JP3003269B2 - 難燃性abs系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性abs系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱安定性に優れた難燃
性ABS系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂は耐衝撃性、耐熱性、加工性
に優れ、また成形品の光沢が良いことから、汎用熱可塑
性樹脂として多量に使用されている。しかしABS樹脂
は燃えやすいという性質のため用途が制限されることも
多い。そのため最近、ABS樹脂を難燃化する目的で、
塩素化ポリエチレンを配合する方法が試みられている
(特開昭63−179952)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塩素化ポリエチレンでは成形時の熱履歴により塩素化ポ
リエチレンが脱塩酸反応などの熱劣化を起こし、成形品
に変色をもたらすなどの問題点があった。
【0004】以上のことから、本発明は、熱安定性に優
れた難燃性ABS系樹脂組成物を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者は、鋭意研究を重
ねた結果、難燃化剤としての熱安定性に優れた塩素化ポ
リエチレンを得る方法を見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、アクリロニトリル−
スチレン−ブタジエン3元系重合体80〜99重量%
と、分子量分布がMw/Mnで1.5〜8.0であり、
かつ灰分が0.015重量%以下であるポリエチレンを
窒素雰囲気下で塩素化反応して得られる塩素含有量が1
5〜50重量%である塩素化ポリエチレン1〜20重量
%とからなる熱安定性に優れた難燃性ABS系樹脂組成
物を提供するものである。以下本発明を詳しく説明す
る。本発明において用いるアクリロニトリル−スチレン
−ブタジエン3元系重合体(以下ABS樹脂と云う)
は、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等
のゴム状物質の存在下にスチレンとアクリロニトリルと
の混合単量体を重合して得られる所謂グラフト型ABS
樹脂、前記ゴム状物質とスチレン−アクリロニトリル共
重合体との機械的混合によって得られる所謂ブレンド型
ABS樹脂、または前記グラフト型ABS樹脂とブレン
ド型ABS樹脂の混合型によって代表されるが、その他
に前記スチレンの全部又は1部をα−メチルスチレンで
置換して樹脂の耐熱性を向上したもの、及び前記アクリ
ロニトリルの全部又は1部をメタクリル酸メチルで置換
してその透明性を改善したABS樹脂類似の樹脂組成物
を含むものである。これらABS系樹脂は公知の方法で
製造することが出来る。その使用に特に制限はないが、
最終製品の物性を考慮するとグラフト型ABS系樹脂の
方が望ましい。当該樹脂中のゴム状物質の含有量は通常
10〜60%が好適に使用される。またスチレン及びア
クリロニトリルの含有量はそれぞれ30〜70%及び1
0〜40%である。
【0007】また、本発明で用いる塩素化ポリエチレン
は、ポリエチレンの粉末または粒子を水性懸濁液中で塩
素化するか、あるいは有機溶媒中に溶解したポリエチレ
ンを塩素化して得られるものである(水性懸濁液中で塩
素化することによって得られるものが望ましい)。前記
ポリエチレンは、エチレンを単独重合またはエチレンと
α−オレフィンとをいわゆるチーグラー触媒またはフィ
リップス触媒を用いて共重合することによって得られ
る。α−オレフィンは一般には炭素数が多くとも12個
(好ましくは8個以下)であり、代表例としてプロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、およびオクテン−1があげられる。また、α−オレ
フィンの共重合割合は通常多くとも5重量%である。
【0008】さらに、ポリエチレンはゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分
布がMw/Mnで1.5〜8.0であり、好ましくは
1.5〜6.0である。Mw/Mnが1.5未満では機
械的強度が発現しない。また、8.0を超えると熱安定
性が低下し好ましくない。
【0009】また、ポリエチレンは主触媒として遷移金
属化合物(たとえば四塩化チタン)および助触媒として
有機金属化合物(たとえばアルキルアルミニウム化合
物)から得られるチーグラー触媒または担体に担持され
た酸化クロムなどを主触媒とするいわゆるフィリップス
触媒の存在下でエチレンの単独重合またはエチレンとα
−オレフィンとの共重合により得られる。この際ポリエ
チレン中に残存する触媒は灰分として測定されるが、こ
のポリエチレン中の灰分が0.015重量%以下、好ま
しくは0.010重量%以下であることが必要である。
灰分が0.015重量%を超えると熱安定性が低下し好
ましくない。
【0010】塩素化反応は通常水性懸濁状態で実施され
る。この水性懸濁状で塩素化を実施するには粒子状また
は粉末状のポリエチレンを水性媒体中に懸濁させる。こ
の水性懸濁状態を保持するために、少量の乳化剤、懸濁
剤を加えることが好ましい。この際必要に応じてベンゾ
イルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルおよ
び過酸化水素のごときラジカル発生剤、ライトシリコン
油などの消泡剤ならびにその他の添加剤を加えてもさし
つかえない。塩素化反応に際しては、ポリエチレンを懸
濁させた水性媒体中の溶存酸素及び反応器の気相部を窒
素にて置換することが必要である。
【0011】塩素化反応は、ポリエチレンの融点近くま
で温度を上昇して実施される。この際所定の塩素量を反
応させる時、ポリエチレンの融点より10〜30℃低い
温度にてまず第1段の塩素化を行い、次いで5〜15℃
低い温度にて第2段の塩素化を行ったほうが望ましい。
また、この第1段反応においては全塩素化量の20〜8
0%の塩素化をする必要があり、特に30〜80%塩素
化することが望ましい。第1段における塩素化量が全塩
素化量の20%未満の場合、つづく第2段の塩素化反応
中において塩素化ポリエチレン粒子の団塊化を起し易
い。一方、80%を超えて塩素化すると不均一な反応が
進行し、得られる生成物は加工性が乏しい。
【0012】以上の第1段ないし第2段の塩素化におい
て、塩素はガス状で単独または適当な不活性ガスで稀釈
して使用することができる。この場合の塩素導入圧は通
常5kg/cm以下である。塩素化の進行状況は、供
給される塩素の重量減を測定することによって知ること
ができるが、生成する塩化水素の量を測定することによ
って塩素化度を知ることも出来る。
【0013】このようにして得られた塩素化ポリエチレ
ンは、水洗して付着している塩酸、乳化剤などを除去し
た後、乾燥することによって本発明の塩素化ポリエチレ
ンを得ることができる。得られた塩素化ポリエチレンの
塩素含有量は15〜50重量%、好ましくは20〜45
重量%、さらに好適には20〜40重量%である。この
塩素化ポリエチレンの塩素含有量が15重量%未満では
得られる塩素化ポリエチレンを回収および精製するのに
問題がある。その上、耐焔性が乏しい。一方、50重量
%を超えるとゴム状弾性において著しく低下するため好
ましくない。
【0014】本発明の樹脂組成物中に占める塩素化ポリ
エチレンの組成割合は、1〜20重量%であり、好まし
くは2〜10重量%である。塩素化ポリエチレンの割合
が1重量%未満では組成物の耐衝撃性、難燃性が向上せ
ず、20重量%を超えると引張強度と硬度が低下するの
で好ましくない。
【0015】また、本発明の樹脂組成物は、他の難燃剤
を更に添加してその難燃度を一段と向上させることがで
きる。難燃剤としては、公知のハロゲン化エステル、燐
酸エステル、芳香族エステル等何れの難燃剤を使用して
もよいが、特にアンチモン系化合物が本発明の樹脂組成
物の諸特性を変える度合が小さく且つ塩素との相乗作用
により難燃度を著しく向上させる利点を持っているので
好適に使用される。
【0016】本発明の樹脂組成物は、ミキシングロー
ル、ニーダー、バンバリ、押出機等の混練機のいずれに
よっても混合で造られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらにくわし
く説明する。なお、引張強度はASTM D−638、
耐衝撃強度はASTM D−256、難燃性はUL規格
94号に準じて測定した。又、熱安定性は試験片を射出
成形で得る際に射出成形機内に10分間保持した後、成
形品を得て、その変色により、◎を変色なし、×を変色
あり、として評価した。
【0018】実施例1 1001のガラス内張りしたオートクレーブに80lの
水、80gのラウリル酸ナトリウムおよびエチレンとブ
テン−1とをチーグラー触媒を用いることによって得ら
れるエチレン−ブテン−1共重合体(灰分0.005重
量%、密度0.953g/cm、分子量分布Mw/M
n=2.5、M.I.1.2g/10分、融点135
℃)10kgを仕込み、ガス導入管より純度99.99
%の窒素を20分間バブリングした。撹拌しながら50
〜115℃の温度範囲において該共重合体の塩素含有量
が18.0重量%になるまで塩素化した(第1段塩素
化)。ついで、反応系を昇温し、120〜130℃の温
度範囲において塩素含有量が36.0重量%になるまで
塩素化して(第2段塩素化)塩素化ポリエチレンを製造
した。
【0019】実施例2 実施例1において使用したエチレン−ブテン−1共重合
体のかわりにエチレンをチーグラー触媒を用いることに
よって得られるポリエチレン(灰分0.009重量%、
密度0.958g/cm、分子量分布Mw/Mn=
5.1、M.I.7.5g/10分、融点132℃)を
用いたほかは実施例1と同じ条件で50〜115℃の温
度範囲においてポリエチレンの塩素含有量が12.0重
量%になるまで塩素化した(第1段塩素化)。さらに、
反応糸を昇温し、120〜130℃の温度範囲において
塩素含有量が30.0重量%になるまで塩素化して(第
2段塩素化)塩素化ポリエチレンを製造した。
【0020】比較例1 実施例1において使用したエチレン−ブテン−1共重合
体のかわりにエチレンとブテン−1をチーグラー触媒を
用いることによって得られるエチレン−ブテン−1共重
合体(灰分0.025重量%、密度0.955g/cm
、分子量分布Mw/Mn=4.9、M.I.10g/
10分、融点132℃)を用いたほかは実施例1と同じ
条件で塩素化ポリエチレンを製造した。
【0021】比較例2 実施例1において使用したエチレン−ブテン−1共重合
体のかわりにエチレンとブテン−1をチーグラー触媒を
用いることによって得られるエチレン−ブテン−1共重
合体(灰分0.008重量%、密度0.950g/cm
、分子量分布Mw/Mn=15.0、M.I.1.0
g/10分、融点130℃)を用いたほかは実施例1と
同じ条件で塩素化ポリエチレンを製造した。
【0022】比較例3 窒素によるバブリングを行わない他は実施例1と同じ条
件で塩素化ポリエチレンを製造した。
【0023】実施例1、2および比較例1〜3で得られ
た塩素化ポリエチレンを各々について5重量部、ABS
樹脂100重量部、ジブチル錫マレエート1重量部、3
酸化アンチモン6重量部、テトラブロモビスフェノール
A20重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、30m
mφ2軸押出機で200℃で混練し、各々ペレット化し
た。各々のペレットを8オンス射出成形機にて成形温度
220℃にて試験片を成形した。
【0024】比較例4 実施例1で得られた塩素化ポリエチレン30重量部用い
る他は、上記と同様な方法で試験片を成形した。
【0025】得られた試験片各々について引張強度、耐
衝撃強度、難燃性及び熱安定性の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0026】
【0027】
【発明の効果】本発明によって得られる難燃性ABS系
樹脂組成物は熱安定性に優れ、OA機器、家電製品、自
動車部品などの素材として有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル−スチレン−ブタジエ
    ン3元系重合体80〜99重量%と、分子量分布がMw
    /Mnで1.5〜8.0であり、かつ灰分が0.015
    重量%以下であるポリエチレンを窒素雰囲気下で塩素化
    反応して得られる塩素含有量が15〜50重量%である
    塩素化ポリエチレン1〜20重量%とからなる難燃性A
    BS系樹脂組成物。
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