JP3004382U - 消音カッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消音機能を損なうことなく、基板の強度を増
強させることができ、切断作業中に発生する振動を低下
させると共に、切れ味および耐久性が保証される消音カ
ッターの提供を目的とする。 【構成】 基板の外周上にダイヤモンド切刃が形成され
コンクリート、石材、アスファルト等を切断する円板状
の回転カッターであって、基板に消音用の小孔を間欠的
に多数穿設すると共に、上記の小孔にフェノール系，ア
クリル系，ビニール系等の消音用の樹脂を充填し消音カ
ッター基板の強度の向上させた消音カッターに構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、円形基板の外周上におけるダイヤモンド切刃によってコンクリー ト、石材、アスファルト等の被削物を切断する消音カッターに関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンクリート、石材、アスファルト等を切断するものとして、円形基板 の外周上にダイヤモンドを切刃として付けるカッターがある。 上記のカッターは、硬いコンクリート、石材、アスファルトを回転するカッタ ー刃で切断するために、切断中に騒音が発生していた。この切断音を低く抑える 消音カッターが開発されている。

【０００３】 消音カッターの１例として、図５で示す消音カッターＤの基板１１の側面に、 中心より外側に向かって大きな線状の波状溝を設け、その溝１１ａに樹脂を注入 して消音を行っていた例がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

全く消音手段を採っていないコンクリート、石材、アスファルト切断用のダイ アモンド切刃によるカッターを使用すると、切断音が大きく、狭い室内での作業 では連続切断作業が困難であると共に、聴覚神経に支障を期たしストレスも溜ま り易かった。また、住宅密集地では、騒音公害の原因となっていた。

【０００５】 従来の消音カッターは、騒音に対して有効であったが、基板に施した線状溝に より基板強度が低下したために、切断作業中に振動が発生し、所望の直線に切断 できないことがあった。 また、切れ味も低下し、外周チップの摩耗が激しく、基板自体の破損等が発生 する等のことがあった。

【０００６】 この考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、消音機能を損なうことなく、 消音樹脂充填部を破断され易い線状ではなく、間欠的な小孔とすることによって 、基板の強度を増強させることができ、切断作業中に発生する振動を低下させる と共に、切れ味および耐久性が保証される消音カッターの提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案においては、第１の考案として、 基板の外周上にダイヤモンド切刃が形成され、コンクリート、石材、アスファ ルト等を切断する円板状の回転カッターであって、 基板に消音用の小孔を間欠的に多数穿設すると共に、上記の小孔にフェノール 系，アクリル系，ビニール系等の消音用の樹脂を充填し、消音カッター基板の強 度の向上をさせた消音カッターに構成した。

【０００８】 また、第２の考案として、 基板に穿設した小孔を、同心円状、放射状、渦巻状等の規則的な線上に間欠的 に配した第１の考案の消音カッターに構成した。

【０００９】 また、第３の考案として、 基板に穿設した小孔を不規則に間欠的に配した第１の考案の消音カッターに構 成した。

【００１０】

【作用】

この考案に係る消音カッターは、円板状基板の外周上にダイヤモンド切刃が形 成された回転カッターであって、基板に不規則若しくは一定模様の線上に間欠的 に消音用の小孔を穿設すると共に、上記の小孔に補強用の樹脂を充填したもので 、従来の消音カッターと同等の消音性が保持され、基板の強度が向上されると共 に、作業中の振動が低下し推進力が保持されるので直線切りが容易となり、かつ 、耐久性の向上となる等の実用的効果を有する。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案に係る消音カッターの実施の３例について、図面を参照して詳 細に説明する。 図１は、この考案に係る消音カッターの実施第１例を示す側面図である。また 、図２は、この考案に係る消音カッターの基板と樹脂充填孔の関係を示す部分拡 大断面図である。

【００１２】 図１および図２において、この考案の実施第１例の消音カッターＡは、円形の 基板１の側面１ａに、中心の軸穴１ｂより外側に向かった数本（図示の例では６ 本）の波形軌跡上に消音用の細孔１ｃが間欠的に穿孔され、上記の細孔１ｃに消 音用の樹脂２が充填されている。

【００１３】 消音カッターＡの基板１は、例えば、板厚１mm乃至２mmの薄鋼板で製せられて いる。 そして、基板１の細孔１ｃに充填される樹脂２は、例えば、フェノール系，ア クリル系，ビニール系等の消音効果が発揮できる樹脂である。

【００１４】 図３は、この考案に係る消音カッターの実施第２例を示す側面図である。 図２において、この考案に係る消音カッターＢは、円形の基板１における側面 の中心に軸穴１ｂを穿設し、上記の軸穴１ｂの接線側から外方に向かった接線上 に消音用の細孔１ｃが間欠的に穿孔され、上記の細孔１ｃに補強用の樹脂が充填 されている。

【００１５】 消音カッターＢの基板１は、実施第１例と同様に、例えば、板厚１mm乃至２mm 程度の薄鋼板で製せられている。 そして、基板１の細孔１ｃに充填される樹脂２は、例えば、実施第１例と同じ くフェノール系，アクリル系，ビニール系等の消音効果が発揮できる樹脂が用い られる。

【００１６】 図４は、この考案に係る消音カッターの実施第３例を示す側面図である。 図４において、この考案に係る消音カッターＣは、円形の基板１における周辺 に順次相対向する円弧状軌跡上に、消音用の細孔１ｃが間欠的に穿孔され、上記 の細孔１ｃに実施第１例及び実施第２例と同様にフェノール系，アクリル系，ビ ニール系等の消音樹脂が充填されている。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように、この考案に係る消音カッターは、円板状基板の外周上にダイヤ モンド切刃が形成された回転カッターであって、基板に不規則若しくは一定模様 の線上に間欠的に消音用の小孔を穿設すると共に、上記の小孔に消音用の樹脂を 充填したもので、従来の消音カッターの基板に施された強度の低い線状の一定模 様から、間欠的な小孔の一定模様にすることにより、同等の消音性が保持され、 基板の強度が向上されると共に、作業中の振動が低下し推進力が保持されるので 直線切りが容易となり、かつ、耐久性の向上となる等の実質的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る消音カッターの実施第１例を示
す側面図である。

【図２】この考案に係る消音カッターの基板と樹脂充填
孔の関係を示す部分拡大断面図である。

【図３】この考案に係る消音カッターの実施第２例を示
す側面図である。

【図４】この考案に係る消音カッターの実施第３例を示
す側面図である。

【図５】従来の消音カッターの１例を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ，Ｃ 消音カッター １ 基板 １ａ 側面 １ｂ 軸穴 １ｃ 細孔 ２ 樹脂

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板の外周上にダイヤモンド切刃が形成
   され、コンクリート、石材、アスファルト等を切断する
   円板状の回転カッターであって、 基板に消音用の小孔を間欠的に多数穿設すると共に、上
   記の小孔にフェノール系，アクリル系，ビニール系等の
   消音用の樹脂を充填し消音カッター基板の強度の向上を
   させたことを特徴とする消音カッター。
2. 【請求項２】 基板に穿設した小孔を、同心円状、放射
   状、渦巻状等の規則的な線上に間欠的に配したことを特
   徴とする請求項１記載の消音カッター。
3. 【請求項３】 基板に穿設した小孔を不規則に間欠的に
   配したことを特徴とする請求項１記載の消音カッター。