JP3005171B2 - 受動型赤外線検知装置 - Google Patents

受動型赤外線検知装置

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JP3005171B2
JP3005171B2 JP3643195A JP3643195A JP3005171B2 JP 3005171 B2 JP3005171 B2 JP 3005171B2 JP 3643195 A JP3643195 A JP 3643195A JP 3643195 A JP3643195 A JP 3643195A JP 3005171 B2 JP3005171 B2 JP 3005171B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、設定された検知エリア
内への人体の進入を、そのエリア内から放射される赤外
線エネルギの変動によって検知する装置に関し、例えば
自動ドアの開閉用あるいは防犯警報装置の作動用の信号
等を得るのに適した受動型赤外線検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】受動型赤外線検知装置においては、一般
に、光学系によって赤外線検出器に入射する赤外線のエ
リア(検知エリア)を設定し、そのエリア内の物体から
放射される赤外線を赤外線検出器に集光するようにして
おくとともに、その赤外線検出器の出力に基づく検知エ
リア内からの赤外線エネルギの変動量が所定のレベルを
越えたときに、検知エリア内への人体等の移動物体の進
入を検知するように構成され、自動ドアの開閉や防犯警
報装置の作動のための起動スイッチ等として広く使用さ
れている。
【0003】そして、この種の受動型赤外線検知装置で
は、強い風が吹く等に起因する検知エリアの背景温度変
化、外来の電波ノイズまたは太陽光等の外乱による赤外
線エネルギの変化を誤検知しないように、また、人体と
小動物とを識別して人体の進入時においてのみ検知信号
を発生するように、種々の対策が講じられている。
【0004】このような対策として、本出願人は既に、
焦電フィルム系の赤外線検出センサを、赤外線の入射方
向に所定の空隙を開けて前後に積層した構造の赤外線検
出器を用いるとともに、その前後の各センサのそれぞれ
に、図8に概念図を例示するように、縦および横にそれ
ぞれ複数個の検知エリアA1〜A4を設定してこれらを
前後のセンサで重複させ、その各検知エリアA1〜A4
からの信号を、以下に示すように処理することで、背景
温度の変動や外乱の存在に係わらず、常に人体と小動物
を確実に識別して、人体の進入時においてのみ確実に検
知信号を出力することのできる受動型赤外線検知装置を
提案している(特願平5−226058号,特願平5−
329394号)。
【0005】すなわち、A1〜A4の検知エリア群の全
体としての高さを通常の人体の背丈とほぼ合致させると
ともに、前後の各センサからの赤外線検出出力を例えば
図10(A)または(B)に±を付して例示するように
それぞれ合計し、その各センサの出力の合計信号のピー
ク値または絶対値の差または比を算出し、その算出結果
と検知レベルとを比較して検知信号を出力する。
【0006】このような構成によると、人体が検知エリ
ア群を通過する際には、エリア群のうち縦に並んだエリ
ア列内のほぼ全域を同時に占めながら通過するため、図
10の(A)および(B)の例では前側のセンサの各検
知エリアの検出出力の合計信号はピーク値の大きな信号
となり、また、後側のセンサの同じく合計信号は、各エ
リアからの信号が相殺されてピーク値の小さな信号とな
る。一方、小動物がこれらのエリア群を通過する際に
は、どの位置を通過しても、前後のセンサとも、その合
計信号はピーク値の小さな信号となる。従って、前後の
センサの合計信号の差を算出すれば、その算出結果は人
体が通過したときには大きくなり、小動物が通過したと
きには小さくなって、両者の間に明確な差を生じ、検知
エリア内の背景温度と通過物体との温度差の大小に係わ
らず、常に人体と小動物とを確実に識別できる。また、
各センサの合計信号の絶対値の比、例えば前側のセンサ
の合計信号の絶対値で後側のセンサの合計信号の絶対値
を除した比を算出すれば、人体通過時には0に近い小さ
な値となり、小動物通過時および何も通過しない状態で
は1に近い値となり、この場合にも同様に人体通過時に
おいてのみ他と明確な差を生じる。
【0007】また、赤外線センサを前後2層に積層した
構造の検出器を用いることにより、簡単な光学系を用い
て、前後のセンサによる各検知エリアを重複させること
が可能となり、コスト面並びに応答性の面の双方に優れ
るという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、赤外線セン
サを赤外線の入射方向に前後に積層するとともに、その
前方に設けた光学系によって、同じエリアからの赤外線
を前後の各センサに導く上述の提案における構造の検出
器によると、前後のセンサの出力の比は、センサに対す
る赤外線の入射角度(赤外線放射源の検出器の正面に対
する角度)よって相違する。すなわち、図11にグラフ
を示すように、検出器の正面に赤外線放射源が位置して
いる状態を0°として左右に角度を付したとき、その角
度が大きくなるほど、後側のセンサの出力の前側のセン
サの出力に対する比が小さくなる。
【0009】このような線源の角度による前後のセンサ
の出力比の変化の程度は、センサの前方に配置する光学
系の構成によって相違するものの、このような現象は、
前記した提案における前後のセンサの合計信号の差また
は比をとるにしても、その処理結果が、移動物体の位置
に応じて変化することに繋がり、誤動作の原因となる可
能性がある。
【0010】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、前後に積層された赤外線センサに、互いに重複
する縦・横複数の検知エリアを設定する検出器を用いた
受動型赤外線検知装置において、検出器の中心に対する
移動物体の存在角度に係わらず、誤動作を生じることな
く、人体と小動物とを確実に識別して常に正確な検知信
号を出力することのできる検知装置の提供を目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、図1に示す基本概念図を参照しつつ説明す
ると、本発明の受動型赤外線検知装置は、複数の赤外線
センサa,bが、検知すべきエリアに対して所定の空隙
を開けて前後に積層配置され、かつ、そのうち少なくと
も前側は赤外線透過性のセンサで構成されているととも
に、これらの前後のセンサa,bには、それぞれ縦およ
び横に複数の検知エリアA1〜A4が、前後のものどう
しで互いに重複するよう設定された赤外線検出器cと、
前後のセンサのうちの一方のセンサにおける各検知エリ
アからの出力について、縦方向に並ぶエリアどうしを同
極性のもとに、かつ、互いに隣接する縦方向列どうしを
逆極性のもとに合計する第1の回路手段dと、前後のセ
ンサのうちの他方のセンサにおける各検知エリアごとの
出力について、縦方向のエリア列ごとに、列全体に均一
な赤外線が入射したときにそのエリア列内の出力が相殺
されるように各検知エリアの出力を合計する第2の回路
手段eと、第1と第2の回路手段d,eの出力の時間差
を検出する時間差検出手段fと、その時間差検出結果に
基づき、第1と第2の回路手段d,eのいずれかの出力
の大きさを補正し、その補正後に、第1と第2の回路手
段d,eの出力のピーク値または絶対値の差または比を
算出する演算手段gと、その差または比が所定レベル以
上のときに検知出力を発生する判別手段hとを備えたこ
とによって特徴づけられる。
【0012】
【作用】赤外線検出器cに対する赤外線放射源の角度の
相違は、前後のセンサaとbの出力の比の変化ととも
に、これらのセンサa,bの出力の時間差(位相差)と
なって現れる。すなわち、図2に模式的に示すように、
検出器cの正面(0°)から各センサa,bに赤外線が
入射する場合には各センサa,bの出力、従ってこれら
の各エリアごとの出力を合計する第1および第2の回路
手段d,eの出力に殆ど時間差が現れないが、正面から
左右にずれるほど、これらの両出力の時間差が大きくな
る。この時間差は、光学系の各センサa,bに対する位
置が一定であれば、前後のセンサa,b間の距離と、検
出器cの正面に対する移動物体(線源)の左右の角度に
依存し、移動物体の速度には影響されない。すなわち、
光学系を含めた検出器cの構造が一定であれば、検出器
cに対する移動物体の左右の角度のみに依存する。
【0013】本発明はこの点を利用したもので、前後の
センサa,bの出力の時間差を検出し、その時間差によ
り検出器cに対する線源の角度情報を得て、それに基づ
いていずれかのセンサaまはたbの出力の合計値を補正
することによって、移動物体の角度に影響されることの
ない信号を判別手段hに供給することで、所期の目的を
達成している。
【0014】
【実施例】図3は本発明実施例に用いられる赤外線検出
器の分解斜視図、図4はそのキャップ5のみを外した状
態で示す斜視図で、図5は組み立て状態で示す断面図で
ある。
【0015】検出器のケース3は基台となるステム4と
これに被せられるキャップ5によって構成され、ステム
4には4本のリード端子6・・6が貫通した状態で固着さ
れている。また、キャップ5の天井面には受光窓7が形
成されており、この受光窓7はキャップ5の天井部分の
裏面側に接着剤9によって貼り付けられたフィルタ8で
閉塞されている。そしてこのケース3の内部に、回路基
板10と2つの赤外線検出エレメント(センサ)D1お
よびD2が収容されている。
【0016】回路基板10には、後述する電界効果トラ
ンジスタF等からなる受光回路のパターンが印刷配線さ
れ、かつ、その適宜箇所に4個の出力端子パッド部P・・
Pが形成されており、その各パッド部P・・Pに上記した
各リード端子6・・6が挿入された状態で半田付けされ、
これによって固定基板10はステム4に対して指示さ
れ、また、その上の受光色は各リード端子6・・6に電気
的に接続されることになる。
【0017】赤外線検知エレメントD1とD2は、回路
基板10の上に互いに積層状態で設けられている。各赤
外線検知エレメントD1およびD2は、それぞれ中央部
分に透光孔14ないしは17が穿たれたエレメント固定
基板13ないし18の上に、矩形状の焦電フィルム11
ないしは15を貼着し、これに後述するようなパターン
の受光面電極を表裏に形成して構成されたもので、この
各焦電フィルム11と15のうち少なくとも受光窓7
側、つまり前方側の焦電フィルム11には赤外線透過性
の焦電フィルムが用いられている。
【0018】前側のエレメントD1の焦電フィルム11
に形成された受光面電極の詳細パターンを図6に例示す
る。焦電フィルム11の表面には、図中実線で示すよう
に、帯状の中央部分が一部欠落した形状をした一対の受
光面電極12aと12bが形成されているとともに、そ
の裏面には図中破線で示すように、表面側の電極12
a,12bと重なるような位置関係で、同じく帯状でそ
の中央部分が一部欠落した形状の一対の受光面電極12
cと12dが形成されている。表面側の受光面電極12
a,12bはそれぞれ互いに逆側に伸びてそれぞれ焦電
フィルム11の反対側の端部に到り、各裏面側の受光面
電極12c,12dは、それぞれ焦電フィルム11を挟
んで対向している表面側の受光面電極12a,12bと
は反対方向に伸びて同様にして焦電フィルム11の端部
にまで到っている。
【0019】図6において、図中一点鎖線で示す領域が
受光窓7を介して赤外線が入射する領域であり、この領
域内で表裏の受光面電極が重なりあっている部分が赤外
線受感部を形成することになり、従ってエレメントD1
には、縦および横に所定の間隙を開けて2個ずつ並ぶ受
感部が形成されることになる。
【0020】後側のエレメントD2の焦電フィルム15
に形成された受光面電極の詳細パターンを図7に例示す
る。実線で示す表面側の受光面電極16a,16bと、
破線で示す裏面側の受光面電極16c,16dとの重な
り合いによって、上記と同様に縦および横に2個ずつ並
ぶ受感部が形成されるが、表裏の各受光面電極は、それ
ぞれ互いにクロスする位置のペアが、焦電フィルム15
の端部にまで至っている。また、表裏の各受光面電極で
は、互いに重なりあっている受感部は異なる端部に接続
されている。
【0021】また、後側のエレメントD2の焦電フィル
ム15はその赤外線受光領域(透光孔14の形成位置直
下)において、エレメントD1の焦電フィルム11とは
固定基板13の厚さ分だけの空隙が介在することにな
り、これによりエレメントD1とD2とは互いに熱的影
響を受けず、しかも後側のエレメントD2にも透光孔1
4を介してエレメントD1を透過した赤外線が入射でき
るようになっている。
【0022】このような前後のエレメントD1とD2
は、図4に示すようにそれぞれ表裏で同一の端部にまで
至っている電極どうしが導電ペースト19・・19によっ
て接続され、この導電ペースト19・・19を介して図3
に示すように回路基板10の接続パッド部20・・20に
接続される。
【0023】図8は本発明実施例の検知エリアの設定方
法の説明図である。以上のような赤外線検出器1の前方
に適当な光学系2を介在させることにより、図中破線で
示す領域Aからの赤外線を受光窓7を介して検出器1内
に導入する。このとき、2層のエレメントD1,D2に
は、縦および横にそれぞれ2個ずつ並ぶ合計4個の受感
部が互いに重複するように形成されていることから、各
エレメントD1,D2の各受感部には、領域A内で鉛直
方向および水平方向にそれぞれ所定の間隙を開けて2個
ずつ並ぶ合計4個のエリアA1〜A4からの赤外線がそ
れぞれ入射することになり、このエレメントD1,D2
によって各4個ずつの互いに重複した検知エリアA1〜
A4が設定されることになる。この合計4個の検知エリ
アA1〜A4の全体としての高さは、最大で人の身長と
同程度となるように設定することが望ましい。
【0024】図9は本発明実施例の全体的な回路構成を
示すブロック図である。図3および図4で示した導電ペ
ースト19を用いた接続関係から明らかなように、前側
のエレメントD1内では、表面側の受光面電極12aと
その裏面の反対側に位置する受光面電極12dとが接続
され、受光面電極12bとその裏面側の反対側に位置す
る受光面電極12cとが接続されており、従って前側の
エレメントD1の4個の受感部は、鉛直方向に並ぶ2個
の受感部のペアが他のペアと逆極性に並列に差動接続さ
れた状態で、その各受感部に入射した赤外線により発生
する信号が合計されて取り出されるようになっている。
すなわち、各受感部に赤外線が入射することによって発
生する電荷は、高抵抗値の入力抵抗R1を介して放電さ
れるとともに、電界効果トランジスタFによりインピー
ダンス変換され、ソースフォロワ構成のもとに、この電
界効果トランジスタFを介して直流電源+Bに直列接続
された2個の抵抗R2とR3を通じて増幅された信号と
して取り出され、増幅回路21に入力される。
【0025】また、後側のエレメントD2についても同
様であり、このエレメントD2においては、図7に示し
た受光面電極パターン並びに上記と同様の導電ペースト
19を用いた接続関係に従い、その4個の受感部は、縦
に並ぶものどうしが互いに逆極性で、また、横に並ぶも
のどうしも互いに逆極性に差動接続された状態で、その
各受感部に入射した赤外線により発生する信号が合計さ
れて取り出されて、増幅回路22に入力される。
【0026】以上の結果、各検知エリアA1〜4からの
赤外線検出信号は、図10(A)に示すような極性のも
とに合計された後、それぞれ個別の増幅回路21および
22によって増幅されることになる。
【0027】さて、各増幅回路21,22に出力は、ピ
ークホールド回路23,24に導かれ、各出力中の正と
負のピーク値が抽出されて保持されると同時に、それぞ
れピーク検出回路25および26に導かれてピークの発
生時点が検出される。これらの各ピーク検出回路25と
26の出力は時間差検出回路27に導かれており、この
回路27によって、各増幅回路21,22のピーク値発
生時点の時間差が検出される。
【0028】ピークホールド回路23,24の各出力と
時間差検出回路27の出力は演算回路28に導入されて
いる。演算回路28では、時間差検出回路27の出力の
大きさに応じて、後述する手法によって、2つのピーク
ホールド回路のうちの一方、例えば後側のエレメントD
2用のピークホールド回路24によるピークホールド値
を後述する手法によって補正し、その補正後のピーク値
を、他方のピークホールド回路23によるピークホール
ド値で除した比を算出し、その結果を判別回路29に供
給する。判別回路29では、演算回路28からの出力と
あらかじめ設定された基準値とを比較し、演算回路28
の出力が基準値に達しない状態となったときに、検知信
号を出力する。
【0029】次に、演算回路28による補正の仕方につ
いて述べる。検出器1に対する赤外線の入射角度の相違
により、前後のエレメントD1とD2の出力比が図11
に例示したように変化するとともに、前後のエレメント
D1とD2の出力の時間差(位相差)も図2に例示した
ように変化する。この出力の時間差は、各増幅回路21
と22の出力に現れるピークの時間差となり、時間差検
出回路27によって検出される。この時間差は検出器1
への赤外線の入射角度に依存し、また、検出器1の構造
等が一定であれば、入射角度によって図11に示したよ
うにほぼ一意的に前後のエレメントの出力比が変化す
る。この入射角度と出力比の関係と、時間差と入射角度
との関係を演算回路28にあらかじめ設定しておくこと
により、時間差検出回路27の出力を用いて、入射角度
による出力比の変化分を補正することができる。この補
正は、上記のように後側のエレメントD2の検出信号を
導入するピークホールド回路24のピークホールド値を
補正することに行ってもよいし、他方のピークホールド
回路23のピークホールド値を補正してもよい。
【0030】なお、上記した時間差と検出器1への赤外
線の入射角度θとの関係は、具体的には、図12に例示
するように、前後のエレメントD1,D2間の距離を
L,各エレメントD1,D2内の左右の受感部の相互の
距離をPとし、増幅回路21と22の出力信号の正負そ
れぞれのピーク発生時点の差をtaおよびtb,一方
(例えば前側)のエレメントD1の正負のピーク発生時
点の差をtcとすると、
【0031】
【数1】
【0032】によって近似することができる。以上のよ
うに構成された本発明実施例によると、検知エリア群A
1〜A4を人体が通過する場合、縦に並んだエリア列内
のほぼ全域を同時に占めながら通過することから、前側
のエレメントD1の各検知エリアの検出出力の合計であ
る増幅回路21からの出力はピーク値の大きな信号とな
り、また、後側のエレメントD2の各検知エリアの検出
出力の合計である増幅回路22からの出力は、各エリア
からの信号が相殺される結果、ピーク値の小さな信号と
るな。一方、小動物がこれらのエリア群を通過する際に
は、どの位置を通過しても、前後のエレメントD1,D
2の各検知エリアの検出出力の合計である増幅回路2
1,22の出力は、いずれもピーク値の小さな信号とな
る。
【0033】そして、この各増幅回路21,22からの
出力比は人体等の移動物体の検出器1の正面からの左右
の角度によって変化するが、この変化分は、時間差回路
27の出力に基づいて演算回路28で補正された後、前
側のエレメントD1の出力のピーク値で後側のエレメン
トD2の出力のピーク値を除した比を算出するため、検
出器1に対する角度の相違に係わらず、人体通過時には
常に0に近い値が、小動物通過時および何も通過しない
時には常に1に近い信号が出力され、判別回路29から
は人体通過時においてのみ、誤動作なく確実に検知信号
が出力される。
【0034】なお、前後のエレメントの各検知エリアか
らの検出出力の合計の仕方は、図10(A)に示したも
ののほか、同図(B)に示した仕方でも、ほぼ同等の作
用効果を得ることができる。また、これらはいずれも前
後入れ換えてもよい。
【0035】また、検知エリアの数は縦・横2個ずつに
限らず、例えば図13に一例を示すように、縦に4個ず
つならべたものを横に2列並べる等の変形が可能であ
り、これに併せて各エレメントの受光面電極のパターン
を設定すればよい。更に、上記した実施例では、前後の
エレメントの受感部を、焦電フィルムの表裏に形成され
る受光面電極のパターンによって形成したが、受光面電
極のパターンによって形成された受感部のうち、不要部
分を赤外線遮蔽フィルムによって覆うことによって、所
望形状および個数の受感部を形成してもよい。
【0036】また、前後のエレメントからの信号の時間
差の検出は、各信号のピークの位相差を用いるほか、信
号が一定レベル以上または以下に達した時点の時間差等
から検出してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
焦電フィルム系の赤外線センサを検知エリアに対して前
後に積層するとともに、その前後の各センサに、互いに
重複するように縦および横に複数個ずつ並ぶ複数の検知
エリアを設定して、これらの各検知エリアからの赤外線
検出出力を、一方のものでは縦方向に並ぶエリアからの
出力どうしを同極性のもとに、かつ、互いに隣接する縦
方向列どうしを逆極性のもとに合計し、かつ、他方のも
のでは縦方向のエリア列ごとに、列全体に均一な赤外線
が入射したときにそのエリア列内の出力が相殺されるよ
うな関係のもとに、各検知エリアからの出力を合計し、
その前後のセンサそれぞれの合計信号のピーク値または
絶対値の差または比を算出して、その結果をあらかじめ
設定されたレベルと比較して検知出力を発生するに当た
り、前後のセンサの出力の時間差を検出して、その時間
差検出結果に基づき、センサへの赤外線の入射角度に起
因する前後のセンサの出力比の変化分を補正し、その補
正後の信号を用いて上述の差または比を算出するから、
検出器の中心に対して移動物体がどのような角度に存在
していても、常に正確に人体と小動物を識別して、誤検
知動作を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す基本概念図
【図2】検出器に対する赤外線の入射角度と、前後のセ
ンサの出力の時間差との関係の説明図
【図3】本発明実施例に用いられる赤外線検出器1の分
解斜視図
【図4】同じくその検出器1のキャップ5のみを外した
状態で示す斜視図
【図5】同じくその検出器1を組み立てた状態で示す断
面図
【図6】同じくその検出器1の前側のエレメントD1の
受光面電極のパターン例の説明図
【図7】同じくその検出器1の後側のエレメントD2の
受光面電極のパターン例の説明図
【図8】本発明実施例による検知エリアの設定方法の説
明図
【図9】本発明実施例の全体的な回路構成を示すブロッ
ク図
【図10】本発明実施例の前後のエレメントに設定され
た検知エリアごとの検出出力の合計の仕方の例の説明図
【図11】検出器への赤外線の入射角度と前後のセンサ
(エレメント)の出力比の関係の例を示すグラフ
【図12】検出器への赤外線の入射角度と前後のセンサ
(エレメント)の出力の時間差との具体的関係の説明図
【図13】本発明による検知エリアの設定の仕方並びに
その各エリアからの出力の合計の仕方の他の例の説明図
【符号の説明】
1 赤外線検出器 2 光学系 7 受光窓 11,15 焦電フィルム 12a〜12d,16a〜16d 受光面電極 21,22 増幅回路 23,24 ピークホールド回路 25,26 ピーク検出回路 27 時間差検出回路 28 演算回路 29 判別回路 A1〜A4 検知エリア D1 前側の赤外線検出エレメント D2 後側の赤外線検出エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 8/20 E05F 15/20 G01J 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検知すべきエリアから放射される赤外線
    を光学系を介して赤外線検出器によって検出し、その検
    出出力に基づいて検知信号を出力する検知装置におい
    て、 複数の赤外線センサが検知すべきエリアに対して所定の
    空隙を開けて前後に積層配置され、かつ、そのうち少な
    くとも前側は赤外線透過性のセンサで構成されていると
    ともに、これらの前後のセンサには、それぞれ縦および
    横に複数の検知エリアが、前後のものどうしで互いに重
    複するよう設定された赤外線検出器と、 上記前後のセンサのうちの一方のセンサにおける各検知
    エリアからの出力について、縦方向に並ぶエリアどうし
    を同極性のもとに、かつ、互いに隣接する縦方向列どう
    しを逆極性のもとに合計する第1の回路手段と、 上記前後のセンサのうちの他方のセンサにおける各検知
    エリアからの出力について、縦方向のエリア列ごとに、
    列全体に均一な赤外線が入射したときにそのエリア列内
    の出力が相殺されるよう、各検知エリアからの出力を合
    計する第2の回路手段と、 上記第1と第2の回路手段の出力の時間差を検出する時
    間差検出手段と、 その時間差検出手段の出力に基づき、上記第1と第2の
    回路手段のいずれかの出力の大きさを補正し、その補正
    後の第1と第2の回路手段の出力のピーク値または絶対
    値の差または比を算出する演算手段と、 その演算結果とあらかじめ設定されたレベルとの比較結
    果に基づいて検知出力を発生する判別手段と、 を備えたことを特徴とする受動型赤外線検知装置。
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