JP3005022B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、透明基板面の一部が表示領域となるプラズ
マディスプレイパネル(PDP)に関する。
PDPは、フラット形表示装置の中では輝度の点で優れ
ており、OA機器などにもその用途を拡大しつつある。こ
れにともなって、表示画面の視認性の向上が望まれてい
る。
〔従来の技術〕
発光させるドット(画素)の組み合わせによって文字
や図形を表示するドットマトリクス表示方式のPDPは、
一対のガラス基板を所定間隙を設けて対向配置し、その
周囲を封止して放電空間を形成し、格子状に配列した電
極群の各交差部又はその近傍に画定された各放電セルを
選択的に放電させるように構成される。
通常、PDPでは、表示領域は、封止材のガス放出によ
り放電が不安定となる封止部近辺を避けて設けられる。
また、表示領域は、封止後に放電空間の排気及び放電ガ
スの充填を行うための通気孔を避けて設ける必要があ
る。つまり、PDPでは、ガラス基板面の内、その周辺部
を除いた部分が表示領域とされる。
一方、電極は、駆動回路との接続のために表示領域か
らガラス基板の端部まで導出される。
なお、従来より、裏面側のガラス基板に表示ドットを
選択するための電極と放電によって発光する蛍光体とを
設け、多色表示を可能とした面放電形式のPDPが知られ
ており、このような面放電型のPDPでは、放電空間を各
蛍光体に対応した単位発光領域毎に区画する隔壁が設け
られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
表示面側のガラス基板に金属からなる電極を設ける場
合には、表示の輝度の低下をできるだけ抑えるため、電
極幅を小さくすることが可能な薄膜法が用いられる。
これに対し、裏面側のガラス基板に設ける電極は、製
造コスト面で有利な厚膜法により形成され、一般に銀
(Ag)を主成分とするいわゆる銀ペーストを用いて形成
される。
しかしながら、銀ペーストからなる電極は、焼成時の
酸化により表面が白色となり、特に表示領域の周囲にお
いて目立っていた。
このため、従来のPDPでは、表示面の全体的なコント
ラストが低く、表示画面の視認性が悪いという問題があ
った。
このような問題を解決するため、表示面側のガラス基
板の表面に、その表示領域の周囲に黒色の塗装を施すこ
とが考えられるが、これによると、PDPに外装カバーを
設ける場合において、美観を損なわないように塗装部分
を覆うとすると、外装カバーの窓部の大きさが表示領域
に限定されてしまう。また、外面の塗装膜は剥離し易
く、さらにPDPの製造工数の増加の点でも不利である。
本発明は、上述の問題に鑑み、表示領域とその周囲と
を含めた表示面全体のコントラストを高め、表示画面の
視認性を向上させることを目的としている。
また、請求項2の発明は、製造工数を増加することな
く表示画面の視認性を向上させることを目的としてい
る。
〔課題を解決するための手段〕 請求項1の発明に係るPDPは、隣接する電極間で面放
電を発生する複数の平行な透明電極対を内面上に備えた
表示側基板と、前記透明電極対に交差する方向の複数の
アドレス電極および放電により発光する蛍光体を内面上
に備えた背面側基板とを対向配置し、その対向範囲の周
囲を封止してガス放電空間を形成して成り、前記複数の
アドレス電極が前記ガス放電空間の外側まで導出され、
前記表示側基板の内面側には、前記複数の透明電極対と
複数のアドレス電極との交差部のマトリクス配列領域と
して定まる表示領域内において、前記交差部のマトリク
ス配列を仕切るパターンのガラス層からなる隔壁を設け
るとともに、前記表示領域の外側でかつ前記複数のアド
レス電極が配列された領域を、前記表示領域から基板対
の封止位置の近傍まで、前記隔壁と同じパターンで覆い
隠す遮光体を前記隔壁と共通のプロセスでかつ前記隔壁
と一体に形成して成るものである。
請求項2の発明に係るPDPにおいて、前記隔壁及びそ
れと一体の遮光体は、黒色顔料を混入した低融点ガラス
ペーストを前記パターンで印刷して焼成することによっ
て形成される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図は本発明に係るPDP1の平面図、第2図は第1図
の二点鎖線で囲んだAA分を拡大して示す平面図、第3図
は第1図のIII−III矢視断面図、第4図は第1図のIV−
IV矢視断面図である。
第3図及び第4図において、PDP1は、表示側のガラス
基板11、背面側のガラス基板21、ガラス基板11の内面に
X(横)方向に延びた透明電極12及びバス電極15、低融
点ガラスからなる誘電体層17、MgOからなる保護膜18、
X方向壁19aとY方向壁19bとからなる格子状の隔壁19、
ガラス基板21の内面にY(縦)方向に延びたアドレス電
極22及び隔壁25、各アドレス電極22と隔壁25との間にお
いて所定の配置パターンで設けられた蛍光体28、及びガ
ラス基板11,21の周囲を封止する封止ガラス31などから
構成され、内部の放電空間30には、例えばネオン及びキ
セノンの混合ガスが封入されている。バス電極15は、ク
ロム−銅−クロムの三層構造の金属薄膜をパターンニン
グすることによって形成され、抵抗値の大きいネサ膜か
らなる透明電極12の導通性を補う。
透明電極12及びバス電極15は、ガラス基板11の端部付
近まで導出され、またアドレス電極22もガラス基板21の
端部付近まで導出されており、これによって、外部の図
示しない駆動回路との接続が行われる。
隔壁19は、黒色の顔料を混入した低融点ガラスペース
トをスクリーン印刷して焼成することによって形成され
る。
また、アドレス電極22は、隔壁25の形成後に、銀ペー
ストをスクリーン印刷して所定温度で焼成する厚膜法に
よって形成される。
第3図及び第4図において、ガラス基板11の上面が表
示面10となり、各蛍光体28と対向する領域、すなわち透
明電極12群とアドレス電極22群とが対向する範囲内の領
域が表示領域E1となる。
PDP1では、放電空間30を介して対向する透明電極12と
アドレス電極22との交点に、各蛍光体28を選択するアド
レス放電セルが画定され、また、アドレス放電セルの近
傍における透明電極12の互いの対向部に、選択された蛍
光体28を発光させる表示用の主放電セルが画定される。
主放電セルでの面放電により生じる紫外線によって蛍光
体28が励起されて発光する。
第1図及び第2図によく示されているように、隔壁19
は、表示領域E1(第1図において一点鎖線で囲まれた領
域)内だけでなく、表示領域E1から封止ガラス31の近傍
まで延長され、表示領域E1の外側の領域E2にも設けられ
ており、表示領域E1を各蛍光体28に対応した単位発光領
域gに区画するとともに、表示領域E1から外方に導出さ
れたアドレス電極22を部分的に覆い隠す。
これにより、表示面10に対するアドレス電極22の露呈
面積が減少するとともに、アドレス電極22での乱反射に
よる表示領域E1への光の回り込みが軽減され、表示面10
内の全体的なコントラストが高まって表示の視認性が向
上する。
上述の実施例によれば、単位発光領域gに区画する隔
壁19を封止ガラス31の近傍まで延長するようにしたの
で、アドレス電極22を隠す遮光部材を設けるための特別
の工程が不要であり、従来と同数の製造工数によって表
示の視認性の向上を図ることができる。
上述の実施例によれば、黒色に着色された低融点ガラ
スからなる隔壁19によって、領域E2においてアドレス電
極22を隠すようにしたので、塗料を塗る場合に起こりう
る剥離などの経時変化がなく、放電特性の安定化を図る
ことができる。
上述の実施例においては、隔壁19の色を黒色とした
が、他の暗色、例えば深緑、紺、茶褐色などとしてもよ
い。
〔発明の効果〕
請求項1又は請求項2の発明によれば、製造工数を増
加することなく且つ製造の歩留りを低下させることな
く、表示領域とその周囲とを含めた表示面全体のコント
ラストを高めることができ、表示画面の視認性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るPDPの平面図、 第2図は第1図の二点鎖線で囲んだAA部を拡大して示す
平面図、 第3図は第1図のIII−III矢視断面図、 第4図は第1図のIV−IV矢視断面図である。 図において、 1はPDP(プラズマディスプレイパネル)、 10は表示面、 11,21はガラス基板(基板)、 19は隔壁(遮光体)、 22はアドレス電極(表示用電極)、 E1は表示領域、 E2は外側の領域である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−148645(JP,A) 特開 昭63−232238(JP,A) 実開 昭63−108150(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 11/00 - 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隣接する電極間で面放電を発生する複数の
    平行な透明電極対を内面上に備えた表示側基板と、前記
    透明電極対に交差する方向の複数のアドレス電極および
    放電により発光する蛍光体を内面上に備えた背面側基板
    とを対向配置し、その対向範囲の周囲を封止してガス放
    電空間を形成して成り、前記複数のアドレス電極が前記
    ガス放電空間の外側まで導出されたプラズマディスプレ
    イパネルにおいて、 前記表示側基板の内面側には、前記複数の透明電極対と
    複数のアドレス電極との交差部のマトリクス配列領域と
    して定まる表示領域内において、前記交差部のマトリク
    ス配列を仕切るパターンのガラス層からなる隔壁を設け
    るとともに、前記表示領域の外側でかつ前記複数のアド
    レス電極が配列された領域を、前記表示領域から基板対
    の封止位置の近傍まで、前記隔壁と同じパターンで覆い
    隠す遮光体を前記隔壁と共通のプロセスでかつ前記隔壁
    と一体に形成して成る ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】前記隔壁及びそれと一体の遮光体は、黒色
    顔料を混入した低融点ガラスペーストを前記パターンで
    印刷して焼成することによって形成されている 請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
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