JP3004404U - 長 靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 履口付近が隙間をあけてズレようとするとき
に、履口緊締部が膨張して隙間部分を埋め戻し、脚への
密着状態を保ち、長靴のズレを緩和できる長靴を提供す
る。 【構成】 伸縮糸でメリヤス編みした靴下状基材の上端
開口部を中空の弾性２重構造として履口緊締部を形成し
たものの外側に、接着剤を介してゴム部材を貼付して成
るゴム長靴において、上記履口緊締部の縦断方向の周囲
の３分の１を越えない範囲を、上記ゴム部材または該ゴ
ム部材の上端部に接着される別の履口ゴム部材で被装し
た長靴。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、水田等、主に泥中の作業において使用する長靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、裏地を有するゴム長靴において、履口のズレ防止の為に、履口縁端部付 近に伸縮バンドを装着したり、ゴム糸を裏地に編み込んでいた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のゴム長靴では、水田等での作業中に、脚の挙動に反 して長靴のみが泥層内に引き込まれそうになったとき、泥層の粘着力によって長 靴の外表を成すゴム部材に引張力が起こり、それによって履口付近が反り返って 脚への密着状態を弛緩させ、結局、長靴がズレ落ちることが多かった。

【０００４】 この考案は、上記欠点を除去するためなされたものであり、履口付近が隙間を あけてズレようとするときに、履口緊締部が膨張して隙間部分を埋め戻し、脚へ の密着状態を保ち、長靴のズレを緩和できる長靴を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案の長靴は、伸縮糸でメリヤス編みした靴下状基材の上端開口部を中空 の弾性２重構造として履口緊締部を形成したものの外側に、接着剤を介してゴム 部材を貼付して成るゴム長靴において、上記履口緊締部の縦断方向の周囲の３分 の１を越えない範囲を、上記ゴム部材または該ゴム部材の上端部に接着される別 の履口ゴム部材で被装した長靴である。

【０００６】

【作用】

上記構成による長靴においては、履口のゴム部材（３）が脚（４）に押しつけ られる際には、図３に示す如く、履口緊締部（２）は圧潰し、脚（４）に密着す る。歩行中に、ゴム部材が泥層から引張力を受け、履口が反り返り、履口に隙間 が生じて、長靴が脚からズレ落ちようとする際に、中空の弾性２重構造である履 口緊締部（２）が、図４に示す如く、膨張して履口の隙間を埋め戻し、履口の脚 （４）への密着状態を保ち、長靴のズレを緩和することができる。尚、履口緊締 部の外側をゴム部材または該ゴム部材の上端部に接着される別の履口ゴム部材で 被装してあることにより、より一層、履口緊締部が膨張中空を維持形成しやすく 、履口の脚への密着を保つことができる。

【０００７】

【実施例】

この考案の第１実施例を図１〜図４に、第２実施例を図５、図６に、第３実施 例を図７に示し、第１〜第３実施例のすべてに共通な別タイプの実施例を図８に 示し、それぞれ詳細説明する。

【０００８】 （第１実施例） ウーリーナイロン等の伸縮性を有する糸で、編み下した靴下状基材（１）を設 け、該靴下状基材（１）の上端開口部に、太さ４０番〜５０番のネオプレン製耐 熱耐候ゴム糸を鉢巻き状に８ｃｍ位編み込んで設け、この編み込んだ部分の所定 の範囲にフッ素もしくはシリコン系離型剤を施した後、上記鉢巻き状に編み込ん だ部位を折り返し、スクイ縫いを施して中空の弾性２重構造となるように履口緊 締部（２）を形設する一方、ゴム部材（３）を靴下状基材（１）の外側に接着剤 を介して貼付し、履口緊締部（２）には、履口緊締部（２）の縦断方向の周囲の ３分の１を越えない範囲、好ましくは４分の１程度の範囲にゴム部材（３）の上 端部を接着している。ここで、履口緊締部（２）の縦断方向の周囲の３分の１を 越えない範囲、好ましくは４分の１程度の範囲までゴム部材（３）で被装する理 由は、履口緊締部（２）がズレ緩和をする為の膨張中空を形成するのに効果的で あるからである。

【０００９】 （第２実施例） 以下、第２実施例において、第１実施例と共通な部分、すなわち、同一もしく は同等の部分は、同一の符号を付して示す。

【００１０】 靴下状基材（１）と、履口緊締部（２）と、履口付近以外のゴム部材（３）は 、第１実施例と共通である。履口付近において、ゴム部材（３）とは別体の履口 ゴム部材（５）がゴム部材（３）の上端外縁部に接着し、履口緊締部（２）の縦 断方向の周囲の３分の１を越えない範囲、好ましくは４分の１程度の範囲までに わたる靴下状基材（１）に、履口ゴム部材（５）の上部内面を接着している。

【００１１】 （第３実施例） 以下、第３実施例において、第１、第２実施例と共通な部分、すなわち、同一 もしくは同等の部分は、同一の符号を付して示す。

【００１２】 第２実施例とほぼ同じ構成であり、異なる点は、ゴム部材（３）の上端部が履 口緊締部（２）の中空の弾性２重構造の下端部（６）よりやや上まで続いており 、この部位まで靴下状基材（１）に接着し、別体の履口ゴム部材（５）の上部内 面も、履口緊締部（２）の縦断方向の周囲の３分の１を越えない範囲、好ましく は４分の１程度の範囲までにわたる靴下状基材（１）に接着している点である。 この第３実施例では、履口緊締部（２）の中空の弾性２重構造の下端部（６）付 近で、２重にゴム部材が重なり合って接着しているため、この部分の強度が増し 、この部分の劣化を緩和できる。

【００１３】 以上の第１〜第３実施例のすべてに共通な別タイプの実施例として、ゴム長足 袋型の長靴を図８に示している。履口付近は、第１〜第３実施例の履口付近の構 成であるが、ここでは、履口付近を省略した図になっている。靴先（７）の部分 が地下足袋のように複数に分かれている。

【００１４】

【考案の効果】

この考案によると、履口緊締部の縦断方向の周囲の３分の１を越えない範囲を ゴム部材または該ゴム部材の上端部に接着される別の履口ゴム部材で被装してあ るため、履口緊締部の圧潰・膨張の機能を効果的に支援することができる。履口 緊締部は、ゴム部材または該ゴム部材の上端部に接着される別の履口ゴム部材と 脚との間にあって、履口付近が脚から離反しても膨張して脚と長靴との界面に隙 間を形成することがなく、脚への密着状態を保ち、長靴のズレを緩和できる上に 、履口の感触を和らげる緩衝材にもなることができる。したがって、泥層の中で 使用するとき、なかなかズレず、外れにくく履き心地が良い等極めて有益な効果 を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線切断部拡大端面図である。

【図３】第１実施例の履口緊締部圧潰時を示す履口緊締
部付近の切断部拡大端面図である。

【図４】第１実施例の履口緊締部膨張時を示す履口緊締
部付近の切断部拡大端面図である。

【図５】本考案の第２実施例を示す斜視図である。

【図６】図５のＢ−Ｂ線切断部拡大端面図である。

【図７】本考案の第３実施例を示す、図６に対応する拡
大端面図である。

【図８】本考案の第１〜第３実施例のすべてに共通する
ゴム長足袋型の長靴の実施例を示す一部省略斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 靴下状基材 ２ 履口緊締部 ３ ゴム部材 ４ 脚 ５ 履口ゴム部材 ６ 中空の弾性２重構造の下端部 ７ 靴先

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸縮糸でメリヤス編みした靴下状基材の
   上端開口部を中空の弾性２重構造として履口緊締部を形
   成したものの外側に、接着剤を介してゴム部材を貼付し
   て成るゴム長靴において、上記履口緊締部の縦断方向の
   周囲の３分の１を越えない範囲を、上記ゴム部材または
   該ゴム部材の上端部に接着される別の履口ゴム部材で被
   装したことを特徴とする長靴。