JP3005235U - キャップ抜止め機能付きネジ - Google Patents

キャップ抜止め機能付きネジ

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JP3005235U
JP3005235U JP1994008104U JP810494U JP3005235U JP 3005235 U JP3005235 U JP 3005235U JP 1994008104 U JP1994008104 U JP 1994008104U JP 810494 U JP810494 U JP 810494U JP 3005235 U JP3005235 U JP 3005235U
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泰久 中谷
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中谷金属工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】充分な防錆・防護機能をもち、必要なら容易に
ネジを緩められ、側方からの外力でキャップが不用意に
外れず、製造が容易でコストアップせず、ナット側にも
キャップを共用でき体裁もよい、キャップ抜止め機能付
きネジの提供。 【構成】ボルト頭部3を、厚みaはJIS規格に沿うも
のとし、該頭部3の先端中央に雄ネジ部4とほぼ同じ外
径の抜け止め用の突起部5を延長形成し、他方キャップ
2を、耐候性・耐薬品性をもつ材質製で、ボルト頭部3
の対角距離bとほぼ等しい内径の開口部6と、上記突起
部5の外径にほぼ等しい内径の内側開口部7を有するも
のとし、ボルト頭部3と突起部5にキャップ2を冠合さ
せる。またキャップ2の奥行きdを、ボルト頭部3の厚
みaと抜け止め用突起部5の長さcの和より充分に長め
に形成して、ナット8とそこから突出した雄ネジ部4a
にも同種のキャップ2を冠合させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はキャップ抜止め機能付きネジに関するもので、特に防錆上・安全上お よび美観上から、頭部の突出や露出を避ける必要のある分野で使用されるボルト やナットに係るものである。ここでネジとは、ボルト単独またはナット付のボル トを意味する(以下同じ)。
【0002】
【従来の技術】
ボルトは2つ以上の部材の連結や固定等のため、相手部材に形成の雌ネジ孔へ 螺合させたり、ナットを螺装して締め付けたりして、多方面で用いられている。 そのボルトの内で、例えば自転車で2つの部材の連結・固定、トタン屋根でトタ ン板の固定、ネットやフェンスの支柱への固定等で使用されているボルトは、屋 外で雨ざらしや直射日光に当たる環境下で使用されており、安全性や美観上から ボルト頭部の突出や露出が問題になる。
【0003】 例えば自転車で使用されたボルトの一部が錆びると、自転車全体の美観や見栄 えが悪くなり、商品価値も低下してしまう。またトタン屋根・ネット・フェンス 等の固定に用いられたボルトも、錆び付いて緩められなくなって、トタン屋根、 ネットやフェンス等を交換できなくなることが多い。
【0004】 他面、突出したボルトの頭部や、ナット側へ突出したボルトの雄ネジ部は、人 が身体や衣服を引っ掛けて、ケガをしたり衣服を破いてしまうことがある。
【0005】 そこで、ボルトやナットの防錆には、メッキや塗装が施されるが、ボルトの締 め付や緩める際にスパナを掛止させるだけで、メッキや塗装の一部が剥がれ、防 錆効果がなくなることが多い。また、長期間の使用で自然に錆が発生することも ある。しかもメッキや塗装を施しただけのものでは、突出したボルト頭部や雄ネ ジ部による危険性は残っている。
【0006】 またトタン板を固定するボルトに限っては、ボルト頭部に防錆用コーキング剤 を塗付することが多いが、トタン板の取り替え時にコーキング剤を除去してから ボルトを緩め、取り替え後に再びコーキング剤を塗付しておく必要があり、手間 がかかる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
そのため、ボルト頭部やナットに防錆および防護用のキャップを冠合させるこ とが考えられる。これは、ボルトを緩めたり締め付けたりする際は、キャップを 取り外して行えばよいので、作業を楽に行えるという利点もある。
【0008】 しかし、ボルトの頭部に単にキャップを冠せただけでは、側方から外力が加わ るとキャップは不用意かつ簡単に外れてしまい易い。なぜなら、特殊用途のボル ト類は別として、一般のボルト頭部の厚みには、規格やコスト面での制約があっ て余り厚くすることができず、キャップがボルト頭部で充分に係止されていない からである。
【0009】 例えば、自転車で用いるボルトに関し、「自転車には、通常の乗車走行及び取 扱操作で人体に危害を及ぼすおそれがある露出した突起があってはならない。」 とか、「また取付けねじ類は、おねじが締付相手部分(ナット面など)から、ね じの外径以上に長く突き出してはならない。」と規定されており(例えば「JI S自転車編 1933」,財団法人自転車産業振興協会発行,第56頁から57 頁参照)、ボルト頭部を充分に厚くできない。
【0010】 また、ボルト頭部を充分に厚くすることは、一般のボルト頭部を製造するヘッ ダー等のプレス機械では力学的に無理があり、このヘッダー等のプレス機械を大 型化する必要があるので、比較的低単価が要求されるボルトのコストアップにつ ながる。
【0011】 そこで、ボルト頭部に冠せたキャップが側方からの力で簡単に外れぬように、 キャップの開口部内周に縁部を形成し、ボルト頭部の裏面で係止させることが考 えられる。しかし、内周縁部付きキャップをボルト頭部に冠合させるには、キャ ップは弾力性をもつ材質であることが必要であるが、逆にその弾力性のために、 キャップ側方からの外力が加わるとキャップはやはり容易に外れてしまう。
【0012】 また一般にボルトは、頭部にスパナ等を引っ掛けて回すことが多いので、ボル ト頭部へのキャップの冠合は、ボルトを締め付けた後になる。しかしこれでは、 ボルトの頭部裏面にキャップの内周縁部を係止可能な隙間を必要とするため、ボ ルトを充分にいっぱいまで締め付けることができない。
【0013】 さらに、キャップ付のボルトを一体成形することも考えられるが、締め付け後 に一旦ボルトを緩める必要が有る際に、キャップを外せないためボルトを緩めら れないし、やはりコストアップにつながることになる。
【0014】 しかも、ボルトを連結・固定する部材の雌ネジに螺合させるのではなく、ナッ トを螺装して連結・固定するものでは、ナット側にもキャップを冠合させる必要 がある。またそのキャップをボルト側とナット側の両方で共用できれば、同じも のを製造すれば済むのでコストダウンになるし、また両方に冠せた状態が対称状 となって体裁も良くなる。しかし従来のボルトは、上記の如く頭部の厚みが薄い ために、冠せたキャップが外れ易いし、ナット側では突出した雄ネジ部の突出量 が比較的大きいので、ボルト側とナット側に冠合させるキャップを共用させるこ とができない。そのため、ボルト側とナット側で別種のキャップが必要となり、 コストが高くつくとともに、冠合させた状態も両側で対称状にならず体裁が悪く なる、という問題点がある。
【0015】 本考案は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、その目的とする ところは、充分な防錆・防護機能をもつことは勿論のこと、ネジを緩める必要が ある際にはキャップを取り外せるが、側方からの外力ではキャップが不用意かつ 簡単に外れるようなことがなく、従来のボルト製造用のプレス機械を用いて製造 可能でコストアップせず、かつナットを螺装して用いるものではボルト側とナッ ト側でキャップを共用でき、対称状になって体裁もよい、キャップ抜止め機能付 きネジを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
A 本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの第1のものは、キャップを冠 合させたネジにおいて、
【0017】 そのボルト1は、頭部3の厚みaをJIS規格に沿ったものとし、該頭部3の 先端中央に雄ネジ部4とほぼ同じ外径の抜け止め用の突起部5を延長形成し、
【0018】 他方キャップ2は、耐候性・耐薬品性をもつ材質製で、上記ボルト頭部3の対 角距離bとほぼ等しい内径の開口部6と、その奥に上記抜け止め用突起部5の外 径にほぼ等しい内径の内側開口部7を有するものとして、
【0019】 上記ボルト頭部3と抜け止め用突起部5に、キャップ2を冠合させたものであ る。
【0020】 B 本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの第2のものは、キャップを冠 合させるネジにおいて、
【0021】 そのボルト1は、頭部3の厚みaをJIS規格に沿ったものとして、該頭部3 の先端中央に雄ネジ部4とほぼ同じ外径の抜け止め用の突起部5を延長形成し、
【0022】 他方上記キャップ2は、耐候性・耐薬品性をもつ材質製で、上記ボルト頭部3 の対角距離bとほぼ等しい内径の開口部6と、その奥に上記抜け止め用突起部5 の外径にほぼ等しい内径の内側開口部7を有するとともに、
【0023】 該キャップ2の奥行きdを、ボルト頭部3の厚みaと抜け止め用突起部5の長 さcの和より充分に長めに形成して、
【0024】 上記ボルト頭部3と抜け止め用突起部5にキャップ2を冠合させるとともに、 同種のキャップ2をナット8とそこから突出した雄ネジ部4aに冠合させたもの である。
【0025】 上記構成において、第1のものでは、原則としてボルト1が1本とキャップ2 が1個で一組とし、また第2のものでは、ボルト1本とナット8が1個とキャッ プ2が2個とで一組として取り扱うようにしておく。予備用にそれらを余分に追 加しておくことは、もちろん自由である。
【0026】 ボルト1の頭部3の形状は、通常のボルトと同様に六角状でもよいが、それに 限らずスパナを掛止可能な平行2面を有するものでもよく、後者の場合に上記ボ ルト頭部3の対角距離bというのは、対向する曲面間の距離(図2参照)を示す ことになる。
【0027】 ボルト頭部3に突設した抜け止め用突起部5の長さcは、頭部3の厚みaより 少し長い程度で、その先端部がキャップ2の内側開口部7へ係合する程度のもの でよい。
【0028】 またキャップ2は、耐熱性も有する材質であることが望ましい。該キャップ2 の開口部6や内側開口部7の内径は各々、キャップの材質が僅かでも伸縮性があ る場合には、ボルト頭部3の対角距離bや抜け止め用突起部5の外径より僅かに 小さめに、また伸縮性がない材質の場合には、それらより僅かに大きめにしてお くのがよい。
【0029】 上記第2のものでキャップ2の奥行きdを、ボルト頭部3の厚みaと抜け止め 突起部5の長さcとの和よりも充分に長めにしてあるが、これは該キャップ2を ボルト1側へだけでなくナット8側へも冠合可能な共用品とするためであり、内 側開口部7がナット8から突出した雄ネジ部4aへ套合可能にしてある。
【0030】 図において、18,19は連結・固定すべき部材を示す。
【0031】
【作用】
a)まず、上記本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジにおいて、ボルト1 の製造は、雄ネジ部4より少し大きい外径をもつ丸棒材9を、完成品としてのボ ルト1の全長より少し長めに切断したものを用い、プレス機械のヘッダー10, 11により、頭部3および抜け止め用突起部5を形成する。
【0032】 上記場合に、本考案でのボルト1の頭部3は、JIS規格に沿った薄いもので あり、単に頭部3先端に短棒状の抜け止め用突起部5を形成しただけである。そ のため、頭部全体を厚くする場合のようにプレス機械・ヘッダーを大型化する必 要がなく、従来のプレス機械・ヘッダーにより、本考案に係るボルト1を製造す ることができ、コストアップすることもない。
【0033】 b)次に、本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの第1のものの使用状態 は、ボルト頭部3からキャップ2を外しておき、ボルト1の雄ネジ部4を連結・ 固定すべき部材18の雌ネジ孔ヘ螺合させる。該ボルト1を締め付けは、頭部3 の平行2面または六角状部へスパナを掛止して回動させる。
【0034】 そして、いっぱいまで締付けた後のボルト1の頭部3に、キャップ2を冠合さ せる。この場合に、本考案のキャップ抜止め機能付きネジには、上記の如くボル ト頭部3の中央に、雄ネジ部4とほぼ同じ外径のキャップ抜け止め用突起部5が 突設され、他方キャップ2には、ボルト頭部3の対角距離bとほぼ等しい内径の 開口部6と、その奥に抜け止め用突起部5の外径にほぼ等しい内径の内側開口部 7が形成されている。
【0035】 そのため、キャップ2の開口部6の端面が連結・固定すべき部材18に当接す るまでいっぱいに冠合させると、キャップ2の開口部6はボルト頭部3の外周部 へきつくかつ充分に冠合し、また内側開口部7が頭部3の抜け止め用突起部5の 少なくとも先端部へきつく冠合することになる(図1・図6参照)。
【0036】 これで、本ボルト1は頭部3および抜け止め用突起部5がキャップ2で完全に 覆われることになり、従来のメッキや塗装をしただけのものと異なり、直接に風 雨や直射日光にさらされず、錆の発生が防止できるし、ボルト頭部3が熱くて手 で触れられなくるようなことがない。また本ボルト1では、突出したボルト頭部 3にキャップ2が冠合されていることで、従来と異なりボルト頭部3に人が身体 を引っ掛けて傷つけたり、衣服を引っ掛けて破るようなことも少なくなる。
【0037】 さらに、一旦締め付けたボルト1を後で緩めたり再度締め付けたりする必要が ある場合も、従来のコーキング材を塗付したものと異なり、キャップ2は摘んで 軸方向へ引っ張ることで容易に取り外せるので、ボルト頭部3にスパナを掛けて 緩めたり締め付けたりした後、再びキャップ2を冠合させておけばよく、作業に 手間がかからない。
【0038】 しかも、このキャップ抜止め機能付きネジは、上記の如くキャップ2の開口部 6がボルト頭部3へきつく套合するだけでなく、キャップ2の内側開口部7が抜 け止め用突起部5の少なくとも先端部へきつく套合している。これにより、ボル ト頭部3自体の厚みが厚くなくても、あたかも厚みが厚いボルト頭部へキャップ を冠合させたのと同じ状態にある。したがって、ボルト頭部3へ冠合させたキャ ップ2に、側方からの外力が加わった場合にも、しっかりと係止された状態にあ って、不用意・簡単に外れるようなことはない。
【0039】 c)次に、本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの第2のものの使用状態 は、同じくキャップ2を外したボルト1の雄ネジ部4を、連結・固定すべき部材 18の通孔へ通挿した後にナット8を螺装させ、一方を回り止めしながら他方を 回動させていっぱいまで締め付ける。この場合には、例えば自転車のシートボル トの如く、ボルト頭部3だけでなく、ナット8や突出した雄ネジ部4aも露出・ 突出している。
【0040】 そこで本考案のキャップ抜止め機能付きネジでは、上記第1で説明したと同様 にボルト頭部3へキャップ2を冠合させた後に、ナット8側にも同種のキャップ 2を冠合させることになる。
【0041】 この場合のキャップ2は、上記の如くその開口部6の内径がボルト頭部3の対 角距離bとほぼ等しいから、ナット8の対角距離bとほぼ等しい内径になってお り、奥の内側開口部7の内径が抜け止め用突起部5の外径とほぼ等しいから、突 出した雄ネジ部4aの外径とほぼ等しい内径になっている。さらに該キャップ2 の奥行きdは、ボルト頭部3の厚みaと抜け止め用突起部5の長さcの和より充 分に長めに形成してある。
【0042】 そのため、該キャップ2をナット8側へ冠合させた場合に、その開口部6がナ ット8の外周部へしっかりと套合し、また奥の内側開口部7はナット8の後方へ 突出した雄ネジ部4aの外周部へしっかりと套合する。しかも、該キャップ2の 奥行きdが、上記の如くボルト頭部3の厚みaと抜け止め用突起部5の長さcの 和より充分に長めであるため、ナット8から突出した雄ネジ部4aへ充分に套合 されることになる。これで、該キャップ2は、ボルト1側への冠合だけでなく、 ナット8側へも共用品として冠合させられる(図7参照)。
【0043】 このキャップ2により、ボルト1側とナット8側の両方において、防錆・防護 を図れるとともに、あたかも充分な厚みのボルト頭部3やナット8へキャップ2 を冠合させたのと同様に、側方からの外力が加わってもキャップ2が不用意に外 れるようなことがない。しかも、ボルト1側とナット8側の両方でキャップ2を 共用しており、同一種類のキャップ2を用いているので、冠合させた状態も両方 が対称状になり、外観的に見栄えも良い。
【0044】
【実施例】
図は、本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの実施例を示す。 まず、本考案のキャップ抜止め機能付きネジにおけるボルトの製造は、一般の ボルトを製造する場合と同様に、雄ネジ部4より少し大きい外径をもつ丸棒材9 を、完成品としてのボルト1の全長より少し長めに切断して、それをプレス機械 の第1ヘッダー10,および第2ヘッダー11に押し込んで、頭部3および抜け 止め用突起部5を形成する。
【0045】 上記第1ヘッダー10は、手前側に大きい内径の頭部用孔11と、奥方に雄ネ ジ部4とほぼ同じ内径でやや長めの突起部用孔12とを有する。ここで、丸棒材 9の先部寄りに、ボルト1の雄ネジ部4より大径に膨出した頭部用部13と、そ れより先方にやや長めの突起用部14とをもつ中間製品が形成されることになる (図9参照)。
【0046】 続いて上記中間製品を、同じくプレス機の第2ヘッダー15内へ押し込み加圧 する。該第2ヘッダー15は、手前側にボルト頭部3として所定の形状と厚みを もつ頭部用孔16と、奥方に雄ネジ部4とほぼ同じ内径でかつ抜け止め突起用部 5として所定の長さの突起部用孔17とを有する。これで、上記中間製品の先寄 りに、所定形状と厚みをもつボルト頭部3と、それより先方に所定長さの突起部 5をもつボルト頭部3が形成される(図10参照)。後は、ダイスで雄ネジ部4 を形成すればよい。
【0047】 上記の如く形成されるボルト頭部3は、厚みが従来のものと同じJIS規格に 沿った通常の厚みをもつものであるから、その製造に用いるプレス機械は、頭部 全体が厚いものを製造する場合と異なり、従来と同じプレス機械を用いて容易に 製造することができる。
【0048】 ボルト頭部3の形状が、単にスパナを掛止可能な平行2面を有するものなら、 上記第2ヘッダー15で頭部3を形成時に同時に平行2面を形成するが、六角状 ならその後にトリミングダイスで加工する。
【0049】 上記の如く製造されたキャップ抜止め機能付きネジは、ボルト頭部3の先端中 央から延長して、キャップ抜け止め用の突起部5を突設されている。該突起部5 の断面形状は、多角柱状でもよいがここでは円柱状であり、その外径をボルト1 の雄ネジ部4とほぼ同じに形成してある。また抜け止め用突起部5の長さcは、 通常は頭部の厚みaより少し長い程度で、キャップ2を冠合時にキャップ2の内 側開口部7の少なくとも一部が該突起部5へ掛かる程度のものでよい。
【0050】 他方、キャップ2は、耐候性・耐薬品性に併せて耐熱性を有する材質で、例え ば合成ゴム製、合成樹脂製、ステンレス製またはアルミ合金製とすればよい。該 キャップ2は、大径の開口部6と奥方で小径の内側開口部7とを有し、開口部6 の内径は上記ボルト頭部3の対角距離bとほぼ等しい程度に、内側開口部7の内 径は上記抜け止め用突起部5の外径にほぼ等しい程度に形成してある。
【0051】 上記キャップ2の開口部6や内側開口部7の内径は、材質によっては少し異な り、僅かでも伸縮性がある合成ゴム製や合成樹脂製なら、ボルト頭部3の対角距 離bや抜け止め用突起部5の外径より僅かに小さめにし、伸縮性の無いステンレ スまたはアルミ合金製なら僅かに大きめにしておくのがよい。
【0052】 上記開口部6の内径は、ボルト頭部3の形状が六角状でないなら、頭部3の対 角距離bというのは対向する曲面間の距離となる(図2参照)。また該キャップ 2の奥行きdは、ナット8側でやや長めに突出した雄ネジ部4aへも冠合を可能 な共用品とするため、ボルト頭部3の厚みaおよび抜け止め突起部5の長さcの 和よりも充分に長いものとしてある。
【0053】 図6は、本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの第1のものの実施例で、 ナットを用いず連結・固定すべき部材18,19の雌ネジ孔へ螺合して用いる場 合を示しており、キャップ1を外した状態で連結・固定すべき部材19の雌ネジ 孔へいっぱいまで螺装させた後に、露出・突出したボルト頭部3と抜け止め用突 起部5に、キャップ2を冠合させたものである。
【0054】 また図7は、上記本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの第2のものの実 施例で、ナットを用いて連結・固定する部材18,19として、自転車の立パイ プ18とシートポスト19の連結・固定に用いており、ボルト1の雄ネジ部4を 連結・固形すべき部材18の通孔へ通し、雄ネジ部4へナット8を螺装していっ ぱいまで締め付けた後、露出・突出したボルト頭部3と抜け止め用突起部5、お よびナット8と突出した雄ネジ部4aに、各々キャップ2を冠合させたものであ る。20はノック部を示す。
【0055】 なお、上記本考案に係る第1のものでは、ボルト1を1本とキャップ2を1個 で一組とし、また第2のものでは、ボルト1を1本とナット8を1個とキャップ 2を2個とで一組として取り扱うようにしておく。予備用にそれらを余分に追加 しておくことは、もちろん自由である。
【0056】
【考案の効果】
以上で明らかな如く、本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジは、充分な防 錆・防護機能をもつことは勿論のこと、ボルトを緩める必要がある際はキャップ を取り外せるが、側方からの外力ではキャップが不用意かつ簡単に外れるような ことがなく、従来のプレス機械を用いて容易に製造できてコストアップせず、か つナットを螺装するものではキャップが共用でき、対称状になって体裁もよくな る。
【0057】 即ち、従来のボルトやナットは、防錆のためメッキや塗装等の表面処理をした り、コーキング材を塗付したりしている。しかし、メッキや塗装はボルトを締め 付ける際にキズが付いて防錆効果が不十分になり易いし、そうでなくても長期間 使用していると自然に錆が生じてくるし、突出したボルト頭部等で人が傷付いた り衣服を破いたりする。またコーキング材を塗付するものは、ボルトを一旦取り 外す必要がある際に手間がかかる。
【0058】 さらに、キャップに冠合させることも考えられるが、単なるキャップは側方か らの外力が加わると不用意かつ簡単に外れてしまうし、その防止のためボルト頭 部を厚くするには、プレス機械等の大型化が必要となって、コストアップにつな がるし、またボルト側とナット側とでキャップを共用することができない。
【0059】 これに対して、本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジは、上記の如き構成 にすることにより、防錆・防護効果を有することは勿論のこと、ボルト頭部に冠 合させたキャップは、ボルト頭部と抜け止め用突起部とにしっかりと冠合でき、 側方から外力が加わっても容易に外れることが無い。また該キャップ抜止め機能 付きネジのボルトを製造するのに、プレス機械等は従来と同じものを使用できる し、同じ工程によって製造することができるので、コストアップにならない。
【0060】 さらに、ナットを螺装させて用いるボルトでは、ボルト頭部および突出部に冠 合させたキャップは、その開口部と内側開口部の内径がナットや突出した雄ネジ 部の外径にほぼ等しく、かつキャップの奥行きがボルト頭部の厚みと抜け止め用 突起部の長さの和より充分に長めに形成してある。
【0061】 そのため、該キャップはナット側へもしっかりと冠合できるし、ナット側でか なり突出した雄ネジ部へも充分に冠合させることができる。したがって、キャッ プのコストダウンを図れるとともに、ボルト側とナット側が同じキャップを冠合 でき、その冠合状態も両方で対称状になるので、見た目の体裁もよくなる、等の 有用な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジの第
1のものの実施例を示す一部切り欠き正面図である。
【図2】図1で示す実施例で用いたボルト本体の平面図
である。
【図3】図1で示す実施例で用いたボルト本体の正面図
である。
【図4】図1で示す実施例で用いたキャップの一部切り
欠き正面図である。
【図5】図1で示す実施例で用いたキャップの一部切り
欠き底面図である。
【図6】本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジを、
ナット無しで使用する例の一部切り欠き正面図である。
【図7】本考案に係るキャップ抜止め機能付きネジを、
ナットを螺装して使用する例の一部切り欠き正面図であ
る。
【図8】図1で示す実施例で用いたボルト本体を製造用
の丸棒材の正面図である。
【図9】図1で示す実施例で用いたボルト本体を製造時
の第1段階での一部縦断正面図である。
【図10】図1で示す実施例で用いたボルト本体を製造
時の第2段階での一部縦断正面図である。
【符号の説明】
1−ボルト 2−キャップ 3−ボルト頭部 4−雄ネジ部 4a−突出した雄ネジ部 5−抜け止め
用突起部 6−開口部 7−内側開口
部 8−ナット 9−丸棒材 10−第1ヘッダー 11−頭部用
孔 12−突起部用孔 13−頭部用
部 14−突起部用部 15−第2ヘ
ッダー 16−頭部用孔 17−突起部
用孔 18−連結・固定すべき部材 19−連結・
固定すべき部材 20−ノック部 a−厚み b−対角距離 c−長さ d−奥行き

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャップを冠合させたネジであって、 ボルト1は、頭部3の厚みaをJIS規格に沿ったもの
    とし、該頭部3の先端中央に雄ネジ部4とほぼ同じ外径
    の抜け止め用の突起部5を延長形成し、 他方キャップ2は、耐候性・耐薬品性をもつ材質製で、
    上記ボルト頭部3の対角距離bとほぼ等しい内径の開口
    部6と、その奥に上記抜け止め用突起部5の外径にほぼ
    等しい内径の内側開口部7を有するものとして、 上記ボルト頭部3と抜け止め用突起部5にキャップ2を
    冠合させた、キャップ抜止め機能付きネジ。
  2. 【請求項2】キャップを冠合させたネジであって、 ボルト1は、頭部3の厚みaをJIS規格に沿ったもの
    として、該頭部3の先端中央に雄ネジ部4とほぼ同じ外
    径の抜け止め用の突起部5を延長形成し、 他方上記キャップ2は、耐候性・耐薬品性をもつ材質製
    で、上記ボルト頭部3の対角距離bとほぼ等しい内径の
    開口部6と、その奥に上記抜け止め用突起部5の外径に
    ほぼ等しい内径の内側開口部7を有するとともに、 該キャップ2の奥行きdを、ボルト頭部3の厚みaと抜
    け止め用突起部5の長さcの和より充分に長めに形成し
    て、 上記ボルト頭部3と抜け止め用突起部5にキャップ2を
    冠合させるとともに、同種のキャップ2をナット8とそ
    こから突出した雄ネジ部4aに冠合させた、キャップ抜
    止め機能付きネジ。
JP1994008104U 1994-06-14 1994-06-14 キャップ抜止め機能付きネジ Expired - Lifetime JP3005235U (ja)

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