JP3005419U - スナップファスナーの雌型嵌合体 - Google Patents

スナップファスナーの雌型嵌合体

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JP3005419U JP1994008472U JP847294U JP3005419U JP 3005419 U JP3005419 U JP 3005419U JP 1994008472 U JP1994008472 U JP 1994008472U JP 847294 U JP847294 U JP 847294U JP 3005419 U JP3005419 U JP 3005419U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌雄スナップの位置合わせが容易で、雄型嵌
合部を雌型嵌合部にスムーズに嵌合させることができ、
それでいて、弾性嵌合を軽い力で行え、不用意なアイロ
ン掛けに起因する雌型嵌合部の変形を防止でき、リベッ
ト部材との結合も強固に行えるようにした雌型嵌合体を
提供する。 【構成】 合成樹脂製の雌型嵌合体6であって、雄型嵌
合部を弾性嵌合する雌型嵌合部6aまわりの環状基板6
bを幅広に形成し、その表面を可撓性シート7の表面に
滑らかに連ねるように、半径方向外方ほど可撓性シート
側に向けて傾斜させる一方、雌型嵌合部を構成する周方
向で複数の部分隆起部b…に対応させて環状基板の半径
方向内方端部にスリットc…を形成し、環状基板の裏面
側のスリット相互間に放射状のリブd…を形成し、部分
隆起部を環状基板の表面より凹入させ、リベット部材の
突起が挿入される貫通孔を、ストレートな小径孔部8a
とラッパ状内周面をもつ大径孔部8bとで構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、雌雄のスナップから成るスナップファスナーの雌スナップにおける 雌型嵌合体に関し、詳しくは、環状基板の中央部に、裏面側に凹入し且つ周壁の 上部側内面部には雄型嵌合部を係止する隆起部を膨出させた雌型嵌合部を連設す ると共に、この雌型嵌合部の底壁の中央部には、可撓性シートの片側から打ち込 まれるリベット部材の突起を貫通させてカシメ止めするための貫通孔を形成した 合成樹脂製の雌型嵌合体の改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般には、上記のスナップファスナーの内、雄スナップは、基板の中央部に尖 鋭な突起を一体に成形した合成樹脂製のリベット部材と、前記突起の貫通孔が形 成された環状基板の中央部に雄型嵌合部を突出させた合成樹脂製の雄嵌合体とに よって構成されている。
【0003】 一方、雌スナップは、基板の中央部に尖鋭な突起を一体に成形した合成樹脂製 のリベット部材と、雄型嵌合部の嵌合ならびに離脱が可能の雌型嵌合部を環状基 板の中央部に突出させた合成樹脂製の雌型嵌合体とから成り、かつ、雌型嵌合部 の底壁の中央部には、上記の突起を挿入させる貫通孔が形成されている。
【0004】 これらは何れも、可撓性シート(例えば、衣服の生地)の片側からリベット部 材の突起を打ち込んで、この突起を嵌合体の貫通孔に挿通させ、その突出先端部 を打撃により拡開変形させることで、雌雄の嵌合体が可撓性シートに取り付けら れる。
【0005】 尚、上記の雄型嵌合部は、例えば環状周壁の先端側外面部に係止頭部を膨出さ せて成り、雌型嵌合部は、雄型嵌合部を嵌合する凹入部から成るもので、この凹 入部の周壁の上部側内面部には、前記雄型嵌合部の係止頭部を係止する隆起部を 膨出させている。
【0006】 このスナップファスナーにおいて、雌雄の嵌合部を闇雲に合わせても稀には雌 雄のスナップを旨く嵌合させることができるが、殆どは無意識の内に、雄型嵌合 部を雌型嵌合体の環状基板に当て付けて滑らせ、雄型嵌合部を雌型嵌合部に導い て嵌合させている。
【0007】 ところで、これまでは、雌雄のスナップを何れも必要最小限の大きさに構成す れば良いとの考えから、また、デザイン面からは小さい方が良いとする考えも一 部にあることから、雌雄のスナップを可及的に小さく構成しているのが現状であ って、雌型嵌合体の環状基板の直径はかなり小さくなっている。このため、雌雄 のスナップを弾性嵌合させるに際して、雌型嵌合体の環状基板が幅狭であること から、時には雄型嵌合部を環状基板から外れた可撓性シートに当て付けてしまう ことがあり、これでは、雄型嵌合部を滑らせても雄型嵌合部が環状基板の周縁部 に当たってしまって、雄型嵌合部を雌型嵌合部にスムーズに嵌合させることがで きず、嵌合の手間を何度も繰り返さねばならない煩わしさがあった。
【0008】 また、雌雄のスナップの弾性嵌合は、雌型嵌合部の隆起部を押し拡げさせるよ うにして雄型嵌合部の頭部を通過させ、この頭部と隆起部との係止によって達成 されるのであるが、従来の雌型嵌合体においては、この隆起部を環状に形成して いることに加えて、雌型嵌合体の環状基板が隆起部の拡径を阻止するようにリブ 機能を発揮することから、隆起部が拡開し難く、このため、雌型嵌合部に対する 雄型嵌合部の嵌め込み並びに離脱が困難となり、かと言って、隆起部の膨出高さ を低くすると、軽い力で嵌め込みができるものの嵌合が簡単に外れてしまう欠点 があった。
【0009】 更に、スナップファスナーを取り付けた例えば衣服を洗濯した場合、雌型嵌合 体とリベット部材との間の閉空間に滲み込んだ水が抜け難くて、衣服そのものは 乾き切っているにも拘らず、閉空間内の水が何時までもスナップまわりに滲み出 して、衣服が完全に乾き切るまでに時間を要するという問題もあった。
【0010】 また、従来の雌型嵌合体では、図9や図10に示すように、リベット部材5の 突起5bが挿入される貫通孔6cが、単なるストレート孔に、つまり、全長にわ たって中心軸芯と平行な円形の内周面Zをもつ孔に形成され、内周面Zと突起打 撃側の面Sとが直角になっていた。
【0011】 このため、可撓性シート7の片側から打ち込まれたリベット部材5の突起5b の突出先端部を打撃して拡開変形させた際、図9に示すように、拡開変形部Aが 突起打撃側の面Sに当接するまで直角に折れ曲がるほど変形する軟らかな樹脂で リベット部材5を製造した場合、拡開変形部Aが柔らかいことから、雌雄のスナ ップの弾性嵌合を外す際の力によって拡開変形部Aが容易に変形してしまい、抜 け止め機能を発揮させることは困難である。
【0012】 また、リベット部材5の材料として、テナック樹脂などの比較的硬い樹脂を使 用した場合は、突起5bの先端部を打撃して拡開変形させる際に、大きな打撃力 を必要とするため、突起5bの付け根に大きな力が作用して、一次的には、図1 0に示すように、この部位にクラックfが発生し易い。更に、材料樹脂の弾性復 元力によって拡開変形部Aが突起打撃側の面Sから浮き上がり気味になって、拡 開変形部Aが貫通孔6cの孔まわりに点接触ないしは線接触の状態となることか ら、雌雄のスナップの弾性嵌合を外す都度、拡開変形部Aの付け根に力が集中し て、遂にはこの部位にもクラックhが発生し、雌雄のスナップを離脱させる際の 力が、これらのクラックf,hに繰り返しかゝって、突起5bが折損し、雌型嵌 合体6とリベット部材5とが分離してしまうことがあった。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、雌雄のスナップの位置 合わせが容易で、一々雌雄スナップを見ながら行わなくても、雄型嵌合部を雌型 嵌合部にスムーズに嵌合させることができ、それでいて、それらの弾性嵌合を軽 い力で確実に行え、しかも、不用意なアイロン掛けに起因する雌型嵌合部の変形 を防止して弾性嵌合を長期間安定的に行えるようにすると共に、リベット部材と の結合を強固に行えるようにしたスナップファスナーの雌型嵌合体を提供するこ とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案が講じた技術的手段は次の通りである。 即ち、第1考案によるスナップファスナーの雌型嵌合体は、環状基板の中央部に 、裏面側に凹入し且つ周壁の上部側内面部には雄型嵌合部を係止する隆起部を膨 出させた雌型嵌合部を連設すると共に、この雌型嵌合部の底壁の中央部には、可 撓性シートの片側から打ち込まれるリベット部材の突起を貫通させてカシメ止め するための貫通孔を形成した合成樹脂製の雌型嵌合体であって、前記環状基板を 幅広に形成すると共に、その表面を半径方向外方ほど可撓性シート側に向けて傾 斜させる一方、前記隆起部を周方向で複数に分割し、この部分隆起部に対応させ て前記環状基板の半径方向内方端部に、上下に貫通するスリットを形成すると共 に、環状基板の裏面側で且つスリット相互の間には、放射状のリブを形成した点 に特徴がある。
【0015】 第2考案によるスナップファスナーの雌型嵌合体は、環状基板の中央部に、裏 面側に凹入し且つ周壁の上部側内面部には雄型嵌合部を係止する隆起部を膨出さ せた雌型嵌合部を連設すると共に、この雌型嵌合部の底壁の中央部には、可撓性 シートの片側から打ち込まれるリベット部材の突起を貫通させてカシメ止めする ための貫通孔を形成し、前記環状基板を幅広に形成すると共に、その表面を半径 方向外方ほど可撓性シート側に向けて傾斜させる一方、前記隆起部を周方向で複 数に分割し、この部分隆起部に対応させて前記環状基板の半径方向内方端部に、 上下に貫通するスリットを形成すると共に、環状基板の裏面側で且つスリット相 互の間には、放射状のリブを形成した合成樹脂製の雌型嵌合体であって、前記部 分隆起部を雌型嵌合部の周囲の環状基板の表面により凹入させた点に特徴がある 。
【0016】 第3考案によるスナップファスナーの雌型嵌合体は、環状基板の中央部に、裏 面側に凹入し且つ周壁の上部側内面部には雄型嵌合部を係止する隆起部を膨出さ せた雌型嵌合部を連設すると共に、この雌型嵌合部の底壁の中央部には、可撓性 シートの片側から打ち込まれるリベット部材の突起を貫通させてカシメ止めする ための貫通孔を形成し、前記環状基板を幅広に形成すると共に、その表面を半径 方向外方ほど可撓性シート側に向けて傾斜させる一方、前記隆起部を周方向で複 数に分割し、この部分隆起部に対応させて前記環状基板の半径方向内方端部に、 上下に貫通するスリットを形成すると共に、環状基板の裏面側で且つスリット相 互の間には、放射状のリブを形成し、前記部分隆起部を雌型嵌合部の周囲の環状 基板の表面により凹入させた合成樹脂製の雌型嵌合体であって、前記貫通孔を、 その中心軸芯と平行な円形の内周面をもつ小径孔部と、小径孔部から突打撃側の 面に向けて拡がるラッパ状の内周面をもつ大径孔部とで構成した点に特徴がある 。
【0017】
【作用】
第1考案の構成によれば、環状基板を幅広にしたことで、雌雄のスナップを弾 性嵌合させるに際して、雄型嵌合部を雌型嵌合体の環状基板に当て付けることの 確実性が高くなり、たとえ雄型嵌合部を衣服などの可撓性のシート側に当て付け てしまったとしても、その環状基板の表面を半径方向外方ほど可撓性シート側に 向けて傾斜させているので、雄型嵌合部を滑らせることで、これを無理なく環状 基板側に乗り上げさせることができる。
【0018】 従って、一々雌雄スナップを見ながら行わなくても、手探りだけで、雄型嵌合 部を、環状基板の傾斜表面の上を滑らせて雌型嵌合部にスムーズに嵌合させるこ とができる。
【0019】 それでいて、雌型嵌合部の隆起部を周方向で互いに分離させた上で、この部分 隆起部に対応させて、幅広な環状基板の半径方向内方端部に、スリットを形成し たことで、この部分隆起部に対しては環状基板のリブ機能が殆ど作用しなくなり 、且つ、各々の部分隆起部が互いに独立して弾性変形することになるから、環状 基板を幅広にしてあるにもかかわらず、部分隆起部の膨出高さを高くしても、雌 雄のスナップの弾性嵌合を軽い力で確実に行うことができる。また、環状基板を 幅広にしても、これは雄スナップの嵌合によって覆い隠されるので、デザイン性 を損なうことはない。
【0020】 そして、環状基板にスリットを形成しながらも、環状基板の裏面側で且つスリ ット相互の間には放射状のリブを形成しているので、雌型嵌合体自体の剛性低下 は確実に補われ、更に、上記スリットを形成したことで、雌スナップの閉空間に 滲み込んだ水の抜け出しも良好に行われる。
【0021】 第2考案の構成によれば、不用意なアイロン掛けにより、アイロンが環状基板 の表面に接触しても、部分隆起部には接触せず、部分隆起部の変形が防止される ことになる。
【0022】 第3考案の構成によれば、リベット部材を比較的硬い樹脂で製作しても、突起 の突出先端部の打撃による拡開変形を容易に行え、突起の付け根や拡開変形部に クラックが発生することを防止できて、リベット部材との結合を強固に行えるこ とになる。
【0023】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1は雄スナップ1と雌ス ナップ2とによるスナップファスナーを、襟口や合わせ目、袖口、ポケットなど に設けた衣服を示している。
【0024】 雄スナップ1は、図2に示すように、基板3aの中央部に断面円形で且つ尖鋭 な突起3bを一体に成形した合成樹脂製のリベット部材3と、前記突起3bを挿 入する貫通孔4aが形成された環状基板4bの中央部に、前記貫通孔4aと同芯 状に突出した筒状の雄型嵌合部4cを一体に成形すると共に、この雄型嵌合部4 cの環状周壁の先端側外面部に係止頭部aを膨出させた合成樹脂製の雄型嵌合部 4とから成る。
【0025】 一方、雌スナップ2は、図3〜図5にも示すように、基板5aの中央部に断面 円形で且つ尖鋭な突起5bを一体に成形した合成樹脂製のリベット部材5と、雄 型嵌合部4cの嵌合ならびに離脱が可能の雌型嵌合部6aを、環状基板6bの中 央部の裏面側(後述する可撓性シート7側)に凹入させた合成樹脂製の雌型嵌合 体6とから成り、かつ、前記雌型嵌合部6aの底壁の中央部に前記突起5bを挿 入する貫通孔6cを形成する一方、前記環状基板6bを幅広に形成して、その表 面を可撓性シート(例えば衣服の生地)7の表面に滑らかに連ねるように、半径 方向外方ほど可撓性シート7側に向けて傾斜させ(換言すれば、外下がりに傾斜 させ)、更に、この環状基板6bの周縁部には、可撓性シート7側に向けて環状 周壁6dを延設させている。
【0026】 そして、雌型嵌合部6aの周壁の上部側内面部に、前記雄型嵌合部4cの係止 頭部aを離脱可能に係止させる部分隆起部b…を、周方向に所定の間隔を隔てて 膨出させると共に、この部分隆起部bに対応させて前記環状基板6bの雌型嵌合 部近傍に、雌型嵌合部6aの中心軸芯まわりの弧状のスリットc…を上下に貫通 させて形成し、更に、環状基板6bの裏面側で且つスリットc,c相互の間に放 射状のリブd…を形成すると共に、雌型嵌合部6aの底壁側の角部には、可撓性 シート7への食い込みスパイクe…を形成している。
【0027】 これら雌雄のスナップ1,2においては、何れも可撓性シート7の片側からリ ベット部材3,5の突起3b,5bを打ち込んで、この突起3b,5bを嵌合体 4,6の貫通孔4a,6cに挿通させ、その突出先端部を打撃により拡開変形さ せることで、雌雄の嵌合体4,6が可撓性シート7,7に取り付けられる(図6 を参照)。
【0028】 上記の構成から成る雌スナップ2の雌型嵌合体6によれば、それの環状基板6 bを幅広にしたことで、雌雄のスナップ1,2を弾性嵌合させるに際して、図6 に示すように、雄型嵌合部4cを雌型嵌合体6の環状基板6bに当て付けること の確実性が高くなる。
【0029】 或いは、雄型嵌合部4cを衣服などの可撓性のシート7側に当て付けてしまっ たとしても、その環状基板6bの表面を可撓性シート7の表面に滑らかに連ねる ように、半径方向外方ほど可撓性シート7側に向けて傾斜させてしているので、 雄型嵌合部4cをそのまま滑らせることで、これを無理なく環状基板6b側に乗 り上げさせることができる。
【0030】 従って、一々雌雄のスナップ1,2を見ながら行わなくても、雄型嵌合部4c を、環状基板6bの傾斜表面の上を滑らせて雌型嵌合部6aにスムーズに嵌合さ せることができる。 しかも、環状基板6bを幅広にしても、これは雄スナップ1の嵌合によって覆 い隠されるので、デザイン性を損なうことはない。
【0031】 更に、雄型嵌合部4cの頭部aを係止させる隆起部b…を、雌型嵌合部6aの 周壁の上部側内面部に所定の間隔を隔てて膨出させ、かつ、この部分隆起部b… に対応させて、その近傍の環状基板6bにスリットc…を形成したことで、この 部分隆起部b…に対しては環状基板6bのリブ機能が殆ど作用しなくなり、従っ て、雌型嵌合部6aの部分隆起部b…が弾性的に撓み易くなることから、雌雄の スナップ1,2の弾性嵌合を強くするために、部分隆起部b…の膨出高さを高く しても、雌雄のスナップ1,2を軽い力で確実に嵌合させることができる。
【0032】 そして、環状基板6bにスリットc…を形成しながらも、環状基板6bの裏面 側で且つスリットc,c相互の間には放射状のリブdを形成しているので、雌型 嵌合体自体の剛性低下は確実に補われる。 更に、雌スナップ2のリベット部材5と雌型嵌合体6との間の閉空間に滲み込 んだ水の抜け出しも、上記のスリットc…を通して良好に行われる。
【0033】 尚、図2に照らして明らかなように、本考案では、上記の部分隆起部b…を、 雌型嵌合部6aの周囲の環状基板6bの表面よりも凹入した状態に、やゝ控えさ せて雌型嵌合部6aの周壁に膨出させている。これは、例えば衣服のアイロン掛 けに際して、アイロンの温度を誤って高温に設定してしまった際の不都合を未然 に防止するための考慮である。
【0034】 即ち、部分隆起部b…を環状基板6bの表面と面一にする形態をとった場合、 誤って高温に設定したアイロンを部分隆起部b…の表面に滑らせると、材質によ っては部分隆起部b…が熱変形して、雄型嵌合部4cの係止頭部aを嵌合させる ことができなくなる虞れがあり、かゝる不都合を回避するために、雌,雄スナッ プ1,2の弾性嵌合にとって最も重要な部位であるところの部分隆起部b…を雌 型嵌合部6aの周囲の環状基板6bの表面よりも凹入させ、アイロンが環状基板 6bの表面に触れても部分隆起部b…には直接的に接しず、部分隆起部b…に変 形が生じないようにしているのである。
【0035】 また、雌雄の嵌合体4,6の貫通孔4a,6cを、ストレートな内周面Xの小 径孔部8aと、この小径孔部8aから突起打撃側の面Sに向けて拡がるラッパ状 内周面Yの大径孔部8bとから構成し、かつ、小径孔部8aの内径を、それぞれ リベット部材3,5の突起3b,5bと同径またはやゝ大に設定しているが、こ のように形状を設定しているのは次なる理由による。
【0036】 即ち、例えば雌型嵌合体6を対象にして図9に示したように、これまで通り、 貫通孔6cを単なるストレート孔にすると、孔内周面Zが突起打撃側の面Sに対 して直角を成すことになる。
【0037】 この点、本考案では、図8に示したように、小径孔部8aから突起打撃側の面 Sに向けて拡がるラッパ状の大径孔部8bを設ければ、可撓性シート7を通して 貫通孔6cを貫通した突起5bの突出先端部を打撃した際には、拡開変形部Aが 大径孔部8bのラッパ状の内周面Yと面接触の状態となるように拡開変形するこ とになる。
【0038】 而して、突起5bの突出先端部を大径孔部8bのラッパ状内周面Yと接触する 位置までしか変形させないので、リベット部材5の材料として、テナック樹脂の ように比較的硬い樹脂を使用した場合でも、打撃による突起先端部の拡開変形を 軽微な力で容易に行え、従って、突起5bの付け根に大きな力が作用しないので 、この部位でのクラックの発生が防止され、クラックに起因したリベット部材5 の割れ(基板5aと突起5bとの分離)が防止されるのである。
【0039】 しかも、拡開変形部Aがラッパ状内周面Yに接触することで、雌雄のスナップ 1,2を離脱させる際の力が、ラッパ状内周面Yで分散されて拡開変形部Aにか ゝることになり、これによって拡開変形部Aの付け根部でのクラックの発生が防 止され、更には、拡開変形部Aが小径孔部8bの内径まで圧縮しない限りは、貫 通孔6cからの突起5bの抜け出しはないもので、拡開変形部Aによる抜止め機 能を著しく向上させることができるのである。
【0040】 尚、円形の内周面Xとラッパ状の内周面Yとの角部には、適当な丸みを付けて もよいが、円形の内周面Xと可撓性シート7側の面との角部は、突起挿入時の貫 通孔内への可撓性シート7の噛み込みを防止する上で、直角であることが望まし い。また、雌型嵌合体6において、図示の実施例では、貫通孔6cの大径孔部8 bが、ラッパ状の内周面Yの上端に円形の内周面Xと平行な内周面を有している が、この内周面部分は無くてもよい。つまり、ラッパ状の内周面Yが貫通孔6c の上端(突起打撃側の面)まで連続した形状の大径孔部8bとしてもよい。
【0041】
【考案の効果】
請求項1によれば、一々雌雄スナップを見ながら行わなくても、手探りだけで 、雄型嵌合部を、環状基板の傾斜表面の上を滑らせて、雌型嵌合部にスムーズに 嵌合させることができ、それでいて、雌型嵌合部の隆起部を周方向で互いに分離 させた上で、この部分隆起部に対応させて、幅広な環状基板の半径方向内方端部 に、スリットを形成したので、環状基板を幅広にしてあるにもかかわらず、雌雄 のスナップの弾性嵌合を、軽い力で確実に行うことができるという効果がある。 請求項2によれば、上記の効果に加え、不用意なアイロン掛けに起因する雌型 嵌合部の変形を防止して弾性嵌合を長期間安定的に行えるという効果がある。 請求項3によれば、上記の効果に加え、リベット部材を比較的硬い樹脂で製造 しても、突起の突出先端部の打撃による拡開変形が容易に行え、且つ、突起の付 け根や拡開変形部のクラック発生を防止して、リベット部材との結合を強固に行 えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スナップファスナーを取り付けた衣服の全体図
である。
【図2】雌雄のファスナーの突起打撃前の状態を示す断
面図である。
【図3】雌型嵌合体の背面図である。
【図4】雌型嵌合体の側面図である。
【図5】雌型嵌合体の正面図である。
【図6】雌雄のファスナーの嵌合前の状態を示す断面図
である。
【図7】雌雄のファスナーの嵌合状態を示す断面図であ
る。
【図8】雌ファスナーの突起先端部を拡開変形させたリ
ベット部材と雌型嵌合体との嵌合状態を示す要部の縦断
側面図である。
【図9】従来例の説明図である。
【図10】従来例の説明図である。
【符号の説明】
4c…雄型嵌合部、5…リベット部材、5b…突起、6
a…雌型嵌合部、6b…環状基板、6c…貫通孔、7…
可撓性シート、8a…小径孔部、8b…大径孔部、b…
部分隆起部、c…スリット、d…リブ。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状基板の中央部に、裏面側に凹入し且
    つ周壁の上部側内面部には雄型嵌合部を係止する隆起部
    を膨出させた雌型嵌合部を連設すると共に、この雌型嵌
    合部の底壁の中央部には、可撓性シートの片側から打ち
    込まれるリベット部材の突起を貫通させてカシメ止めす
    るための貫通孔を形成した合成樹脂製の雌型嵌合体であ
    って、前記環状基板を幅広に形成すると共に、その表面
    を半径方向外方ほど可撓性シート側に向けて傾斜させる
    一方、前記隆起部を周方向で複数に分割し、この部分隆
    起部に対応させて前記環状基板の半径方向内方端部に、
    上下に貫通するスリットを形成すると共に、環状基板の
    裏面側で且つスリット相互の間には、放射状のリブを形
    成してあることを特徴とするスナップファスナーの雌型
    嵌合体。
  2. 【請求項2】 環状基板の中央部に、裏面側に凹入し且
    つ周壁の上部側内面部には雄型嵌合部を係止する隆起部
    を膨出させた雌型嵌合部を連設すると共に、この雌型嵌
    合部の底壁の中央部には、可撓性シートの片側から打ち
    込まれるリベット部材の突起を貫通させてカシメ止めす
    るための貫通孔を形成し、前記環状基板を幅広に形成す
    ると共に、その表面を半径方向外方ほど可撓性シート側
    に向けて傾斜させる一方、前記隆起部を周方向で複数に
    分割し、この部分隆起部に対応させて前記環状基板の半
    径方向内方端部に、上下に貫通するスリットを形成する
    と共に、環状基板の裏面側で且つスリット相互の間に
    は、放射状のリブを形成した合成樹脂製の雌型嵌合体で
    あって、前記部分隆起部を雌型嵌合部の周囲の環状基板
    の表面により凹入させてあることを特徴とするスナップ
    ファスナーの雌型嵌合体。
  3. 【請求項3】 環状基板の中央部に、裏面側に凹入し且
    つ周壁の上部側内面部には雄型嵌合部を係止する隆起部
    を膨出させた雌型嵌合部を連設すると共に、この雌型嵌
    合部の底壁の中央部には、可撓性シートの片側から打ち
    込まれるリベット部材の突起を貫通させてカシメ止めす
    るための貫通孔を形成し、前記環状基板を幅広に形成す
    ると共に、その表面を半径方向外方ほど可撓性シート側
    に向けて傾斜させる一方、前記隆起部を周方向で複数に
    分割し、この部分隆起部に対応させて前記環状基板の半
    径方向内方端部に、上下に貫通するスリットを形成する
    と共に、環状基板の裏面側で且つスリット相互の間に
    は、放射状のリブを形成し、前記部分隆起部を雌型嵌合
    部の周囲の環状基板の表面により凹入させた合成樹脂製
    の雌型嵌合体であって、前記貫通孔を、その中心軸芯と
    平行な円形の内周面をもつ小径孔部と、小径孔部から突
    打撃側の面に向けて拡がるラッパ状の内周面をもつ大径
    孔部とで構成してあることを特徴とするスナップファス
    ナーの雌型嵌合体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6822000B2 (en) 2001-05-11 2004-11-23 Ap Pharma, Inc. Bioerodible poly (orthoesters) from dioxolane-based diketene acetals
KR20180075165A (ko) * 2016-12-26 2018-07-04 이용철 스냅 버튼 장치
KR20200129900A (ko) * 2019-05-10 2020-11-18 김정범 단추 유닛

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KR20180075165A (ko) * 2016-12-26 2018-07-04 이용철 스냅 버튼 장치
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