JP2983424B2 - 焦電型赤外線検知器 - Google Patents

焦電型赤外線検知器

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JP2983424B2
JP2983424B2 JP32939493A JP32939493A JP2983424B2 JP 2983424 B2 JP2983424 B2 JP 2983424B2 JP 32939493 A JP32939493 A JP 32939493A JP 32939493 A JP32939493 A JP 32939493A JP 2983424 B2 JP2983424 B2 JP 2983424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦電型の赤外線検知器に
関し、例えば自動ドアの開閉や防犯警報装置の作動用と
して、検知エリア内への人体の侵入をそのエリアからの
赤外線エネルギの変化により捕らえる受動型赤外線検知
装置のセンサ部に用いるのに適した焦電型赤外線検知器
に関する。
【0002】
【従来の技術】受動型赤外線検知装置は、一般に、検知
エリア内の物体から放射される赤外線を赤外線検知器に
より検出し、そのエリア内から放射される赤外線エネル
ギの変動量が所定のレベルを越えたときに、検知エリア
内への人体等の移動物体の侵入を検知するよう構成さ
れ、自動ドアの開閉や防犯警報装置の作動のための起動
スイッチ等として広く使用されている。
【0003】この種の受動型赤外線検知装置では、強い
風が吹く等に起因する検知エリアの背景温度変化、外来
の電波ノイズまたは太陽光等の外乱光等による赤外線エ
ネルギの変化を誤検知しないように、図14に示すよう
に、2個一対(3個以上のものも存在する)の赤外線検
出素子90a,90bを備えた赤外線検知器90を用い
るとともに、この各赤外線検出素子90a,90bを互
いに逆極性に並列または直列に差動接続し、また、これ
らの各赤外線検出素子90a,90bによる検知エリア
A1,A2を、光学系91により人体Hの背丈に対応し
た鉛直方向に伸びる縦長形状に設定している。
【0004】このような構成により、人体Hや小動物M
等の移動物体が各検知エリアA1,A2をある時間差で
通過するのに対し、外乱光等による背景雑音は各検知エ
リアA1,A2に同時に発生することを利用して、背景
雑音のみを各エリア間でキャンセルして誤検知を防止す
るようにしている。また、各検知エリアA1,A2を縦
長形状に設定することにより、人体Hが検知エリアA
1,A2内に侵入した場合には、人体Hが検知エリアA
1,A2の上下方向の殆どのスペースを占めるよう位置
して通過することから検知レベルよりも高いレベルの信
号が出力され、一方、人体に対し格段に背の低い犬や猫
等の小動物Mが検知エリアA1,A2内に侵入した場合
には、検知エリアA1,A2の下部の一部のスペースを
占めるだけであることから検知レベルよりも低いレベル
の信号が出力されることになり、これによって小動物M
による誤検知動作を防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人体Hや小
動物M等の移動物体と背景の床面等とが適当な温度差で
ある場合には、人体Hによる出力信号が図15(A)に
一点鎖線で図示した検知レベル以上となり、小動物Mに
よる出力信号が同図(B)に示すように同じく一点鎖線
で示した検知レベルに達せず、小動物Mによる誤検知動
作を確実に防止できる。しかし、移動物体と背景の床面
等との温度差が非常に大きい状況では、図16(A)お
よび(B)にそれぞれ人体Hおよび小動物Mが検知エリ
ア内を通過した場合の検知出力例を示すように、小動物
Mによる信号は人体Hによる信号に比してレベルが低い
ものの、この小動物Mによる信号も検知レベルを越えて
しまい、小動物Mによる誤検知動作をしてしまうという
問題がある。
【0006】このような問題を解決するため、本発明者
らは、図9および図10に概念図を示すように、人体検
知用および小動物検知用の赤外線検出素子群aおよびb
を設け、その各検出素子群には、それぞれが上下および
左右(移動物体の進行方向)に所定の間隙を開けて並ぶ
複数のエリアからなる人体検知用エリア群Ahと小動物
検知用エリア群Amからの赤外線を導くとともに、その
エリア群の全体としての高さ(上下方向寸法)を通常の
人体の背丈とほぼ合致させ、各素子群aおよびbからの
赤外線検出信号を図中各エリアに±を付して示すように
第1と第2の回路手段cおよびdで合計し、その各回路
手段c,dからの各出力のピーク値の差または絶対値の
差もしくは比を演算手段eによって算出し、その算出結
果を検知レベルと比較するように構成した受動型赤外線
検知装置を既に提案している(特願平5−226058
号)。
【0007】以上のような構成によると、人体がエリア
群を通過する際には、エリア群のうち鉛直方向に並んだ
エリア列内のほぼ全域を同時に占めながら通過するた
め、人体検知用エリア群Ahからの出力を合計する第1
の回路手段cからピーク値の大きな信号が、また、小動
物検知用エリア群Amからの出力を合計する第2の回路
手段dからは各エリアからの信号が相殺されてピーク値
の小さな信号がそれぞれ出力される。一方、小動物がこ
れらのエリア群を通過する際には、どの位置を通過して
も第1と第2の回路手段cとdからは小さな信号が出力
される。従って、演算手段eで例えば各回路手段cとd
の出力の差を算出する場合には、人体が通過する際には
大きな信号が、小動物が通過する際には小さな信号が演
算手段eから出力され、人体通過時とは明確な差を生じ
ることになり、検知エリア内の背景と通過物体との温度
差の大小に係わらず、常に人体と小動物とを確実に識別
でき、小動物の通過時における誤検知を確実に防止する
ことが可能となる。また、演算手段eが、第1の回路手
段cの出力の絶対値で第2の回路手段dの出力の絶対値
を除した比を算出する場合には、人体通過時には0に近
い小さな信号が、また、小動物通過時および何も通過し
ない状態では1に近い信号が出力され、人体通過時にお
いてのみ他と相違する顕著な信号となって、上記と同様
に小動物の通過時における誤検知を確実に防止すること
が可能となる。
【0008】また、図10の構成では、第2の回路手段
d′により小動物用検知エリア群Am内の各エリアの信
号を同図に±の符号を付して示すように合計しており、
この場合には、小動物検知用の各赤外線検出素子bと赤
外線源との距離と、これらの素子群bからの赤外線検出
出力の合計のピーク値との関係が、人体検知用の赤外線
検出素子群aにおけるそれと全く同様なものとなって、
素子と通過物体との距離の相違に起因する誤検知をも確
実に防止することが可能となる。
【0009】ここで、以上の提案のような受動型赤外線
検知装置を製造するに当たり、人体用検知エリア群Ah
と小動物用検知エリア群Amとを、それぞれに対応する
複数の赤外線検出素子を持つ2つの赤外線検知器によっ
て構成することもできるが、その場合には構成が複雑と
なってコスト的に不利となる。また、人体用および小動
物用のエリアが互いに離れていると検知信号の応答性の
点で不利となるため、これらは互いには重複または可能
な限り接近させることが望ましく、これらの各エリアを
重複させるためには、上記のように2つの赤外線検知器
を用いた場合には、各エリアからの赤外線を各検知器に
導くための光学系も複雑なものとなるという問題があ
る。
【0010】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、簡単な構成のもとに、1つの赤外線検知器を用
いて人体用および小動物検知用のエリアを重複させるこ
とができ、もって上記した提案に基づく赤外線検知装置
を構築するのに最適な焦電型赤外線検知器の提供を目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の構成を、実施例図面である図1〜図4を参照しつつ説
明すると、本発明の焦電型赤外線検知器は、焦電フィル
ム11ないし15にに集熱用兼信号取り出し用の受光面
電極12a〜12dないしは16a〜16dが形成され
てなる赤外線検知エレメントの複数個(D1 , D2
が、前面側に受光窓7を備えたケース3内に収容されて
いるとともに、そのケース3内で上記各エレメント
1 , D2 は、相互に熱的影響を受けず、かつ、赤外線
が透過できるよう空隙を介して受光窓7側とその後方側
の2層に積層され、その各層のエレメントのうち、少な
くとも受光窓側の層に配置されたエレメントD1 には赤
外線透過性の焦電フィルムが用いられているとともに、
各層のエレメントD1 , D2 にはそれぞれ各層間で互い
に重複するように縦および横に複数個ずつ並ぶ受感部が
形成されており、各層のエレメントD 1 , D 2 の受感部
の極性パターンは、互いに異なることによって特徴づけ
られている。
【0012】
【作用】受光窓7を介して検出器内に入射した赤外線
は、受光窓7側の層のエレメントD1を透過してその後
方側のエレメントD2に入射し、同じ赤外線が前後2層
のエレメントのそれぞれによって検出されることにな
る。この各層のエレメントD1,D2には、互いに重複
するように縦および横に複数個ずつ並ぶ受感部が形成さ
れているため、図5に例示するようなエリアA1〜A4
からの赤外線のそれぞれを双方のエレメントの各受感部
に導くことが可能となり、従って本発明の検出器を1個
だけ用いることにより、図9もしくは図10に例示した
人体用および小動物用の各検知エリアAhおよびAmを
互いに重複して設定することが可能となる。
【0013】
【実施例】図1は本発明実施例の分解斜視図、図2はそ
のキャップ5のみを外した状態で示す斜視図で、図3は
組み立て状態で示す縦断面図である。
【0014】ケース3は基台となるステム4とこれに被
せられるキャップ5によって構成され、ステム4には4
本のリード端子6・・6が貫通した状態で固着されてい
る。また、キャップ5の天井面には受光窓7が形成され
ており、この受光窓7はキャップ5の天井部分の裏面側
に接着剤9によって貼り付けられたフィルタ8で閉塞さ
れている。そしてこのケース3の内部に、回路基板10
と2つの赤外線検知エレメントD1およびD2が収容さ
れている。
【0015】回路基板10には後述する電界効果トラン
ジスタF等からなる受光回路のパターンが印刷配線さ
れ、かつ、その適宜箇所に4個の出力端子パッド部P・・
Pが形成されており、その各パッド部P・・Pに上記した
各リード端子6・・6が挿入された状態で半田付けされ、
これによて固定基板10はステム4に対して支持され、
またその上の受光回路は各リード端子6・・6に電気的に
接続されることになる。
【0016】赤外線検知エレメントD1とD2は、回路
基板10の上に互いに積層状態で設けられている。各赤
外線検知エレメントD1およびD2は、それぞれ中央部
分に透光孔14ないしは17が穿たれたエレメント固定
基板13ないし18の上に、矩形状の焦電フィルム11
ないしは15を貼着し、これに後述するようなパターン
の受光面電極を表裏に形成して構成されたもので、この
各焦電フィルム11と15のうち少なくとも受光窓7
側、つまり前方側の焦電フィルム11には赤外線透過性
の焦電フィルムが用いられている。
【0017】エレメントD1の焦電フィルム11に形成
された受光面電極の詳細パターンを図4に例示する。焦
電フィルム11の表面には、図中実線で示すように、帯
状の中央部分が一部欠落した形状をした一対の受光面電
極12aと12bが形成されているとともに、その裏面
には図中破線で示すように、表面側の電極12a,12
bと重なるような位置関係で、同じく帯状でその中央部
分が一部欠落した形状の一対の受光面電極12cと12
dが形成されている。表面側の受光面電極12a,12
bはそれぞれ互いに逆側に伸びてそれぞれ焦電フィルム
11の反対側の端部に到り、各裏面側の受光面電極12
c,12dは、それぞれ焦電フィルム11を挟んで対向
している表面側の受光面電極12a,12bとは反対方
向に伸びて同様にして焦電フィルム11の端部にまで到
っている。
【0018】図4において、図中一点鎖線で示す領域が
受光窓7を介して赤外線が入射する領域であり、この領
域内で表裏の受光面電極が重なりあっている部分が赤外
線受感部を形成することになり、従ってエレメントD1
には、縦および横に所定の間隙を開けて2個ずつ並ぶ受
感部が形成されることになる。
【0019】エレメントD2の受光面電極16a〜16
dのパターンも、エレメントD1のパターンと全く同一
であるが、このエレメントD2はケース3内でエレメン
トD1に対して90°だけ回転させた状態で積層され
る。また、このエレメントD2の焦電フィルム15はそ
の赤外線受光領域(透光孔14の形成位置直下)におい
て、エレメントD1の焦電フィルム11とはエレメント
固定基板13の厚さ分だけの空隙が介在することにな
り、これによりエレメントD1とD2とは互いに熱的影
響を受けず、しかも後方側のエレメントD2にも透光孔
14を介してエレメントD1を透過した赤外線が入射で
きるようになっている。
【0020】このような各エレメントD1とD2は、図
2に示すようにそれぞれ表裏で同一の端部にまで到って
いる電極どうしが導電ペースト19・・19によって接続
され、この導電ペースと19・・19を介して図1に示す
ように回路基板10の接続パッド部20・・20に接続さ
れる。
【0021】焦電フィルム11および15の材質として
は、PVDF、PVDF/PTrFE共重合体、または
シアン化ビニリデン重合体等の高分子フィルムや、PL
ZT系セラミック等のセラミック系フィルムを用いるこ
とが好ましく、特に受光窓7側の焦電フィルム11とし
ては、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体にランタンを
加えた素材を焼成して得られるPLZT系セラミック
が、光透過性が良好であることから望ましい。また、受
光面電極12a〜12dおよび16a〜16dの材質と
しては、ニクロム薄膜等を用いることができる。
【0022】次に、以上のような本発明実施例を受動型
赤外線検知装置に適用した場合について、その作用を述
べる。図5は本発明実施例による検知エリアの設定方法
の説明図である。本発明実施例の赤外線検出器1に対し
て一つの光学系2を適当な位置関係で配置することによ
り、図中破線で示す領域Aからの赤外線を受光窓7を介
して赤外線検出器1内に導入する。これにより、2層の
エレメントD1とD2には縦および横にそれぞれ2個ず
つ並ぶ合計4個の受感部が互いに重複するように形成さ
れていることから、各エレメントD1およびD2の各受
感部には、その領域内で鉛直方向および水平方向にそれ
ぞれ所定の間隙を開けて2個ずつ並ぶ合計4個のエリア
A1〜A4からの赤外線がそれぞれ入射することにな
り、このエレメントD1とD2によって各4個ずつの互
いに重複した検知エリアA1〜A4が設定される。この
合計4個の検知エリアA1〜A4の全体としての高さ
は、最大で人の身長と同程度となるように設定すること
が好ましい。ここで、エレメントD1は図4に示した通
りの姿勢、つまり各受光面電極12a〜12dが鉛直方
向に伸びるように検出器1が配置され、従ってエレメン
トD2の各受光面電極16a〜16dはそれぞれ水平方
向に伸びた状態となる。
【0023】図6はこの例における受動型赤外線検知装
置の全体の回路構成を示すブロック図で、図中破線で囲
った部分が本発明実施例の焦電型赤外線検出器1内の回
路構成図である。
【0024】図1および図2に示した導電ペースト19
を用いた接続関係から明らかなように、エレメントD1
内では、表面側の受光面電極12aとその裏面の反対側
に位置する受光面電極12dとが接続され、受光面電極
12bとその裏面の反対側に位置する受光面電極12c
とが接続されており、従ってエレメントD1の4個の受
感部は、鉛直方向に並ぶ2個の受感部のペアが他のペア
と逆極性に並列に差動接続された状態で、その各受感部
に入射した赤外線により発生する信号が合計されて取り
出されるようになっている。すなわち、各受感部に赤外
線が入射することによって発生する電荷は、高抵抗値の
入力抵抗R1を介して放電されるとともに、電界効果ト
ランジスタFによりインピーダンス変換され、ソースフ
ォロワ構成のもとに、この電界効果トランジスタFを介
して直流電源+Bに直列接続された2個の抵抗R2とR
3を通じて増幅された信号として取り出される。
【0025】また、エレメントD2についても同様であ
り、この場合、4個の受感部のうち水平方向に並ぶ2個
の受感部のペアが他のペアと逆極性に並列に差動接続さ
れることになる。
【0026】そして、以上のようにして取り出された各
エレメントD1,D2からの出力信号は、それぞれ個別
の増幅回路21,22で増幅された後にピークホールド
回路23,24に導かれ、各出力中の正と負のピーク値
が抽出されて保持される。この2つのピークホールド回
路23および24からの各ピークホールド信号は、所定
時間経過後に演算回路25に導入され、ここで両者の差
が算出される。そして、この演算回路9の出力が判別回
路26に入力されて検知レベルに対する大小関係が判別
され、検知レベル以上である場合には検知信号が出力さ
れる。
【0027】このような装置によると、図9に示した人
体検知用エリア群Ahと小動物検知用エリア群Amと
が、それぞれ同一の領域A1〜A4に重複した状態で設
定されることになり、本発明実施例の1個の焦電型赤外
線検知器を用いた簡単な構成のもとに、背景と移動物体
との温度差の状況に係わらず、小動物の通過時には検知
信号を出力することなく、人体の通過時においてのみ確
実に検知信号を出力することができ、しかもその応答も
従来の図11に示した装置に比して低下することがな
い。
【0028】ここで、以上の実施例は図9に示した受動
型赤外線検知装置に適した構造の検知器について説明し
たが、ケース内のエレメントのいずれか一方の受光面電
極のパターンを変更することにより、図10に示した受
動型赤外線検知装置に適した構造の検知器を得ることが
できる。
【0029】図7はその受光面電極のパターン例の詳細
図である。この例では、表面側の受光面電極16a′,
16b′と裏面側の受光面電極16c′,16d′との
重なり合いによって、先の例と同様に縦および横に2個
ずつ並ぶ受感部が形成されるが、各受感部は、互いにク
ロスする位置のペアが同極性のもとに接続され、他のペ
アとは逆極性に接続されることになる。このようなパタ
ーンの受光面電極を一方のエレメント例えばD2に形成
するとともに、他方のエレメントD1には図4に示した
パターンの受光面電極を形成して、図6に示したものと
同等の回路接続を行うと、エレメントD1およびD2に
は、それぞれ図 に示した人体検知用エリアAhおよび
小動物検知用エリアAmが互いに重複して設定される。
【0030】なお、以上の各実施例では、互いに積層さ
れる2つのエレメントのそれぞれに縦横に2個ずつ並ぶ
受感部を形成した例を示したが、本発明はこれに限定さ
れることなく、例えば縦に4個、横に2個並ぶ受感部を
形成する等、図9または図10に示した受動型赤外線検
知装置の機能を損なわない範囲で任意の変形が可能であ
る。例えば図9の装置構成における小動物検知用エリア
群Amは、図11に例示するような配置を採ることがで
き、また、図10のものでは同じく小動物検知エリア群
Amは図12に例示するような配置を採ることができ
る。このような各装置例に本発明の焦電型赤外線検知器
を適用する場合、それぞれのエリア群内の各エリアに対
応するように受感部を形成すればよい。更に、図9およ
び図10のいずれにおいても、人体検知用エリア群Ah
については、図13に鉛直の一列分のみを抽出して例示
するような配置を採って、図中±で示す正負の面積が互
いに一致するように設定することで、人体通過時におけ
る第1の回路手段cからの出力は互いに相殺されて図9
または図10の装置構成と等価となるが、この図13の
装置構成に本発明を適用する場合にも、それぞれのエリ
アの形状に対応するように受感部を形成すればよい。
【0031】また、以上の各実施例では、各エレメント
の受感部を、焦電フィルムの表裏に形成される受光面電
極のパターンによって形成したが、受光面電極のパター
ンによって形成された受感部のうち、不要部分を赤外線
遮蔽フィルムによって覆うことによって所望形状および
個数の受感部を形成してもよい。
【0032】すなわち、図8に例示するように、例えば
一方のエレメントD1の受光面電極の重なり部分を図中
E1およびE2で示すように縦方向に伸びる2本の帯状
とするとともに、その各中央部分に赤外線遮蔽フィルム
Cで覆ってその部分への赤外線の入射を阻止することに
よって、図4に例示したパターンと同等の検知エリアを
得ることができる。この場合、他方のエレメントD2で
は縦方向に並ぶ検知エリアを同極性のもとに接続できな
いため、このエレメントD2については、図8のパター
ンを90°回転させることで、図4のパターンを90°
回転させた場合と同様な接続関係にある受感部を得るこ
とができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前面側に受光窓を備えたケース内に、焦電フィルムに集
熱用兼信号取り出し用の受光面電極が形成されてなる複
数個の赤外線検知エレメントを、相互に熱的影響を受け
ず、かつ、赤外線が透過できるよう空隙を介して上記受
光窓側とその後方側の2層に積層し、その各層のエレメ
ントのうち、少なくとも受光窓側の層に配置されたエレ
メントには赤外線透過性の焦電フィルムを用い、また、
上記各層のエレメントにはそれぞれ縦および横に複数個
ずつ並ぶ受感部を形成し、かつ、これらの各受感部を各
層間でそれぞれに重複するようにするとともに、各層の
エレメントの受感部の極性パターンを、相互に異なるよ
うに構成しているから、簡単な構成の1個の焦電型赤外
線検知器を用いて、それぞれ鉛直および水平方向に複数
個ずつ並ぶ人体用および小動物用の各検知エリア群を互
いに重複して設定することが可能となり、検知信号の応
答を低下させることなく、検知エリア内の背景と通過物
体との温度差の大小に係わらず、常に人体と小動物とを
確実に識別でき、小動物の通過時における誤検知動作
確実防止することのできる、コンパクトな受動型赤外
線検知装置を構築することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の分解斜視図
【図2】そのキャップ5のみを外した状態で示す斜視図
【図3】同じく本発明実施例の組み立て状態で示す縦断
面図
【図4】、本発明実施例のエレメントD1の受光面電極
のパターン例の説明図
【図5】本発明実施例を用いた受動型赤外線検知装置に
よる検知エリアの設定方法の説明図
【図6】その回路構成を示すブロック図
【図7】本発明の他の実施例のエレメントD2の受光面
電極のパターン例の説明図
【図8】本発明の更に他の実施例の一方のエレメントD
1の受感部の形成方法の説明図
【図9】背景と移動物体との温度差に係わらず人体と小
動物を明確に識別できる受動型赤外線検知装置の構成を
示す概念図
【図10】同じく背景と移動物体との温度差に係わらず
人体と小動物を明確に識別できる受動型赤外線検知装置
の他の構成を示す概念図
【図11】本発明の適用が可能であって、図9に示す検
知装置における小動物検知用エリア群の他の設定例の説
明図
【図12】同じく本発明の適用が可能であって、図10
に示す検知装置における小動物検知用エリア群の他の設
定例の説明図
【図13】同じく本発明の適用が可能であって、図9お
よび図10に示す各検知装置における人体検知用エリア
群の他の設定例の説明図
【図14】従来の受動型赤外線検知装置の構成例を示す
概念図
【図15】移動物体と背景との温度差が適当な場合にお
ける図12の装置からの信号波形の説明図
【図16】移動物体と背景との温度差が大きい場合にお
ける図12の装置からの信号波形の説明図
【符号の説明】
3 ケース 7 受光窓 11,15 焦電フィルム 12a〜12d,16a〜16d 受光面電極 13,18 固定基板 14,17 透光窓 D1,D2 赤外線検知エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 記一 滋賀県大津市におの浜4丁目7番5号 オプテックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−124787(JP,A) 特開 平5−172952(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 1/02 G01J 5/02 G01V 9/04 G08B 13/19 - 13/191 G08B 17/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焦電フィルムに集熱用兼信号取り出し用
    の受光面電極が形成されてなる赤外線検知エレメントの
    複数個が、前面側に受光窓を備えたケース内に収容され
    ているとともに、そのケース内で上記各エレメントは、
    相互に熱的影響を受けず、かつ、赤外線が透過できるよ
    う空隙を介して上記受光窓側とその後方側の2層に積層
    され、その各層のエレメントのうち、少なくとも受光窓
    側の層に配置されたエレメントには赤外線透過性の焦電
    フィルムが用いられているとともに、上記各層のエレメ
    ントにはそれぞれ縦および横に複数個ずつ並ぶ上記受感
    部が形成され、かつ、これらの各受感部は、上記各層間
    でそれぞれに重複しているとともに、上記各層のエレメ
    ントの受感部の極性パターンは、相互に異なることを特
    徴とする焦電型赤外線検知器。
  2. 【請求項2】 上記各層の受感部は、一方の層では、縦
    方向に並ぶものどうしが同極性のもとに接続され、か
    つ、各縦方向列で隣接する列どうしは互いに逆極性のも
    とに接続されているとともに、他方の層では、横方向に
    並ぶものどうしが同極性のもとに接続され、かつ、縦方
    向に並ぶものについては、その全体に均一な赤外線が入
    射したときにその各受感部からの出力がその合計によっ
    て相殺されるような極性のもとに接続されていることを
    特徴とする請求項1に記載の焦電型赤外線検知器。
  3. 【請求項3】 上記各層の受感部は、一方の層では、縦
    方向に並ぶものどうしが同極性のもとに接続され、か
    つ、各縦方向列で隣接する列どうしは互いに逆極性のも
    とに接続されているとともに、他方の層では、互いに横
    方向に隣接するものどうしは逆極性のもとに、かつ、縦
    方向に並ぶものについては、その全体に均一な赤外線が
    入射したときにその各受感部からの出力がその合計によ
    って相殺されるような極性のもとに接続されていること
    を特徴とする請求項1に記載の焦電型赤外線検知器。
  4. 【請求項4】 上記焦電フィルムが赤外線透過性高分子
    フィルムからなることを特徴とする請求項1、2または
    3に記載の焦電型赤外線検知器。
  5. 【請求項5】 上記焦電フィルムが赤外線透過性セラミ
    ックからなることを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の焦電型赤外線検知器。
  6. 【請求項6】 上記各受感部のうちの少なくとも一部
    が、受感部よりも大きい所定の形状をした受光面電極と
    その不要部分を覆う赤外線遮蔽フィルムとによって形成
    されていることを特徴とする請求項1、2、3、4また
    は5に記載の焦電型赤外線検知器。
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