JP3006043B2 - 膜型反応器 - Google Patents
膜型反応器Info
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- JP3006043B2 JP3006043B2 JP2183993A JP18399390A JP3006043B2 JP 3006043 B2 JP3006043 B2 JP 3006043B2 JP 2183993 A JP2183993 A JP 2183993A JP 18399390 A JP18399390 A JP 18399390A JP 3006043 B2 JP3006043 B2 JP 3006043B2
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- hollow fiber
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J8/00—Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes
- B01J8/008—Details of the reactor or of the particulate material; Processes to increase or to retard the rate of reaction
- B01J8/009—Membranes, e.g. feeding or removing reactants or products to or from the catalyst bed through a membrane
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J19/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J19/24—Stationary reactors without moving elements inside
- B01J19/2475—Membrane reactors
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、膜型反応器に関する。更に詳しくは、化学
工業プロセスに用いられる膜型反応器に関する。
工業プロセスに用いられる膜型反応器に関する。
化学工業プロセスでは、主反応工程に比べ、分離、精
製、回収などの後処理工程におけるエネルギー消費が大
きい。こうした後処理工程に膜分離法が利用できれば、
従来の熱的分離法に対して、大幅なエネルギー節約が期
待できる。
製、回収などの後処理工程におけるエネルギー消費が大
きい。こうした後処理工程に膜分離法が利用できれば、
従来の熱的分離法に対して、大幅なエネルギー節約が期
待できる。
こうした目的で、反応と同時に生成物など反応系内の
特定の物質を連続的に分離することにより、反応の効率
化を達成させるための反応器として、膜型反応器(メン
ブレンリアクター)が知られている。可逆反応では、熱
力学的制約により、その平衡値以上の転化率を得ること
は不可能であるが、膜型反応器を用いれば、反応平衡の
制約を受けることなく反応は進行する。
特定の物質を連続的に分離することにより、反応の効率
化を達成させるための反応器として、膜型反応器(メン
ブレンリアクター)が知られている。可逆反応では、熱
力学的制約により、その平衡値以上の転化率を得ること
は不可能であるが、膜型反応器を用いれば、反応平衡の
制約を受けることなく反応は進行する。
特に、脱水素反応への膜型反応器の適用が最近検討さ
れており、次のような具体例を示すことができる。
れており、次のような具体例を示すことができる。
[I]J.Catal.第11巻第30頁(1968): パラジウム合金膜を用いた膜型反応器で、イソペンタ
ン、ブタンの脱水素反応の促進を行い、平衡値を上回る
反応率を得ている。
ン、ブタンの脱水素反応の促進を行い、平衡値を上回る
反応率を得ている。
[II]Bull.Chem.Soc.Japan第55巻第2760頁(1982): 多孔質ガラスリアクターをシクロヘキサンの脱水素反
応に利用し、転化率の向上を確認している。
応に利用し、転化率の向上を確認している。
[III]J.Chem.Eng.Japan第21巻第399頁(1988): 多孔質ガラス管を内管として用いたリアクターをシク
ロヘキサンの脱水素反応に用いる。
ロヘキサンの脱水素反応に用いる。
[IV]AIChE J.第33巻第1576頁(1987): 膜厚200μmのパラジウムチューブをシクロヘキサン
の脱水素反応に利用し、100%近い転化率を得ている。
の脱水素反応に利用し、100%近い転化率を得ている。
[V]Chem.Lett.1988年第1687頁、1989年第489頁: 多孔質ガラス管の外壁上に無電解メッキにより膜厚20
μmのパラジウム薄膜を製膜し、水性ガスシフト反応
(CO+H2O→H2+CO2)で98%の転化率を得ている。
μmのパラジウム薄膜を製膜し、水性ガスシフト反応
(CO+H2O→H2+CO2)で98%の転化率を得ている。
しかしながら、これらの提案された方法では、いずれ
も透過係数が小さいという欠点がみられた。
も透過係数が小さいという欠点がみられた。
本発明の目的は、高透過性でしかも小さな滞留時間で
良好な転化率の得られる膜型反応器を提供することにあ
る。
良好な転化率の得られる膜型反応器を提供することにあ
る。
かかる本発明の目的は、内壁面に、酸化物セラミック
ス形成性ゾルから得られた酸化物セラミックス薄膜部分
を形成させた多孔質セラミックス中空糸を二重管の内管
として用い、二重管の外管との間に触媒を充填させた膜
型反応器によって達成される。
ス形成性ゾルから得られた酸化物セラミックス薄膜部分
を形成させた多孔質セラミックス中空糸を二重管の内管
として用い、二重管の外管との間に触媒を充填させた膜
型反応器によって達成される。
内壁面にセラミックス薄膜を形成させた多孔質セラミ
ックス中空糸は、外径が約5mm以下、好ましくは約2mm以
下であって、その膜厚が約500μm以下、好ましくは約3
00μm以下の多孔質セラミックス中空糸の内壁面に、膜
厚約10μm以下、好ましくは約2〜5μmの高透過性限
外ロ過薄膜であるセラミックス薄膜を形成させたもので
ある。
ックス中空糸は、外径が約5mm以下、好ましくは約2mm以
下であって、その膜厚が約500μm以下、好ましくは約3
00μm以下の多孔質セラミックス中空糸の内壁面に、膜
厚約10μm以下、好ましくは約2〜5μmの高透過性限
外ロ過薄膜であるセラミックス薄膜を形成させたもので
ある。
それの製造は、多孔質セラミックス中空糸の管内へ酸
化物セラミックス形成性ゾルを供給して強制的にロ過さ
せ、それを乾燥させた後焼成し、多孔質セラミックス中
空糸内壁面へ酸化物セラミックス薄膜を積層させること
によって行われる。
化物セラミックス形成性ゾルを供給して強制的にロ過さ
せ、それを乾燥させた後焼成し、多孔質セラミックス中
空糸内壁面へ酸化物セラミックス薄膜を積層させること
によって行われる。
多孔質セラミックス中空糸としては、一般にAl2O3,Y2
O3,MgO,SiO2,Si3N4,ZrO2などの粒子を分散させた高分子
物質の有機溶媒溶液を用い、それを乾湿式紡糸した後焼
成して得られる、孔径が約0.1〜6μm、好ましくは約
0.2〜2μmのものが用いられる。
O3,MgO,SiO2,Si3N4,ZrO2などの粒子を分散させた高分子
物質の有機溶媒溶液を用い、それを乾湿式紡糸した後焼
成して得られる、孔径が約0.1〜6μm、好ましくは約
0.2〜2μmのものが用いられる。
これらの多孔質セラミックス中空糸の管内へは酸化物
セラミックス形成性ゾルが供給され、中空糸の他端側を
閉塞させた状態で加圧もしくは減圧することにより強制
的にゾルをロ過する。酸化物セラミックス形成性ゾルと
しては、Al2O3、Y2O3、MgO、SiO2、ZrO2、TiO2、SnO2、
La2O3、CeO2、InO2、ThO2などの酸化物薄膜が焼成によ
って形成される金属水酸化物ゾルが用いられる。
セラミックス形成性ゾルが供給され、中空糸の他端側を
閉塞させた状態で加圧もしくは減圧することにより強制
的にゾルをロ過する。酸化物セラミックス形成性ゾルと
しては、Al2O3、Y2O3、MgO、SiO2、ZrO2、TiO2、SnO2、
La2O3、CeO2、InO2、ThO2などの酸化物薄膜が焼成によ
って形成される金属水酸化物ゾルが用いられる。
このような各種酸化物セラミックス形成性ゾルにおい
て、例えば焼成によってAl2O3薄膜を形成させるゾルと
しては、ベーマイト(γ−AlOOH)ゾルが用いられる。
ベーマイトゾルは、アルミニウムイソプロポキシドを10
0倍モル量の蒸留水中で75℃以上に加熱し、加水分解さ
せた後、アルミニウムに対して0.70〜0.02倍モル量の塩
酸などを添加し、95℃で解こうさせることにより調製さ
れる。
て、例えば焼成によってAl2O3薄膜を形成させるゾルと
しては、ベーマイト(γ−AlOOH)ゾルが用いられる。
ベーマイトゾルは、アルミニウムイソプロポキシドを10
0倍モル量の蒸留水中で75℃以上に加熱し、加水分解さ
せた後、アルミニウムに対して0.70〜0.02倍モル量の塩
酸などを添加し、95℃で解こうさせることにより調製さ
れる。
これらのゾルの供給に先立って、多孔質セラミックス
中空糸の細孔内を蒸留水で脱気置換する前処理工程を適
用すると、より均一な膜厚の酸化物セラミックス薄膜を
積層することができる。また、積層される薄膜の膜厚
は、ロ過時間によってコントロールすることができる。
中空糸の細孔内を蒸留水で脱気置換する前処理工程を適
用すると、より均一な膜厚の酸化物セラミックス薄膜を
積層することができる。また、積層される薄膜の膜厚
は、ロ過時間によってコントロールすることができる。
ロ過終了後は室温での乾燥を行い、用いられた金属水
酸化物の種類に応じて、それの酸化物を形成させる温度
での焼成が行われる。
酸化物の種類に応じて、それの酸化物を形成させる温度
での焼成が行われる。
このようにして、多孔質セラミックス中空糸の管内へ
酸化物セラミックス形成性ゾルを供給し、強制的ロ過−
乾燥−焼成という一連の工程を1回行うのみで、所望の
膜厚の酸化物セラミックス薄膜を容易に中空糸内壁面へ
積層させることができる。
酸化物セラミックス形成性ゾルを供給し、強制的ロ過−
乾燥−焼成という一連の工程を1回行うのみで、所望の
膜厚の酸化物セラミックス薄膜を容易に中空糸内壁面へ
積層させることができる。
得られた酸化物セラミックス薄膜形成多孔質セラミッ
クス中空糸は、それが二重管の内管として用いられる。
一方、二重管の外管としては、内径が約6mm以下であっ
て、一般に同心円的に配置される内管の外壁面との間に
半径方向に少なくとも約2mmの間隔をおいて配置された
ガラス管、セラミックス管、樹脂管、金属管などが用い
られる。
クス中空糸は、それが二重管の内管として用いられる。
一方、二重管の外管としては、内径が約6mm以下であっ
て、一般に同心円的に配置される内管の外壁面との間に
半径方向に少なくとも約2mmの間隔をおいて配置された
ガラス管、セラミックス管、樹脂管、金属管などが用い
られる。
このような内管と外管との間には、触媒、例えば脱水
素反応触媒が担持されるが、その長さは、例えば分離層
長さが13.5mmの場合、約14〜80mm程度あれば十分であ
り、従って酸化物セラミックス薄膜形成多孔質セラミッ
クス中空糸の両端部分はテフロンチューブなどに接続し
て用いられる。
素反応触媒が担持されるが、その長さは、例えば分離層
長さが13.5mmの場合、約14〜80mm程度あれば十分であ
り、従って酸化物セラミックス薄膜形成多孔質セラミッ
クス中空糸の両端部分はテフロンチューブなどに接続し
て用いられる。
なお、内径が約6mm以上の外管の中に、複数本の内管
を配置する場合には、内管1本当り触媒層断面積を約7.
5×10-5m2以上、Pt−Al2O3触媒充填量を約0.165g以上と
すればよい。
を配置する場合には、内管1本当り触媒層断面積を約7.
5×10-5m2以上、Pt−Al2O3触媒充填量を約0.165g以上と
すればよい。
図面の第1図は、かかる態様の長さ方向の中心線断面
図であり、その内壁面に酸化物セラミックス薄膜部分1
を形成させた多孔質セラミックス中空糸2が、その両端
部分をテフロンチューブ3,3′と接続された状態で、二
重管の内管として用いられており、外管にはガラス管4
が用いられている。
図であり、その内壁面に酸化物セラミックス薄膜部分1
を形成させた多孔質セラミックス中空糸2が、その両端
部分をテフロンチューブ3,3′と接続された状態で、二
重管の内管として用いられており、外管にはガラス管4
が用いられている。
内管と外管との間には、触媒5が担持されており、例
えばシクロヘキサンの脱水素反応によるベンゼンの生成
反応では、触媒としてAl2O3粉体表面にPt触媒が担持さ
れている市販品がそのまま用いられ、充填された触媒の
両端は石英ウールなどで固定されている。
えばシクロヘキサンの脱水素反応によるベンゼンの生成
反応では、触媒としてAl2O3粉体表面にPt触媒が担持さ
れている市販品がそのまま用いられ、充填された触媒の
両端は石英ウールなどで固定されている。
担持される触媒5は、酸化物セラミックス薄膜形成多
孔質セラミックス中空糸2よりなる内管と外管4との間
隙部分ばかりではなく、反応の上流側部分5′にも充填
することができ、そのような態様が第2図に示されてい
る。
孔質セラミックス中空糸2よりなる内管と外管4との間
隙部分ばかりではなく、反応の上流側部分5′にも充填
することができ、そのような態様が第2図に示されてい
る。
本発明に係る膜型反応器は、内管と外管との間に充填
させた触媒、一般には担体上に担持させた触媒の種類に
より、種々の化学工業プロセスに用いることができる
が、例えば前述のシクロヘキサンの脱水素反応では次の
ように作用する。
させた触媒、一般には担体上に担持させた触媒の種類に
より、種々の化学工業プロセスに用いることができる
が、例えば前述のシクロヘキサンの脱水素反応では次の
ように作用する。
テフロンチューブ3と外管4との間には、上流側より
窒素ガスで希釈されたシクロヘキサンが送り込まれ、触
媒層5と脱水素反応条件下で接触することにより、ベン
ゼンと水素とに分解する。そして、分離膜としての酸化
物セラミックス薄膜1を形成させた多孔質セラミックス
中空糸2は、原料シクロヘキサンおよび生成ベンゼンの
一部は透過させるものの、主として副生した水素をスウ
ィープガスとしてのアルゴンと共に、テフロンチューブ
3′の内側を通って下流側に排出させる。一方、少量の
水素を含有する生成ベンゼンおよび未反応シクロヘキサ
ンの混合物は、テフロンチューブ3′とガラス管4との
間を通って下流側に排出される。この場合、上述の如く
膜のガス分離作用により水素がより多く透過されるた
め、触媒層における反応は、より水素、換言すればより
ベンゼンが生成する方向に進む。
窒素ガスで希釈されたシクロヘキサンが送り込まれ、触
媒層5と脱水素反応条件下で接触することにより、ベン
ゼンと水素とに分解する。そして、分離膜としての酸化
物セラミックス薄膜1を形成させた多孔質セラミックス
中空糸2は、原料シクロヘキサンおよび生成ベンゼンの
一部は透過させるものの、主として副生した水素をスウ
ィープガスとしてのアルゴンと共に、テフロンチューブ
3′の内側を通って下流側に排出させる。一方、少量の
水素を含有する生成ベンゼンおよび未反応シクロヘキサ
ンの混合物は、テフロンチューブ3′とガラス管4との
間を通って下流側に排出される。この場合、上述の如く
膜のガス分離作用により水素がより多く透過されるた
め、触媒層における反応は、より水素、換言すればより
ベンゼンが生成する方向に進む。
平衡転化率の小さい反応において、生成物を分離膜を
用いて反応の場から除去することにより、見掛け上平衡
が生成側にシフトし、高転化率を達成することができ
る。しかるに、従来の提案では、膜の透過速度が小さい
ため滞留時間を長くする必要があり、プロセス上不利で
あったが、本発明では多孔質セラミックス中空糸の内壁
面に酸化物セラミックス薄膜を形成させたものを膜型反
応器の分離膜として用いているため、次のような効果が
実際に得られる。
用いて反応の場から除去することにより、見掛け上平衡
が生成側にシフトし、高転化率を達成することができ
る。しかるに、従来の提案では、膜の透過速度が小さい
ため滞留時間を長くする必要があり、プロセス上不利で
あったが、本発明では多孔質セラミックス中空糸の内壁
面に酸化物セラミックス薄膜を形成させたものを膜型反
応器の分離膜として用いているため、次のような効果が
実際に得られる。
(1)多孔質セラミックス中空糸基体管および分離層の
膜厚が薄く、高透過性であるため、従来の提案より数桁
少ない滞留時間で、同程度の転化率を得ることができ
る。
膜厚が薄く、高透過性であるため、従来の提案より数桁
少ない滞留時間で、同程度の転化率を得ることができ
る。
(2)分離膜が中空糸状であるため、モジュールに作製
したときの単位体積当りの分離表面積が大となり、処理
能力が大きい。
したときの単位体積当りの分離表面積が大となり、処理
能力が大きい。
(3)中空糸内壁に分離層を形成し、その外側に触媒を
充填する構造としているため、分離膜単位面積当りの触
媒重量を大きくすることができ、高い転化率を得ること
ができる。また、触媒を充填する際、分離層を損傷する
危険性がない。
充填する構造としているため、分離膜単位面積当りの触
媒重量を大きくすることができ、高い転化率を得ること
ができる。また、触媒を充填する際、分離層を損傷する
危険性がない。
このような効果を奏する本発明の膜型反応器は、炭化
水素の脱水素反応を始め多くの化学工業プロセスに用い
ることができる。
水素の脱水素反応を始め多くの化学工業プロセスに用い
ることができる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 ベーマイトゾル(アルミニウム濃度0.52モル/l)を、
1本の多孔質アルミナ中空糸(外径0.2mm、内径1.6mm、
気孔率30%、中央細孔径0.17μm、長さ170mm)の一端
側からローラポンプを用いて送り込み、中空糸の他端側
からゾルが流れ出た時点でそこを閉じ、0.35kgf/cm2の
圧力を加え、3分間の強制的なロ過を行った。その後、
室温下に12時間放置して乾燥させた後、500℃で2時間
の焼成を行い、中空糸内壁面に膜厚約4μmのγ−アル
ミナ薄膜(ポリエチレングリコールによる分画試験での
阻止率90%、分画分子量約4000)を積層した状態で形成
させた。
1本の多孔質アルミナ中空糸(外径0.2mm、内径1.6mm、
気孔率30%、中央細孔径0.17μm、長さ170mm)の一端
側からローラポンプを用いて送り込み、中空糸の他端側
からゾルが流れ出た時点でそこを閉じ、0.35kgf/cm2の
圧力を加え、3分間の強制的なロ過を行った。その後、
室温下に12時間放置して乾燥させた後、500℃で2時間
の焼成を行い、中空糸内壁面に膜厚約4μmのγ−アル
ミナ薄膜(ポリエチレングリコールによる分画試験での
阻止率90%、分画分子量約4000)を積層した状態で形成
させた。
このようにして内壁面にγ−アルミナ薄膜を形成させ
た多孔質アルミナ中空糸を切断し、その両端部分にテフ
ロンチューブを中空糸露出部分長さが13.5mmになるよう
に接続し、パイレックス製ガラス管(外径8mm、外径6m
m)との間に同心円的な位置関係で二重管を形成させ
た。この二重管のγ−アルミナ薄膜形成多孔質アルミナ
中空糸とガラス管との間に、Ptを3重量%の濃度でAl2O
3上に担持させた触媒0.165g(日揮ユニバーサル製品)
を充填し、第1図に示される如き膜型反応器を形成させ
た。
た多孔質アルミナ中空糸を切断し、その両端部分にテフ
ロンチューブを中空糸露出部分長さが13.5mmになるよう
に接続し、パイレックス製ガラス管(外径8mm、外径6m
m)との間に同心円的な位置関係で二重管を形成させ
た。この二重管のγ−アルミナ薄膜形成多孔質アルミナ
中空糸とガラス管との間に、Ptを3重量%の濃度でAl2O
3上に担持させた触媒0.165g(日揮ユニバーサル製品)
を充填し、第1図に示される如き膜型反応器を形成させ
た。
この膜型反応器について、シクロヘキサン、ベンゼン
および水素の透過試験を行ったところ、それらの透過速
度比は1:1.17:6.95となり、水素が最も透過され易かっ
た。
および水素の透過試験を行ったところ、それらの透過速
度比は1:1.17:6.95となり、水素が最も透過され易かっ
た。
このような膜型反応器を用い、反応場温度を470Kと
し、反応側に窒素をキャリヤーガスとしてシクロヘキサ
ン(分圧0.11気圧)を流し、透過側はスウィープガスと
してアルゴンガスを流したところ、総括転化率(平衡転
化率のある反応系から生成物の一部を除去してやると、
反応は平衡転化率を上回って進行し、ある転化率が得ら
れるようになり、この転化率を総括転化率という)に及
ぼす反応側流量の影響として、第3図のグラフに示され
るように、総括転化率は平衡転化率を上回り、それは反
応側流量が小さい程またスウィープガス流量が大きい程
著しいという結果が得られた。即ち、反応速度に比べ
て、透過速度が相対的に大きくなるときに、生成物除去
の効果が顕著であることが分かる。なお、比較のため
に、ガラス管に触媒を充填した充填層反応器を用い、同
一の実験条件下での総括転化率が測定された。
し、反応側に窒素をキャリヤーガスとしてシクロヘキサ
ン(分圧0.11気圧)を流し、透過側はスウィープガスと
してアルゴンガスを流したところ、総括転化率(平衡転
化率のある反応系から生成物の一部を除去してやると、
反応は平衡転化率を上回って進行し、ある転化率が得ら
れるようになり、この転化率を総括転化率という)に及
ぼす反応側流量の影響として、第3図のグラフに示され
るように、総括転化率は平衡転化率を上回り、それは反
応側流量が小さい程またスウィープガス流量が大きい程
著しいという結果が得られた。即ち、反応速度に比べ
て、透過速度が相対的に大きくなるときに、生成物除去
の効果が顕著であることが分かる。なお、比較のため
に、ガラス管に触媒を充填した充填層反応器を用い、同
一の実験条件下での総括転化率が測定された。
また、前記従来技術(II)、(III)および(IV)と
比較するために、V/F(V:触媒が充填された体積、F:シ
クロヘキサン供給流量)と総括転化率との関係をみる
に、このような関係では同じ総括転化率であればV/Fの
値が小さい程膜型反応器としての性能がすぐれているこ
とを示しているが、スウィープガス約100cm3・s-1の条
件下で測定した第4図のグラフに示される結果は、本発
明に係る膜型反応器には従来技術と比較して、1〜2桁
大きな空間速度で同程度の転化率が得られることを実証
している。
比較するために、V/F(V:触媒が充填された体積、F:シ
クロヘキサン供給流量)と総括転化率との関係をみる
に、このような関係では同じ総括転化率であればV/Fの
値が小さい程膜型反応器としての性能がすぐれているこ
とを示しているが、スウィープガス約100cm3・s-1の条
件下で測定した第4図のグラフに示される結果は、本発
明に係る膜型反応器には従来技術と比較して、1〜2桁
大きな空間速度で同程度の転化率が得られることを実証
している。
実施例2 第2図に示される如き、膜型反応器が用いられ、実施
例1と同様に反応側流量と総括転化率との関係が測定さ
れた。触媒としては、PtをAl2O3上に担持させた触媒0.8
06gを、分離層の上流迄75mmの触媒層長さで充填させ
た。
例1と同様に反応側流量と総括転化率との関係が測定さ
れた。触媒としては、PtをAl2O3上に担持させた触媒0.8
06gを、分離層の上流迄75mmの触媒層長さで充填させ
た。
第3図のグラフに併記されるように、実施例1の場合
と比較して、反応側流量が大きくなるに従って、総括転
化率に違いがみられるようになり、このような顕著な効
果は、触媒の活性の低い場合や反応温度を上げられない
場合にこのような触媒充填法が有効であることを示して
いる。
と比較して、反応側流量が大きくなるに従って、総括転
化率に違いがみられるようになり、このような顕著な効
果は、触媒の活性の低い場合や反応温度を上げられない
場合にこのような触媒充填法が有効であることを示して
いる。
(透過側流量) ○:1.70cm3・s-1 Δ:0.83 〃 □:0.42 〃
第1〜2図は、それぞれ本発明に係る膜型反応器の一態
様の中心線断面図である。第3図は、実施例1〜2にお
ける反応側流量と総括転化率との関係を示すグラフであ
る。また、第4図は、V/F値と総括転化率との関係を示
すグラフである。 (符号の説明) 1……酸化物セラミックス薄膜部分 2……多孔質セラミックス中空糸 3……テフロンチューブ 4……ガラス管 5……触媒
様の中心線断面図である。第3図は、実施例1〜2にお
ける反応側流量と総括転化率との関係を示すグラフであ
る。また、第4図は、V/F値と総括転化率との関係を示
すグラフである。 (符号の説明) 1……酸化物セラミックス薄膜部分 2……多孔質セラミックス中空糸 3……テフロンチューブ 4……ガラス管 5……触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 達也 福岡県福岡市東区箱崎6―10―1 九州 大学工学部内 (56)参考文献 特開 昭55−119439(JP,A) 特開 昭64−15128(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 8/06
Claims (1)
- 【請求項1】内壁面に、酸化物セラミックス形成性ゾル
から得られた酸化物セラミックス薄膜部分を形成させた
多孔質セラミックス中空糸を二重管の内管として用い、
二重管の外管との間に触媒を充填させてなる膜型反応
器。
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JP2183993A JP3006043B2 (ja) | 1990-07-13 | 1990-07-13 | 膜型反応器 |
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-
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