JP3005073B2 - ラックピニオン式油圧パワーステアリング装置 - Google Patents
ラックピニオン式油圧パワーステアリング装置Info
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- JP3005073B2 JP3005073B2 JP3157686A JP15768691A JP3005073B2 JP 3005073 B2 JP3005073 B2 JP 3005073B2 JP 3157686 A JP3157686 A JP 3157686A JP 15768691 A JP15768691 A JP 15768691A JP 3005073 B2 JP3005073 B2 JP 3005073B2
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- Japan
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- rack
- closing member
- opening
- flow path
- support yoke
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラックピニオン式油圧
パワーステアリング装置におけるラックの移動規制構造
の改良に関する。
パワーステアリング装置におけるラックの移動規制構造
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両幅方向移動により操向用車輪を操舵
するラックと、このラックと同行移動する被当接部に当
接することでラックの車両幅方向移動を一定範囲に規制
するストッパーと、操向操作の補助力を付与する油圧シ
リンダとを備えるラックピニオン式油圧パワーステアリ
ング装置が用いられている。
するラックと、このラックと同行移動する被当接部に当
接することでラックの車両幅方向移動を一定範囲に規制
するストッパーと、操向操作の補助力を付与する油圧シ
リンダとを備えるラックピニオン式油圧パワーステアリ
ング装置が用いられている。
【0003】このような油圧パワーステアリング装置に
おいて、被当接部がストッパーに当接するまで油圧シリ
ンダに高圧油を供給すると、その当接の際に大きな打撃
音や衝撃を生じ、また、不必要に操向操作の補助力を付
与することになる。
おいて、被当接部がストッパーに当接するまで油圧シリ
ンダに高圧油を供給すると、その当接の際に大きな打撃
音や衝撃を生じ、また、不必要に操向操作の補助力を付
与することになる。
【0004】そこで、ラックが移動端に達する直前に操
向操作の補助力を解除することが、実開昭60‐122
277号公報に開示されている。これは、操向操作の補
助力を付与する油圧シリンダのシリンダチューブの内周
面に凹部を形成し、ラックが移動端に達する直前に油圧
シリンダのピストンが凹部内に入り込むようにすること
で、油圧シリンダの左右の油室を連通して操向操作の補
助力を解除するようにしたものである。
向操作の補助力を解除することが、実開昭60‐122
277号公報に開示されている。これは、操向操作の補
助力を付与する油圧シリンダのシリンダチューブの内周
面に凹部を形成し、ラックが移動端に達する直前に油圧
シリンダのピストンが凹部内に入り込むようにすること
で、油圧シリンダの左右の油室を連通して操向操作の補
助力を解除するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】操向操作の補助力を付
与する油圧シリンダのピストンの外周には、シリンダチ
ューブの内周に接するシールリングが取り付けられる。
そのため、上記従来のパワーステアリング装置のように
シリンダチューブの内周面に凹部を形成すると、その凹
部に入り込んだピストンが移動する際にシールリングが
凹部の縁に引っ掛かり破損してしまい、実用に供するこ
とができない。
与する油圧シリンダのピストンの外周には、シリンダチ
ューブの内周に接するシールリングが取り付けられる。
そのため、上記従来のパワーステアリング装置のように
シリンダチューブの内周面に凹部を形成すると、その凹
部に入り込んだピストンが移動する際にシールリングが
凹部の縁に引っ掛かり破損してしまい、実用に供するこ
とができない。
【0006】本発明は上記従来技術の問題を解決するこ
とのできるラックピニオン式油圧パワーステアリング装
置を提供することを目的とする。
とのできるラックピニオン式油圧パワーステアリング装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、車両幅方向移動により操向用車輪を操舵するラッ
クと、このラックの車両幅方向移動を一定範囲に規制す
る規制手段と、操向操作の補助力を付与する油圧シリン
ダと、そのラックを覆うハウジング内に移動可能に設け
られるサポートヨークと、そのサポートヨークを介して
ラックをピニオンに押し付けるバネとを備えるラックピ
ニオン式油圧パワーステアリング装置において、前記油
圧シリンダに供給される高圧油の流路を低圧側に接続す
るバイパス流路と、このバイパス流路を開閉可能とする
開閉部材とが設けられ、その開閉部材は前記サポートヨ
ークに移動可能に挿入され、その開閉部材の移動方向は
サポートヨークの移動方向と等しくされ、この開閉部材
とラックとが、ラックが移動端に近接すると開閉部材が
バイパス流路を開く方向に移動すると共に、ラックが移
動端から離反すると開閉部材がバイパス流路を閉鎖する
方向に移動するように、カムを介し係合する点にある。
ろは、車両幅方向移動により操向用車輪を操舵するラッ
クと、このラックの車両幅方向移動を一定範囲に規制す
る規制手段と、操向操作の補助力を付与する油圧シリン
ダと、そのラックを覆うハウジング内に移動可能に設け
られるサポートヨークと、そのサポートヨークを介して
ラックをピニオンに押し付けるバネとを備えるラックピ
ニオン式油圧パワーステアリング装置において、前記油
圧シリンダに供給される高圧油の流路を低圧側に接続す
るバイパス流路と、このバイパス流路を開閉可能とする
開閉部材とが設けられ、その開閉部材は前記サポートヨ
ークに移動可能に挿入され、その開閉部材の移動方向は
サポートヨークの移動方向と等しくされ、この開閉部材
とラックとが、ラックが移動端に近接すると開閉部材が
バイパス流路を開く方向に移動すると共に、ラックが移
動端から離反すると開閉部材がバイパス流路を閉鎖する
方向に移動するように、カムを介し係合する点にある。
【0008】
【作用】本発明の構成によれば、ラックが移動端に近接
すると開閉部材がバイパス流路を開く方向に移動する。
これにより、油圧シリンダに供給される高圧油は低圧側
に流れることから、操向操作の補助力を低減したりなく
すことができる。
すると開閉部材がバイパス流路を開く方向に移動する。
これにより、油圧シリンダに供給される高圧油は低圧側
に流れることから、操向操作の補助力を低減したりなく
すことができる。
【0009】また、ラックが移動端から離反すると開閉
部材がバイパス流路を閉鎖する方向に移動する。これに
より、油圧シリンダに高圧油が供給されて操向操作の補
助力が付与される。その開閉部材はサポートヨークに移
動可能に挿入され、開閉部材の移動方向とサポートヨー
クの移動方向とは等しくされているので、開閉部材を設
けるための新たな設置空間や、開閉部材を移動方向に案
内する専用のガイドを設ける必要がなく、しかもサポー
トヨークによるラックのピニオンへのバネの弾性力によ
る押し付けが阻害されることがなく、構成が非常に簡単
化、小型化される。
部材がバイパス流路を閉鎖する方向に移動する。これに
より、油圧シリンダに高圧油が供給されて操向操作の補
助力が付与される。その開閉部材はサポートヨークに移
動可能に挿入され、開閉部材の移動方向とサポートヨー
クの移動方向とは等しくされているので、開閉部材を設
けるための新たな設置空間や、開閉部材を移動方向に案
内する専用のガイドを設ける必要がなく、しかもサポー
トヨークによるラックのピニオンへのバネの弾性力によ
る押し付けが阻害されることがなく、構成が非常に簡単
化、小型化される。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
する。
【0011】図1および図2に示すラックピニオン式油
圧パワーステアリング装置1は、自動車のハンドル(図
示省略)に連結される入力軸2と、この入力軸2にトー
ションバー3を介して連結されるピニオン4と、このピ
ニオン4に噛み合うラック5とを備えている。このラッ
ク5の両端にはボールジョイント6、7を介して操向用
車輪Wが連結されている。これにより、ハンドルの操作
により入力軸2の回転がトーションバー3を介してピニ
オン4に伝達され、このピニオン4の回転によりラック
5が車両幅方向に移動して操向用車輪Wの操舵がなされ
る。
圧パワーステアリング装置1は、自動車のハンドル(図
示省略)に連結される入力軸2と、この入力軸2にトー
ションバー3を介して連結されるピニオン4と、このピ
ニオン4に噛み合うラック5とを備えている。このラッ
ク5の両端にはボールジョイント6、7を介して操向用
車輪Wが連結されている。これにより、ハンドルの操作
により入力軸2の回転がトーションバー3を介してピニ
オン4に伝達され、このピニオン4の回転によりラック
5が車両幅方向に移動して操向用車輪Wの操舵がなされ
る。
【0012】そのラック5の車両幅方向移動を一定範囲
に規制するため、ラックハウジング11の両端にストッ
パー40、41が形成されている。これにより、ラック
5が移動端に達すると、そのストッパー40、41にラ
ック5の両端に取り付けられる前記ボールジョイント
6、7が当接し、ラックの車両幅方向移動が規制され
る。そのストッパー40、41は、例えば図2に示すよ
うに、ラックハウジング11の内周に一体形成する段部
や、ラックハウジング11の内周に嵌合されるラック支
持用ブッシュにより構成する。
に規制するため、ラックハウジング11の両端にストッ
パー40、41が形成されている。これにより、ラック
5が移動端に達すると、そのストッパー40、41にラ
ック5の両端に取り付けられる前記ボールジョイント
6、7が当接し、ラックの車両幅方向移動が規制され
る。そのストッパー40、41は、例えば図2に示すよ
うに、ラックハウジング11の内周に一体形成する段部
や、ラックハウジング11の内周に嵌合されるラック支
持用ブッシュにより構成する。
【0013】その操向操作の補助力を付与する油圧シリ
ンダ10が設けられている。この油圧シリンダ10は、
ラックハウジング11によりシリンダチューブが構成さ
れると共に、ラック5の外周にピストン12が設けられ
ている。そのピストン12により仕切られる油室13、
14に、操向方向と路面からラック5に作用する反力に
応じて高圧油を供給するため、前記入力軸2の外周囲に
ロータリーバルブ20が形成されている。このロータリ
ーバルブ20は、ラックハウジング11と一体化された
バルブハウジング21と、このバルブハウジング21の
内部において入力軸2を囲む筒状の弁部材22とを備え
ている。この弁部材22は前記ピニオン4に同行回転す
るよう連結されている。また、バルブハウジング21に
はポンプ23に接続される入口ポート24と、タンク2
5に接続される出口ポート26と、前記油圧シリンダ1
0の一方の油室13に接続される第1シリンダポート2
7と、他方の油室14に接続される第2シリンダポート
28とを備えている。各ポート24、26、27、28
は、入力軸2と弁部材22との相対回転により開閉され
る流路を介し連通する。すなわち、操向を行なっていな
い状態では入口ポート24と出口ポート26とが連通
し、ポンプ23から供給される高圧油はタンク25に還
流し、操向操作の補助力が作用することはない。また、
ハンドルを回転させて操向操作を行なうと、操向用車輪
Wを介し路面からラック5に作用する反力に応じてトー
ションバー3が捻じれ、ピニオン4と一体の弁部材22
が入力軸2に対し相対回転する。すると、入口ポート2
4と出口ポート26との間の油路が閉鎖され、入口ポー
ト24から油圧シリンダ10の油室13、14の一方に
操向方向に応じて高圧油が供給され、また、油室13、
14の他方から油が出口ポート26を通ってタンク25
に還流する。これにより、操向方向と操向用車輪Wを介
し路面からラック5に作用する反力に応じた操向補助力
が油圧シリンダ10により付与される。
ンダ10が設けられている。この油圧シリンダ10は、
ラックハウジング11によりシリンダチューブが構成さ
れると共に、ラック5の外周にピストン12が設けられ
ている。そのピストン12により仕切られる油室13、
14に、操向方向と路面からラック5に作用する反力に
応じて高圧油を供給するため、前記入力軸2の外周囲に
ロータリーバルブ20が形成されている。このロータリ
ーバルブ20は、ラックハウジング11と一体化された
バルブハウジング21と、このバルブハウジング21の
内部において入力軸2を囲む筒状の弁部材22とを備え
ている。この弁部材22は前記ピニオン4に同行回転す
るよう連結されている。また、バルブハウジング21に
はポンプ23に接続される入口ポート24と、タンク2
5に接続される出口ポート26と、前記油圧シリンダ1
0の一方の油室13に接続される第1シリンダポート2
7と、他方の油室14に接続される第2シリンダポート
28とを備えている。各ポート24、26、27、28
は、入力軸2と弁部材22との相対回転により開閉され
る流路を介し連通する。すなわち、操向を行なっていな
い状態では入口ポート24と出口ポート26とが連通
し、ポンプ23から供給される高圧油はタンク25に還
流し、操向操作の補助力が作用することはない。また、
ハンドルを回転させて操向操作を行なうと、操向用車輪
Wを介し路面からラック5に作用する反力に応じてトー
ションバー3が捻じれ、ピニオン4と一体の弁部材22
が入力軸2に対し相対回転する。すると、入口ポート2
4と出口ポート26との間の油路が閉鎖され、入口ポー
ト24から油圧シリンダ10の油室13、14の一方に
操向方向に応じて高圧油が供給され、また、油室13、
14の他方から油が出口ポート26を通ってタンク25
に還流する。これにより、操向方向と操向用車輪Wを介
し路面からラック5に作用する反力に応じた操向補助力
が油圧シリンダ10により付与される。
【0014】そのピニオン4とラック5との噛み合い状
態の調節のため、ラックハウジング11に形成された挿
入孔11aに筒状のサポートヨーク30とバネ31が挿
入され、その挿入孔11aは調節部材32がねじ込まれ
ることで閉鎖されている。そのサポートヨーク30は図
1において左右方向に移動可能とされ、バネ31の弾性
力によりラック5をピニオン4に押し付け、その押し付
け力は調節部材32のラックハウジング11へのねじ込
み量を変更することで調節可能とされる。
態の調節のため、ラックハウジング11に形成された挿
入孔11aに筒状のサポートヨーク30とバネ31が挿
入され、その挿入孔11aは調節部材32がねじ込まれ
ることで閉鎖されている。そのサポートヨーク30は図
1において左右方向に移動可能とされ、バネ31の弾性
力によりラック5をピニオン4に押し付け、その押し付
け力は調節部材32のラックハウジング11へのねじ込
み量を変更することで調節可能とされる。
【0015】そして、前記油圧シリンダ10に供給され
る高圧油の流路を低圧側に接続するバイパス流路50が
形成されている。本実施例ではバイパス流路50は、前
記ロータリーバルブ20の入口ポート24とタンク25
とを接続するものであって、バルブハウジング21に形
成された第1流路50aと、この第1流路50aに通じ
るようにラックハウジング11に形成された第2流路5
0bと、この第2流路50bに通じるようにサポートヨ
ーク30に形成された第3流路50cと、前記挿入孔1
1aに通じるように調節部材32に接続された配管の内
部の第4流路50dとで構成される。その第1流路50
aが入口ポート24に接続され、第4流路50dがタン
ク25に接続さている。第1流路50aと第2流路50
bとの間のシールのため、バルブハウジング21とラッ
クハウジング11の間にシールリング55が介在され、
第2流路50と第3流路50cとの間のシールのため、
サポートヨーク30の外周と挿入孔11aの内周との間
および調節部材32の外周と挿入孔11aの内周との間
にそれぞれシールリング56、57が介在されている。
る高圧油の流路を低圧側に接続するバイパス流路50が
形成されている。本実施例ではバイパス流路50は、前
記ロータリーバルブ20の入口ポート24とタンク25
とを接続するものであって、バルブハウジング21に形
成された第1流路50aと、この第1流路50aに通じ
るようにラックハウジング11に形成された第2流路5
0bと、この第2流路50bに通じるようにサポートヨ
ーク30に形成された第3流路50cと、前記挿入孔1
1aに通じるように調節部材32に接続された配管の内
部の第4流路50dとで構成される。その第1流路50
aが入口ポート24に接続され、第4流路50dがタン
ク25に接続さている。第1流路50aと第2流路50
bとの間のシールのため、バルブハウジング21とラッ
クハウジング11の間にシールリング55が介在され、
第2流路50と第3流路50cとの間のシールのため、
サポートヨーク30の外周と挿入孔11aの内周との間
および調節部材32の外周と挿入孔11aの内周との間
にそれぞれシールリング56、57が介在されている。
【0016】このバイパス流路50を開閉する円柱状の
開閉部材51がサポートヨーク30の内周孔30aに移
動可能に挿入されている。その開閉部材51の移動方向
はサポートヨーク30の移動方向と等しくされている。
そのサポートヨーク30の内周孔30aに、前記第3流
路50cに通じる周溝52が形成されている。その開閉
部材51の外周に周溝53が形成され、この周溝53と
挿入孔11aとを連通する連通孔54が開閉部材50に
形成されている。開閉部材51が図1の位置では、周溝
52と周溝53とは重なり合わないものとされ、これに
より第3流路50cが開閉部材51の外周面により閉鎖
され、バイパス流路50は閉じられる。この図1の位置
から開閉部材51がラック5側に移動すると、周溝52
と周溝53とが重なり合い、第3流路50cと第4流路
50dとが周溝52、53および連通孔54を介して連
通し、バイパス流路50は開かれる。
開閉部材51がサポートヨーク30の内周孔30aに移
動可能に挿入されている。その開閉部材51の移動方向
はサポートヨーク30の移動方向と等しくされている。
そのサポートヨーク30の内周孔30aに、前記第3流
路50cに通じる周溝52が形成されている。その開閉
部材51の外周に周溝53が形成され、この周溝53と
挿入孔11aとを連通する連通孔54が開閉部材50に
形成されている。開閉部材51が図1の位置では、周溝
52と周溝53とは重なり合わないものとされ、これに
より第3流路50cが開閉部材51の外周面により閉鎖
され、バイパス流路50は閉じられる。この図1の位置
から開閉部材51がラック5側に移動すると、周溝52
と周溝53とが重なり合い、第3流路50cと第4流路
50dとが周溝52、53および連通孔54を介して連
通し、バイパス流路50は開かれる。
【0017】そして、開閉部材51とラック5とは、ラ
ック5が移動端に近接すると開閉部材51がバイパス流
路を開く方向に移動すると共に、ラック5が移動端から
離反すると開閉部材51がバイパス流路50を閉鎖する
方向に移動するように、カムを介し係合する。すなわ
ち、開閉部材51はボール(カムフォロア)61を介し
ラック5の歯の形成側と反対側の背面に当接し、その当
接方向に開閉部材51を押すバネ62が挿入孔11aに
挿入されている。そのラック5の背面に、左右一対のカ
ム面63、64が形成され、ラック5が車両幅方向に移
動してボールジョイント6、7がストッパー40、41
に当接する直前になると、ボール61がカム面63、6
4と係合する。このボール61とカム面63、64との
係合により、開閉部材51はバネ62に押されてラック
5側に次第に移動する。これによりバイパス流路50が
次第に開かれ、油圧シリンダ10に供給される高圧油が
バイパス流路50を通ってタンク25に還流するので、
油圧シリンダ10により付与される操向操作の補助力が
次第に低減される。そして、図3に示すように開閉部材
51が最もラック5側に移動した状態で、バイパス流路
50を通ってタンク25に還流する油量が最大となる。
この状態で、操向操作の補助力を完全になくすようにし
てもよいし、あるいは低減するだけでもよい。
ック5が移動端に近接すると開閉部材51がバイパス流
路を開く方向に移動すると共に、ラック5が移動端から
離反すると開閉部材51がバイパス流路50を閉鎖する
方向に移動するように、カムを介し係合する。すなわ
ち、開閉部材51はボール(カムフォロア)61を介し
ラック5の歯の形成側と反対側の背面に当接し、その当
接方向に開閉部材51を押すバネ62が挿入孔11aに
挿入されている。そのラック5の背面に、左右一対のカ
ム面63、64が形成され、ラック5が車両幅方向に移
動してボールジョイント6、7がストッパー40、41
に当接する直前になると、ボール61がカム面63、6
4と係合する。このボール61とカム面63、64との
係合により、開閉部材51はバネ62に押されてラック
5側に次第に移動する。これによりバイパス流路50が
次第に開かれ、油圧シリンダ10に供給される高圧油が
バイパス流路50を通ってタンク25に還流するので、
油圧シリンダ10により付与される操向操作の補助力が
次第に低減される。そして、図3に示すように開閉部材
51が最もラック5側に移動した状態で、バイパス流路
50を通ってタンク25に還流する油量が最大となる。
この状態で、操向操作の補助力を完全になくすようにし
てもよいし、あるいは低減するだけでもよい。
【0018】また、ラック5が車両幅方向に移動してボ
ールジョイント6、7がストッパー40、41から離反
すると、カム面63とボール61との係合が解除され、
開閉部材51はラック5の背面に押されてラック5から
離れる方向に移動する。これによりバイパス流路50が
閉鎖され、油圧シリンダ10に高圧油が供給され、操向
操作の補助力が付与される。
ールジョイント6、7がストッパー40、41から離反
すると、カム面63とボール61との係合が解除され、
開閉部材51はラック5の背面に押されてラック5から
離れる方向に移動する。これによりバイパス流路50が
閉鎖され、油圧シリンダ10に高圧油が供給され、操向
操作の補助力が付与される。
【0019】なお、開閉部材51の外周とサポートヨー
ク30の内周との間にはシールリング59が介在され、
ラック5の背面に油圧が作用するのを防止している。
ク30の内周との間にはシールリング59が介在され、
ラック5の背面に油圧が作用するのを防止している。
【0020】上記構成のパワーステアリング装置1によ
れば、ラック5の移動端近傍において油圧シリンダ10
により付与される操向操作の補助力が低減され、あるい
はなくされるため、ボールジョイント6、7とストッパ
ー40とが激しく当接することはなく、大きな打撃音や
衝撃の発生が防止され、また、操向操作の補助力が不必
要に付与されることもない。さらに、開閉部材51とラ
ック5とは油圧シリンダ10の外部においてカム60を
介し係合するものであるため、従来のように油圧シリン
ダのピストンの外周のシールリングが破損するといった
問題が生じることはなく、実用的なものである。
れば、ラック5の移動端近傍において油圧シリンダ10
により付与される操向操作の補助力が低減され、あるい
はなくされるため、ボールジョイント6、7とストッパ
ー40とが激しく当接することはなく、大きな打撃音や
衝撃の発生が防止され、また、操向操作の補助力が不必
要に付与されることもない。さらに、開閉部材51とラ
ック5とは油圧シリンダ10の外部においてカム60を
介し係合するものであるため、従来のように油圧シリン
ダのピストンの外周のシールリングが破損するといった
問題が生じることはなく、実用的なものである。
【0021】また、上記実施例ではサポートヨーク30
に開閉部材51を挿入し、サポートヨークに形成したバ
イパス流路50の一部50cを開閉しているので、開閉
部材やバイパス流路を別の位置に設ける場合に比べ構造
が簡単化される。また、ロータリーバルブ20とサポー
トヨーク30とは近接しているため、バイパス流路50
をバルブハウジング21やラックハウジング11に配管
を用いることなく直接に形成することができ、構造が簡
単化される。
に開閉部材51を挿入し、サポートヨークに形成したバ
イパス流路50の一部50cを開閉しているので、開閉
部材やバイパス流路を別の位置に設ける場合に比べ構造
が簡単化される。また、ロータリーバルブ20とサポー
トヨーク30とは近接しているため、バイパス流路50
をバルブハウジング21やラックハウジング11に配管
を用いることなく直接に形成することができ、構造が簡
単化される。
【0022】また、上記実施例のカム面63、64は、
ラック5が移動端に近接するにつれて開閉部材51が次
第にラック側に移動するように傾斜するテーパ面とされ
ているため、ラック5を移動端から離反させる方向に移
動させる際の抵抗が小さくされている。
ラック5が移動端に近接するにつれて開閉部材51が次
第にラック側に移動するように傾斜するテーパ面とされ
ているため、ラック5を移動端から離反させる方向に移
動させる際の抵抗が小さくされている。
【0023】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。
のではない。
【0024】例えば、開閉部材51とカム面63、64
との間にボール61にかえてニードルローラーベアリン
グを介在させてもよく、あるいは開閉部材51を直接カ
ム面に当接させるようにしてもよい。また、図2におい
て仮想線で示すようにカム面を凹部63′、64′状と
してもよい。
との間にボール61にかえてニードルローラーベアリン
グを介在させてもよく、あるいは開閉部材51を直接カ
ム面に当接させるようにしてもよい。また、図2におい
て仮想線で示すようにカム面を凹部63′、64′状と
してもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によるラックピニオン式油圧パワ
ーステアリング装置によれば、油圧シリンダにより付与
される操向操作の補助力をラックの移動端近傍において
低減し、あるいはなくすことができ、ラックの移動規制
のために大きな打撃音や衝撃が発生するのを防止するこ
とができ、また、不必要な操向操作の補助力の付与をな
くすことができる。しかも、油圧シリンダのピストンの
シールリングが破損したり構成が複雑化したり大型化す
るといった問題が生じることはなく、実用的なものであ
る。
ーステアリング装置によれば、油圧シリンダにより付与
される操向操作の補助力をラックの移動端近傍において
低減し、あるいはなくすことができ、ラックの移動規制
のために大きな打撃音や衝撃が発生するのを防止するこ
とができ、また、不必要な操向操作の補助力の付与をな
くすことができる。しかも、油圧シリンダのピストンの
シールリングが破損したり構成が複雑化したり大型化す
るといった問題が生じることはなく、実用的なものであ
る。
【図1】本発明の実施例に係るパワーステアリング装置
の縦断面図
の縦断面図
【図2】本発明の実施例に係るパワーステアリング装置
の横断面図
の横断面図
【図3】本発明の実施例に係るパワーステアリング装置
の要部の横断面図
の要部の横断面図
4 ピニオン 5 ラック 10 油圧シリンダ 50 バイパス流路 51 開閉部材 63、64 カム面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−115775(JP,A) 実開 昭62−46266(JP,U) 実開 昭53−120036(JP,U) 実開 平4−80768(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/22 B62D 5/07
Claims (1)
- 【請求項1】 車両幅方向移動により操向用車輪を操舵
するラックと、このラックの車両幅方向移動を一定範囲
に規制する規制手段と、操向操作の補助力を付与する油
圧シリンダと、そのラックを覆うハウジング内に移動可
能に設けられるサポートヨークと、そのサポートヨーク
を介してラックをピニオンに押し付けるバネとを備える
ラックピニオン式油圧パワーステアリング装置におい
て、前記油圧シリンダに供給される高圧油の流路を低圧
側に接続するバイパス流路と、このバイパス流路を開閉
可能とする開閉部材とが設けられ、その開閉部材は前記
サポートヨークに移動可能に挿入され、その開閉部材の
移動方向はサポートヨークの移動方向と等しくされ、こ
の開閉部材とラックとが、ラックが移動端に近接すると
開閉部材がバイパス流路を開く方向に移動すると共に、
ラックが移動端から離反すると開閉部材がバイパス流路
を閉鎖する方向に移動するように、カムを介し係合する
ことを特徴とするラックピニオン式油圧パワーステアリ
ング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3157686A JP3005073B2 (ja) | 1991-05-31 | 1991-05-31 | ラックピニオン式油圧パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3157686A JP3005073B2 (ja) | 1991-05-31 | 1991-05-31 | ラックピニオン式油圧パワーステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0577746A JPH0577746A (ja) | 1993-03-30 |
JP3005073B2 true JP3005073B2 (ja) | 2000-01-31 |
Family
ID=15655175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3157686A Expired - Lifetime JP3005073B2 (ja) | 1991-05-31 | 1991-05-31 | ラックピニオン式油圧パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3005073B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5117361B2 (ja) * | 2008-12-03 | 2013-01-16 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ラックピニオン式ステアリング装置 |
-
1991
- 1991-05-31 JP JP3157686A patent/JP3005073B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0577746A (ja) | 1993-03-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |