えるまで含むことができる。高濃度のシクロデ
キストリンでは、製剤は幾分粘稠になり且つエリキシル
剤またはシロップ剤として経口投与しやすい。
【0024】本発明は、概して、現在知られているもの
を含めたシクロデキストリンに適用できる。有用なシク
ロデキストリンとしては、α、βおよびγシクロデキス
トリン、メチル化シクロデキストリン、ヒドロキシプロ
ピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)、ヒドロ
キシエチル化β−シクロデキストリン(HEBCD)、
1個または2個のグルコースまたはマルトースがシクロ
デキストリン環に対して酵素的に結合している分岐状シ
クロデキストリン、エチル−およびエチルカルボキシメ
チルシクロデキストリン、ジヒドロキシプロピルシクロ
デキストリン、並びにスルホアルキルエーテルシクロデ
キストリンがある。置換度は臨界的であるとは考えられ
ないが、ここに述べたシクロデキストリンは、本質的
に、当該技術分野において知られている(シクロデキス
トリン分子全体につき)いくらかの置換度を有すること
がありうる。シクロデキストリンの混合物も、一つの種
類も、本発明によって剤形を製造するのに適している。
【0025】HPBCDは当該技術分野において周知で
あり、例えば、ヤンセン・バイオテク(Janssen Biotec
h)N.V.からの「Encapsin HPB」と称する公報R812
16号を参照されたい。SBECDもまた知られており、
どちらもステラ(Stella)らによる且つどちらも本明細
書中にそのまま援用される米国特許第5,376,645号明細
書および同第5,134,127号明細書で開示された。
【0026】塩形成が可能な化合物の薬学的に許容しう
る酸または塩基付加塩は、慣用法によって当該技術分野
において知られているように、当然ながら、該化合物が
酸付加塩を生成するかまたは塩基付加塩を生成するかど
うかに応じて適宜に、約1化学当量の薬学的に許容しう
る酸または塩基によって該化合物の溶液または懸濁液を
処理することによって製造することができる。その塩が
(例えば、結晶質として)自然に沈殿する場合、濾過に
よるような慣用法によって塩を単離することができる
し、またはさもなければ、濃縮および/または非溶媒の
添加によって単離することができる。例えば、以下の実
施例で用いられた塩は、最初に、一定量のジプラシドン
(ziprasidone)遊離塩基を秤量し、そしてそれを溶
媒、典型的には有機溶媒、水、または2種類若しくはそ
れ以上の溶媒の混合物に対して加えることによって製造
された。用いられた1種類または複数の溶媒は、塩をス
ラリーから単離するかまたは溶液から単離するのが望ま
しいかどうかに依存しうる。塩を溶液から単離するのが
望ましい場合、溶媒は、撹拌しながら加熱して、溶解を
促進することができる。所望の対イオンに対応して約1
モル当量の酸または塩基を適宜に、または僅かに過剰
に、撹拌しながら加える。簡単な実験によって測定する
ことができる時間、典型的には何時間かの後、固体を濾
過によって集め且つ洗浄することができる。
【0027】化合物の薬学的に許容しうる塩の包接複合
体は、既知の方法によって慣用的に形成されうる。すな
わち、所望の薬学的に許容しうる塩の包接複合体は、所
望の濃度の製品溶液を製造するのに十分な量のシクロデ
キストリンの水(または他の適当な薬学的に許容しうる
水性基剤)中予備製造溶液に対して塩を直接的に加える
ことによって in situ 形成されうる。或いは、薬物お
よびシクロデキストリンを、水に対して別個にまたは混
合物として一緒に加えることができる。製品溶液は、包
接複合体の保存寿命に応じて、直ちに用いるかまたは
(室温でまたは低温で)貯蔵することができる。薬学的
に許容しうる保存剤または他の賦形剤を加えて、化学
的、物理的または微生物分解に対して剤形を安定にさせ
ることができる。SBECDをシクロデキストリンとし
て用いる場合、SBECDは、概して、その未知塩の形
で用いられるので、その製品溶液は、患者に対して投与
するのに(溶液が貯蔵されていた場合は室温まで再加温
して)、必要とされる等張性に調整することなくそのま
ま用いることができる。等張性を調整する必要がある場
合、それは、当該技術分野において知られているよう
に、適当な量の等張性調整剤を加えることによって調整
することができる。
【0028】或いは、水性シクロデキストリン中の塩の
包接複合体を、通常は凍結乾燥によって最初に単離する
ことができる。単離された包接複合体は、その保存寿命
の間(通常、少なくとも2年間)室温で貯蔵し、そして
必要に応じて調製して製品溶液にすることができる。製
品溶液が必要とされる場合、それは、単離された包接複
合体を、患者に対する経口、非経口または他の投与経路
に必要な濃度の溶液を生じるのに十分な量の水または他
の水性基剤中に溶解させることによって製造することが
できる。等張性を調整することが必要ならば、それは、
当該技術分野において知られているように慣用的に、等
張性調整剤を加えることによって達成されうる。
【0029】或いは、薬物の塩およびシクロデキストリ
ンを含む固体物理混合物は、経口摂取後に胃腸液中に溶
解する錠剤またはカプセル剤の形で製造されうる。この
ような混合物は、更に、口腔用、舌下用、鼻腔用、局所
用または経皮用剤形中に包含されうる。このような組成
物はまた、軟質ゼラチンカプセル剤中に液剤または懸濁
剤として包含されうる。
【0030】ある与えられたシクロデキストリン中の種
々の塩の異なった溶解度の現象は一般的である。本発明
は、任意の特定の化合物、化合物の種類、または任意の
特定のシクロデキストリンに限定されない。むしろ、本
発明は、塩に対して一般的に適用できる。更に、本発明
は、任意の特定の剤形または投与経路に限定されない。
むしろ、本発明は、化合物の塩の増加した溶解度が望ま
れる時はいつでも有用である。
【0031】例示のために、以下の考察は、構造
【化3】 を有する具体的な化合物ジプラシドンに関する。それ
は、米国特許第4,831,031号明細書で開示され、神経弛
緩薬として有用性があり、したがって、抗精神病薬とし
て有用である。当業者は、当然ながら、ジプラシドンの
塩に関する内容が、概して他の塩にも同 様に適用でき
ることを理解するであろう。
【0032】シクロデキストリン(SBECDおよびH
PBCD)中の種々のジプラシドンの溶解度試験は、そ
れぞれの塩の、等量のシクロデキストリン中の最大平衡
溶解度を比較することによって行われた。多数の種々の
実験プロトコルを想定し且つ実行することができる。以
下のプロトコルは、平衡塩溶解度の比較のための標準溶
液として40%水性シクロデキストリンを用いるが、そ
の濃度は限定されると考えるべきではない。比較標準と
して役立てるために、他の濃度も用いることができる。
用いられたHPBCDは、ワカー・ケミー(Wacker Che
mie)から商業的に購入された。用 いられたSBECD
は、米国特許第5,376,645号明細書の実施例3で記載さ
れたもののラインに沿った方法によって製造されたβ−
シクロデキストリン1分子当たり平均6.5のスルホブ
チル基による置換度を有する。
【0033】シクロデキストリン(SBECDまたはH
PBCD)の水中40%(w/v)溶液は、脱イオン水
約250mLおよび電磁撹拌棒が入っている500mL
ビーカーにシクロデキストリン200gを加えることに
よって製造された。内容物を、シクロデキストリンの水
への分散が完全になるまで撹拌し、通常は約1時間で十
分であった。次に、溶液を500mLメスフラスコに移
し、そして脱イオン水を標線まで加えた。容量測定され
た溶液から5mLを、ねじ込みキャップ付きの10mL
ガラスバイアルに中にピペットで移した。過剰の固体ジ
プラシドン塩試験候補および電磁撹拌棒をバイアルに加
えた。バイアル内容物は、平衡に達するのに十分な時間
の余裕をみるために周囲温度で4日間撹拌した。電磁撹
拌機からはずした時点で、試料は存在する未溶解固体を
有し、用いられた条件下での飽和溶液を示した。内容物
を清浄なねじ込みキャップ式バイアル中に Millex-GS
0.2μmフィルターを介して濾過し、そして薬物濃度
をHPLC法によって測定した。
【0034】HPLC検定の例として、溶解した化合物
の量は、0.05Mリン酸二水素カリウム緩衝液60%
およびメタノール40%から成る無勾配移動相を40℃
において流速2mL/分で用いるC18 Puresil(ウォ
ーターズ・アソシエーツ(Waters Associates) の登録
商標)カラムを用いることによって測定することができ
る。検出は、229nmの波長での紫外線吸収によるこ
とができる。定量化は、HPLCピーク高さ(または面
積)と、既知の濃度の標準のピーク高さ(または面積)
に対する濃度の標準プロットから得られたピーク高さ
(または面積)との比較によって容易に行うことができ
る。従来通り、ジプラシドン標準濃度は、用いられた紫
外線検出器の吸光度に対する直線範囲の濃度の範囲内に
あるように選別される。バイアル試験溶液を濾過した後
に得られた飽和平衡溶液は、標準プロットの直線範囲に
達するように連続様式で希釈される必要がありうるし、
そして希釈は、無勾配移動相を加えることによって行う
ことができる。
【0035】上記手順はまた、他の濃度のシクロデキス
トリン中のジプラシドンの溶解度を測定するのに用いら
れた。これを行い且つデータを用いて種々のジプラシド
ン塩について溶解状態図を作成することにより、溶解状
態図はそれぞれの塩に対して直線であるが勾配は異なる
ことが確認され、それによって、種々のジプラシドン塩
は同じシクロデキストリン中で異なる平衡溶解度を有す
ることがありうることが確認された。種々のジプラシド
ン塩についてこれを行うことによって作成された溶解状
態図を図1で示す。
【0036】上記HPLC手順(カラムおよび無勾配移
動相を含む)を用いて、多数のジプラシドン塩を試験し
て、40%HPBCD中および40%SBECD中のそ
れぞれの平衡溶解度を測定した。結果を表1で報告す
る。
【0037】
【表1】 注記:mgAは、遊離塩基として計算されたジプラシド
ンの(mgでの)重量を示し、分子量=412.9;N
T=試験されなかった β−シクロデキストリンスルホブチルエーテル(SBE
CD)の分子量:2163;40%(w/v)=400
g/L=0.18M; ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(HPBC
D)の分子量:1309;40%(w/v)=400g
/L=0.31M
【0038】前述のように、塩の系列の水への溶解度の
順序は、シクロデキストリン水溶液への溶解度の順序と
必ずしも平行していない。表1はこの点を例示する。例
えば、ジプラシドンのエシレート塩は、タルトレートの
2倍も水溶性である。これらの同様の2種類の塩の溶解
度は、水性HPBCD中でほぼ同様であり、そして水性
SBECD中では逆になる。
【0039】表1は、試験された特定のジプラシドン塩
候補およびシクロデキストリン溶液について、ジプラシ
ドンの最も高い溶解度はジプラシドンメシレートを40
%SBECD中に溶解させることによって達成されうる
ことを示す。ジプラシドン80mg/日のジプラシドン
の治療用量を患者に対して供給するには、必要とされる
40%溶液の量を以下のように計算することができる。
【0040】80mgA/日 × 1ml/44mgA
= 1.8ml/日 したがって、本発明を用いると、ジプラシドンの塩につ
いて上記で具体的に例示したように、治療的に有用な塩
包接複合体、すなわち、所望の治療用量の化合物を供給
する包接複合体を探索することができる。
【0041】図1から判るように、ジプラシドン塩溶解
度は、水中のシクロデキストリン濃度の関数として直線
的である。これは、水性シクロデキストリン中に溶解し
うる特定の塩の最大量を、当該技術分野において知られ
ているように、このような溶解状態図から直接的に(す
なわち、検量プロットとして適当な線を用いて)測定す
るこができるし、または適当な線の勾配(およびそれが
非ゼロである場合、y切片)が計算された場合に計算す
ることができることを例示している。
【0042】前述のように、包接複合体は、患者に対す
る経口または非経口投与用、通常は筋肉内投与用に製剤
化されうる。皮下および静脈内投与も適している。包接
複合体はまた、慣用的な形で、例えば、錠剤、カプセル
剤、経口懸濁剤用の散剤、および1回用量を含有する単
位用量パケット(当該技術分野において「サシェ(sach
et)」と称される)として経口投与されうる。それらは
また、口腔用または舌下用錠剤として、鼻腔用スプレー
剤として、局所用クリーム剤中で、経皮パッチで、およ
び坐剤として投与されうる。
【0043】以下の実施例は、本発明を更に開示し且つ
例証する。
【0044】
【実施例】実施例1および2は、ジプラシドンを用いて
本発明を例証する。
【0045】実施例1 SBECD溶液300mg/mlを、水などの薬学的に
許容しうる水性基剤中にSBECDを溶解させることに
よって調製する。ジプラシドンメシレートをそのSBE
CD溶液中に溶解させて、濃度を27.3mg/ml
(20mgA/ml)にする。0.2μmフィルターを
介して溶液を滅菌濾過する。濾過した溶液をガラスバイ
アルに入れて、経口によってまたは筋肉内、静脈内若し
くは皮下経路によって投与することができる製品溶液を
製造する。
【0046】実施例2 製品溶液を実施例1で記載のように製造する。製品溶液
が入っているガラスバイアルを凍結乾燥器中に入れ、そ
して製品溶液を凍結乾燥させる。バイアルおよびそれら
の凍結乾燥した内容物を室温で必要になるまで貯蔵し、
必要な時点で、それらを経口によってまたは筋肉内、静
脈内若しくは皮下経路によって投与するために水または
薬学的に許容しうる水性緩衝液によって還元する。
【0047】以下の実施例は、特定の包接複合体が特定
の用量を供給する投薬量を計算する仕方、そして更に、
注射容量を最小限にする仕方を例証する。
【0048】実施例3 不十分に(水に)可溶性の薬物である化合物Aは、分子
量350のカルボン酸である。それは、成人に対して7
5mgA/日(「mgA」は、遊離酸である活性化合物
のミリグラムを意味する。)および子供に対して25m
gA/日の好ましい用量で投与される。塩基付加塩の下
記の系列は、40%(w/v)水性シクロデキストリン
中でそれぞれに示された溶解度を有する。
【0049】 遊離酸 2mgA/ml 塩A 13mgA/ml 塩B 38mgA/ml 塩C 52mgA/ml 塩D 37mgA/ml 塩E 5mgA/ml 成人に対して2ml以下および子供に対して0.5ml
以下の注射用として投与するための標的用量を決定す
る。塩B(75mgAを供給するのに2.0ml注射)
および塩C(75mgAを供給する注射用量1.4m
l)は成人に適していることが確認される。他の塩は全
て25mg供給するのに0.5mlより多く必要なの
で、塩Cだけが子供に適している(25mgAを供給す
るのに0.48ml)
【0050】実施例4−ジプラシドンメシレート ジプラシドン遊離塩基1gを、イソプロピルアルコール
20mLに対して加えた後、メタンスルホン酸140m
gを加えた。数分後、生成されたスラリーは、それが沈
殿するにつれて濃厚になり且つ色が若干明るくなった。
5μmポリテトラフルオロエチレン膜を介する濾過によ
って塩を集めた。
【0051】実施例5−ジプラシドンエシレート ジプラシドン遊離塩基1gを、THF 45mLおよび
水1mLに対して加え、そして混合物を撹拌しながら6
0℃まで加熱した。混合物を60℃で2時間保持し、そ
の時点で、遊離塩基は全て溶解した。エタンスルホン酸
156mgを加え、撹拌を60℃で更に2時間持続し
た。この間に、混合物は淡橙色から曇った状態になり、
その時点で加熱を止め、そして塩が沈殿し始めた。混合
物を、撹拌を続けながら室温まで一晩中冷却した。次
に、実施例5の場合と同様に濾過によって塩を集めた。
【0052】実施例6−ジプラシドンタルトレート ジプラシドン遊離塩基1gを水60mLに対して加え、
得られたスラリーを撹拌しながら50℃まで3時間加熱
した。L−酒石酸900mgを加えた。50℃での加熱
および撹拌を更に6時間続けた後、混合物を40℃で一
晩中撹拌した。次に、溶液を冷却し、そして実施例5の
場合と同様に塩を集めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、水中のSBECD濃度の関数としての
化合物ジプラシドンの塩の系列の最大平衡溶解度のプロ
ットである溶解状態図である。縦座標(Y軸)は、薬物
溶解度であり(単位はミリモルである)且つ横座標(X
軸)はSBECD濃度である(同様にミリモル単位)。
【符号の説明】
塩 + メシレート × タルトレート △ エシレート ● ナプシレート ○ HCl
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07B 61/00 A61K 31/495 A61K 47/40 C07D 417/12 C08B 37/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物の1種類またはそれ以上の塩を探
    索する方法であって、該塩のシクロデキストリンへの溶
    解度は所望の標的溶解度と等しいまたはより大であり、
    該化合物の塩の系列を得、該系列中のそれぞれの塩の該
    シクロデキストリン水溶液への平衡溶解度を測定し、そ
    してそれぞれの測定された溶解度と該標的溶解度とを比
    較することを含む上記方法。
  2. 【請求項2】 特定の医薬品化合物の塩の系列の範囲内
    から、該塩およびシクロデキストリンを含む物質の組成
    物を製造する場合に用いるのに有用な塩を決定する方法
    であって、 a.該系列の塩を得; b.該系列中の該塩それぞれの、シクロデキストリン水
    溶液への平衡溶解度を測定し;そして c.該シクロデキストリン溶液への溶解度が所望の標的
    溶解度と等しいまたはより大の該系列中の塩を有用な塩
    として選別することを含む上記方法。
  3. 【請求項3】 特定の医薬品化合物の塩の系列の範囲内
    から、該塩のシクロデキストリン中包接複合体を含む物
    質の組成物を製造する場合に用いるのに有用な塩を決定
    する方法であって、 a.治療的効力に必要な該医薬品化合物の量を決定し; b.医薬品化合物の該量を投与するための最大全用量を
    選択し; c.該最大全用量を製剤化するのに必要な該化合物の塩
    の最小限必要な溶解度を計算し; d.該系列の塩を得; e.該塩のそれぞれの該シクロデキストリンへの平衡溶
    解度を測定し;そして f.該シクロデキストリン溶液への平衡溶解度が、該最
    大全用量と等しいまたはそれ未満の全用量を製造させる
    のに十分である該系列からの塩を有用な塩として選別す
    ることを含む上記方法。
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