JP3003513U - 中通し竿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の中通し竿は、ガイド管の強度を低下
させずに釣糸の絡まりを低減し竿の中空の内壁の摩耗を
小さくする。 【構成】 本考案の中通し竿は、竿内外に釣糸を送出入
するガイド管１に竿先側が小径となるテーパー型の通路
３を形成し、この通路３に大径のガイドリング７および
小径のガイドリング７ａを挿入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は中通し竿に係り、特に釣糸を竿内外に送出入するための通路をガイド 管に形成することによるガイド管の強度の低下を低減し、釣糸の乱れによる絡ま りを防止すると共に、さらに竿内の中空の内壁の摩耗を小さくするものに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、釣竿は、主に川で釣りをする際に用いられ釣竿の一端に釣糸を結び釣り を行う延べ竿と、海などで釣りをする際に用いられ釣竿の外部に決められた間隔 で大小からなるリング状の釣糸を通すためのガイドを取り付けたガイド付き竿な どがある。そして、これらの釣竿は、竿が幾つかに分離され使用時に竿を継ぎ組 み立てる継ぎ竿もしくは小径の管および大径の管を一つの管に内装し使用時に振 るだけで組み立て完となる振出し竿などがある。また、前述のガイド付き竿は、 リールなどを取り付けることによりリールに巻き付けた長さだけ釣糸を絡むこと なく出せることから投げ釣りおよび船釣りなどに広く用いられる。さらにこのガ イド付き竿は、竿にガイドを取り付けるだけの簡単な構造のために製作が容易で あるなどの利点がある。

【０００３】 一方、ガイド付き釣竿が普及する以前から利用されている中通し竿は、竿の先 端部および竿のにぎりの上流部に釣糸を通すための穴を設け、竿内の中空を釣糸 が通るようにしたものである。この中通し竿は、竿全体に糸が当たるために釣糸 に掛かる荷重が竿全体に分散されるためガイド付き竿と比べてガイドの取り付け 箇所の強度を高くする必要がないので全体に滑らかで魚信が取りやすく合わせも 容易な竿であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この中通し竿は、竿内外に釣糸を通すための通路がガイド管に 形成されているのでガイド管の強度が低下したり、例えばリールと組み合わせて 使用し釣糸を送出もしくは巻き取る時に前述の通路の付近で釣糸が絡まることお よび釣糸が竿内の中空を通るために竿内の内壁が釣糸との摩擦により摩耗するこ とがあった。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、釣糸を竿内外に送出入するために形成された通路に よるガイド管の強度の低下を低減し、釣糸が竿内へ送入されるときの絡まりを防 止し、さらに釣糸との摩擦による竿の中空の内壁の摩耗を小さくする中通し竿を 提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を解決するための本考案の中通し竿は、釣糸を竿内外に送出入する ために竿外から竿内の中空までを斜めに貫通する通路が形成されたガイド管と、 当該ガイド管の両端に中空を釣糸が通る竿先側の竿および竿先に対向するにぎり 側の竿をそれぞれ継いで構成される中通し竿であって、前記通路は、竿先に近づ くほど小径になるようにテーパー型に形成され、さらに、前記通路の両端には、 小径および大径の切り込みがそれぞれ形成され、当該切り込みに摩耗および絡ま りを防止するためのリング状の小径のガイドリングおよび大径のガイドリングが 挿入されていること、を特徴とする。

【０００７】

【作用】

上述のように構成された本考案の中通し竿は、以下のように作用する。

【０００８】 本考案の中通し竿は、竿先に近づくほど小径であるテーパー型の通路をガイド 管に形成することにより直径が一定な通路をガイド管に形成したときと比較して 強度を高くすることができる。そして、竿内に送入される釣糸は、竿外側の通路 の端部に挿入されたリング状の大径のガイドリングを通過させるので釣糸の乱れ による絡みが低減される。また、竿先側の竿から送出入される釣糸は、通路の端 部に挿入された小径のガイドリングを通過するので釣糸の動きが小径のガイドリ ングの直径の大きさの範囲内に制限されることにより竿の中空の内壁と釣糸との 摩擦が小さくなり竿の内壁の摩耗が低減されることになる。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施例を図面を用いて説明する。

【００１０】 本考案の中通し竿には、図１のような竿先に近づくにつれて小径になるテーパ ー型に形成された通路３と、このテーパー型の通路３の竿外の面４に形成されて いる切り込み６に挿入する摩耗および絡まりを防止するためのリング状の大径の ガイドリング７と、テーパー型の通路３の竿内の面５に形成されている切り込み ６ａに挿入する摩耗および絡まりを防止するためのリング状の小径のガイドリン グ７ａと、竿を継ぐための中空の挿嵌部２，２ａを有するガイド管がある。

【００１１】 なお、中通し竿の材質はカーボンおよびグラスファイバー、木材系などが用い られる。また、ガイドリング７，７ａは、摩耗などに対して耐久性があるように セラミックおよび金属系を使用することが望ましい。さらに、ガイドリング７， ７ａの形状は必ずしも円形である必要はなく、釣糸の乱れが整理されスムーズに 通過するような形状であれば、四角形もしくは三角形または楕円形など最適にな るように設定することが望ましい。

【００１２】 このような中通し竿は、以下のように作用する。

【００１３】 竿内に送入する釣糸は、図２のようなテーパー型の通路３に挿入されたリング 状の大径のガイドリング７を通過し竿内に釣糸が送入されるので釣糸の絡まりが 低減される。そして、このガイド管１に形成された通路３は、テーパー型なので 直径が一定の通路を開けたときと比較して強度を高くすることができる。また、 竿から送出入される釣糸は、竿先側のテーパー型の通路３に挿入された小径のガ イドリング７ａを通過するので釣糸の動きが小径のガイドリング７ａの直径の大 きさの範囲内に制限されることにより竿の中空の内壁と釣糸との摩擦が小さくな り竿の内壁の摩耗が低減されることになる。図３は、中通し竿を継いで組み立て た図面であり、ガイド管１の両端に形成された竿を継ぐための挿嵌部２，２ａに 竿先側の竿８およびにぎり側の竿８ａをそれぞれ挿嵌したものである。

【００１４】 以上のように構成し作用させることにより本考案の中通し竿は、ガイド管にテ ーパー型の通路を形成することによりガイド管の強度を低下させずに釣糸を竿内 に送出入することができ、特に釣糸を送入する場合には大径のガイドリングを通 過させるので釣糸の乱れによる絡まりを低減することができる。また、本考案の 中通し竿は、竿内を通る釣糸が小径のリングガイドを通過するので釣糸の乱れが 制限され、竿の中空の内壁と釣糸との摩擦を小さくできるので竿の内壁の摩耗を 低減することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上、述べたように本考案の中通し竿は、ガイド管に竿先が小径になるテーパ ー型の通路を形成することによりガイド管に通路を形成することによるガイド管 の強度の低下を低減し、通路の両端部に大径のガイドリングおよび小径のガイド リングを挿入することより釣糸の絡まりを防止すると共に、竿の中空の内壁の摩 耗を小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の中通し竿の構成を説明するための図
面である。

【図２】 本考案の中通し竿の作用を説明するための図
面である。

【図３】 本考案の中通し竿の組み立てを説明するため
の図面である。

【符号の説明】

１…ガイド管、２，２ａ…挿嵌部、３…通路、４…竿外
の面、５…竿内の面、６，６ａ…切り込み、７…大径の
ガイドリング、７ａ…小径のガイドリング、８…竿先側
の竿、８ａ…にぎり側の竿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 釣糸を竿内外に送出入するために竿外か
   ら竿内の中空までを斜めに貫通する通路が形成されたガ
   イド管と、当該ガイド管の両端に中空を釣糸が通る竿先
   側の竿および竿先に対向するにぎり側の竿をそれぞれ継
   いで構成される中通し竿であって、 前記通路は、竿先に近づくほど小径になるようにテーパ
   ー型に形成され、 さらに、前記通路の両端には、小径および大径の切り込
   みがそれぞれ形成され、当該切り込みに摩耗および絡ま
   りを防止するためのリング状の小径のガイドリングおよ
   び大径のガイドリングが挿入されていること、を特徴と
   する中通し竿。