JP3005436U - スパイク付タイヤバンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はゴムバンドにスパイクピンなどの滑
り止めを施して用いて、スタッドレスタイヤなどの弱点
を補強し、タイヤチェンのような着脱の難点や適応路面
状況の制約を克服し、今日ドライバー人口の多くを占め
る女性ドライバーやタイヤチェンに不慣れなドライバー
でも必要に応じて速やかに使用できるスパイク付タイヤ
バンドを提供する。 【構成】 バンドは伸縮性に富むゴム素材から成り、
その形状は繋ぎ構造を持たない輪状を成す。帯の直角方
向断面は中央が厚く両端が薄くなり、その両端が内側面
側に反った三ヶ月形である。内側面には突起ａと
突起ｂがありタイヤトレッド面のリブ、ラグ方向の滑
り止め溝と噛み合いバンド自体の収縮力と合わせてタ
イヤ接地面に密着し安定する。バンドの外側面には
滑り止めピンと滑り止め溝があり凍結や圧雪路面に
作用し駆動力と制動力を得る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は伸縮性に富むゴム素材から作られた輪状のバンドに滑り止めのスパ イクピンと溝を設けて自動車のタイヤに用いる事により、凍結圧雪路面でのタイ ヤスリップを防止するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、雪路での自動車のタイヤスリップ防止には、雪路専用のスノー又はスタ ッドレスタイヤ、或いはタイヤチェンなどが用いられてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

雪路走行に於いてドライバーが取りうる滑り止め対策は、スタッドレスタイヤ やタイヤチェンなどの使用、もしくは両者の併用である。スタッドレスタイヤは 今日その雪路走行性能の向上は目覚ましく、一般的な積雪やシャーベット路面で は何らの不足も無いまでになってきた。しかしながらスタッドレスタイヤは基本 的に接地面の多くのゴムのエッジにより摩擦をはかるものであり、特に凍結や圧 雪路面では摩擦力が極端に低下して走行不能に陥る事もある。次にタイヤチェン では、その構成上から雪路上では最も高い駆動力と制動力を得る事ができるが、 使用上で幾つかの難点を有している。まず取りつけに手数が掛かりタイヤへ密着 させるのに止め具やスプリングなど補助部品を要し、路上で降雪時や夜間の着脱 作業はドライバー泣かせである。この事は今日ドライバー人口の多くを占める女 性ドライバーやタイヤチェンの取り扱いに不慣れなドライバーに取っては使用を 躊躇させる事にもなり、スリップ防止の上でも問題であった。また従来のタイヤ チェンは構成上、タイヤ接地面上に大きな凹凸を成すため、タイヤの持つ基本性 能に大きな影響を与え走行により振動が発生しやすく、様々に変化する路面状況 下では、一部乾燥路や積雪量の極少ない路面などでの使用は不向きであり、更に アイスバーンの様な凍結路面では横滑りを誘発する事もある。切断やタイヤから の脱落により車体を傷つけたりもする。 本考案は、これらの問題点を解決する為にされたものである。

【０００４】

【問題を解決するための手段】

本考案を図１で説明すれば、バンドは伸縮性に富むゴム素材から成り、その 形状は繋ぎ構造をもたない輪状を成し、帯の直角方向断面は図２のように中央が 肉厚で両端が薄く、その両端が内側面側へ反った三ヶ月形であり、帯の内側面 に突起ａと突起ｂを持ち、外側面には滑り止めピンと滑り止め溝を 持つ。 以上の様な構成からなるスパイク付タイヤバンドである。

【０００５】

【作用】

（イ） バンドは伸縮性に富むゴム素材から成る。これを引き伸ばしタイヤの 外周に沿ってトレッド面に取りつけると、自らの収縮力によってトレッド面に密 着する。これにより従来のタイヤチェンのような止め具や緩み止めの補助部品を 要せず単体で容易に使用できる。 （ロ） バンドは内側面の突起ａ、突起ｂがタイヤのトレッド面にある リブ、ラグ方向の滑り止め溝と噛み合ってタイヤとの一体を図る。更にバンド は、路面との接地部分では、タイヤと路面に挟まれて、タイヤとの密着がより増 す。これにより外側面の、滑り止めピンと滑り止め溝が路面に有効に作用 して凍結、圧雪路面での駆動力と制動力を得る。 （ハ） バンドは、タイヤ外周に沿ってトレッド面に取りつけられ、従来のタ イヤチェンのようにトレッド面に凹凸を成さないので、走行による振動が出にく い。また軽量かつ伸縮性に富むので、タイヤ回転の遠心力による取りつけ緩みも 発生し難く、従来のタイヤチェン以上の使用速度が可能となり、止むを得ぬ場合 は乾燥路でも使用できる。 （ニ） バンドは、従来からのタイヤチェンに比較し軽量かつ柔軟なので切断 やタイヤからの脱落による車体への被害も出難い。

【０００６】

【実施例】 以下、本考案の実施例に付いて説明する。 （イ） バンドの輪の内径は、取りつけるタイヤの外径よりも小さくしタイヤ への取りつけ時の収縮力を高めて自己密着力を増す。 （ロ） バンドの帯幅はタイヤのトレッド面幅より狭くし、およそトレッド幅 の４分の１から２分の１以内でタイヤの基本性能への影響を少なく抑える。 （ハ） バンドの帯の断面形状は図２で示すように中央が肉厚で両端が薄く内 側面側へ両端が反った三ヶ月形を成しタイヤへの密着を図る。 （ニ） バンドの内側面の突起ａ、突起ｂはタイヤトレッド面のリブ、 ラグ方向の滑り止め溝と噛み合って、タイヤとの一体を図り、走行中のバンド のズレを防止する。なお、内側面に突起ａ、突起ｂのかわりに金属あるい は硬質なプラスチックなどの突起を付け、タイヤ接地面との摩擦を増しズレ防止 を図るのもよい。 （ホ） 外側面の滑り止めピンは金属あるいは硬質なプラスチックなどを用 い、更に滑り止め溝と合わせ凍結、圧雪路面での駆動力と制動力をえる。 （ヘ） バンドはゴム素材に着色する事により多様な彩色が可能であり、周囲 への注意喚起にもなり交通安全に寄与出来る。

【０００７】

【考案の効果】

本考案は雪路、特に凍結、圧雪路面において、バンドに取りつけられた滑り 止めピンと滑り止め溝が凍結、圧雪路面に有効に作用し、駆動力と制動力を 得る。又、やむなくタイヤに取りつけたまま乾燥路を走行しても、従来のタイヤ チェンのような振動の発生も少なく、安定した走行が可能となる。これにより雪 路は勿論、乾燥路と雪路が入り交じった路面状況下での使用も好適である。また 本考案はタイヤへの着脱が簡単であり、従来タイヤチェンの取り扱いに不慣れだ ったドライバーにも容易に取り扱える。このように適用路面が広く取り扱いが容 易である事から、雪路で早め早めに用いる事によってタイヤスリップを防ぎ、交 通の安全にも寄与するものと成る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の斜視図である

【図２】図１のａ線の断面図である

【図３】本考案のタイヤへの取りつけ例図である

【符号の説明】

１はゴムバンド ２は外側面 ３は内側面 ４は突起ａ ５は突起ｂ ６は滑り止めピン ７は滑り止め溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ） バンドは伸縮性に富むゴム素材
   から成る。その形状は繋ぎ構造をもたない輪状を成し、
   帯幅は装着するタイヤのトレッド幅より狭く、帯の直角
   方向断面は中央部が肉厚で両端が薄くなり、その両端が
   内側面側へ反った三ヶ月形である。 （ロ） バンドは内側面に、タイヤのリブ、ラグ方
   向の滑り止め溝と噛み合う突起ａと突起ｂを持つ。 （ハ） バンドは外側面に滑り止めピンと滑り止
   め溝を持つ。 以上（イ）から（ハ）までで構成されたスパイク付タイ
   ヤバンド。