JP3003307U - ボルト，ナットの保護キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、保護キャップを摩擦係合によりナ
ットへ取り付けることにより、取り付けはワンタッチで
容易に行われ、めねじ等の付属物がない構造のため、安
価な成形型により成形できて、離型もワンショットで行
われ、使用する材料は少ないので、製品コストも安いと
いう便利で経済的なボルト，ナットの保護キャップを提
供する。 【構成】 ボルトに螺合したナットに被せて、このナッ
トとボルトの先とを覆わせる合成樹脂製保護キャップに
於て、その筒部を前記ナットへ摩擦係合する寸法に形成
したボルト，ナットの保護キャップ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ボルト，ナットの保護キャップ。詳しくはナットへの取付けがワン タッチでできて、値段も安いため極めて便利で経済的なボルト，ナットの保護キ ャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ボルト、ナットを保護するキャップは、実開平３−１０４５１７号公報 により公知であり、このキャップは、その内腔部の奥端にめねじを設け、このめ ねじをボルト先へ螺合して取付けるものであるから、取付けが確実に行われる特 徴を有する。

【０００３】 しかし、めねじが見えないところにあるため、これをボルトに合わせるのが困 難で、又、合わせた後もキャップを何回転もさせなければならないので取付けが 面倒であり、しかも、めねじを付設するキャップは、成形型が複雑になるため高 価で、成形したキャップを何回転もさせてそのめねじを成形型のおねじから外さ ないと離型できず、めねじ形成のために材料費も余分にかかるので製品コストが 高くなるという問題点を有する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、この現状に即してなされたもので、保護キャップを摩擦係合により ナットへ取付けることにより、取り付けはワンタッチで行われ、めねじ等の付属 物がない構造のため、安価な成形型により成形できて、離型もワンショットで行 われ、使用する材料は少ないので、製品コストも安いという便利で経済的なボル ト，ナットの保護キップを提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため本考案に係るボルト，ナットの保護キャップは、ボル トに螺合したナットに被せて、このナットとボルトの先とを覆わせる合成樹脂製 保護キャップに於て、その筒部を前記ナットと摩擦係合する寸法に形成すること を特徴とするものであるが、保護キャップに於ける筒部を四角、又は六角ナット の対角線距離か、円ナットの外径に合致する寸法の円形に形成する構成とし、あ るいは保護キャップに於ける筒部を角、又は六角ナットの外形寸法に合致する四 角、又は六角に形成する構成としてもよく、更にこれらの場合、保護キャップの 見易い個所に指標を設ける構成にすることが好ましい。

【０００６】

【作用】

前述した構成のボルト，ナットの保護キャップは、その筒部をボルトに螺合し たナットへ嵌め付ければ、キャップをワンタッチでナットへ取り付けるとができ て、しかも、この際、キャップとナットの摩擦係合が生じるため、キャップは自 然離脱を生じないように確実にナットに支持されて、ナット及びボルトの先を隠 蔽し、その近くでコンクリートの打設や、アスファルト，塗料，腐食性の液体や ガス等の塗布、散布等を行っても、これらをナットやボルト先へ付着させないよ うにして保護作用を確実に行う。

【０００７】 又、この保護キャップは、筒部を円断面に形成すれば、図３、図４、図５に示 すように六角ナット、四角ナット、円形ナットのいずれにも使用できて、六角や 四角のナットをダブルで使用した場合、上下のナットの稜が図３及び図４に点線 と鎖線で示すようにずれていても嵌め付けができ、六角、四角の断面に形成すれ ば、上下のナットの稜がずれるダブルナットには使用できないが、シングルナッ トの場合には、ナットとキャップの形状一致によって両者の摩擦係合を一層確実 にすることができる。

【０００８】 更に、この保護キャップは、図３〜図５等に示すように見易い位置（天面等） に指標を付し、この指標を基準位置に合わせて置けば、ナットが緩むと前記指標 が基準位置に対してずれるため、指標の位置を見るだけでナットの緩みを容易に 発見して、これに起因する危険や事故の発生を防止することができる。

【０００９】 尚、筒部をナットに嵌めて摩擦係合で取付けを行うキャップは、めねじ等を付 設する必要がなく、従って、成形型が簡単になって安価に製作できるし、製品の 離型は突き出し等のワンショツトで行われ、使用する材料も少ないので廉価に製 作することができるものである。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案に係るボルト，ナット保護キャップの実施例を図面に基づいて説 明する。

【００１１】 図１はこの保護キャップの第１の実施例により六角のシングルナットとボルト の先とを保護させた状態の縦断正面図。図２は同上実施例により六角のダブルナ ットとボルトの先とを保護させた状態の縦断正面図。図３は同上実施例による六 角ナットの保護状態を一部を横断して示す平面図。図４は同上実施例による四角 ナットの保護状態を一部を横断して示す平面図。図５は同上実施例による円形ナ ットの保護状態を一部を横断して示す平面図。図６は第２の実施例により六角の シングルナットとボルトの先とを保護させた状態の縦断正面図。図７は同上の一 部を横断して示す平面図。図８は第３の実施例により四角のシングルナットとボ ルトの先とを保護させた状態の縦断正面図。図７は同上の一部を横断して示す平 面図である。

【００１２】 図１〜図５に示す第１の実施例に於て符号１は、部材２と３を結合したボルト ４及びナット５を保護させるキャップで、均一製品の廉価な量産に適した合成樹 脂の成形によって成形するものであり、その材料は、特に耐久性が要求される場 合はナイロン樹脂等を、耐久性の必要はなく廉価であることが要求される場合は 、ポリプロピレン樹脂等を条件に応じて適当に選択するもので、形状は、筒部ａ を図３〜図５に示すような円断面に形成すると、図３に示す六角ナット５、図４ に示す四角ナット５、図５に示す円形ナット５の総てに嵌め付けて、ワンタッチ で確実に取り付けることができ、高さは、図１に示すシングルナット５の場合は 、１個のナット５とこれから出るボルト４の先とを適当な余剰空間を持って包容 する寸法に、ダブルナットの場合は、２個のナット５とこれから出るボルト４の 先とを適当な余剰空間を持って包容する寸法に形成する。

【００１３】 同実施例に於て符号６は前記した保護キャップ１の見易い個所、例えば天面ｂ に設けた指標で、図３〜図５等に半分を示すように矢印、点、線、等を天面より も凹没、若しくは凸出するように成形すれば、これが消滅しなくて便利であるが 、塗装、印刷により表示してもよく、この指標６を近傍に設定した点、線等の基 準位置（図面省略）に合わせて置き、ナット５が緩むとキャップ１がこれと共に 回転して、基準位置に対し位置ずれするため、ナット５の緩みを容易に発見する ことができる。

【００１４】 前記実施例に示した保護キヤップ１は、筒部ａが円断面であるため、図３に示 すような六角ナット５か、図４に示すうな四角ナット５へ嵌め付ければ、筒部ａ の内周がこれらナット５の各稜と線接触し、又、図５に示す円形ナット５に嵌め 付ければ、内周はナット５の外周と面接触して摩擦係合を生じるから、ワンタッ チでナット５へ確実に取付けることができて、しかも、図２に示すように六角ナ ット５や四角ナット５（図面省略）をダブルで使用する場合、上下のナット５， ５の稜が図３及び図４に点線と鎖線で示すようにずれていても、筒部ａをスムー ズに両ナット５，５へ嵌め付けることができる。

【００１５】 図６、図７に示す第２の実施例に於て符号１は、六角ナット専用の保護キャッ プで、第１の実施例のものと同様に合成樹脂により成形するが、その形状を六角 ナット５に合致する六角形に形成されていて、ダブルナットの場合、上下のナッ ト５，５の稜が図３に示すようにずれるため、このダブルナットへの嵌め付けは できないので、シングルナットのみに使用は限定されるが、六角の筒部ａの各片 とナット５の各片とが面接触して、前記円断面の筒部ａと円形ナット４との嵌め 付け同様、ほぼ全周で確実な摩擦係合を達成する。

【００１６】 図８、図９に示す第３の実施例に於て符号１は、四角ナット専用の保護キャッ プで、第１、第２の実施例のものと同様に合成樹脂により成形するが、その形状 を四角ナット５に合致する４角形に形成されていて、ダブルナットの場合、上下 のナット５，５の稜が図４に示すようにずれるため、このダブルナットへは嵌め 付けはできないので、シングルナットのみに使用は限定されるが、四角の筒部ａ の各片とナット５の各片とが面接触して、前記六角断面の筒部ａと六角ナットと の嵌め付け同様、ほぼ全周で確実な摩擦係合を達成する。

【００１７】

【考案の効果】

前述した通り、本考案に係るボルト，ナットの保護キャップは、嵌め付けによ りワンタッチでナットへ取り付けることができて、キャツプだけの簡単な構造で あるため、成形型は安価で、製品の離型はワンショットで行われ、使用する材料 も少ないので、製品コストも安いという便利で経済的なものであって、しかも、 合成樹脂製のために耐水性，耐衝撃性、電気絶縁性，耐薬品性等に優れて、ボル ト，ナットの保護に完璧な効果を挙げ得るし、その筒部を円断面に形成すれば、 六角、四角、円形の各ナットに共用でき、六角、四角の断面に形成すれば、六角 や四角のナットに対する摩擦係合を確実にできて、更に見易い個所に指標を設け る場合は、これによりナットの緩みを発見することもできる実用的効果を有する ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のボルト，ナット保護キャップの第１の
実施例により六角のシングルナットとボルトの先とを保
護させた状態の縦断正面図である。

【図２】同上実施例により六角のダブルナットとボルト
の先とを保護させた状態の縦断正面図である。

【図３】同上実施例による六角ナットの保護状態を示す
平面図である。

【図４】同上実施例による四角ナットの保護状態を示す
平面図である。

【図５】同上実施例による円ナットの保護状態を示す平
面図である。

【図６】第２の実施例により六角のシングルナットとボ
ルトの先とを保護させた状態の縦断正面図である。

【図７】同上の一部を横断した平面図である。

【図８】第３の実施例により四角のシングルナットとボ
ルトの先とを保護させた状態の縦断正面図である。

【図９】同上の一部を横断した平面図である。

【符号の説明】

１ キャップ ａ 筒部 ｂ 天面 ４ ボルト ５ ナット ６ 指標

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルトに螺合したナットに被せて、この
   ナットとボルトの先とを覆わせる合成樹脂製保護キャッ
   プに於て、その筒部を前記ナットと摩擦係合する寸法に
   形成したことを特徴とするボルト，ナットの保護キャッ
   プ。
2. 【請求項２】 保護キャップに於ける筒部を四角、又は
   六角ナットの対角線距離か、円ナットの外径に合致する
   寸法の円形に形成したことを特徴とする請求項１記載の
   ボルト，ナットの保護キャップ。
3. 【請求項３】 保護キャップに於ける筒部を角、又は六
   角ナットの外形寸法に合致する四角、又は六角に形成し
   たことを特徴とする請求項１記載のボルト，ナットの保
   護キャップ。
4. 【請求項４】 保護キャップの見易い個所に指標を設け
   たことを特徴とする請求項１，２又は３記載のボルト，
   ナットの保護キャップ。