JP3004788U - 撒き餌籠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撒き餌籠により、餌バケツ内の水中で浮遊し
ている餌を効率よく籠内にすくい上げるようにすること
である。 【構成】 籠本体１の開口部周縁に上向きに拡がったツ
バ縁１０を設け、そのツバ縁１０に籠目１８’を形成
し、籠を引き上げる際、該籠目１８’から抜ける水と共
に餌をツバ縁１０で受けこれを籠本体１の内部へ誘導す
るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は魚釣り用の撒き餌籠に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の撒き餌籠は、図３に示すように、上端開放の筒状籠本体１の下面に鉛等 の重い金属製の底板２を取付けたものである。この籠本体１の開口周縁の中心対 称位置の２箇所の籠目に籠吊り糸３の両端を通し、それぞれ結び目４を作って籠 吊り糸３で吊下げる。

【０００３】 上記の撒き餌籠にアミエビ等の餌を充填するために、従来はスプーンや箸等の 道具を用いて詰める方法がとられていたが、手を汚さず能率よく充填するために 、最近は図２に示す如き餌充填用の餌バケツ５が用いられるようになっている。

【０００４】 この餌バケツ５は、テーパ状の底面６の中央部に籠投入凹所７を設け、その凹 所７に放射方向に延びた３箇所の餌誘導溝８を連通させたものである。この餌バ ケツ５に海水と餌とをよく混ぜて入れ、籠９（図示の籠９は、後述の実施例のも の）をその内部に落して引き上げると、その籠９により餌がすくい上げられる。

【０００５】 餌が少なくなると、餌は籠投入凹所７や餌誘導溝８の部分に沈むので、籠９で すくい上げにくくなるが、籠９を勢いよく凹所７に落し込むとその底板２の底面 で押し除けられた水が餌を誘導溝８に沿って押し上げる（矢印参照）。その時点 で籠９を引き上げると、その餌を籠９で捕捉することができる。このような動作 を数回繰り返えすと、底面に沈んだ餌を籠９内に集めることができる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記のごとき餌バケツを用いて撒き餌籠に餌を充填しようとする場合、餌が多 量にあるときは１回の操作で十分な量の餌をすくい上げることができるが、餌の 量が少なくなって底に沈んだ状態になると、前述のように、撒き餌籠の落し込み 時の圧力で押し上げた餌をその籠で捕捉する必要がある。

【０００７】 このような場合に、効率よく餌を捕捉するため、この出願の考案者は、まず図 ４に示すごとき撒き餌籠を試作した。この撒き餌籠は、籠本体１の開口部周縁に 、上向きに拡ろがったツバ縁１０を形成したものである。

【０００８】 上記のツバ縁１０の中心対称の２箇所の外周面に突出部１１、１１を設け、各 突出部１１、１１に上下方向の籠吊り糸３の挿通孔１２を設ける。また、両方の 突出部１１、１１の周方向の一方の中間部分に突出部１３を設け、これに周方向 の挿通孔１４を設けている。

【０００９】 上記構成の撒き餌籠は、ツバ縁１０によって開口部が拡がっているため、餌の 捕捉効率が良いように感じられるが、実際に使用してみると、図４（ｂ）に示す ように、籠を引き上げる際、ツバ縁１０に当たる水と共に餌が籠の外部に押出さ れて流出しまうことになり（矢印（ａ）参照）、捕捉効率が悪いことがわかった 。

【００１０】 しかし、籠吊り糸３の挿通孔１２、１４については、これら３箇所の挿通孔１ ２、１４に籠吊り糸３を通し、その糸３の両端を結び目４’で結んで輪にするだ けで取付けることができ、従来のごとき２箇所で結束する必要がないだけ便利で ある。

【００１１】 そこで、この考案は籠吊り糸３の挿通孔１２、１４についてはそのまま採用し 、ツバ縁１０における餌の逃げを防止し、餌の捕捉効率を上げることを課題とす る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、請求項１に記載の考案に係る撒き餌籠は、撒き 餌籠本体の開口部周縁に上向きに拡がったツバ縁を設け、そのツバ縁に多数の水 抜き穴を設けた構成としたものである。

【００１３】 上記の撒き餌籠によって餌バケツ内の餌をすくい上げると、ツバ縁上に水と共 に存在する餌は、水がツバ縁の水抜き穴から下方へ移動するのに伴ってツバ縁上 に引掛り、その傾斜に従って籠本体の内側へ誘導される。

【００１４】 また、請求項２に記載の考案に係る撒き餌籠は、撒き餌籠本体の開口部外周に 中心対称の２箇所に上下方向の籠吊り糸挿通孔を設け、上記２箇所の挿通孔の開 口部外周の中間部分に周方向の中間糸挿通孔を設けた構成としたものである。

【００１５】 籠吊り糸を取付ける際は、その糸を３箇所の挿通穴に順に通し、籠開口部の上 方において糸の両端を結んで輪にする。

【００１６】

【実施例】

実施例の撒き餌籠は、図１に示すように、上端開放の円筒状の籠本体１の底面 に鉛等の重い金属でなる底板２を取付けたものである。

【００１７】 上記籠本体１は、リング状の横杆２１と縦杆２２を一体化して一定の大きさと 密度とをもった四角形の籠目１８を形成したものであり、上端開口部を形成する ツバ縁１０は、最上端横杆２１’の径を他のものより大に形成し、これに連結さ れる縦杆２２’を斜めにして、その上記の横杆２１’に継いだものである。この 構成により、ツバ縁１０にはその全周にわたり、前記籠目１８と同じ大きさの籠 目１８’が同じ密度で形成され、その籠目１８’が水抜き穴となる。

【００１８】 また、上記ツバ縁１０の中心対称の２箇所において、前記の横杆２１’の外周 面に突出部１１、１１が設けられ、各突出部１１、１１に籠吊り糸３の挿通孔１ ２が上下方向に設けられている。また、上記の両方の突出部１１、１１の周方向 の一方の中間位置に存在する縦杆２２’外側面に突出部１３を設け、その突出部 １３に籠吊り糸３の挿通孔１４が周方向に設けられている。

【００１９】 籠吊り糸３は、釣糸と同じテグスが用いられ、その一端を上記の各挿通孔１２ 、１４の順に通し、両端を結んで輪にする。４’はその結び目である。

【００２０】 実施例の撒き餌籠は、以上のごときものであり、従来のものと同様に使用され るが、図２に示した餌バケツ５から餌をすくい上げる際、ツバ縁１０の籠目１８ ’が水抜き穴となるので、図２（ｃ）に示すように、その籠目１８’から抜ける 水（矢印ａ参照）と共に餌１５がツバ縁１０に掛り、籠本体１の内部に誘導され る（矢印ｂ参照）。

【００２１】 また、餌をスプーンや箸等で詰める場合には、ツバ縁１０が室内の役目をなし 、詰めやすくなる。

【００２２】 上記の実施例においては、籠目１８、１８’が四角形のものについて説明した が、菱形、丸形、籠目形等任意である。

【００２３】

【考案の効果】

請求項１に記載の考案は、水抜き穴を有するツバ縁により、水中で下方から押 し上げられて、浮遊した餌を受止め、これを籠内部に誘導することができる。従 って、餌バケツ内の水中の餌が少なくなっても、効率よく餌を籠内に集めること ができる。

【００２４】 また、スプーン、箸等で詰める場合も、ツバ縁が室内の役目をなすので詰めや すい利点がある。

【００２５】 請求項２に記載の考案は、籠吊り糸を各挿通孔に通し、輪にして結ぶだけでよ いので、籠吊り糸の挿通作業が楽になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）実施例の縦断正面図 （ｂ）同上の一部省略平面図

【図２】（ａ）使用例の縦断正断面図 （ｂ）同上の横断平面図 （ｃ）同上の一部拡大断面図

【図３】従来例の縦断正面図

【図４】試作例の縦断正面図

【符号の説明】

１ 籠本体 ２ 底板 ３ 籠吊り糸 ４、４’ 結び目 ５ 餌バケツ ６ 底面 ７ 籠投入凹所 ８ 餌誘導溝 ９ 籠 １０ ツバ縁 １１ 突出部 １２ 挿通孔 １３ 突出部 １４ 挿通孔 １５ 餌 １８、１８’ 籠目 ２１、２１’ 横杆 ２２、２２’ 縦杆

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 撒き餌籠本体の開口部周縁に上向きに拡
   がったツバ縁を設け、そのツバ縁に多数の水抜き穴を設
   けてなる撒き餌籠。
2. 【請求項２】 撒き餌籠本体の開口部外周の中心対称の
   ２箇所に籠吊り糸挿通孔を上下方向に設け、上記２箇所
   の挿通孔の開口部外周の中間部分に糸挿通孔を周方向に
   設けてなる撒き餌籠。