JP3006379B2 - スリップフォーム工法の制御装置 - Google Patents

スリップフォーム工法の制御装置

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JP3006379B2 JP5315477A JP31547793A JP3006379B2 JP 3006379 B2 JP3006379 B2 JP 3006379B2 JP 5315477 A JP5315477 A JP 5315477A JP 31547793 A JP31547793 A JP 31547793A JP 3006379 B2 JP3006379 B2 JP 3006379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高架水槽、煙突、サ
イロなどの搭状の鉄筋コンクリート構造物を能率良く構
築するスリップフォーム工法に関し、特に、高精度かつ
円滑にスリップフォーム工法を実施するための制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人らは従来からつぎのようなスリ
ップフォーム工法により各種の搭状構造物を施工してい
る。この工法で最も簡単に構築することができるのは径
が一定の円筒体であるが、高さにより径が変化する鼓型
や葉巻型の搭状物や、水平断面が非円形(楕円、多角形
など)の搭状物も構築することができ、もちろん高さに
より壁厚を変化させることもできる。
【0003】図1および図2にこの種のスリップフォー
ム工法の概要を示している。この図では、高くなるに従
って径が小さくなるテーパー付きの搭状物1の構築途上
のようすを例示している。すでに構築された搭状物1に
は多数の支持ロッド2が適宜間隔をおいて立設されてい
る。各支持ロッド2にはそれぞれ上昇用ジャッキ3を介
して分割架台4が設置され、各ジャッキ3の作動により
各分割架台4を支持ロッド2に沿って上昇させるように
構成している。
【0004】各分割架台4には型枠ユニット5が取り付
けられており、各型枠ユニット5は相互に連結されて前
記搭状物1に沿った環状の型枠システム(型枠ユニット
5の集合体)が構成されている。型枠ユニット5は複数
のパネルを引き違い戸式に組み合わせた伸縮式の可変長
型枠であり、搭状物1の外面および内面に当てがわれる
外面パネルと内面パネルの対からなる。そして個々の分
割架台4には、型枠ユニット5の外面パネルと内面パネ
ルの間隔を可変調整するための(いずれか一方のパネル
を変位させる)壁厚調整用ジャッキ8が設けられてい
る。
【0005】また、各分割架台4はこれら全体の上に搭
載されたメイン架台6によって連結されている。しかも
個々の分割架台4は、メイン架台6に設けられたガイド
機構に沿って環状の型枠システムの半径方向に移動自在
になっているとともに、各分割架台4を前記ガイド機構
に沿って移動させるための半径移動用ジャッキ7が個々
に設けられている。
【0006】各上昇用ジャッキ3は一斉に駆動され、1
回の駆動で例えば1ストローク=25mmだけ支持ロッド
2に沿って上昇する。上昇用ジャッキ3が一斉に作動す
ると、各分割架台4が一斉に25mm上昇し、各型枠ユニ
ット5の集合体である環状の型枠システム全体が25mm
上昇する。型枠システムの上昇動作を1時間あたり10
回程度行い、型枠システムを適宜速度で徐々に上昇させ
る。この型枠上昇動作と並行して型枠内にコンクリート
を打設する。
【0007】搭状物1の高さに応じてその径を変える場
合、型枠システムを上昇させるのに伴って各半径移動用
ジャッキ7を作動させ、各分割架台4を半径方向にスラ
イド変位させる。すると各型枠ユニット5の集合体から
なる環状型枠ユニットが縮径または拡径する。もちろん
水平断面が非円形の搭状物を構築する場合には環状ユニ
ットの中の一部の型枠ユニット5だけを半径方向に変位
させることもある。同様にして、型枠システムの高さに
応じて壁厚調整用ジャッキ8を作動させ、各型枠ユニッ
トの外面パネルと内面パネルの間隔を変えることで、搭
状物1の壁厚を部位により適宜に変えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したスリップフォ
ーム工法において、径および壁厚が一定で水平断面が真
円の搭状物(ストレートな円筒体)を構築するのは、前
記各分割架台4の半径位置および各型枠ユニットのパネ
ル間隔(壁厚)を初期設定した後は不変で良いので、そ
の施工はもっとも簡単である。水平断面が真円で径およ
び壁厚が高さによって変化するテーパー状などの搭状物
を構築するには、型枠システムを上昇させるのに伴って
前記各半径移動用ジャッキ7および壁厚調整用ジャッキ
を作動させ、各分割架台4の半径位置および壁厚を適宜
に変化させなければならない。しかし、同一高さでの壁
厚がすべての部位で等しいのであれば、すべての型枠ユ
ニットの壁厚を等しく設定するので、その制御は比較的
簡単である。ところが、水平断面が楕円や多角形のよう
な非円形の搭状物で、しかも高さにより外径および水平
断面形状および壁厚が変化するものを構築するには、多
数の分割架台4の半径位置や多数の型枠ユニットの壁厚
をそれぞれ別個に設定し、しかも高さによりそれぞれを
個別に変化させなければならない。このような壁厚調整
や半径移動の制御を施工の進行状態に合せて随時行うわ
けであるが、その作業が非常に面倒で、施工能率が良い
というスリップフォーム工法の特徴を損ねる大きな要因
になっていた。
【0009】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、高さにより壁厚が変化する
複雑な形状の搭状物をスリップフォーム工法により能率
良く構築することができるようにした制御装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るスリップ
フォーム工法の制御装置は、前記メイン架台の基準点の
高さ位置を測定する高さ測定器と、前記各型枠ユニット
のパネル間隔をそれぞれ測定する複数の壁厚測定器と、
構築しようとする搭状物の設計データに基づいて前記メ
イン架台の高さ位置に対応する前記各型枠ユニットのパ
ネル間隔の設計データをメモリに格納してなる設計デー
タテーブルと、前記高さ測定器の出力データに従って前
記設計データテーブルから該当高さの前記各型枠ユニッ
トについてのパネル間隔設計データを引き出し、各設計
データと前記各壁厚測定器の出力データとを比較し、両
データの差に基づいて前記各壁厚調整用ジャッキの個々
に対する制御情報を生成するコンピュータとを備えたも
のである。
【0011】
【作用】前記コンピュータに壁厚制御の指令を与える
と、前記高さ測定器および前記各壁厚測定器の出力デー
タを取り込み、メイン架台の高さ位置の現在値に基づい
て前記メモリ中の前記設計データテーブルを引き、その
高さにおいて各型枠ユニットがとるべき壁厚設計データ
を読み取る。そして、各分割架台の壁厚設計データと各
壁厚測定器から得た壁厚の現在値とを比較し、両データ
の差に基づいて前記各壁厚調整用ジャッキの個々に対す
る制御情報を生成する。この制御情報に従って各壁厚調
整用ジャッキを作動させることで、設計データに従って
各型枠ユニットの壁厚調整の制御を行うことができる。
【0012】
【実施例】図1および図2に示したスリップフォーム工
法の施工装置形態はこの発明の実施例にも共通するもの
であり、すでに説明した部分については再説明しない。
図3はこの発明の一実施例による制御装置のシステム構
成図である。
【0013】この実施例においては、32個の分割架台
4が円環状に組み合わされ、32個の型枠ユニット5が
相互に連結されて円環状の型枠システムが構成されてい
るものとする。もちろん32個の分割架台4に対応して
32個の上昇用ジャッキ3があり、これらジャッキ3に
より各分割架台4およびメイン架台6が支持ロッド2に
沿って徐々に上昇する。
【0014】[高さ測定器14について]地上に設定さ
れた高さ原点からメイン架台6に設定された基準点まで
の垂直距離(高さ)を測定するために、メイン架台6に
は光波距離計などの高さ測定器14が設置されている。
【0015】[水平変位測定装置13について]地上基
準で設定した基準垂直軸に対してメイン架台6が水平面
内でどの程度位置ずれしているのかを測定するための水
平変位測定装置13が付設されている。この水平変位測
定装置13は前述した特公平4−18772号公報の
「スリップフォーム工法における施工精度測定装置」に
相当するものである。つまり、地上の既知の2位置にレ
ーザー投光器26aと26bが設置され、両投光器から
それぞれ垂直上方に向けてレーザービームが出射する。
メイン架台6の既知の2位置に受光器27aと27bが
設置されていて、両投光器26aと26bからのレーザ
ービームが両受光器27aと27bに入射する。受光器
27a、27bは、受光面に入射したレーザービームの
スポット位置の2次元座標情報をCCDカメラで検出す
る構成である。メイン架台6が基準垂直軸に対して水平
方向に位置ずれしていない場合、受光器27a、27b
のそれぞれの受光面の中心点にビームスポットが位置す
る。メイン架台6が基準垂直軸に対して水平方向に位置
ずれしていると、ビームスポットは受光面中心点からず
れる。両受光器27aと27bの検出出力を前処理部2
8で処理することにより、メイン架台6の水平位置ずれ
を求めることができる。
【0016】[レベル計15について]32個の分割架
台4のそれぞれの基準位置にレベル計15が垂直に取り
付けられている。レベル計15は、ストレートな水管に
水が入っていて、水面にフロートが浮んでおり、32個
の水管の底部はすべて連通パイプで連結されていて、水
が出入りするようになっており、水管内のフロートの位
置がセンサで検出される。従って、32個の分割架台4
の高さにばらつきが生じると、各レベル計15の高さが
ばらつき、各位置センサの出力にはそのばらつきに対応
した差、すなわちレベル偏差が生じる。
【0017】[半径測定器16について]32個の分割
架台4のそれぞれはメイン架台6に対して円環状型枠シ
ステムの半径方向に移動可能になっており、各分割架台
4を個別に半径方向に移動させるために1個(または1
組)の半径移動用ジャッキ7が搭載されている。そして
各半径移動機構にそれぞれ半径測定器16が付設されて
おり、前記型枠システムの中心点から各分割架台4の基
準点(各型枠ユニット5の基準点)までの距離がそれぞ
れの半径測定器16で検出される。この距離のことをユ
ニット半径とも称する。なお、半径測定器16は前記移
動機構に連動するポテンショメータからなる。
【0018】[壁厚測定器17について]各分割架台4
における型枠ユニット5は、その外面パネルに対して内
面パネルを平行移動させてパネル間隔を可変調整できる
ように構成されており、その移動機構を駆動するアクチ
ュエータとして各分割架台4に1個(または1組)の壁
厚調整用ジャッキ8が搭載されている。そして各パネル
移動機構にはポテンショメータを用いた壁厚測定器17
が付設されており、各型枠ユニット5のパネル間隔(壁
厚と称する)が検出される。
【0019】[コンピュータ10による測定データ処理
の概略について]前述した水平変位測定装置13、高さ
測定器14、レベル計15、半径測定器16、壁厚測定
器17の出力はインターフェース11を介してコンピュ
ータ10に取り込まれる。コンピュータ10はキーボー
ド18とディスプレイ19が付帯したいわゆるパソコン
であり、インターフェース12を介して後述する制御出
力系が接続されている。コンピュータ10は前記各測定
系の出力をサンプリングし、必要なデータ処理を行い、
処理した測定データを相互に対応づけて記憶部に蓄積す
るとともにディスプレイ19に表示する。
【0020】[半径移動用ジャッキ7の制御について]
搭状物1の設計データに基づいて、型枠システムの高さ
に応じて各型枠ユニット5が位置すべき半径位置が設計
データテーブルの形で設定され、コンピュータ10の記
憶部に格納されている。オペレータが半径分析の指令を
入力すると、コンピュータ10は、高さ測定器14で測
定された最新の高さデータに該当する目標半径データを
前記データテーブルから読み取るとともに、各半径測定
器16で測定された最新の半径位置実測データと半径位
置設計データを比較して誤差を求める。これら半径位置
実測データ、半径位置設計データ、半径誤差データをデ
ィスプレイ19に表示する。
【0021】前記の表示を見てオペレータが修正の必要
があると判断した場合は半径修正の指令を入力する。す
るとコンピュータ10は、各半径誤差データに対応した
修正データ(半径制御データ)を生成し、それぞれレジ
スタ21の該当エリアにストアする。そしてオペレータ
が半径移動用油圧装置の起動スイッチを操作すると、各
半径移動用ジャッキ7はレジスタ21の該当エリアに格
納された制御データに従って駆動される。
【0022】[壁厚調整用ジャッキ8の制御について]
搭状物1の設計データに基づいて、型枠システムの高さ
に応じて各型枠ユニット5が維持すべきパネル間隔(壁
厚)が設計データテーブルの形で設定され、コンピュー
タ10の記憶部に格納されている。オペレータが壁厚分
析の指令を入力すると、コンピュータ10は、高さ測定
器14で測定された最新の高さデータに該当する壁厚設
計データを前記データテーブルから読み取るとともに、
各壁厚測定器17で測定された最新の壁厚実測データと
壁厚設計データを比較して誤差を求める。これら壁厚実
測データ、壁厚設計データ、壁厚誤差データをディスプ
レイ19に表示する。
【0023】前記の表示を見てオペレータが修正の必要
があると判断した場合は壁厚修正の指令を入力する。す
るとコンピュータ10は、各壁厚誤差データに対応した
修正データ(壁厚制御データ)を生成し、それぞれレジ
スタ22の該当エリアにストアする。そしてオペレータ
が壁厚調整用油圧装置の起動スイッチを操作すると、各
壁厚調整用ジャッキ8はレジスタ21の該当エリアに格
納された制御データに従って駆動される。
【0024】具体例の装置では、壁厚調整用ジャッキ8
の1回の作動で分割架台4が1.5mm変位するが、前記
の壁厚制御データとしては例えば該当ジャッキ8を何回
作動させるのかというデータを生成し、作動させるジャ
ッキ8に該当するレジスタ22のエリアに“1”のビッ
トをたて、作動させないジャッキ8に該当するエリアは
“0”とする。レジスタ22の各ビットは各壁厚調整用
ジャッキ8への油圧回路の各電磁弁25の制御信号とな
り、“1”ビットに対応する壁厚調整用ジャッキ8のみ
が作動し、対応する型枠ユニット5のパネル間隔が1.
5mm変位する。そして修正の必要回数分だけ同じ動作を
繰り返す。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
制御装置では、壁厚制御の指令をコンピュータに与える
と、前記高さ測定器および前記各壁厚測定器の出力デー
タを取り込み、メイン架台の高さ位置の現在値に基づい
て前記メモリ中の前記設計データテーブルを引き、その
高さにおいて各型枠ユニットがとるべき壁厚設計データ
を読み取る。そして、各分割架台の壁厚設計データと各
壁厚測定器から得た壁厚の現在値とを比較し、両データ
の差に基づいて前記各壁厚調整用ジャッキの個々に対す
る制御情報を生成する。この制御情報に従って各壁厚調
整用ジャッキを作動させることで、設計データに従って
各型枠ユニットの壁厚調整の制御を行うことができる。
従って、高さにより壁厚が変化する複雑な形状の搭状物
をスリップフォーム工法により能率良く、しかも設計図
に基づいて高精度に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリップフォーム工法の施工装置の概構成図で
ある。
【図2】図1の要部詳細図である。
【図3】この発明の一実施例による制御装置のシステム
構成図である。
【符号の説明】
1 搭状物 2 支持ロッド 3 上昇用ジャッキ 4 分割架台 5 型枠ユニット 6 メイン架台 7 半径移動用ジャッキ 8 壁厚調整用ジャッキ 10 コンピュータ 14 高さ測定器 16 半径測定器 17 壁厚測定器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構築しようとする搭状物に沿ったレイア
    ウトで多数の支持ロッドを適宜間隔をおいて立設し、前
    記各支持ロッドにそれぞれ上昇用ジャッキを介して分割
    架台を設置し、各上昇用ジャッキの作動により各分割架
    台を前記支持ロッドに沿って上昇させるように構成し、
    前記各分割架台に取り付けられた型枠ユニットを相互に
    連結して前記搭状物に沿った環状の型枠システムを構成
    し、前記各分割架台における各型枠ユニットの外面パネ
    ルと内面パネルの間隔を可変する壁厚調整用ジャッキを
    個々の前記分割架台に付設し、前記各上昇用ジャッキに
    より前記各分割架台を上昇させることで前記型枠システ
    ムを徐々に上昇させる動作と、その型枠内にコンクリー
    トを打設する動作とを並行して進め、かつ前記型枠シス
    テムの高さ位置に応じて前記各壁厚調整用ジャッキによ
    り前記各型枠ユニットのパネル間隔を適宜に可変設定す
    るスリップフォーム工法において、 前記メイン架台の基準点の高さ位置を測定する高さ測定
    器と、前記各型枠ユニットのパネル間隔をそれぞれ測定
    する複数の壁厚測定器と、構築しようとする搭状物の設
    計データに基づいて前記メイン架台の高さ位置に対応す
    る前記各型枠ユニットのパネル間隔の設計データをメモ
    リに格納してなる設計データテーブルと、前記高さ測定
    器の出力データに従って前記設計データテーブルから該
    当高さの前記各型枠ユニットについてのパネル間隔設計
    データを引き出し、各設計データと前記各壁厚測定器の
    出力データとを比較し、両データの差に基づいて前記各
    壁厚調整用ジャッキの個々に対する制御情報を生成する
    コンピュータとを備えたことを特徴とするスリップフォ
    ーム工法の制御装置。
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KR20180020538A (ko) * 2016-08-18 2018-02-28 삼성물산 주식회사 자동 계측 시스템이 구비된 케이슨 제작용 슬립폼 및 이를 이용한 슬립폼의 레벨 및 반력 측정 방법

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