JP3004298B2 - 絶縁膜堆積方法及びそれに用いる集束イオンビーム装置 - Google Patents

絶縁膜堆積方法及びそれに用いる集束イオンビーム装置

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JP3004298B2 JP1320638A JP32063889A JP3004298B2 JP 3004298 B2 JP3004298 B2 JP 3004298B2 JP 1320638 A JP1320638 A JP 1320638A JP 32063889 A JP32063889 A JP 32063889A JP 3004298 B2 JP3004298 B2 JP 3004298B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、半導体装置の所定の部分に絶縁膜を形成
するための絶縁膜堆積方法及びこの絶縁膜堆積方法に使
用する集束イオンビーム装置に関する。
(従来の技術) 半導体デバイスの開発時にはその動作チェックをした
り、不良解析をしたりする必要があるが、そのような場
合には配線の一部を切断して一部の回路を切り離し、あ
るいは接続されていない配線間を敢えて接続したりする
ことが必要になることがある。そして、近年益々高集積
化するデバイスにおいては、最小の配線幅及び間隔は1
μm程度であり、これらの配線を切断したり接続したり
するためにはサブミクロンの微細加工が必要となってい
る。
そこで、最近ではサブミクロンの微細加工が容易に行
なえる集束イオンビーム(以下、FIBと称する)を用い
て配線の切断や接続ができるFIBウェハリペア装置が市
販されるようになってきているが、このFIBウェハリペ
ア装置では、例えばGaイオンビームのスパッタエッチン
グにより配線を切断することができる。
また、第8図に示すように試料室内に設置されたノズ
ル1からW(CO)ガス2を試料3上に吹き付けなが
ら、ガリウム(Ga)イオンビーム4を照射すると、W
(CO)ガス2が分解してタングステン(W)が堆積す
ることを利用し、所望の領域にGaイオンビームを照射す
ることによりタングステン(W)線5を形成し、所望の
配線6,7間を接続することもできる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来のFIBウェハリペア装
置では、第9図に示すように接続しようとする配線6と
配線7との間に別の裸配線8が存在するような場合に
は、この裸配線8を絶縁膜であらかじめ被覆しておかな
ければ所望の配線6,7間の接続することができず、デバ
イスの不良解析や動作チェックを完全には行なうことが
できない問題点があった。
この発明はこのような従来の問題点を解決するために
なされたもので、デバイスの不良解析や動作チェック時
に絶縁膜の堆積が必要となった場合、任意の配線に対し
てFIB装置により絶縁膜を容易に堆積することができる
絶縁膜堆積方法を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明の絶縁膜堆積方法は、真空環境下で試料表面
にシリコン化合物ガスとシリコン化合物絶縁膜を構成す
るシリコン以外の元素を主成分とするガスとを供給し、
前記シリコン化合物絶縁膜に含まれる元素を含むイオン
源または不活性ガスイオン源から引き出されたイオンビ
ームを前記試料表面に照射してシリコン化合物絶縁膜を
前記試料表面に堆積させることを特徴とする。
そして、シリコン化合物ガスとしては、テトラメトキ
シシラン(Si(OCH3)、テトラエトキシシラン(Si
(OC2H5)、テトラメチルシラン(Si(CH3)、
ジメトキシジメチルシラン(Si(CH3(OCH3
またはヘキサメチルジシロキサン([Si(CH3
2O)のいずれかを用いることができる。
また、シリコン化合物絶縁膜を構成するシリコン以外
の元素を主成分とするガスとしては、酸素(O2)、オゾ
ン(O3)、窒素(N2)、アンモニア(NH3)または酸化
窒素(N2O)のいずれかを用いることができる。
またさらに、イオン源としては、シリコン・金合金も
しくはシリコン・金・ベリリウム合金の液体金属イオン
源、酸素もしくは窒素の電界電離形ガスイオン源、また
はアルゴンもしくはヘリウムの電界電離形不活性ガスイ
オン源を用いることができる。
上記の絶縁膜堆積方法の発明に実施するための集束イ
オンビーム装置の発明は、試料を収容する試料室と、イ
オン源と、このイオン源から引き出されたイオンビーム
を収束、偏向させて前記試料室の試料表面の所定の部分
に照射するためのイオン光学鏡筒と、複数のガス供給源
から前記試料室の試料の表面に複数のガスを同時に導く
ガス導入手段とを備えたものである。
そして、この集束イオンビーム装置では、複数のガス
供給源からシリコン化合物ガスとシリコン化合物絶縁膜
を構成するシリコン以外の元素を主成分とするガスとを
同時に試料の表面に供給するために、複数のガスを1本
の共通のノズルで混合して、あるいは各ガスごとに個別
のノズルを用いて試料の表面に導くガス導入手段を用い
ることができる。
この発明の別の態様による絶縁膜堆積方法は、真空環
境下で試料表面にシリコン化合物ガスまたはそのラジカ
ルと、シリコン化合物絶縁膜を構成するシリコン以外の
元素を主成分とするガスのラジカルとを供給し、前記シ
リコン化合物絶縁膜に含まれる元素を含むイオン源また
は不活性ガスイオン源から引き出されたイオンビームを
前記試料表面に照射してシリコン化合物絶縁膜を前記試
料表面に堆積させることを特徴とする。
そしてこの絶縁物堆積方法においても、シリコン化合
物ガスまたはそのラジカルとしては、テトラメトキシシ
ラン(Si(OCH3)、テトラエトキシシラン(Si(OC
2H5)、テトラメチルシラン(Si(CH3)、ジメ
トキシジメチルシラン(Si(CH3(OCH3)また
はヘキサメチルジシロキサン([Si(CH32O)の
いずれかを用いることができる。
また、シリコン化合物絶縁膜を構成するシリコン以外
の元素を主成分とするガスのラジカルとしては酸素
(O2)、オゾン(O3)、窒素(N2)、アンモニア(N
H3)または酸化窒素(N2O)のいずれかを高周波放電に
よりエネルギ的に活性化したものを用いることができ
る。
またさらに、イオン源としてはシリコン・金合金もし
くはシリコン・金・ベリリウム合金の液体金属イオン
源、酸素もしくは窒素の電界電離形ガスイオン源、また
はアルゴンもしくはヘリウムの電界電離形不活性ガスイ
オン源を用いることができる。
さらに、上記の別の態様による絶縁膜堆積方法の実施
に使用するための集束イオンビームは、試料を収容する
試料室と、イオン源と、このイオン源から引き出された
イオンビームを収束、偏向させて前記試料室の試料の所
定の部分に照射するためのイオン光学鏡筒と、複数のガ
ス供給源から前記試料室の試料の表面に複数のガスを同
時に導くガス導入手段と、前記ガス導入手段において、
前記ガス供給源と前記試料室との中間に位置し、当該ガ
ス供給源から試料室に供給されるガスの成分分子をエネ
ルギ的に活性化する高周波放電手段とをを備えたもので
ある。
そして、この集束イオンビーム装置では、複数のガス
供給源からのガスに対して個別の高周波放電手段を設け
ることができる。
(作用) この発明の絶縁膜堆積方法では、シリコン化合物絶縁
膜を堆積したい試料の表面にシリコン化合物ガスを供給
し、同時に試料の表面に堆積させるべきシリコン化合物
絶縁膜に含まれる元素と同一の元素または不活性ガスの
イオン源から引き出されたイオンビームを試料表面に照
射することによりシリコンをその化合物から解離させ、
解離したシリコンをシリコン化合物絶縁膜を構成すべき
シリコン以外の元素を主成分とするガスに含まれる当該
元素と結合させ、試料上にシリコン化合物絶縁膜を堆積
させることができる。
したがって、集束イオンビームの照射位置を制御する
ことにより所望の領域にシリコン化合物絶縁膜を堆積さ
せることができ、こうして絶縁膜を堆積させた後に、接
続したい配線間に従来より行なわれているFIB技術によ
り金属膜を堆積させることにより他の配線とは絶縁生を
保ちながら所望の配線間の接続ができるようになる。
さらに、この発明の集束イオンビーム装置では、試料
室に収容されている試料に対して複数のガス供給源から
1本のノズルにより複数のガスを混合した状態で、ある
いは複数のガス供給源から複数のノズルにより複数のガ
スを個別に試料の表面に供給し、イオン源からのイオン
ビームを照射することにより、複数のガスのうちシリコ
ン化合物ガスをシリコンとその化合物とに解離させ、解
離させたシリコンに対してシリコン化合物絶縁膜を構成
すべきシリコン以外の元素と結合させてシリコン化合物
絶縁膜を試料の表面の所定の位置に堆積させることがで
きる。
また、この発明の別の態様による絶縁膜堆積方法で
は、シリコン化合物絶縁膜を堆積したい試料の表面にシ
リコン化合物ガスまたはそのラジカルを供給し、同時に
試料の表面に堆積したいシリコン化合物絶縁膜に含まれ
る元素と同一の元素または不活性ガスのイオン源から引
き出されたイオンビームをこのシリコン化合物ガスに照
射することによりシリコンをその化合物から解離させ、
解離したシリコンをシリコン化合物絶縁膜を構成すべき
シリコン以外の元素を主成分とするガスのラジカルに含
まれる当該元素と結合させ、試料上にシリコン化合物絶
縁膜を堆積させることができる。そしてこの時、シリコ
ン化合物絶縁膜を構成すべきシリコン以外の元素を主成
分とするガスのラジカルはエネルギ的に活性化されてい
るために試料表面で解離しているシリコンに対して活発
に化合することができ、速く絶縁膜を堆積させることが
できて良質の絶縁膜が得られることになる。
さらにこの発明の別の態様による集束イオンビーム装
置では、シリコン化合物絶縁膜を構成すべき元素を主成
分とするガスのラジカル高周波放電手段により形成する
ようにしているために、当該ガスのエネルギ的活性化が
大量に行なえて試料表面へ多く供給することができ、シ
リコン化合物絶縁膜の形成を速めることができる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説する。
第1図はこの発明の第1の態様による絶縁膜堆積方法
の一実施例に使用するFIB装置を示しており、試料室9
の中に試料台10が設置されており、この試料台10に試料
11が載置されている。
試料室9の上部には、試料11の表面に集束イオンビー
ムを照射するためのイオン光学鏡筒12が取り付けられ、
また試料11の表面にシリコン化合物ガスとしてのガス状
のテトラメトキシシラン(Si(OCH3)とシリコン化
合物絶縁膜を構成すべき元素を主成分とするガスとして
の酸素(O2)ガスを吹き付けるためのガス導入手段とし
てのノズル13が取り付けられている。
そして、このノズル13は試料室9の外部においてシリ
コン化合物ガス供給源としてのボンベ14と、酸素を主成
分とするガスの供給源としてのボンベ15とに混合弁16を
介して接続され、シリコン化合物ガスと酸素を主成分と
するガスとの混合ガス17として試料11上に供給すること
ができる。
なお、このガス導入手段としては、複数種のガス供給
源からのガスを混合弁16により混合して1本のノズル13
により試料11の表面に供給する代わりに、複数種のガス
供給源それぞれに対してノズルを設け、各々のノズルか
ら複数種のガスを個別に試料11の表面に供給するように
してもよい。そしてこの構成は、試料11の表面に供給す
べき複数種のガスが互いに反応し合うようなものである
場合に特に有効である。
イオン光学鏡筒12はその上部にイオン源18が設けら
れ、そのイオン源18に置かれたイオン源物質、例えばシ
リコン・金合金、あるいはシリコン・金・ベリリウム合
金等の液体金属イオン源、または酸素や窒素の電界電離
形ガスイオン源等の絶縁堆積膜に含まれる元素と同一の
元素を含むイオン源物質を高温加熱し、電界をかけて複
数種の金属イオンまたはガスイオンをイオン源18から引
き出し、引き出されたイオンに対して電界をかけて偏向
させ、さらに磁場をかけて必要なシリコンイオンまたは
酸素イオンのみを照射軸に戻し、これをイオンビーム19
として試料11の所定の領域に照射する。
なお、イオン源としては上記の他にアルゴン(Ar)や
ヘリウム(He)等の不活性ガスの電界電離形イオン源を
用いることもできる。
次に、上記の実施例のFIB装置を用いて絶縁膜堆積を
行なう方法について説明する。
試料室9の試料台10上に半導体装置の試料11を載置
し、ガス供給源としてのボンベ14,15からノズル13を通
じて試料11の表面に対してシリコン化合物ガスと酸素を
主成分とするガスとの混合ガス17を吹き付け、そこにイ
オン光学鏡筒12のイオン源18からシリコン(Si)集束イ
オンビーム19を照射する。
これにより、ノズル13から吹き付けられたシリコン化
合物ガスは試料11の表面に吸着し、そこへSi集束イオン
ビーム19が照射されることによりシリコン化合物ガスが
シリコンとその化合物とに解離させ、同時に吹き付けら
れた酸素を主成分とするガス中の酸素(O)とシリコン
(Si)とが結合することにより第2図に示すように基板
3上の配線8の表面にシリコン酸化物(SiOx)の膜20が
堆積することになる。
さらにこの発明の請求項1の絶縁膜堆積方法の具体的
な実施例について説明すると、FIB装置の試料室9の真
空度を10-5Torrとした。ノズル13として、その開口部が
200μmφのものを用いて、その先端が基板3表面と0.5
mmの間隔を持つように設定し、このノズル13を通じてシ
リコン化合物ガスとしてテトラメトキシシラン(Si(OC
H3)、酸素を主成分とするガスとして酸素(O2)を
1:1の割合で混合して基板3の表面に吹き付けた。
また、イオン源として、シリコン・金合金イオン源を
用い、これを溶融させ、ビーム電流0.2nAでシリコンイ
オンビーム19を基板3の配線8の表面に0.5時間照射し
た。
この結果、基板3の配線8の表面には10μm角、0.1
μm厚の堆積膜20が形成された。
この堆積膜20のマイクロオージェ分析装置によるμ−
AESの深さ方向の分析結果が第3図に示してあるが、堆
積膜20はシリコン(Si)と酸素(O)とから構成され、
シリコン酸化物(SiOx)の膜が形成されていることが分
かる。
また、このようにして堆積した膜20の厚さ0.1μm、
大きさ7μm角のもののV−I特性を測定した結果を第
4図に示してあるが、5V以下では電流Iは10-7A以下で
あり、比抵抗は2.5MΩ・cm以上であることが分かり、絶
縁物として十分に使用できるものであることが分かっ
た。
ちなみに、半導体装置における一般的な絶縁物として
認められるためには、比抵抗1.0MΩ・cm以上であり、耐
圧10V以上であることが求められるが、この実験により
得られたシリコン酸化物の膜はこの基準を十分に上回っ
ているのである。
そこで、この後に従来方法に従ってタングステン
(W)膜5を試料11としての基板3上に堆積させること
により、中央位置の配線8を絶縁膜20を介して跨ぐ形で
配線6,7間を接続することができ、従来は困難であった
中央位置に接続すべきでない裸配線8が存在する場合で
も、その両側の配線6,7を接続することができるように
なった。
さらに、この発明の絶縁膜堆積方法では、上記の実施
例において、試料11としての半導体基板3の表面に吹き
付ける混合ガス17のうち、シリコン化合物絶縁膜を構成
すべきシリコン以外の元素を主成分とするガスとして、
酸素を主成分とするガスに代えて窒素(N2)、酸化窒素
(N2O)あるいはアンモニア(NH3)のような窒素を主成
分とするガスを用いても、上記の実施例とほぼ同じ条件
下で基板3の配線8の表面に堆積膜20を形成することが
できる。
そして、この実施例の場合には、この堆積膜20はシリ
コン窒化物(SiNx)の膜であり、シリコン酸化物の絶縁
膜と同様の高い絶縁性を持つ絶縁膜が得られる。
なお、この発明は上記の2つの実施例に限定されるも
のではなく、次のような実施例も可能である。
シリコン化合物ガスとしては、テトラメトキシシラン
(Si(OCH3)に代えて、テトラエトキシシラン(Si
(OC2H5)、テトラメチルシラン(Si(CH3)、
ジメトキシジメチルシラン(Si(CH3(OCH3
またはヘキサメチルジシロキサン([Si(CH3
2O)等を用いることができる。
また、酸素を主成分とするガスとしては、酸素(O2
に代えて、オゾンガス(O3)、または酸化窒素(N2O)
を用いることができる。
さらに、イオン源としては、シリコン・金合金に代え
て、シリコン・金・ベリリウム合金のようなシリコン合
金の液体金属イオン源や酸素や窒素の電界電離形ガスイ
オン源を用いることができ、さらにはアルゴン(Ar)や
ヘリウム(He)のような不活性ガスの電界電離形ガスイ
オン源を用いることもでき、これらのイオン源を用いる
ことにより、形成すべき絶縁膜に不純物が混入すること
を避けることができ、絶縁性の向上が図れるのである。
さらに、他のイオン源として、形成しようとする絶縁膜
の絶縁性を向上させることができる元素、例えば硼素B,
燐P,インジウムIn等を用いることも可能である。
図5は、本発明の別の態様による絶縁膜堆積方法を実
施するために用いる集束イオンビーム装置を示してい
る。なお、この集束イオンビーム装置は第1図に示した
実施例の集束イオンビーム装置と主な構成は共通であ
り、それゆえに同一の要素については同一の符号を付し
て示してある。
この実施例の集束イオンビーム装置では、シリコン化
合物ガスとシリコン化合物絶縁膜を構成すべきシリコン
以外の元素を主成分とするガスとの複数のガスを個別に
試料11の表面に供給するようにしており、そのためにシ
リコン化合物ガスの供給源としてのボンベ14からノズル
13を介して試料11の表面シリコン化合物ガスを供給する
と共に、シリコン化合物絶縁膜を構成すべきシリコン以
外の元素を主成分とするガスとしての酸素を主成分とす
るガスの供給源としてのボンベ15から酸素を主成分とす
るガスがノズル21を介して試料室9の試料11の表面に前
記シリコン化合物ガスと同時に供給するようにしてあ
る。また、このボンベ15とノズル21との中間部分には酸
素を主成分とするガスをエネルギ的に活性化してラジカ
ルにするために高周波放電装置22が設けられている。
なお、23は試料室9内を排気するための主排気装置で
あり、24は酸素を主成分とするガスを排気するための排
気装置である。
第6図に詳しく示すように、高周波放電装置22は円筒
状のマイクロ波放電キャビティ25とこのキャビティ25の
内部を通る石英管26とで構成され、前記キャビティ25は
マイクロ波発振器(図示せず)に接続され、前記石英管
26の一端はノズル21に接続され、他端はボンベ15及び排
気装置24側の配管に接続されている。そして、ボンベ15
から送られてくる酸素あるいは窒素のようなシリコン化
合物絶縁膜を構成すべきシリコン以外の元素を主成分と
するガスを石英管26に通じ、ここで高周波放電を起こし
て前記元素をエネルギ的に活性化してラジカルとし、こ
れをノズル21から試料11の表面に供給するのである。
次に、このFIB装置を用いて行なう絶縁膜堆積方法の
実施例を説明する。
第5図及び第7図に示すように試料室9の試料台10の
上に半導体装置の試料11を載置し、ガス供給源としての
ボンベ14からノズル13を通じて試料11の表面に対してシ
リコン化合物ガス吹き付け、さらにガス供給源としての
ボンベ15から供給される酸素ガスを高周波放電装置22に
通じてここで酸素ラジカルを発生させ、この酸素ラジカ
ルを含むガスををノズル21を通じて試料11の表面に吹き
付ける。そして、この混合ガス17の存在する試料11の表
面にイオン光学鏡筒12のイオン源18からシリコン集束イ
オンビーム19を照射する。
これにより、イオンビーム19により試料11の表面のシ
リコン原子が励起され、そこにノズル13からシリコン化
合物ガスが吹き付けられることによりガス中のシリコン
が化合物から解離し、試料11の表面に吸着される。そし
て、この吸着されたシリコンのところに反応性の高い酸
素ラジカルがノズル21から吹き付けられ、試料11の表面
に吸着されたシリコンと結合し、第7図に示すように試
料11としての半導体基板3の裸配線8の表面シリコン酸
化物(SiOx)の絶縁膜20が堆積することになる。
次に、この絶縁膜堆積方法のさらに具体的な実施例に
ついて説明する。
FIB装置のノズル13,21は共にその開口部が直径200μ
mのものを用いて、それぞれのノズルの先端が試料11の
表面と0.5mmの間隔を持つように設定した。また試料室
9の真空度は主排気装置23により10-5Torrとした。
そしてシリコン化合物ガスとしてテトラメトキシシラ
ンガス(Si(OCH3)を用いて、これをボンベ14から
ノズル13を介して試料11の表面に吹き付けた。また第6
図に示すように、酸素を主成分とするガスのボンベ15か
ら高周波放電装置22の石英管26の内部に酸素ガスを流
し、ここで高周波放電させてエネルギ的に活性化して酸
素ラジカルとし、これをノズル21を介してから試料11の
表面に吹き付けた。
また、イオン源18としてシリコン・金合金イオン源を
用いて、これを溶融させ、ビーム電流0.2nAでシリコン
イオンビーム19を試料11の配線8の表面に10分間照射し
た。
この結果、試料11の配線8の表面には10μm角、0.1
μm厚の堆積膜20が形成された。
そこで、この堆積膜20のマイクロオージェ分析装置に
よる成分分析結果を見ると、ほぼストイキメトリックな
二酸化シリコン膜が形成されていることが分かった。ま
た、このようにして堆積した膜20の絶縁破壊耐圧は、5M
Ω・cm以上あり、化学的気相成長法で作成するシリコン
酸化膜とほぼ同等の絶縁性能を有する良好な絶縁膜であ
ることが分かった。
そこで、このようにしてシリコン化合物の絶縁膜20を
堆積した後に、従来一般に行なわれている方法によりタ
ングステン(W)の膜5を試料11の基板3上に堆積させ
ることにより、中央位置の配線8を絶縁膜20を介して跨
ぐ形で配線6,7間を接続することができ、従来は困難で
あった中央位置に接続すべきでない配線8が存在するよ
うな場合でもその両側の配線6,7を接続することができ
るようになった。
なお、この絶縁膜堆積方法の発明にあっても、上記の
実施例において試料11としての半導体基板3の表面に吹
き付けるガスとして、シリコン化合物ガスと共に、シリ
コン化合物絶縁膜を構成すべきシリコン以外の元素を主
成分とするガスとして上記の酸素を主成分とするガスに
代えて、窒素ガス(N2)やアンモニアガス(NH3)のよ
うな窒素を主成分とするガスを用い、上記の実施例とほ
ぼ同じ条件下で試料11としての基板3の配線8の表面に
絶縁膜20を堆積させることができる。そして、この窒素
を主成分とするガスを用いる場合には、得られる絶縁膜
20はシリコン窒化物(Si3N4)の膜であり、シリコン酸
化物の絶縁膜と同様の高い絶縁性を持つ絶縁膜となる。
またこの絶縁膜堆積方法の発明にあっても、シリコン
化合物ガスとしては、テトラメトキシシラン(Si(OC
H3)に代えて、テトラエトキシシラン(Si(OC
2H5)、テトラメチルシラン(Si(CH3)、ジメ
トキシジメチルシラン(Si(CH3(OCH3)また
はヘキサメチルジシロキサン([Si(CH32O)等
を用いることができる。
また、酸素を主成分とするガスとしては、酸素(O2
に代えて、オゾンガス(O3)、または酸化窒素(N2O)
等を用いることができる。
さらに、イオン源としては、シリコン・金合金に代え
て、シリコン・金・ベリリウム合金のようなシリコン合
金の液金属イオン源や酸素や窒素の電界電離形ガスイオ
ン源を用いることができ、さらにはアルゴン(Ar)やヘ
リウム(He)のような不活性ガスの電界電離形ガスイオ
ン源を用いることもでき、これらのイオン源を用いるこ
とにより、形成すべき絶縁膜に不純物が混入することを
避けることができ、絶縁性の向上が図れるのである。さ
らに、他のイオン源として、形成しようとする絶縁膜の
絶縁性を向上させることができる元素、例えば硼素B,燐
P,インジウムIn等を用いることも可能である。
なおさらに、シリコン化合物ガスは高周波放電手段あ
るいは他の適宜の手段により、分解しない程度にラジカ
ル化することにより試料11の表面へのシリコン化合物絶
縁膜の形成速度を速くすることができる。
[発明の効果] 以上のようにこの発明の絶縁膜堆積方法によれば、所
望の位置の配線に対して極めて絶縁性の高い絶縁膜を正
確に形成することができ、従来不可能であった中央の配
線をジャンプしてその両側の配線同士を接続したいよう
な場合に、中央の位置の配線にこの発明の方法により絶
縁膜を形成し、その後両側の配線間をFIB装置により接
続することができるようになり、半導体装置の開発段階
での動作特性の解析、不良動作のチェック等がより広い
範囲で行なえるようになる。
また、この発明の集束イオンビーム装置によれば、上
記の絶縁膜堆積方法を機械的に行なうことができるよう
になる。
さらにこの発明の絶縁膜堆積方法によれば、上記の効
果に加えて、シリコン化合物絶縁膜を構成すべきシリコ
ン以外の元素を主成分とするガスのラジカルを用いて試
料表面に供給するようにしているため、このガスのラジ
カルに含まれる元素がエネルギ的に活性であり、試料表
面のシリコンと活発に反応することができるようにな
り、シリコン化合物絶縁膜の堆積速度を速めることがで
き、その分イオン源から試料表面へのイオン照射時間を
短くすることができて試料表面を荒らすことが少なくな
り、いっそう良質の絶縁膜の堆積が可能である。
またさらに、この発明の集束イオンビーム装置では、
シリコン化合物絶縁膜を構成すべきシリコン以外の元素
を主成分とするガスのラジカルを得るために高周波放電
手段を用いているために、当該ガスのラジカルの生成を
効果的に行なうことができ、その結果として絶縁膜の堆
積効率を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る集束イオンビーム
装置の断面図、第2図はこの発明の別の実施例に係る絶
縁膜堆積方法により形成された絶縁膜を備えた半導体装
置の断面図、第3図は上記の絶縁膜堆積方法の実施例に
より得られた絶縁間膜のマイクロオージェ分析結果を示
すグラフ、第4図は上記の絶縁膜の絶縁特性を示す電圧
−電流特性図、第5図はこの発明のさらに別の実施例に
係る集束イオンビーム装置の断面図、第6図は第5図に
示した集束イオンビーム装置で使用される高周波放電装
置の詳細な構成を示す断面図、第7図はこの発明のさら
に別の実施例による絶縁膜堆積方法によって形成された
絶縁膜を備えた半導体装置の断面図、第8図は従来の集
束イオンビーム装置により配線間を接続した状態を示す
半導体装置の断面図、第9図は従来の集束イオンビーム
装置では配線間の接続ができなかった半導体装置の断面
図である。 3……基板、5……導電膜、 6,7……配線、8……裸配線、 9……試料室、10……試料台、 11……試料、12……イオン光学鏡筒、 13……ノズル、14,15……ボンベ、 16……混合弁、17……混合ガス、 18……イオン源、19……イオンビーム、 20……絶縁膜、21……ノズル、 22……高周波放電装置、23……主排気装置、 24……排気装置、25……キャビティ、 26……石英管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−4224(JP,A) 特開 昭62−297468(JP,A) 特開 昭61−87340(JP,A) 特開 昭60−169141(JP,A) 特開 平2−17642(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/316 H01L 21/205,21/365

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空環境下で試料表面に、テトラメトキシ
    シラン、テトラエトキシシラン、テトラメチルシラン、
    ジメトキシジメチルシランおよびヘキサメチルジシロキ
    サンからなるグループから選択されるいずれかのシリコ
    ン化合物ガスと、シリコン以外の元素を主成分とし、シ
    リコン化合物絶縁膜を構成することになる原料ガスとを
    供給し、 前記シリコン化合物絶縁膜に含まれる元素のいずれかを
    含むイオン源または不活性ガスイオン源から引き出され
    たイオンビームを前記試料表面に照射して、シリコン化
    合物絶縁膜を前記試料表面に堆積させることを特徴とす
    る絶縁膜堆積方法。
  2. 【請求項2】シリコン以外の元素を主成分とし、シリコ
    ン化合物絶縁膜を構成することになる原料ガスをエネル
    ギー的に活性化し、 活性化した原料ガスを真空環境下で試料表面に供給し、 前記原料ガスの試料表面への供給と同時に、シリコン化
    合物ガスを任意で活性化して真空環境下で前記試料表面
    に供給し、 前記シリコン化合物絶縁膜に含まれる元素を含むイオン
    源または不活性ガスイオン源から引き出されたイオンビ
    ームを、前記試料表面に照射して、シリコン化合物絶縁
    膜を前記試料表面に堆積させることを特徴とする絶縁膜
    堆積方法。
  3. 【請求項3】前記任意で活性化されるシリコン化合物ガ
    スとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
    ン、テトラメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、
    またはヘキサメチルジシロキサンのいずれかを用い、 前記活性化されるシリコン以外の元素を主成分とする原
    料ガスとして、酸素、オゾン、窒素、アンモニアまたは
    酸化窒素のいずれかを高周波放電によってエネルギー的
    に活性化したものを用いることを特徴とする請求項2に
    記載の絶縁膜堆積方法。
  4. 【請求項4】試料を収容する試料室と、 イオン源と、 このイオン源から引き出されたイオンビームを収束、偏
    向させて前記試料室の試料の表面の所定の部分に照射す
    るためのイオン光学鏡筒と、 複数のガス供給源から前記試料室の資料の表面に複数の
    ガスを同時に導くガス導入手段と、 前記ガス導入手段において、前記ガス供給源と前記資料
    室との中間に位置し、当該ガス供給源から資料室に供給
    されるガスの成分分子をエネルギ的に活性化する高周波
    放電手段とを備えてなる集束イオンビーム装置。
  5. 【請求項5】前記高周波放電手段を前記複数のガス導入
    手段において個別に備えて成ることを特徴とする請求項
    4に記載の集束イオンビーム装置。
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