JP3006724U

JP3006724U - ペット糞処理用具

Info

Publication number: JP3006724U
Application number: JP1994004597U
Authority: JP
Inventors: 和典佐藤
Original assignee: 昭和高分子株式会社
Priority date: 1994-04-04
Filing date: 1994-04-04
Publication date: 1995-01-31
Anticipated expiration: 2000-04-04

Abstract

(57)【要約】【目的】処理用具そのものが生分解可能性であり、安
価であって使い捨てが可能であるため衛生的であり、ペ
ット糞と共に土中に埋設することにより処理が可能であ
る取り扱いが簡単なペット糞処理用具。【構成】生分解性樹脂のフィルムまたは該フィルムと
紙とのラミネートを使用した袋や手袋、同じく同材料か
ら造られたスコップ、ヘラ状の補助具、生分解性樹脂か
ら造られたタモ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ペット、特に犬の散歩中の糞の後始末の際に使用する糞処理用具であって、庭や畑などの土中に埋めることにより簡単に肥料化処理可能な糞処理用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ペットの飼育頭数の増加及びそれに伴ってその排泄物の処理は飼育家の頭痛の種になっている。特に都会においては犬の散歩中の排泄物の処理が必要であり、このための簡便性、衛生性を特徴とする数多くの処理具の提案がなされている。しかし、市販されているものはほとんどなく、仮にあったとしても高価なものであるため一般的には飼育家は園芸用小型スコップを用い、スーパーストアなどで無償でもらえるショッピングバッグ等に収納し、これをゴミ収集に出し、焼却処理をすることが行われている。しかし、焼却処理場はいずれも家庭、工場などからの廃棄物で能力不足の状態になっており、少量であってもリサイクル可能な方法での処理が望まれる。

【０００３】このためではないであろうが、小型スコップによりショッピングバッグ等に入れ土中に埋める等の処置をする人もあるが、ショッピングバッグ等に使われるこれら合成樹脂製袋は微生物分解性に乏しく、袋はいつまでも土中に原状を維持したまま残留することになり、土壌を汚染することになる。

【０００４】また、ショッピングバッグ等に糞を納容する際に、用いた小型スコップ等が汚れるのでその処理も必要であり、これも安価でディスポーザブルな処理具の開発が望まれていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、処理用具そのものが土中に埋めただけで生分解可能であり、ペットの糞を収納したまま土中に埋設することにより処理ができること、安価であり、使用者の経済的負担が少ないこと、一回ごと使い捨て用の処理用具であること、取り扱いが簡単で、悪臭が漏れたりすることがないことなどの機能を有するペット糞用具の開発を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、生分解性樹脂のフィルムまたは該フィルムと紙とのラミネートを使用した密閉できる袋からなるペット糞処理用袋、厚さ１００〜５００μｍ、直径４〜１０ｃｍφのパイプを斜めに切り落とした全長１０〜３０ｃｍの生分解性樹脂からなるペット糞処理用スコップ、および生分解性樹脂のフィルムからなるペット糞処理用手袋を開発することにより上記の目的を達成した。

【０００７】本考案に用いる生分解性樹脂は生分解性を有するものであればその種類は問わないが、価格、物性などを考慮すると、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその誘導体とから比較的高分子量のポリエステルプレポリマーを合成した後、カップリング剤によりこれらプレポリマーを高分子化させた脂肪族系ポリエステル樹脂が好ましい。

【０００８】生分解性の脂肪族ポリエステル樹脂を得るためのポリエステルプレポリマーは、グリコールと脂肪族二塩基酸またはその誘導体とを反応せしめて得られる末端基が実質的にヒドロキシル基であり、数平均分子量が５，０００以上、好ましくは１０，０００以上の比較的高分子量、融点が６０℃以上の飽和脂肪族ポリエステルプレポリマーである。

【０００９】この場合、原料としてはグリコール及び脂肪族二塩基酸またはその誘導体は脂肪族系が主成分であるが、少量の他成分、例えば３官能または４官能の多価アルコール、オキシカルボン酸及び多価カルボン酸またはその酸無水物等の多官能成分を併用したものであっても良い。

【００１０】比較的高分子量のポリエステルプレポリマーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応の際に、例えばアセトアセトイル型チタンキレート化合物または有機アルコキシチタン化合物等のチタン化合物など、脱グリコール反応触媒を使用することが必要である。

【００１１】ポリエステルプレポリマーとして、通常数平均分子量５，０００以上、好ましくは１０，０００以上、融点６０℃以上のものが容易に得られ、結晶性があれば一層好ましい。

【００１２】本考案の脂肪族系ポリエステル樹脂を得るためには、数平均分子量が５，０００以上、望ましくは１０，０００以上の末端基が実質的にヒドロキシル基であるポリエステルプレポリマーに、更に数平均分子量を高めるためにジイソシアナート、オキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等、特にジイソシアナートのカップリング剤を使用する。

【００１３】カップリング剤の添加量は、ポリエステルプレポリマー１００重量部に対して０．１〜５重量部、望ましくは０．５〜３重量部である。添加はポリエステルプレポリマーが均一な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われることが望ましい。

【００１４】得られた脂肪族ポリエステルの数平均分子量は１０，０００以上であって、これによりポリエステル樹脂として、またポリエステル樹脂組成物としても機械的性質が充分なものとなる。

【００１５】この脂肪族ポリエステル樹脂はそのままあるいはこれに無機質または有機質の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、粘着防止剤などを添加して使用する。

【００１６】更に微生物分解性の紙、天然繊維からなる布や不織布（本考案においては紙で代表して説明する。）などとのラミネートした積層体も同様に用いることができる。

【００１７】充填剤としては、袋や手袋などフィルムに成形した後二次加工するものにあってはガラス粉、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、カオリン、クレー、タルク、石コウ、モミガラ粉末などの粉末を、肉厚製品にあってはこれら充填剤以外にも短ガラス繊維、木粉、パルプ類、シラスバルーン等の有機または無機のバルキーな充填剤を用いることができる。

【００１８】特にある程度剛性が必要とされるスコップなどにおいては、これらの充填剤を使用することにより樹脂組成物の剛性が高くなるところから使用樹脂量を減少させ、価格を低下させることができるので好ましい。さらに、微生物分解性の紙、天然繊維からなる布や不織布（本考案においては紙で代表して説明する。）などとのラミネートした積層体も同様に用いることができる。

【００１９】糞処理用袋としては臭気の漏れを防止するため密閉できることが必要である。密閉する機構としては、図１に示すように袋１の入口にチャック２をつけるか、セパレーターで被覆した粘着帯をつけておき、使用に際し、セパレーターをはがして使用する方法もある。この場合紙とのラミネートする場合、チャックや粘着帯を融着または塗布の容易性から紙は外側にくるように製造しておくことが好ましい。一方、コスト的には図２に示すようなショッピングバッグのように一方をシールした円筒状フィルム（袋１）を折り畳んでおき、その袋入口の中央部分をＵ字形またはＶ字形にカットし、その両端部をきつく縛れる形にしたものであっても充分に入口の密閉はできる。これを前述の脂肪族ポリエステル樹脂組成物のごとき、生分解性樹脂を用いて製造すれば良い。特に糞を入れるのであるから内容物が見えないように顔料を混入して不透明にするか、内容物が不明となるように模様をつけることが好ましい。

【００２０】袋のサイズは、被処理物のサイズにより異なるが一般的には折り幅２０〜４０ｃｍ、袋部分の長さ２０〜４０ｃｍ程度あれば充分である。

【００２１】次に糞処理用袋に入れる器具として園芸用小型スコップが主として用いられているようであるが、これは使い捨てできるものでなく、汚れたときはその始末に困るものである。これを生分解性樹脂製のスコップとして使い捨てにすることにより衛生的に処理できるようにした。

【００２２】この糞処理用スコップ１０はサイズによっても異なるが、厚さ１００〜５００ μｍ、直径４〜１０ｃｍφ、太さにより変わるが長さ１０〜３０ｃｍ程度のパイプの先端を斜めに切り落としたものであって、あらかじめ後ろ端は閉鎖できるように折り目１２をつけた後、パイプ状に戻し、これを折り目１１の線で押しつぶした形で前記糞処理用袋に入れておく。

【００２３】使用に際し、後端部を折り目１２に従って折り、後端を閉鎖し、スコップを組み立て、糞を処理し、袋１に入れて、袋ごと廃棄できる。このスコップ１０は円筒形であるため薄くとも強度が高く、パイプ肉厚を薄くしても強度は充分である。特に樹脂の生分解に悪影響のない補強用充填剤を用いると、樹脂使用量を少なくすることができる。

【００２４】糞がスコップでうまくすくうことができないときは、スコップ補助具を用いてスコップに入れる。このスコップ補助具は形状は特に厳密な形状は定められていないが、糞をスコップに入れるのに便利であれば良く、従って別に製作しなくともスコップの一部を取りはずせるように切離し線１３を入れておき、使用に際し切離し線から取りはずしできる形状であっても良い（図４参照）。

【００２５】ペット糞処理用タモ（図５）は、柄、枠及び袋からなる。柄及び枠は一体成形でもあるいは別途成形し使用に際し嵌め込み使用するなどの形状であっても良い。

【００２６】柄と枠が一体成形の場合は、全体が生分解性樹脂で製造されている必要があるが、分離型の場合は柄は金属またはポリプロピレン等の剛性のある生分解性のない合成樹脂であって良い。

【００２７】袋は枠にはずれないように取りつけられている。枠は生分解性樹脂あるいは竹ヒゴのような簡単で安価なものを使用し、袋はこれに熱溶着しておく。使用に際しては犬の尻の下にさし出して糞を受ける。使用後は分離型の場合は柄と枠の部分を分離し、枠と袋を一緒に前記ペット糞処理用袋に入れ土中に埋める。

【００２８】また一体型のときは柄及び枠の部分が折り畳めるように成形しておき、全体を小さくたたんでから糞処理用袋に入れて処理する。

【００２９】なお、糞処理に際してはショッピングバッグ等に手を入れ、手袋代わりに用い、小型スコップあるいは直接糞処理を行うのに代えて使用するための生分解性樹脂フィルムまたはそれと紙とのラミネートしたフィルムから作られた手袋（図６）である。この手袋はミットタイプまたはグローブタイプのいずれでも良いが、二つまたは五つに分れているため指の動きがスムーズになりショッピングバッグよりは遥かに使いやすいものである。更にこの手袋は糞と一緒に糞処理用袋に入れ土中に埋めるだけで完全に分解し、土壌のプラスチック汚染は全くない。

【００３０】

【作用】

本考案のペット糞処理用具は、すべて生分解性樹脂、特に脂肪族ポリエステル樹脂から作られたフィルムあるいは該樹脂と紙とのラミネートまたは該樹脂の成形品であり、糞処理後土中に埋めるだけで糞の肥料化及び樹脂の分解により土壌を軟らかくし、団粒化する効果がある。また糞処理用スコップは、板状体として持ち運びができ、糞処理に際して簡単に組み立てて使用できるので便利である。

【００３１】

【実施例】（実施例１）１，４−ブタンジオール及びコハク酸を反応させて触媒を添加して脱グリコール反応を行って得たポリエステルプレポリマーにカップリング剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを反応させて得られた融点１１０℃、数平均分子量３５，５００、ＭＦＲ（１９０℃）が１．０ｇ／１０分の脂肪族ポリエステル樹脂をＴ−ダイを用い押出温度２００℃で厚さ３０μｍのフィルムを製造した。このフィルムを２枚重ね、幅４００ｍｍ、袋の長さ３５０ｍｍ（把手部分の長さ１５０ｍｍ）のペット糞処理用袋を製造した。この袋に犬の糞を２５０ｇを入れ、畑の土中に埋め、３ケ月後掘り返したところ、フィルムの痕跡があっただけでほとんど分解していた。

【００３２】（実施例２）実施例１で用いた樹脂に、充填材として炭酸カルシウムを１５ｐｈｒ配合し、これを厚さ２５０μｍ、直径５００ｍｍφのパイプを押し出した。これを長さ２５ｃｍに切り、図４に示すように先端部に点線１３で示すような切離し線（全長の約９７％の部分は切断し、長さ約３％弱で結合している。）を入れ、一旦折り目１２に沿って両側から折り、後端部をふさいだ後元に戻し、更にパイプ全体を上部から圧迫して折り目１１に沿って板状体とした。

【００３３】この板状体は切離し線１３に沿ってヘラの部分を切離し、全体を丸くするようにして後端部の折り目１２を折り込むことにより、簡単に小型スコップとすることができる。

【００３４】犬の糞を該スコップで処理したところ、通常なら処理が容易にできる。特に処理の困難な草むらや砂利の中においては切離したヘラを併用すれば簡単である。この小型スコップ、ヘラを犬の糞と共に実施例１の糞処理袋に入れ、畑中に埋め３ケ月後に掘り返したところ、残骸はあったがスコップ及びヘラの形状はとどめていなかった。

【００３５】

【考案の効果】

本考案のペット糞処理用具は、ペット、特に犬の散歩中に排泄する糞を衛生的且つ簡単に袋に入れることができ、使用した用具は安価であって、すべてディスポーザブルであり、袋に入れた後は悪臭の発生の問題もなく、ゴミ収集車のくるまで待たずにただちに土中に埋めることにより肥料化処理が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のチャック付ペット糞処理用袋である。

【図２】本考案のショッピングバッグタイプのペット糞
処理用袋である。

【図３】本考案のペット糞処理用スコップである。

【図４】本考案のヘラ状成形体を組み込んだペット糞処
理用スコップである。

【図５】本考案のペット糞処理用タモである。

【図６】本考案のペット糞処理用手袋である。

【符号の説明】１ペット糞処理用袋２チャック１０ペット糞処理用スコップ１１折り目１２折り目１３切離し線

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【手続補正書】

【提出日】平成６年８月２３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】生分解性樹脂のフィルムまたは該フィル
ムと紙とのラミネートを使用した密閉できる袋からなる
ペット糞処理用袋。
【請求項２】厚さ１００〜５００μｍ、直径４〜１０
ｃｍφのパイプを斜めに切り落とした全長１０〜３０ｃ
ｍの生分解性樹脂からなるペット糞処理用スコップ。
【請求項３】生分解性樹脂のヘラ状成形体からなるペ
ット糞処理用スコップ補助具。
【請求項４】生分解性樹脂製パイプの先端部を、ほぼ
斜めの切り離し線を入れ、後端部を両側から折り込んで
一旦ふさいだ後、これを元のパイプに戻し、次いでパイ
プ全体を圧迫して板状体とした補助具付ペット糞処理用
スコップ。
【請求項５】生分解性樹脂の枠及び生分解性の袋から
なるペット糞処理用タモ。
【請求項６】生分解性樹脂のフィルムからなるペット
糞処理用手袋。
【請求項７】生分解性樹脂が脂肪族ポリエステル樹脂
またはこれに充填剤を配合した樹脂組成物である請求項
１〜５記載のペット糞処理用具。