JPH06323905A - 受動型赤外線検知装置 - Google Patents

受動型赤外線検知装置

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JPH06323905A
JPH06323905A JP10961893A JP10961893A JPH06323905A JP H06323905 A JPH06323905 A JP H06323905A JP 10961893 A JP10961893 A JP 10961893A JP 10961893 A JP10961893 A JP 10961893A JP H06323905 A JPH06323905 A JP H06323905A
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正仁 岩澤
Shinya Kawabuchi
信也 川渕
Tadashi Sugimoto
匡史 杉本
Norikazu Murata
記一 村田
Shingo Okawa
大河  真吾
Hiroyuki Amano
博之 天野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】検知エリアの状況に拘わらず小動物の誤検知動
作を確実に防止できる受動型赤外線検知装置を提供す
る。 【構成】縦方向設定用赤外線検知素子により設定される
鉛直方向の検知エリアと、横方向設定用赤外線検知素子
により設定される水平方向の検知エリアとを、一つの検
知空間内に配置し、両赤外線検知素子の各々の出力信号
のピーク値または絶対値の差を演算回路で減算処理し、
演算結果の信号レベルが検知レベル以上である時に検知
信号を出力する。被検出体と背景の温度差に拘わらず、
人体の通過による両赤外線検知素子の各出力信号間に大
きな差が生じて減算結果の信号レベルも大きくなるのに
対し、小動物の通過による両赤外線検知素子の各出力信
号は共に同程度に変化して常に略同レベルとなり、減算
結果の信号レベルが略零になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動ドアの開
閉や防犯警報装置の作動の制御に際し検知エリア内への
人体の進入を検出するために検知エリアからの入射赤外
線エネルギーの変化を検知する受動型赤外線検知装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】斯かる受動型赤外線検知装置は、絶対零
度以上のあらゆる物体がその温度に応じた赤外線を放射
している現象を利用したもので、一般に以下のような構
成になっている。即ち、光学系により建造物の床面等に
所定の検知エリアを設定し、この検知エリアから放射さ
れる赤外線を光学系により集光して赤外線検知器の赤外
線検知素子に入射させ、検知エリア内に人体等の移動物
体が進入することにより生じる赤外線エネルギー量の変
化を赤外線検知素子から光電変換して出力される電気信
号により検知し、この電気信号が所定のレベルを超えた
時に人体等の検知信号を出力させるよう構成されたもの
であり、自動ドアの開閉や防犯警報装置の作動のための
起動スイッチとして広く採用されている。
【0003】そして、この種の受動型赤外線検知装置で
は、強い風が吹く等に起因する検知エリアの背景の温度
変化、外来の電波ノイズまたは太陽光等の外乱光等によ
る赤外線エネルギーの変化を誤検知しないように、図1
2に示すように、2個一対(4個以上の複数対のものも
存在する)の赤外線検知素子(1a),(1b)を備え
た赤外線検知器(1)を用いるとともに、この両赤外線
検知素子(1a),(1b)を互いに逆極性に並列また
は直列に差動接続し、更に、この両赤外線検知素子(1
a),(1b)に対応する二つの検知エリア(E1),
(E2)を、光学系(2)により人体(H)の背丈に対
応した鉛直方向の縦長形状に設定している。
【0004】それにより、人体(H)や小動物(M)等
の移動物体が各検知エリア(E1),(E2)を或る時
間差で通過するのに対し、各検知エリア(E1),(E
2)に同時に発生する外乱光等による背景雑音を打ち消
し合ってキャンセルすることにより、誤検知を防止する
ようにしている。また、各検知エリア(E1),(E
2)を縦長形状に設定することにより、人体(H)が検
知エリア(E1),(E2)に進入した場合は、人体
(H)が検知エリア(E1),(E2)の上下方向の殆
どのスペースを占めるよう位置して通過することによ
り、検知レベルよりも高いレベルの信号が出力され、一
方、人体(H)に対し格段に背の低い犬や猫等の小動物
(M)が検知エリア(E1),(E2)に進入した場合
には、検知エリア(E1),(E2)の下部の一部分の
スペースを占めるだけであって検知レベルよりも低いレ
ベルの信号が出力されることにより、小動物(M)によ
る誤検知動作を防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人体(H)
や小動物(M)等の移動物体と背景の床面等とが適当な
温度差である場合には、人体(H)による出力信号が図
13(a)に一点鎖線で図示した検知レベル以上とな
り、小動物(M)による出力信号が図14(a)に一点
線で図示した検知レベル以下となり、小動物(M)によ
る誤検知動作を確実に防止できる。然し乍ら、移動物体
と背景の床面等との温度差が非常に大きい状況では、図
13(b)に示す人体(H)による出力信号が一点鎖線
で図示した検知レベルを超えるだけでなく、図14
(b)に示す小動物(M)による出力信号も人体(H)
による検知信号に比しレベルが相対的に低いにも拘わら
ず一点鎖線で図示した検知レベル以上となってしまい、
小動物(M)による誤検知動作する問題がある。
【0006】そこで本発明は、検知エリアの状況に拘わ
らず小動物が検知エリアに進入することによる赤外線エ
ネルギーの変化の誤検知を確実に防止できる受動型赤外
線検知装置を提供することを技術的課題とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を達成するための技術的手段として、受動型赤外線検知
装置を次のように構成した。即ち、所定の検知エリアか
らの放射赤外線を光学系により集光して赤外線検知器の
赤外線検知素子に入射し、この入射赤外線を該赤外線検
知素子により入射変動量に応じた電気信号に変換し、こ
の電気信号が検知レベル以上となった時に検知信号を出
力するようになった受動型赤外線検知装置において、前
記光学系を通じ鉛直方向の検知エリアを設定できる縦方
向設定用の前記赤外線検知素子と、該光学系を通じ水平
方向の検知エリアを設定できる横方向設定用の前記赤外
線検知素子とを、少なくとも備え、この縦方向設定用赤
外線検知素子と横方向設定用赤外線検知素子とを、該両
検知素子による各々の検知エリアを一つの検知空間内に
設定できるよう配設し、該両検知素子の各々の出力信号
のピーク値または絶対値の差或いは比を減算する演算回
路と、この演算回路の出力信号レベルが検知レベル以上
である時に検知信号を出力する判別回路とを備えたこと
を特徴として構成されている。
【0008】
【作用】人体が通過する場合、縦方向設定用赤外線検知
素子に対応する鉛直方向の縦長の検知エリアをそのスペ
ースの殆どを占めながら通過するので、それによる赤外
線エネルギーの変動を赤外線検知素子により検知されて
ピーク値の大きな信号が出力される。一方、横方向設定
用赤外線検知素子に対応する水平方向の横長の検知エリ
アに対しては、その一部分を赤外線検知素子に対し逆極
性に接続されている二つのエリアを同時に横切りながら
通過するので、赤外線検知素子からはレベルの低い信号
が出力される。演算回路において、前述のレベルの大き
な信号からレベルの小さな信号を減算するよう信号処理
されると、演算結果の信号はレベルの大きな信号とな
り、判別回路で検知レベル以上であると判別されて検知
信号が出力される。
【0009】次に、小動物が通過する場合、縦方向設定
用赤外線検知素子に対応する鉛直方向の縦長の検知エリ
アの下方の一部分のみを横切るので、人体の場合に比し
格段に小さいレベルの信号が出力される。一方、横方向
設定用赤外線検知素子に対応する水平方向の横長の検知
エリアに対してはその一部分を連続的に横切りながら通
過するので、この横方向設定用赤外線検知素子からは、
縦方向設定用赤外線検知素子と略同レベルの信号が出力
される。そして、演算回路において、略同レベルの二つ
の信号を減算処理して略零に近いレベルの信号が出力さ
れるので、判別回路で検知レベル以下であると判別す
る。
【0010】従って、人体や小動物等の移動物体と背景
との温度差が大きくなった場合、人体が通過することに
よる両赤外線検知素子の各々の出力信号の差が更に大き
くなるのに対し、小動物が通過することによる両赤外線
検知素子の各信号が共に同程度に大きくなるので、この
両信号を減算する演算回路の出力信号は常に略零のレベ
ルとなり、小動物による検知信号の誤出力動作を極めて
確実に防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら詳述する。図1は本発明の第1の実施例
の概略光学図を示し、同図において図12と同等のもの
には同一の符号を付してその説明を省略する。そして、
図12で示したと同等の2個の赤外線検知器(3),
(4)を備えるとともに、一方の検知器(3)を、光学
系(2)に対し一対の焦電型の赤外線検知素子(3
a),(3b)により人体(H)の背丈に対応した縦長
の検知エリア(e1),(e2)を設定できるよう配置
するとともに、他方の検知器(4)を、光学系(2)に
対し一対の焦電型の赤外線検知素子(4a),(4b)
により小動物(M)に対応した横長の検知エリア(e
3),(e4)を設定できるよう配置している。
【0012】図2は前記実施例の電気系のブロック構成
図を示し、同図において図1と同一のものには同一の符
号を付してある。そして、二つの赤外線検知器(3),
(4)は同一構成になっており、それぞれにおいて、光
学系(2)により集光されて入射する赤外線光束をその
変動量に応じた電気信号に変換する各赤外線検知器
(3),(4)の各々の一対の赤外線検知素子(3
a),(3b)、(4a),(4b)が、互いに逆極性
に直列に差動接続されており、この各々一対の赤外線検
知素子(3a),(3b)、(4a),(4b)におい
て入射赤外線光束により発生する電荷が、高抵抗値の入
力抵抗(R1)を介して放電され、且つ電界効果トラン
ジスタ(F)によりインピーダンス変換され、直流電源
(+B)に電界効果トランジスタ(F)を介して直列接
続された2個の増幅用抵抗(R2),(R3)を通じて
増幅した信号を取り出すソース・フォロワ構成になって
いる。
【0013】そして、各赤外線検知器(3),(4)か
らの出力信号が、それぞれ個別の増幅回路(7),
(8)で増幅された後にピークホールド回路(9),
(10)で正および負のピーク値を抽出されて保持され
る。この両ピークホールド回路(9),(10)からの
各ピークホールド信号が所定時間経過後に演算回路(1
1)で減算するよう演算処理され、その演算結果の信号
のレベルが検知レベル以上であるか否かを判別回路(1
2)で比較判別され、検知レベル以上である場合に検知
信号が出力される。
【0014】次に、上述の信号処理動作を、人体(H)
が各検知エリア(e1)〜(e4)を通過した場合の信
号を示す図3および同様に小動物(M)の場合の信号を
示す図4を参照しながら詳述する。人体(H)が通過す
る場合、第1の赤外線検知器(3)に対応する縦長の一
対の検知エリア(e1),(e2)をそれぞれのスペー
スの殆どを占めながら順に通過するので、それによる赤
外線エネルギーの変動を各赤外線検知素子(3a),
(3b)により検知され、第1の赤外線検知器(3)か
らは、図3(a)に示すように、大きな正のピーク値
(a1)と大きな負のピーク値(b1 )とを有する信号
が出力される。一方、第2の赤外線検知器(4)に対応
する横長であって上下に平行に設定された一対の検知エ
リア(e3),(e4)に対しては同時に横切るので、
これによる赤外線エネルギーの変動を検知する一対の赤
外線検知素子(4a),(4b)の各出力が差動接続に
より打ち消され、第2の赤外線検知器(4)からは、図
3(b)に示すように、小さな正のピーク値(a2)と
小さな負のピーク値(b2)とを有する信号が出力され
る。上述の各ピーク値(a1),(b1)、(a2),
(b2)が各ピークホールド回路(9),(10)で抽
出保持されて演算回路(11)に対し出力される。演算
回路(11)において、大きな正のピーク値(a1)か
ら小さな正のピーク値(a2)を減算するとともに、大
きな負のピーク値(b1)から小さな負のピーク値(b
2)を減算するよう演算処理され、図3(c)に示すよ
うな正,負共にレベルの大きな信号が出力される。従っ
て、判別回路(12)で検知レベル以上であると判別さ
れて移動物体検知信号が出力される。
【0015】次に、小動物(M)が通過する場合、第1
の赤外線検知器(3)に対応する縦長の一対の検知エリ
ア(e1),(e2)における各々の下方の一部分のみ
を順に通過するので、第1の赤外線検知器(3)から
は、図4(a)に示すように、人体の場合に比し格段に
小さい正のピーク値(x1)と同様の負のピーク値(y
1 )とを有する信号が出力される。一方、第2の赤外線
検知器(4)に対応する横長であって上下に平行に設定
された一対の検知エリア(e3),(e4)に対して
は、下方位置の検知エリア(e3)のみを横切るので、
第2の赤外線検知器(4)からは、図4(b)に示すよ
うに、第1の赤外線検知(3)の場合と略同レベルの正
のピーク値(x2)と同様の負のピーク値(y2)とを
有する信号が出力される。上述の各ピーク値(x1),
(y1)、(x2),(y2)が各ピークホールド回路
(9),(10)で抽出保持されて演算回路(11)に
対し出力される。演算回路(11)において、略同レベ
ルの正のピーク値(x1)から小さな正のピーク値(x
2)を減算するとともに、略同レベルの負のピーク値
(y1)から略同レベルの負のピーク値(y2)を減算
するよう演算処理され、図3(c)に示すような略零に
近いレベルの信号が出力されるので、判別回路(12)
で検知レベル以下であると判別する。
【0016】従って、人体(H)や小動物(M)等の移
動物体と背景との温度差が大きくなった場合、人体
(H)が通過した時に第1の赤外線検知器(3)の出力
信号のレベルが大きくなり、且つ第2の赤外線検知器
(4)の出力信号のレベルは打ち消し合うことにより常
に小さな略一定レベルであるため、演算回路(11)の
出力信号レベルは常に検知レベル以上となる。一方、小
動物(M)が通過した場合には、両赤外線検知器
(3),(4)の各信号が共に同程度に大きくなるの
で、これを減算する演算回路(11)の出力信号は常に
略零のレベルとなり、小動物(M)による検知信号の誤
出力動作を極めて確実に防止できる。
【0017】図5は本発明の第2の実施例の概略光学図
を示し、図1と同一若しくは同等のものには同一の符号
を示してあり、異なる点は、赤外線検知器(13)を、
2対4個の赤外線検知素子(3a),(3b),(4
a),(4b)を図1と同様に配置して単一のパッケー
ジに収容した構成としたことのみであり、従って、電気
系のブロック構成は図2と同様であり、この各部の出力
信号の波形も図3および図4と同様であが、第1の実施
例に比較して省スペース化を図れる。
【0018】図6は本発明の第3の実施例の概略光学図
を示し、図1および図5と同一若しくは同等のものには
同一の符号を付してあり、これらと相違する点は、2個
の赤外線検知器(3),(4)に対応して2個の光学系
(2a),(2b)を設けるとともに、各赤外線検知器
(3),(4)とこれに対応する各光学系(2a),
(2b)とを、各赤外線検知素子(3a),(3b)、
(4a),(4b)による検知エリア(e1)〜(e
4)が口字形状に各々の一部が互いに重なる状態に設定
されるよう配置したことのみである。
【0019】この実施例の電気系のブロック構成とし
て、図2のピークホールド回路(9),(10)を除外
するとともに、演算回路(11)において両赤外線検知
器(3),(4)の各出力の増幅信号の絶対値の差を減
算するよう構成した場合について以下に説明する。人体
(H)が通過する場合、第1および第2の赤外線検知器
(3),(4)の出力信号はそれぞれ図7(a),
(b)に示すような波形となる。即ち、各検知エリア
(e1)〜(e4)に対し図1および図5の場合と実質
的に同様に通過するため、図3(a),(b)と略同様
の波形となり、従って、両赤外線検知器(3),(4)
の各信号の絶対値の差を演算した演算回路(11)の出
力信号は、図7(c)に示すように、背景の温度に拘わ
らず常に検知レベル以上の高いピーク値を有する波形と
なる。しかも、各検知エリア(e1)〜(e4)が重な
り合っていることにより、第1および第2の実施例の場
合より両赤外線検知器(3),(4)の各出力の時間的
ずれが少なく、応答性が向上する利点がある。
【0020】一方、小動物(M)が通過する場合も、各
検知エリア(e1)〜(e4)に対し図1および図5の
場合と実質的に同様に通過するため、図8(a),
(b)にそれぞれ示す両赤外線検知器(3),(4)の
出力信号波形は、図4(a),(b)と略同様の波形と
なる。そして、演算回路(11)の出力信号の波形は、
図8(c)に示すように、検知エリア(e3)を通過す
る期間において同時に検知エリア(e1)を通過した後
に検知エリア(e2)を通過することによる通過のタイ
ミングの違いによる出力差しか出ず、この演算回路(1
1)から出力される出力差の信号波形は、背景の温度の
変化に拘わらず常に一定となり、そのピーク値が検知レ
ベル以上になることがない。
【0021】図9(a)は本発明の第4の実施例の概略
光学図を示し、図1、図5および図6と同一若しくは同
等のものには同一の符号を付してある。そして、第3の
実施例の図6と相違する点は、単一の光学系(2)によ
り図6と同様に各検知エリア(e1)〜(e4)が口字
形状に各々の一部が互いに重なり合うよう配置するため
に、赤外線検知器(14)自体に4個の赤外線検知素子
(14a)〜(14d)を口字形状に各々の一部を互い
に重ねた状態に配置して設けた構成としたことのみであ
る。従って、第3の実施例と同様に応答性の向上を得ら
れる他に、第3の実施例に比較して赤外線検知器(1
4)および光学系(2)が共に単一となって更に小型化
を達成できる効果がある。
【0022】尚、前記各実施例では一対の赤外線検知素
子を互いに逆極性に直列接続する場合について説明した
が、図10に示すように、一対の赤外線検知素子(3
a),(3b)を互いに逆並列に差動接続しても、同様
の効果を得ることができる。
【0023】図11は本発明の第5の実施例の概略光学
図を示し、前記第1乃至第4の実施例と同一若しくは同
等のものには同一の符号を付してある。そして、第1の
実施例の図1と相違する点は、小動物判別用の赤外線検
知器(15)を、4個の略正方形状の赤外線検知素子
(15a)〜(15d)を正方形の四隅位置に配置する
状態で備えた構造とし、この赤外線検知素子(15a)
〜(15d)に応じて四つの検知エリア(e5)〜(e
8)が正方形の四隅位置に配置する状態で設定した構成
のみであり、第1および第2の各実施例と略同様の作用
効果を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明の受動型赤外線検知
装置によると、光学系を通じ鉛直方向の検知エリアを設
定できる縦方向設定用赤外線検知素子と、光学系を通じ
水平方向の検知エリアを設定できる横方向設定用赤外線
検知素子とを、少なくとも備え、この両赤外線検知素子
を、該両検知素子による各々の検知エリアを一つの検知
空間内に設定できるよう配設し、該両検知素子の各々の
出力信号のピーク値または絶対値の差を減算する演算回
路と、この演算回路の出力信号レベルが検知レベル以上
である時に検知信号を出力する判別回路を設ける構成と
したので、人体が通過する場合、縦方向設定用赤外線検
知素子に対応する検知エリアを通過した時にピーク値の
大きな信号が出力され、横方向設定用赤外線検知素子に
対応する検知エリアを通過した場合にレベルの低い信号
が出力され、この両信号を減算処理した信号は検知レベ
ル以上のレベルの大きな信号となる。一方、小動物が通
過する場合、各赤外線検知素子から略同レベルの信号を
得られ、この両信号を減算処理して略零に近いレベルの
信号となり、小動物の誤検知動作を確実に防止できる。
従って、人体や小動物等の移動物体と背景との温度差が
大きくなった場合、人体が通過することによる両赤外線
検知素子の各々の出力信号の差が更に大きくなるのに対
し、小動物が通過することによる両赤外線検知素子の各
信号が共に同程度に大きくなってその両信号を減算した
信号は常に略零のレベルとなり、小動物による検知信号
の誤出力動作を背景との温度差に拘わらず常に確実に防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略光学部である。
【図2】同上、電気系のブロック構成図である。
【図3】(a)〜(c)は人体通過による同上の各部の
信号の波形図である。
【図4】(a)〜(c)は小動物通過による同上の各部
の信号の波形図である。
【図5】本発明の第2の実施例の概略光学図である。
【図6】本発明の第3の実施例の概略光学図である。
【図7】(a)〜(c)は人体通過による同上の各部の
信号の波形図である。
【図8】(a)〜(c)は小動物通過による同上の各部
の信号の波形図である。
【図9】(a),(b)はそれぞれ本発明の第4の実施
例の概略光学図および一部の拡大斜視図である。
【図10】赤外線検知器の他例の電気結線図である。
【図11】本発明の第5の実施例の概略光学図である。
【図12】従来装置の概略光学図である。
【図13】(a),(b)は背景温度との差が異なる場
合の人体通過による同上の信号の波形図である。
【図14】(a),(b)は背景温度との差が異なる場
合の小動物通過による同上の信号の波形図である。
【符号の説明】
2,2a,2b 光学系 3,4,13,14 赤外線検知器 3a,3b,14a,14b 縦方向設定用赤外線検知
素子 4a,4b,14c,14d,15a〜15d 横方向
設定用赤外線検知素子 e1〜e8 検知エリア
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 受動型赤外線検知装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動ドアの開
閉や防犯警報装置の作動の制御に際し検知エリア内への
人体の進入を検出するために検知エリアからの入射赤外
線エネルギーの変化を検知する受動型赤外線検知装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】斯かる受動型赤外線検知装置は、絶対零
度以上のあらゆる物体がその温度に応じた赤外線を放射
している現象を利用したもので、一般に以下のような構
成になっている。即ち、光学系により建造物の床面等に
所定の検知エリアを設定し、この検知エリアから放射さ
れる赤外線を光学系により集光して赤外線検知器の赤外
線検知素子に入射させ、検知エリア内に人体等の移動物
体が進入することにより生じる赤外線エネルギー量の変
化を赤外線検知素子から電圧に変換して出力される電気
信号により検知し、この電気信号が所定のレベルを超え
た時に人体等の検知信号を出力させるよう構成されたも
のであり、自動ドアの開閉や防犯警報装置の作動のため
の起動スイッチとして広く採用されている。
【0003】そして、この種の受動型赤外線検知装置で
は、強い風が吹く等に起因する検知エリアの背景の温度
変化、外来の電波ノイズまたは太陽光等の外乱光等によ
る赤外線エネルギーの変化を誤検知しないように、図1
2に示すように、2個一対(4個以上の複数対のものも
存在する)の赤外線検知素子(1a),(1b)を備え
た赤外線検知器(1)を用いるとともに、この両赤外線
検知素子(1a),(1b)を互いに逆極性に並列また
は直列に差動接続し、更に、この両赤外線検知素子(1
a),(1b)に対応する二つの検知エリア(E1),
(E2)を、光学系(2)により人体(H)の背丈に対
応した鉛直方向の縦長形状に設定している。
【0004】それにより、人体(H)や小動物(M)等
の移動物体が各検知エリア(E1),(E2)を或る時
間差で通過するのに対し、各検知エリア(E1),(E
2)に同時に発生する外乱光等による背景雑音を打ち消
し合ってキャンセルすることにより、誤検知を防止する
ようにしている。また、各検知エリア(E1),(E
2)を縦長形状に設定することにより、人体(H)が検
知エリア(E1),(E2)に進入した場合は、人体
(H)が検知エリア(E1),(E2)の上下方向の殆
どのスペースを占めるよう位置して通過することによ
り、検知レベルよりも高いレベルの信号が出力され、一
方、人体(H)に対し格段に背の低い犬や猫等の小動物
(M)が検知エリア(E1),(E2)に進入した場合
には、検知エリア(E1),(E2)の下部の一部分の
スペースを占めるだけであって検知レベルよりも低いレ
ベルの信号が出力されることにより、小動物(M)によ
る誤検知動作を防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人体(H)
や小動物(M)等の移動物体と背景の床面等とが適当な
温度差である場合には、人体(H)による出力信号が図
13(a)に一点鎖線で図示した検知レベル以上とな
り、小動物(M)による出力信号が図14(a)に一点
線で図示した検知レベル以下となり、小動物(M)によ
る誤検知動作を確実に防止できる。然し乍ら、移動物体
と背景の床面等との温度差が非常に大きい状況では、図
13(b)に示す人体(H)による出力信号が一点鎖線
で図示した検知レベルを超えるだけでなく、図14
(b)に示す小動物(M)による出力信号も人体(H)
による検知信号に比しレベルが相対的に低いにも拘わら
ず一点鎖線で図示した検知レベル以上となってしまい、
小動物(M)による誤検知動作する問題がある。
【0006】そこで本発明は、検知エリアの状況に拘わ
らず小動物が検知エリアに進入することによる赤外線エ
ネルギーの変化の誤検知を確実に防止できる受動型赤外
線検知装置を提供することを技術的課題とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を達成するための技術的手段として、受動型赤外線検知
装置を次のように構成した。即ち、所定の検知エリアか
らの放射赤外線を光学系により集光して赤外線検知器の
赤外線検知素子に入射し、この入射赤外線を該赤外線検
知素子により入射変動量に応じた電気信号に変換し、こ
の電気信号が検知レベル以上となった時に検知信号を出
力するようになった受動型赤外線検知装置において、前
記光学系を通じ鉛直方向の検知エリアを設定できる縦方
向設定用の前記赤外線検知素子と、該光学系を通じ水平
方向の検知エリアを設定できる横方向設定用の前記赤外
線検知素子とを、少なくとも備え、この縦方向設定用赤
外線検知素子と横方向設定用赤外線検知素子とを、該両
検知素子による各々の検知エリアを一つの検知空間内に
設定できるよう配設し、該両検知素子の各々の出力信号
のピーク値または絶対値の差或いは比を演算する演算回
路と、この演算回路の出力信号レベルが検知レベル以上
である時に検知信号を出力する判別回路とを備えたこと
を特徴として構成されている。
【0008】
【作用】人体が通過する場合、縦方向設定用赤外線検知
素子に対応する鉛直方向の縦長の検知エリアをそのスペ
ースの殆どを占めながら通過するので、それによる赤外
線エネルギーの変動を赤外線検知素子により検知されて
ピーク値の大きな信号が出力される。一方、横方向設定
用赤外線検知素子に対応する水平方向の横長の検知エリ
アに対しては、その一部分を赤外線検知素子に対し逆極
性に接続されている二つのエリアを同時に横切りながら
通過するので、赤外線検知素子からはレベルの低い信号
が出力される。演算回路において、前述のレベルの大き
な信号からレベルの小さな信号を減算するよう信号処理
されると、演算結果の信号はレベルの大きな信号とな
り、判別回路で検知レベル以上であると判別されて検知
信号が出力される。
【0009】次に、小動物が通過する場合、縦方向設定
用赤外線検知素子に対応する鉛直方向の縦長の検知エリ
アの下方の一部分のみを横切るので、人体の場合に比し
格段に小さいレベルの信号が出力される。一方、横方向
設定用赤外線検知素子に対応する水平方向の横長の検知
エリアに対してはその一部分を連続的に横切りながら通
過するので、この横方向設定用赤外線検知素子からは、
縦方向設定用赤外線検知素子と略同レベルの信号が出力
される。そして、演算回路において、略同レベルの二つ
の信号を減算処理して略零に近いレベルの信号が出力さ
れるので、判別回路で検知レベル以下であると判別す
る。
【0010】従って、人体や小動物等の移動物体と背景
との温度差が大きくなった場合、人体が通過することに
よる両赤外線検知素子の各々の出力信号の差が更に大き
くなるのに対し、小動物が通過することによる両赤外線
検知素子の各信号が共に同程度に大きくなるので、この
両信号を減算する演算回路の出力信号は常に略零のレベ
ルとなり、小動物による検知信号の誤出力動作を極めて
確実に防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら詳述する。図1は本発明の第1の実施例
の概略光学図を示し、同図において図12と同等のもの
には同一の符号を付してその説明を省略する。そして、
図12で示したと同等の2個の赤外線検知器(3),
(4)を備えるとともに、一方の検知器(3)を、光学
系(2)に対し一対の焦電型の赤外線検知素子(3
a),(3b)により人体(H)の背丈に対応した縦長
の検知エリア(e1),(e2)を設定できるよう配置
するとともに、他方の検知器(4)を、光学系(2)に
対し一対の焦電型の赤外線検知素子(4a),(4b)
により小動物(M)に対応した横長の検知エリア(e
3),(e4)を設定できるよう配置している。
【0012】図2は前記実施例の電気系のブロック構成
図を示し、同図において図1と同一のものには同一の符
号を付してある。そして、二つの赤外線検知器(3),
(4)は同一構成になっており、それぞれにおいて、光
学系(2)により集光されて入射する赤外線光束をその
変動量に応じた電気信号に変換する各赤外線検知器
(3),(4)の各々の一対の赤外線検知素子(3
a),(3b)、(4a),(4b)が、互いに逆極性
に直列に差動接続されており、この各々一対の赤外線検
知素子(3a),(3b)、(4a),(4b)におい
て入射赤外線光束により発生する電荷が、高抵抗値の入
力抵抗(R1)を介して放電され、且つ電界効果トラン
ジスタ(F)によりインピーダンス変換され、直流電源
(+B)に電界効果トランジスタ(F)を介して直列接
続された2個の増幅用抵抗(R2),(R3)を通じて
インピーダンス変換した信号を取り出すソース・フォロ
ワ構成になっている。
【0013】そして、各赤外線検知器(3),(4)か
らの出力信号が、それぞれ個別の増幅回路(7),
(8)で増幅された後にピークホールド回路(9),
(10)で正および負のピーク値を抽出されて保持され
る。この両ピークホールド回路(9),(10)からの
各ピークホールド信号が所定時間経過後に演算回路(1
1)で減算するよう演算処理され、その演算結果の信号
のレベルが検知レベル以上であるか否かを判別回路(1
2)で比較判別され、検知レベル以上である場合に検知
信号が出力される。
【0014】次に、上述の信号処理動作を、人体(H)
が各検知エリア(e1)〜(e4)を通過した場合の信
号を示す図3および同様に小動物(M)の場合の信号を
示す図4を参照しながら詳述する。人体(H)が通過す
る場合、第1の赤外線検知器(3)に対応する縦長の一
対の検知エリア(e1),(e2)をそれぞれのスペー
スの殆どを占めながら順に通過するので、それによる赤
外線エネルギーの変動を各赤外線検知素子(3a),
(3b)により検知され、第1の赤外線検知器(3)か
らは、図3(a)に示すように、大きな正のピーク値
(a1)と大きな負のピーク値(b1 )とを有する信号
が出力される。一方、第2の赤外線検知器(4)に対応
する横長であって上下に平行に設定された一対の検知エ
リア(e3),(e4)に対しては同時に横切るので、
これによる赤外線エネルギーの変動を検知する一対の赤
外線検知素子(4a),(4b)の各出力が差動接続に
より打ち消され、第2の赤外線検知器(4)からは、図
3(b)に示すように、小さな正のピーク値(a2)と
小さな負のピーク値(b2)とを有する信号が出力され
る。上述の各ピーク値(a1),(b1)、(a2),
(b2)が各ピークホールド回路(9),(10)で抽
出保持されて演算回路(11)に対し出力される。演算
回路(11)において、大きな正のピーク値(a1)か
ら小さな正のピーク値(a2)を減算するとともに、大
きな負のピーク値(b1)から小さな負のピーク値(b
2)を減算するよう演算処理され、図3(c)に示すよ
うな正,負共にレベルの大きな信号が出力される。従っ
て、判別回路(12)で検知レベル以上であると判別さ
れて移動物体検知信号が出力される。
【0015】次に、小動物(M)が通過する場合、第1
の赤外線検知器(3)に対応する縦長の一対の検知エリ
ア(e1),(e2)における各々の下方の一部分のみ
を順に通過するので、第1の赤外線検知器(3)から
は、図4(a)に示すように、人体の場合に比し格段に
小さい正のピーク値(x1)と同様の負のピーク値(y
1 )とを有する信号が出力される。一方、第2の赤外線
検知器(4)に対応する横長であって上下に平行に設定
された一対の検知エリア(e3),(e4)に対して
は、下方位置の検知エリア(e3)のみを横切るので、
第2の赤外線検知器(4)からは、図4(b)に示すよ
うに、第1の赤外線検知(3)の場合と略同レベルの正
のピーク値(x2)と同様の負のピーク値(y2)とを
有する信号が出力される。上述の各ピーク値(x1),
(y1)、(x2),(y2)が各ピークホールド回路
(9),(10)で抽出保持されて演算回路(11)に
対し出力される。演算回路(11)において、略同レベ
ルの正のピーク値(x1)から小さな正のピーク値(x
2)を減算するとともに、略同レベルの負のピーク値
(y1)から略同レベルの負のピーク値(y2)を減算
するよう演算処理され、図(c)に示すような略零に
近いレベルの信号が出力されるので、判別回路(12)
で検知レベル以下であると判別する。
【0016】従って、人体(H)や小動物(M)等の移
動物体と背景との温度差が大きくなった場合、人体
(H)が通過した時に第1の赤外線検知器(3)の出力
信号のレベルが大きくなり、且つ第2の赤外線検知器
(4)の出力信号のレベルは打ち消し合うことにより常
に小さな略一定レベルであるため、演算回路(11)の
出力信号レベルは常に検知レベル以上となる。一方、小
動物(M)が通過した場合には、両赤外線検知器
(3),(4)の各信号が共に同程度に大きくなるの
で、これを減算する演算回路(11)の出力信号は常に
略零のレベルとなり、小動物(M)による検知信号の誤
出力動作を極めて確実に防止できる。
【0017】図5は本発明の第2の実施例の概略光学図
を示し、図1と同一若しくは同等のものには同一の符号
を示してあり、異なる点は、赤外線検知器(13)を、
2対4個の赤外線検知素子(3a),(3b),(4
a),(4b)を図1と同様に配置して単一のパッケー
ジに収容した構成としたことのみであり、従って、電気
系のブロック構成は図2と同様であり、この各部の出力
信号の波形も図3および図4と同様であが、第1の実施
例に比較して省スペース化を図れる。
【0018】図6は本発明の第3の実施例の概略光学図
を示し、図1および図5と同一若しくは同等のものには
同一の符号を付してあり、これらと相違する点は、2個
の赤外線検知器(3),(4)に対応して2個の光学系
(2a),(2b)を設けるとともに、各赤外線検知器
(3),(4)とこれに対応する各光学系(2a),
(2b)とを、各赤外線検知素子(3a),(3b)、
(4a),(4b)による検知エリア(e1)〜(e
4)が口字形状に各々の一部が互いに重なる状態に設定
されるよう配置したことのみである。
【0019】この実施例の電気系のブロック構成とし
て、図2のピークホールド回路(9),(10)のピー
クホールド時間を短縮するとともに、演算回路(11)
において両赤外線検知器(3),(4)の各出力の増幅
信号の絶対値の差を減算するよう構成した場合について
以下に説明する。人体(H)が通過する場合、第1およ
び第2の赤外線検知器(3),(4)の出力信号はそれ
ぞれ図7(a),(b)に示すような波形となる。即
ち、各検知エリア(e1)〜(e4)に対し図1および
図5の場合と実質的に同様に通過するため、図3
(a),(b)と略同様の波形となり、従って、両赤外
線検知器(3),(4)の各信号のピーク値の差を演算
した演算回路(11)の出力信号は、図7(c)に示す
ように、背景の温度に拘わらず常に検知レベル以上の高
いピーク値を有する波形となる。しかも、各検知エリア
(e1)〜(e4)が重なり合っていることにより、第
1および第2の実施例の場合より両赤外線検知器
(3),(4)の各出力の時間的ずれが少なく、ピーク
ホールド回路のピークホールド時間が短縮する分、応答
性が向上する利点がある。
【0020】一方、小動物(M)が通過する場合も、各
検知エリア(e1)〜(e4)に対し図1および図5の
場合と実質的に同様に通過するため、図8(a),
(b)にそれぞれ示す両赤外線検知器(3),(4)の
出力信号波形は、図4(a),(b)と略同様の波形と
なる。そして、演算回路(11)の出力信号の波形は、
図8(c)に示すように、検知エリア(e3)を通過す
る期間において同時に検知エリア(e1)を通過した後
に検知エリア(e2)を通過することによる通過のタイ
ミングの違いによる出力差しか出ず、この演算回路(1
1)から出力される出力差の信号波形は、背景の温度の
変化に拘わらず常に一定となり、そのピーク値が検知レ
ベル以上になることがない。
【0021】図9(a)は本発明の第4の実施例の概略
光学図を示し、図1、図5および図6と同一若しくは同
等のものには同一の符号を付してある。そして、第3の
実施例の図6と相違する点は、単一の光学系(2)によ
り図6と同様に各検知エリア(e1)〜(e4)が口字
形状に各々の一部が互いに重なり合うよう配置するため
に、赤外線検知器(14)自体に4個の赤外線検知素子
(14a)〜(14d)を口字形状に各々の一部を互い
に重ねた状態に配置して設けた構成としたことのみであ
る。従って、第3の実施例と同様に応答性の向上を得ら
れる他に、第3の実施例に比較して赤外線検知器(1
4)および光学系(2)が共に単一となって更に小型化
を達成できる効果がある。
【0022】尚、前記各実施例では一対の赤外線検知素
子を互いに逆極性に直列接続する場合について説明した
が、図10に示すように、一対の赤外線検知素子(3
a),(3b)を互いに逆並列に差動接続しても、同様
の効果を得ることができる。
【0023】図11は本発明の第5の実施例の概略光学
図を示し、前記第1乃至第4の実施例と同一若しくは同
等のものには同一の符号を付してある。そして、第1の
実施例の図1と相違する点は、小動物判別用の赤外線検
知器(15)を、4個の略正方形状の赤外線検知素子
(15a)〜(15d)を正方形の四隅位置に配置する
状態で備えた構造とし、この赤外線検知素子(15a)
〜(15d)に応じて四つの検知エリア(e5)〜(e
8)が正方形の四隅位置に配置する状態で設定した構成
のみであり、第1および第2の各実施例と略同様の作用
効果を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明の受動型赤外線検知
装置によると、光学系を通じ鉛直方向の検知エリアを設
定できる縦方向設定用赤外線検知素子と、光学系を通じ
水平方向の検知エリアを設定できる横方向設定用赤外線
検知素子とを、少なくとも備え、この両赤外線検知素子
を、該両検知素子による各々の検知エリアを一つの検知
空間内に設定できるよう配設し、該両検知素子の各々の
出力信号のピーク値または絶対値の差を減算する演算回
路と、この演算回路の出力信号レベルが検知レベル以上
である時に検知信号を出力する判別回路を設ける構成と
したので、人体が通過する場合、縦方向設定用赤外線検
知素子に対応する検知エリアを通過した時にピーク値の
大きな信号が出力され、横方向設定用赤外線検知素子に
対応する検知エリアを通過した場合にレベルの低い信号
が出力され、この両信号を減算処理した信号は検知レベ
ル以上のレベルの大きな信号となる。一方、小動物が通
過する場合、各赤外線検知素子から略同レベルの信号を
得られ、この両信号を減算処理して略零に近いレベルの
信号となり、小動物の誤検知動作を確実に防止できる。
従って、人体や小動物等の移動物体と背景との温度差が
大きくなった場合、人体が通過することによる両赤外線
検知素子の各々の出力信号の差が更に大きくなるのに対
し、小動物が通過することによる両赤外線検知素子の各
信号が共に同程度に大きくなってその両信号を減算した
信号は常に略零のレベルとなり、小動物による検知信号
の誤出力動作を背景との温度差に拘わらず常に確実に防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略光学部である。
【図2】同上、電気系のブロック構成図である。
【図3】(a)〜(c)は人体通過による同上の各部の
信号の波形図である。
【図4】(a)〜(c)は小動物通過による同上の各部
の信号の波形図である。
【図5】本発明の第2の実施例の概略光学図である。
【図6】本発明の第3の実施例の概略光学図である。
【図7】(a)〜(c)は人体通過による同上の各部の
信号の波形図である。
【図8】(a)〜(c)は小動物通過による同上の各部
の信号の波形図である。
【図9】(a),(b)はそれぞれ本発明の第4の実施
例の概略光学図および一部の拡大斜視図である。
【図10】赤外線検知器の他例の電気結線図である。
【図11】本発明の第5の実施例の概略光学図である。
【図12】従来装置の概略光学図である。
【図13】(a),(b)は背景温度との差が異なる場
合の人体通過による同上の信号の波形図である。
【図14】(a),(b)は背景温度との差が異なる場
合の小動物通過による同上の信号の波形図である。
【符号の説明】 2,2a,2b 光学系 3,4,13,14,15 赤外線検知器 3a,3b,14a,14b 縦方向設定用赤外線検知
素子 4a,4b,14c,14d,15a〜15d 横方向
設定用赤外線検知素子 e1〜e8 検知エリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 記一 滋賀県大津市におの浜4丁目7番5号 オ プテックス株式会社内 (72)発明者 大河 真吾 滋賀県大津市におの浜4丁目7番5号 オ プテックス株式会社内 (72)発明者 天野 博之 滋賀県大津市におの浜4丁目7番5号 オ プテックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の検知エリアからの放射赤外線を光
    学系により集光して赤外線検知器の赤外線検知素子に入
    射し、この入射赤外線を該赤外線検知素子により入射変
    動量に応じた電気信号に変換し、この電気信号が検知レ
    ベル以上となった時に検知信号を出力するようになった
    受動型赤外線検知装置において、前記光学系を通じ鉛直
    方向の検知エリアを設定できる縦方向設定用の前記赤外
    線検知素子と、該光学系を通じ水平方向の検知エリアを
    設定できる横方向設定用の前記赤外線検知素子とを、少
    なくとも備え、この縦方向設定用赤外線検知素子と横方
    向設定用赤外線検知素子とを、該両検知素子による各々
    の検知エリアを一つの検知空間内に設定できるよう配設
    し、該両検知素子の各々の出力信号のピーク値または絶
    対値の差或いは比を減算する演算回路と、この演算回路
    の出力信号レベルが検知レベル以上である時に検知信号
    を出力する判別回路とを備えたことを特徴とする受動型
    赤外線検知装置。
  2. 【請求項2】 2個一対の前記縦方向設定用赤外線検知
    素子を、これによる二つの鉛直方向の検知エリアを平行
    に設定できるよう配設するとともに、互いに逆極性に差
    動接続し、2個一対の前記横方向設定用赤外線検知素子
    を、これによる二つの水平方向の検知エリアを平行に設
    定できるよう配設するとともに、互いに逆極性に差動接
    続したことを特徴とする請求項1に記載の受動型赤外線
    検知装置。
  3. 【請求項3】 前記縦方向設定用赤外線検知素子と前記
    横方向設定用赤外線検知素子とを、該各検知素子による
    各々の検知エリアの一部が互いに重なり合って設定する
    よう配設したことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の受動型赤外線検知装置。
  4. 【請求項4】 前記縦方向設定用赤外線検知素子と前記
    横方向設定用赤外線検知素子とを各々の一部が互いに重
    なり合うよう単一のパッケージ内に配設して前記赤外線
    検知器を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項
    3の何れかに記載の受動型赤外線検知装置。
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