JP3003963B2 - 医薬用プロスタグランジン類縁体 - Google Patents
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Description
防およひ処置に使用するためのプロスタグランジンに関
する。とくに、本発明は、本発明の化合物の、CHFの
予防および処置用医薬の製造のための使用、それによっ
て得られる医薬、ならびにこのような医薬を使用するC
HFの予防および処置に関する。
ことができる、呼吸困難および/または疲労による運動
耐容性の制限によって特徴づけられる臨床症状である。
このような心機能障害は、心臓の拡張もしくは心脈管系
輸送またはその両者の変化に二次的なもので、収縮期お
よび拡張期機能の同定可能な変化を伴い、これが肺高血
圧症を招くことがある。CHFは心臓の右側または左側
の不全に帰せられ、後者が普通である。「右側CHF」
では、右心室が十分な(酸素供給後の)血液を肺に拍出
することができず、その結果、生体組織に十分な酸素を
与えることができない。一方、「左側CHF」では、左
心室が、生体の酸素需要を満足するだけの(酸素供給)
血液を生体に拍出すことができない。いずれの型のCH
Fも、処置されないと、上述の症状を来し、早期に死に
至る。
様な薬理学的応答、たとえば血小板凝集の阻害、胃酸分
泌の低下および気管支拡張を生じる新規なベンズインデ
ンプロスタグランジンが記載されている。これらの化合
物は、抗血栓剤、抗潰瘍剤および抗喘息剤として有用な
適用を有することが示されている。これらの化合物がC
HFの予防および処置に使用できることは示唆も開示も
されていない。
肺高血圧症およびレイノー病の予防、処置および診断へ
の使用に適当な、一群のベンズインデンおよび非ベンズ
インデンプロスタグランジンが記載されている。本発明
者らは、欧州特許0347243号に記載されているサ
ブクラスの化合物が、全く予想外に、CHFの予防およ
び処置への使用に適当な、強力な全身および肺脈管作用
を有することを見出したのでる。本発明の化合物は、肺
高血圧症を伴うまたは伴わない右側および左側の、両C
HFの処置に使用できる。これらの化合物は、肺高血圧
症を伴わないCHFの処置にとくに有用であることが期
待される。すなわち、初期の(軽度または中等度の)ま
たは後期の(重篤な)左側CHFは、肺高血圧症の発症
前に、本発明の化合物による処置に対してよく反応す
る。
1または2、Vはbが1のとき酸素であり、bが2のと
きメチレンである)であり、Xは水素、シアノまたは−
C≡CHであり、点線は二重結合であってもよいことを
示す〕の化合物、ならびにそれらの生理的に許容される
塩基の塩、エステルおよび生理的機能誘導体の、うっ血
性心不全の予防または処置用医薬の製造のための使用に
ある。
体」の語は、in vivoにおいて式(I)の化合物
に変換できる生体内前駆体または「プロドラッグ」、た
とえば窒素が1個または2個のC1〜4アルキル基で置
換されていてもよいアミドを意味する。
て、その生理的に許容される塩基の塩、エステルおよび
他の生理的機能誘導体への言及を包含するものである。
強力な肺血管拡張剤であり、低酸素症によって誘発され
る肺血管収縮を著名に減弱させることが見出された。正
常血圧および肺高血圧症動物において、式(I)の化合
物の投与時に認められる急性の有益な血行動態作用に
は、肺血管抵抗性、肺動脈圧、全身血管抵抗性および平
均動脈血圧の実質的な低下、ならびに心拍出量および一
回拍出量の増加がある。これらの作用はすべて、CHF
の予防および処置に有益であると考えられる。
の投与と同時にまたはその直前に、ACE−インヒビタ
ー、強心薬または利尿剤を投与すると、式(I)の化合
物によって誘導されるアンギオテンシンIIの血漿濃度
の上昇を、その血行動態像には有意な影響を与えること
なく、それぞれ遮断、減弱および増強するという興味あ
る事実が見出されている。ACE−インヒビターによる
前処置はまた、式(I)の化合物の心脈管系作用を増強
した。しかしながら、式(I)の化合物を、ACE−イ
ンヒビターおよび/または強心薬を用いないで利尿剤と
一緒に投与することは薦められない。式(I)の化合物
との併用投与が好ましい化合物には、ACE−インヒビ
ター:エナラプリル、カプトプリルおよびリンシノプリ
ル、強心薬:ジゴキシン、および利尿剤:フロセミドお
よびブテメニドがある。
して、 (a) 式(I)の化合物、医薬として許容される担
体、および所望により1種または2種以上の他の治療活
性化合物からなるCHFの予防または処置用医薬、なら
びに (b) 式(I)の化合物の治療有効量を、哺乳動物た
とえばヒトに投与することからなる上記哺乳動物におけ
るCHFの予防または治療方法、をも提供する。
有利な性質をもつ好ましい式(I)の化合物は、(1
R,2R,3aS,9aS)−{〔2,3,3a,4,
9,9a,−ヘキサヒドロ−2−ヒドロキシル−1−
((S)−3−ヒドロキシオクチル)−1H−ベンズ
〔f〕インデン−5−イル〕オキシ}酢酸(〔1R−
(1α(S*),2β,3aα,9aα)〕−{〔2,
3,3a,4,9,9a−ヘキサヒドロ−2−ヒドロキ
シ−1−(3−ヒドロキシオクチル)−1H−ベンズ
〔f〕インデン−5−イル〕オキシ}酢酸としても知ら
れている)(式A)、 (5Z,9R)−9−シアノ−6a−カルバプロスタグ
ランジンI2(B)、および (5Z,9R)−9−エチニル−6a−カルバプロスタ
グランジンI2(C)、
ルおよび他の生理的機能誘導体である。
合物(A)ならびにその生理的に許容される塩基の塩、
エステルおよび他の生理的機能誘導体がとくに好まし
く、さらに化合物(A)自体が好ましい。
アルカリ金属塩たとえばナトリウムおよびカリウム塩、
アルカリ土類金属塩たとえばカルシウムおよびマグネシ
ウム塩、有機塩基たとえばジシクロヘキシルアミンおよ
びN−メチル−D−グルタミンとの塩、ならびにアミノ
酸たとえばアルギニンおよびリジンとの塩が包含され
る。
の化合物の量は、多くの因子、とくに処置すべき状態の
性質および重篤度、ならびに好ましい投与様式に依存す
る。一般的に、うっ血性心不全の予防または処置に際し
ての1日用量は25μg〜250mg/日/kg体重の
範囲、通常は1.0μg〜0.05mg/日/kg体重
の範囲である。たとえば、静脈内投与の用量は0.5μ
g〜1.5mg/kg/日の範囲であり、これは0.5
ng〜1.0μg/kg/分の速度で注入するのが便利
である。この目的に適した輸液には、たとえば10ng
〜10μg/mlの活性化合物を含有させる。注射用の
アンプルには、たとえば0.1μg〜1.0mgを含有
させ、経口投与可能単位用量剤形たとえば錠剤またはカ
プセルには、たとえば、0.1〜100mg、通常は1
〜50mgを含有させる。生理的に許可される塩の場合
には、上に指示した重量は活性化合物の陰イオン部の重
量を示すものである。
の化合物の、1種または2種以上との担体との混合を包
含する。担体はもちろん、医薬中の他の成分と適合性を
示し、また患者に対して有害であってはならないという
意味で、許容できるものでなければならない。担体は固
体でも液体でも、また両者であってもよく、好ましくは
活性化合物とともに、単位用量医薬たとえば活性化合物
0.05〜95重量%を含有する錠剤に処方される。式
(I)の化合物は、成分の混合を含むよく知られた任意
の製薬技術によって、本発明の医薬中に添加することが
できる。
えば舌下)、非経口(たとえば皮下、筋肉内、皮内およ
び静脈内)、経直腸、局所、経皮、経鼻および肺内投与
に適した医薬を挙げることができるが、ある与えられた
場合に最も適当な経路は、処置すべき症状の性質および
重篤度によって決まる。
放出に適合した非連続単位、たとえばそれぞれ既定量の
式(I)の化合物を含有するカプセル、カシュー、ロゼ
ンジもしくは錠剤;粉末もしくは顆粒;または水中油型
もしくは油中水型エマルジョンとして提供される。この
ような組成物は、活性化合物と適当な担体(1種または
2種以上の補助成分を含有してもよい)と緊密に混合さ
せる工程を包含する任意の適当な製薬方法で製造するこ
とができる。一般的には、本発明の組成物は、式(I)
の化合物を液体もしくは微粉化固体担体またはその両者
と均一にまたは緊密に混合し、ついで必要に応じて得ら
れた混合物を成型することによって製造される。たとえ
ば、錠剤は、活性化合物を所望により1種または2種以
上の補助成分とともに含有する粉末または顆粒を圧縮ま
たは鋳型成型することによって製造される。圧縮錠剤
は、自由流動型たとえば粉末または顆粒状の化合物を、
所望により、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤および/ま
たは界面活性/潤滑剤と混合して、適当な装置で圧縮す
ることによって製造できる。鋳型成型錠剤は、不活性液
体結合剤で湿潤させた粉末状化合物を適当な装置で鋳型
成型することによって製造できる。
は、フレーバーベース、通常はスクロースおよびアラビ
アゴムまたはトラガントゴム中、式(I)の化合物を含
有するロゼンジ;および不活性ベースたとえばゼラチン
およびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアゴム
中、式(I)の化合物を含有するトローチがある。
合物の滅菌水性製剤とするのが便利で、この製剤は投与
が意図される対象の血液と等張性にすることが好まし
い。これらの製剤は、好ましくは、静脈内に投与される
が、投与は皮下、筋肉内または皮内注射によって行うこ
ともできる。このような製剤は、化合物を水または適当
な緩衝液たとえばグリシンもしくはクエン酸緩衝液と混
合し、得られた溶液を滅菌および血液と等張化すること
によって(pH範囲:3.5〜8.5)製造するのが便
利である。本発明の注射用製剤は一般的に、活性成分
0.1〜5mg/mlを含有し、投与前に活性成分濃度
0.0001〜0.05w/v%に希釈してもよい。非
経口投与は通常、0.001ml/分/kgまたはそれ
以上の速度で実施される。
単位用量坐剤として提供される。これらは、式(I)の
化合物を1種または2種以上の慣用の固体担体、たとえ
ばココア脂と混合し、得られた混合物をついで要求に応
じた形状とすることによって製造できる。
ましくは、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲ
ル、スプレー、エアゾルまたはオイルの形態とする。使
用される担体には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレン
グリコール、アルコール、およびそれらの2種またはそ
れ以上の混合物が包含される。式(I)の化合物は一般
に、0.001〜1.0w/w%たとえば0.005〜
0.2w/w%の濃度、含有させる
物の所望により緩衝化した水溶液の形態とし、受動拡散
または電気的介助輸送たとえばイオントフォレーゼ(た
とえば、Pharmaceutical Resear
ch 3(6):318,1986参照)によって送達
することができる。
るため、10〜500μmの範囲の粒子サイズが好まし
い。口からの肺内投与には、粉末または小滴の粒子サイ
ズを0.5〜10μmの範囲、好ましくは1〜5μmと
して、気管樹枝状構造への送達を確実にする
噴射剤中に懸濁または溶解させた処方を含有する加圧エ
アゾルディスペンサーである。使用時に、これらのデバ
イスは、計測容量、通常は10〜150μlを送達する
ように適合されたバルブを通して上記処方を噴射し、活
性化合物を含有する微粒子スプレーを生成する。適当な
噴射剤には、ある種クロロフルオロカーボン化合物、た
とえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロ
メタン、ジクロロテトラフルオロエタンおよびそれらの
混合物が包含される。この処方には、さらに1種または
2種以上の共溶媒たとえばエタノール、界面活性剤のよ
うな分散剤たとえばオレイン酸、ソルビタントリオレエ
ートまたはExosurf Neonatal,抗酸化
剤および適当なフレーバーを含有させることができる。
ルフォセリルパルミテート(ジパルミトイルホスファチ
ジルコリン)、セチルアルコール、チロキサポール〔オ
キシランと4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)フェノールとのポルムアルデヒドポリマー〕の水性
懸濁液を含有し、pHを5〜7の値に調整した、蛋白質
を含まない合成肺サーファクタントである。
濁液を、狭いベンチュリ開口を通過する圧縮気体、通常
は空気もしくは酸素の加速により、または超音波攪拌に
より、治療用エアゾルミストに変換させる市販のデバイ
スである。ネブライザーへの使用に適当な処方は、液体
担体中に活性成分を含むもので、活性成分は処方の40
w/w%まで添加できるが、好ましくは20w/w%未
満とする。担体は通常、水または薄いアルコール水溶液
であるが、たとえば食塩の添加によって体液と等張性に
することが好ましい。他の適当な担体には、界面活性
剤、たとえばExosurf Neonatalがあ
る。任意の添加剤としては、処方が滅菌されていない場
合の防腐剤たとえばヒドロキシ安息香酸メチル、抗酸化
剤、矯味剤、揮発性オイル、緩衝剤および界面活性剤の
ような分散剤たとえばExosurfNeonatal
を挙げることができる。
み装置を用いて送達させるか、またはかぎタバコのよう
にして鼻腔内へ取り込ませる微細末に粉砕した粉末があ
る。吹込み装置では、粉末は通常ゼラチンまたはプラス
チックで作られたカプセルまたはカートリッジに含まれ
ていて、これがその場で穿孔または開口され、粉末は吸
入時にデバイスに引き込まれた空気によりまたは手動ポ
ンプにより送達される。吹込み装置に用いられる粉末
は、活性成分単独であっても、また活性成分、適当な粉
末希釈剤たとえば乳糖、および必要に応じて分散剤から
なる配合粉末であってもよい。通常、この処方の0.1
〜100w/w%が活性成分である。
306,075号および欧州特許明細書0086611
号に記載の方法と、同一または類似の方法で製造するの
が有利である。
ために、本発明を例示するものである。
動物の両者について調べた。結果は表1〜4に示す。
合物の静脈内注入前30〜40分に、無麻酔イヌを、エ
ナラプリル(0.3mg/kg)、ジゴキシン(100
mg/kg)およびフロセミド(1.0mg/kg)で
別個に前処置すると、式(A)の化合物によって誘発さ
れるアンギオテンシンIIの血漿濃度の上昇はそれぞ
れ、遮断、減弱および増強することが見出された。しか
し、その血行動態像には有意な影響は与えなかった。結
果を表5に示す。
麻酔イヌに、式(A)の化合物20μg/kgの気管内
単回投与を、一方は5%エタノール/食塩水中溶液とし
て、他方は5%エタノール/Exosurf Neon
atal中溶液として行った。式(A)の化合物の血漿
濃度を各動物についてモニタリングして、各場合につき
平均終末半減期を求めた。Exosurf処置動物での
半減期は、食塩水処置動物の場合よりも有意に長いこと
が明らかにされた。Exosurfの場合の平均生物学
的利用性は88%であったのに対し、Exosurfを
用いない場合は46%であった。
態への作用は、CHFの予防および処置に有益であると
考えられる。
たはエタノール/水中、活性化合物の0.01〜0.2
M溶液
り、マウス、ラットおよびイヌでの急性および亜急性試
験によって試験した。これらの実験で無作用用量が確立
され、完全な可逆性が認められた。大部分の作用は、試
験された種については分単位で測定された半減期がわか
っている式(A)の化合物の既知の薬理学的活性による
ものであった。実施された試験を表6に掲げる。
Claims (8)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、−W−は、 【化2】 (式中、Zは−V(CH2 )b CO2 Hであって、bは
1または2、Vはbが1のとき酸素であり、bが2のと
きメチレンである)であり、 Xは水素、シアノまたは−C≡CHであり、 点線は二重結合であってもよいことを示す〕の化合物、
それらの生理的に許容される塩基の塩、エステルまたは
生体内において式(I)の化合物に変換される前駆体を
有効成分として含有する、心拍数及び心拍出量を上昇さ
せてうっ血性心不全を予防または処置するための医薬。 - 【請求項2】 式(I)の化合物は、(1R,2R,3
aS,9aS)−{〔2,3,3a,4,9,9a−ヘ
キサヒドロ−2−ヒドロキシ−1−((S)−3−ヒド
ロキシオクチル)−1H−ベンズ〔f〕インデン−5−
イル〕オキシ}酢酸である請求項1記載の医薬。 - 【請求項3】 更に、ACEインヒビター、強心薬およ
び利尿剤から選択される(ただし、利尿剤はACEイン
ヒビターおよび/または強心薬と一緒にのみ選択でき
る)、1種もしくは2種以上の他の治療活性化合物を含
有する請求項1記載の医薬。 - 【請求項4】 ACEインヒビターはエナラプリル、強
心薬はジゴキシン、利尿剤はフロセミドである請求項3
記載の医薬。 - 【請求項5】 経口、経頬、非経口、経直腸、局所、経
皮、経鼻、または肺内投与に適当な形態とした請求項3
または4記載の医薬。 - 【請求項6】 医薬的に許容される担体は、蛋白質を含
まない合成肺サーファクタントであるかまたはそれを含
有する請求項3〜5のいずれか一項に記載の医薬。 - 【請求項7】 請求項1記載の式(I)の化合物もしく
は請求項2に指定された式(I)の化合物を、医薬的に
許容される担体および所望により、ACEインヒビタ
ー、強心薬および利尿剤から選択される(ただし、利尿
剤はACEインヒビターおよび/または強心薬と一緒に
のみ選択できる)、1種もしくは2種以上の他の治療活
性化合物と混合してなるうっ血性心疾患の予防または処
置用医薬の製造方法。 - 【請求項8】 医薬的に許容される担体は、蛋白質を含
まない合成肺サーファクタントであるかまたはそれを含
有する請求項7記載の方法。
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