JP3006146B2 - テープ巻取り方法及びその装置 - Google Patents

テープ巻取り方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気記録再生装置用
磁気テープ、タイプライター及びワードプロセッサー用
印字テープ等のテープ巻取り方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術では、例えば、カセット型磁気
テープの製造方法としては、テープ巻取装置で磁気テー
プをリールまたはハブに巻取り、カセットに組み込んで
完成させる、所謂外巻き方法と、リーダテープ付リール
またはハブを予めカセットに組み込み、テープ巻取装置
でそのリーダテープをカセットから引き出して、これを
切断し、その両端に磁気テープを接続して巻取り、完成
させる、所謂内巻き方法とがある。この発明のテープ巻
取り方法は前者の外巻き方法に属するものであるが、先
ず、図4を用いてこの従来技術の外巻き方法であるテー
プ巻取り方法を説明する。
【0003】図4の工程Aにおいて、1a及び1bはリ
ールまたはハブ、この図ではリールであって、これらの
芯には、前工程で予めリーダテープ2が必要量巻かれて
あり、このようなリーダテープ付リール1a及び1b
が、やはり前工程でプラテン3のリール位置決め軸4a
及び4bに挿入されて、矢印Xaの方向に移動するベル
トコンベヤーでテープ巻取装置20の近傍に運ばれてく
る。
【0004】テープ巻取装置20は、リール支持軸2
1、測長ローラ22、テープテンション調整器23、ガ
イドローラ24、リーダテープ保持接続器25、リール
軸26及びリール駆動軸27から構成されている。リー
ル支持軸21にはパンケーキと称する長尺のテープが巻
かれているテープ供給リール28が装着されている。こ
のテープ供給リール28から供給される磁気テープ29
は測長ローラ22でその長さが計られ、リール1aまた
は1bに巻くテープの長さを定める。テープテンション
調整器23はリール1aまたは1bへのテープ巻き締め
強さを調整する役割をするものである。
【0005】このようなテープ巻取装置20の近傍に、
前述したようなリーダテープ2付リール1a及び1bが
載置されたプラテン3が運ばれてくると、図示していな
いが、ロボットアームのような自動機械でリーダテープ
2付リール1a及び1bをプラテン3から取り外してテ
ープ巻取装置20のリール軸26に、例えば、リール1
aを、リール駆動軸27にリール1bを装着する。矢印
Bはこの工程を表している。
【0006】次に、テープ巻取装置20はリーダテープ
2をカットし、その一端はリーダテープ保持接続器25
で保持され、他端は磁気テープ29の先端に接続され、
この作業が終わると、リール駆動軸27が駆動されて磁
気テープ29は測長ローラ22で所定の長さ測定されな
がらリール1bに巻き取られる。磁気テープ29の巻取
りが終わると、磁気テープ29の他端はリール1aに付
いていてリーダテープ保持接続器25に保持されている
リーダテープ2とリーダテープ保持接続器25で接続さ
れる。この一連の工程をCとする。
【0007】このようにして磁気テープ29をリール1
a及び1bに巻き込んだ完成品をスプール5と称され
る。このスプール5は自動機械でテープ巻取装置20か
ら排出される。矢印Dはこの工程を表している。
【0008】一方、リール1a及び1bが取り外された
プラテン3は、工程Cの期間、ベルトコンベヤーで矢印
Xb及びXcの方向に移動し、テープ巻取装置20のス
プール5の排出口で待機している。無論、空のプラテン
3はリール1a及び1bが取り外された位置で待機して
いるように構成することもできる。この待機状態のプラ
テン3に、前述のように自動機械で、スプール5をリー
ル位置決め軸4a及び4bに装着すると、次の工程Eへ
ベルトコンベヤーにより矢印Xdの方向に運ばれ、再び
ロボットアームのような自動機械で、プラテン3からス
プール5が外され、そして磁気テープカセット組立装置
30に排出される。矢印Eはこの工程を示すものであ
る。
【0009】符号40は完成した磁気テープカセット
で、磁気テープカセット組立装置30から矢印Fで示し
た工程により排出された状態を示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術のテープ巻取り方法では、プラテン3から
リールまたはハブを取り外し、またスプール5をプラテ
ン3に戻し、装着する作業があるので、これらの作業時
にハンドリングミスが発生することがあり、稼働率の低
下が問題になっている。またカセットの構造の変更によ
るリールまたはハブの構造に制約が生じてハンドリング
にも制約が生じ、特に8mmビデオ用カセット、マイク
ロカセットそして本出願人が極最近開発し、公開した切
手大のカセットのように、カセットが小型化、超小型化
されてくると、内蔵されるリールまたはハブも自ずと小
型化、超小型化されるので、そのハンドリングが困難に
なり、特にスプール5をプラテン3に装着する場合に、
巻き付けた磁気テープ29が解けるという問題が生じ、
これらの問題点を解決することが大きな課題になってい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】それ故、この発明では、
少なくとも一本の被駆動軸を備えたプラテンに、この被
駆動軸にテープが巻装されていないリールまたはハブを
装着した状態で載置し、このようなプラテンを、前記被
駆動軸を駆動する駆動装置を備えたテープ巻取装置に、
前記被駆動軸が駆動される状態で載置し、長尺のテープ
が巻かれているテープ供給リールから所定の長さのテー
プを、前記被駆動軸を駆動することにより前記リールま
たはハブに巻装し、このようにテープが巻装されたリー
ルまたはハブを装着した状態のプラテンを前記テープ巻
取装置から取り外して、次のカセット組立工程に送ると
いうテープ巻取り方法を案出して前記課題を解決した。
【0012】
【作用】従って、この発明のテープ巻取り方法及びその
装置によれは、リールまたはハブを、そしてスプールの
みをハンドリングする必要がなくなり、テープ巻取りの
稼働率が向上する。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面と共に詳述す
る。図1はこの発明の実施例であるテープ巻取り方法の
工程説明図であり、図2は図1のテープ巻取り方法に用
いるこの発明の一つでもあるプラテンの断面図であり、
図3はテープ巻取り方法に用いるこの発明の一つでもあ
るテープ巻取装置の平面図である。なお、図4と同一部
分には同一の符号を付した。
【0014】先ず、図2を用いてこの発明のテープ巻取
り方法に用いられるプラテンの構造を説明する。符号3
Aは全体としてこの発明のプラテンを指す。50は台板
で、その一方の端部の厚み方向に被駆動軸51を、その
上下を軸受52を介して取り付け、この被駆動軸51の
上端部にはリールまたはハブを載置する載置台53を、
またその被駆動軸51の下端部には、外部駆動源である
モータ10からの駆動力を受けることができるマグネッ
ト盤のような受動装置54を取り付けてある。この受動
装置54は、後述のテープ巻取装置20A(図3)のプ
ラテン載置部14にこのプラテン3Aが載置された時
に、そのテープ巻取装置20Aに内蔵されている前記モ
ータ10の回転軸11の上端に締結されたマグネット盤
のような加動装置12と結合するもので、その受動装置
54の下面は、台板50の下面表面55と同一面或いは
やや下がった位置に位置するように配置されている。ま
た前記加動装置12の上面も、テープ巻取装置20Aの
プラテン載置部14の上面パネル13の表面に開けられ
た開口15に臨み、その上面パネル13の表面と同一面
或いはやや下がった位置に位置するように配置されてい
て、このプラテン載置部14に前記プラテン3Aが載置
された時に、この実施例では、前記受動装置54と加動
装置12とはマグネットクラッチを構成する。なおこの
動力結合はこの実施例のようなマグネットクラッチに限
られるものではなく、エディカレントクラッチでもよ
く、また電磁クラッチによる動力結合だけでなく、機械
的クラッチによる動力結合でもよいことはいうまでもな
い。
【0015】また台板50の他方の端部の厚み方向に回
転軸56を、その上下を軸受57を介して取り付け、こ
の回転軸56の上端部にはリールまたはハブを載置する
載置台58を、またその回転軸56の下端部はスラスト
受け59で受けるように構成した。60a、60bはそ
れぞれリール受け軸60a、60bである。
【0016】また、台板50の上面表面61には、両載
置台53及び58の周囲に在って、それらの周面をロッ
クするブレーキ装置62及び63が設置されている。こ
れらのブレーキ装置62及び63は、前記の他、それら
の載置台53、58の下面でロックするようにしてもよ
く、要は、例えば、リーダテープ2だけが装着されたリ
ール1a及び1bや磁気テープ29が巻装されたスプー
ル5がこのプラテン3Aに搭載されてベルトコンベヤ
ー、ロボットアーム等で運搬される時に、それらのリー
ル1a及び1bが回転して、リーダテープ2の位置が狂
わないように、また巻装された磁気テープ29が解けな
いようにロックし、磁気テープ29を巻装している間は
このロックを解除する機能を有するものであればよい。
【0017】次に、図3を用いてこの発明のテープ巻取
り方法に用いられるテープ巻取装置20Aを説明する。
図4の工程Cで用いられたテープ巻取装置20と異なる
部分は、テープ巻取装置20Aの上面パネル13の部分
にプラテン載置部14を設けた点である。プラテン載置
部14はプラテン3Aを位置決めする位置決め装置16
を有し、そのプラテン載置部14内の上面パネル13に
は開口14が開けられていて、前記の加動装置12の上
面が臨むように構成されている。そして前記のように、
この上面パネル13の下に、前記加動装置12を回転さ
せるモータ10のような駆動装置が設置されている。こ
の駆動装置は加動装置12に直結する必要はなく、他
の、例えば、テープ供給リール28を駆動する駆動装置
からベルト等を介してその一部動力を伝達するように構
成してもよいことはいうまでもない。
【0018】次に、前記プラテン3A及びテープ巻取装
置20Aを用いたこの発明のテープ巻取り方法を図1を
用いて説明する。図1において、前述したように図4と
同一の構成及び工程には同一符号を付した。テープ巻取
装置20Aの近傍に、矢印Xaの方向に移動するベルト
コンベヤーでリーダテープ2付リール1a及び1bが載
置されたプラテン3Aが運ばれてくると、やはり図示し
ていないが、ロボットアームのような自動機械でプラテ
ン3Aをベルトコンベヤーからテープ巻取装置20Aの
方に取り込み、プラテン載置部14に、そのプラテン載
置部14の開口14に臨んでいる加動装置12にプラテ
ン3Aの受動装置54が結合するように、プラテン3A
を載置する。矢印Bはこの工程を表している。
【0019】プラテン3Aがプラテン載置部14に載置
されると、それを検知して自動的にテープ巻取装置20
Aが作動し、リーダテープ2のカット、その一端をリー
ダテープ保持接続器25で保持し、他端を磁気テープ2
9の先端に接続し、モータ10が働いて加動装置12が
回転し、従ってこれに結合している受動装置54及びリ
ール1aが回転する。そして所定の長さの磁気テープ2
9をリール1aに巻き取り、磁気テープ29の他端をリ
ーダテープ保持接続器25に保持されているリーダテー
プ2と接続する。この一連の工程は図4の工程Cと殆ど
同一である。
【0020】このようにしてリール1a及び1bに磁気
テープ29を巻き込んで載置したプラテン3Aは自動機
械でテープ巻取装置20Aからベルトコンベヤーに排出
される。矢印Dはこの工程を表している。磁気テープ2
9が巻装されたプラテン3Aはベルトコンベヤーで矢印
Xdの方向に移動し、次の工程Eに送られる。
【0021】一方、工程Cの期間、ベルトコンベヤーで
次のプラテン3Aが送られてきて、磁気テープ29が巻
装されたプラテン3Aが排出されるまで待機している。
この実施例では、プラテン3Aがテープ巻取装置20A
に取り込まれ、そして排出される位置が異なっているよ
うに図示したが、磁気テープ29を巻装したプラテン3
Aを排出する位置を、テープ巻取装置20Aに取り込む
位置と同一にしてもよい。しかし、この実施例に示した
ような工程にした方が、次のプラテン3Aが待機してい
るので、効率的である。
【0022】次の工程Eへベルトコンベヤーによりプラ
テン3Aが運ばれると、再びロボットアームのような自
動機械で、プラテン3Aからスプール5が外され、そし
て磁気テープカセット組立装置30に排出される。矢印
Eはこの工程を示すものである。符号40は完成した磁
気テープカセットで、磁気テープカセット組立装置30
から矢印Fで示した工程により排出される状態は図4で
示したものと同じである。
【0023】この実施例では、リール・ツー・リールの
磁気テープカセット40を製造する工程を示したが、単
一のリールまたはハブ1aのみに磁気テープ29を巻装
する場合にもこのテープ巻取り方法を適用できることは
自明である。また、この実施例では磁気テープ29をリ
ールまたはハブに巻装する例を挙げたが、磁気テープの
巻装のみならず、タイプライター、ワードプロセッー、
コンピュータ等用の印字テープ、梱包用のプラスチック
テープ、裁縫用のテープ等テープ状体をリールまたはハ
ブに巻装する場合にもこの発明のテープ巻取り方法を適
用できることは自明であろう。
【0024】
【発明の効果】以上のように、この発明のテープ巻取り
方法及びその装置によれば、プラテンからリールまたは
ハブを取り外してテープ巻取装置に装着し、またテープ
巻取装置からスプールをプラテンに戻し、装着する作業
がないので、従来あったハンドリングミスが発生するこ
とがなく、そして工数を削減でき、従って、大幅に稼働
率の向上を計ることができる。またカセットの構造の変
更によるリールまたはハブの構造に制約が生じても、即
ち、薄く小型化されても、ハンドリングの制約を軽減す
ることができるなど数々の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるテープ巻取り方法の工
程説明図である。
【図2】図1のテープ巻取り方法に用いるこの発明の一
つでもあるプラテンの断面図である。
【図3】図1のテープ巻取り方法に用いるこの発明の一
つでもあるテープ巻取装置の平面図である。
【図4】従来技術のテープ巻取り方法の工程説明図であ
る。
【符号の説明】
1a リール 1b リール 2 リーダテープ 3 プラテン 3A プラテン 4a リール位置決め軸 4b リール位置決め軸 5 スプール 10 モータ 12 加動装置 13 上面パネル 14 プラテン載置部 15 開口 16 位置決め装置 20 テープ巻取装置 20A テープ巻取装置 21 リール支持軸 25 リーダテープ保持接続器 28 テープ供給リール 29 磁気テープ 30 磁気テープカセット組立装置 40 磁気テープカセット 50 台板 51 被駆動軸 52 軸受 53 載置台 54 受動装置 56 回転軸 57 軸受 58 載置台 60a リール受け軸 60b リール受け軸 62 ブレーキ装置 63 ブレーキ装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一本の被駆動軸を備えたプラテ
    ンに、該被駆動軸にテープが巻装されていないリールま
    たはハブを装着し、このようなプラテンを、前記被駆動
    軸を駆動する駆動装置を備えたテープ巻取装置に、前記
    被駆動軸を駆動できる状態で載置し、該テープ巻取装置
    に装着された長尺のテープが巻かれているテープ供給リ
    ールからの該テープを所定の長さだけ、前記被駆動軸を
    駆動することにより前記リールまたはハブに巻装するこ
    とを特徴とするテープ巻取り方法。
  2. 【請求項2】台板の厚み方向に少なくとも一本の被駆動
    軸を、軸受を介して取り付け、該被駆動軸の下端部に
    は、外部駆動源からの駆動力を受けられる受動装置を取
    り付けたことを特徴とするプラテン。
  3. 【請求項3】前記載置台の回転を制動するブレーキ装置
    を備えた請求項2に記載のプラテン。
  4. 【請求項4】上面パネルの適所に形成したプラテン載置
    部、該プラテン載置部の上面パネルに設けた開口、該開
    口に臨んで配置され、請求項2に記載のプラテンの受動
    装置と結合する加動装置、該加動装置に駆動力を与える
    駆動装置等を備えた請求項1のテープ巻取り方法に用い
    ることができるテープ巻取装置。
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