JP3002939U - 養蚕用被覆カバーシート - Google Patents

養蚕用被覆カバーシート

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JP3002939U
JP3002939U JP1994004871U JP487194U JP3002939U JP 3002939 U JP3002939 U JP 3002939U JP 1994004871 U JP1994004871 U JP 1994004871U JP 487194 U JP487194 U JP 487194U JP 3002939 U JP3002939 U JP 3002939U
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JP
Japan
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sericulture
cover
cover sheet
mulberry leaves
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JP1994004871U
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Inventor
茂 馬場
尚史 桜井
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デュポン株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案の養蚕用被覆カバーシートは、フラッ
シュ法によって製造されかつ光反射率が90%以上であ
る不織布シートからなる。 【効果】 したがって、従来の被覆シートに比べて優れ
た透湿性、通気性および光反射性を具備するものなの
で、本考案の養蚕用被覆カバーシートによって蚕飼育環
境の改善を達成することが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、養蚕分野で用いられる被覆用カバーシートに関するものであって、 特に光反射率、降温性、透湿性及び取扱い性等に優れた不織布シートからなる新 規な養蚕用被覆カバーシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
養蚕農家にとって、蚕や桑の葉を蒸し暑さや高温からいかに守るかは大きい問 題となっている。すなわち、高温多湿の場合蚕の採食活動が低下し、また桑の葉 の損傷や萎凋がおきやすい。 従来、ビニールシートやアルミ蒸着された樹脂シート材を用いて蚕及び給与さ れた桑の葉を被覆している。ビニールシートは経費は安く作業は容易だが、シー ト被覆下の温度が上昇しやすく、それに伴う内部の「ムレ」もあって萎凋などに よる葉の損傷が多い。また、アルミ蒸着シート材は重く、被覆や除去作業が容易 ではなく、価格も高く、通気性がないので、葉に「ムレ」が発生し、桑葉の貯蔵 内部での葉の損傷が多かった。 したがって、養蚕において、蚕を飼育するために給与される桑葉が、蚕座(蚕 を飼育している棚や平面飼いの区画部)が設けられている雰囲気の影響で損傷、 萎凋するのを抑制でき、更に、この雰囲気の温度、湿度を外気の変化に無関係に 一定に維持するための優れた被覆用カバーシートが求められている。 また、近年、塩化ビニール系樹脂フィルムあるいはアルミ蒸着された樹脂フィ ルムからなる被覆用カバーシート以外に、屋外または屋内で農業、畜産あるいは 園芸に使用される場合、耐光性、耐久性、耐水性あるいは透湿性等を兼ね備えた 不織布シート(ポリオレフィン繊維)からなる被覆用カバーシートが開発されて いる。
【0003】 ここで、不織布シートについて簡単に説明する。不織布シートは、天然あるい は人造の繊維ステープルまたは連続フィラメントが接着剤、溶融繊維あるいは機 械的方法により接合された布状物質を意味するものである。また、不織布シート は、その製造方法によって分類されるもので、その分類によってそれぞれ特性が 異なる。 例えば、一つの製造方法は、ステープルファイバーから出発し、繊維どうしを 接合物質によって接合して繊維ウエブを形成し、さらにウエブどうしを接着して ウエブまたはマット状構造を有した不織布シートを得るもので、従来の農業およ び畜産用被覆体に用いられた不織布シートはこのような方法によって製造される 。したがって、従来の農業マルチ栽培用他の目的で使用されている不織布シート 製被覆用カバーシートは、一般に保温性と通気性とを兼ね備えている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
従来の養蚕分野において使用されていた塩化ビニール系樹脂フィルムシート材 あるいはアルミ蒸着された樹脂シート材からなる蚕座を被覆するカバーシートで は、被覆下での温度が上昇していた。それに起因する蚕座に給与された桑葉の発 熱、更にシート材の通気性の問題が関係し、「ムレ」現象が発現し、その結果と して桑葉が萎凋、損傷することを防止または抑制する目的に従来の養蚕用被覆用 カバーシートは適していなかった。桑葉の損傷または葉の鮮度低下は、葉が高温 、多湿下に置かれる時間の長さに比例し進行するものであり、したがって、養蚕 農家にあって条桑(枝付きの葉)を束ねて野外または屋内で1〜2日貯蔵する場 合が多く、これらの養蚕作業からも遮光性、降温性、耐水性、透湿性等に優れた 不織布シートからなる新規な養蚕用のカバーシートとしての被覆体の開発が強く 求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、上述の課題を解決するために、本考案の養蚕用被覆カバーシートは、 蚕を飼育するための桑葉を被覆し、当該桑葉の萎凋を抑制することができるフラ ッシュ紡糸法によって製造され、且つ光反射率が90%以上である不織布シート からなることを特徴とする。
【0006】
【作用】
本考案の養蚕用被覆カバーシートは、フラッシュ紡糸法によって製造される不 織布シートを構成する複数のフィラメントと、これらのフィラメント間の隙間に ある空気とが光を反射することによって高い遮光効果を示し、さらに優れた通気 性および透湿性を示す。そのため、被覆カバーシートに覆われた空間の気温を下 げることを可能とする。同時に、本考案による不織布シートによって被覆された 蚕座は温度が一定となり且つ通気性があることから、被覆下の湿度も一定に保た れることによって、桑葉の鮮度が保たれ、蚕の採食活動も活発になる望ましい養 蚕環境の形成を可能とする。
【0007】
【実施例】
以下、本考案を下記の実施例により具体的に説明するが、本考案は下記の実施 例によって限定されるものではない。 本考案の養蚕用被覆カバーシートに適した不織布シートは、フラッシュ紡糸法 によって製造されるもので、すなわちポリエチレン等のポリオレフィンからなる フィラメントを交差させながら堆積して形成されたバットをニップに通過させて 圧縮することにより製造される。フラッシュ紡糸法によれば、ポリマーを低沸点 溶媒に溶解した溶液を紡糸ノズルから押し出し、瞬間的に溶媒を気化させるので 、この気化容易な低沸点溶媒の膨張力を利用することによって極細高強力のフィ ラメントが得られる。そして、このフィラメントがウエブ形成中に散布し高密度 かつ多数の融着点において接合した不織布を製造することが可能である。したが って、フラッシュ紡糸法による不織布は、他の製造方法、例えば加熱流体ジェッ トを利用するメルトブロー法や、圧縮空気流を利用するスパンボンド法等によっ て形成される不織布と比較して高密度であり、このため養蚕用被覆カバーシート に要求される耐久性、耐水性、不透明性、通気性および透湿性等のすべての特性 において優れている。用いられる溶媒の具体例および諸条件に関しては、米国特 許3,081,519号、特開平2−139408号、特開平2−160909号 、特開平4−185708号および特公昭40−28125号を参照することに よって更に詳細に理解できる。また、本考案に基づく養蚕用被覆カバーシートは 、フラッシュ紡糸法によって製造された光反射率が90%以上の不織布シートか らなり、坪量が、好ましくは40〜150g/m2 である。このような不織布シ ートは、市販のフラッシュ紡糸法を用いた高密度ポリオレフィン不織布を好まし く使用することができる。不織布を構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン 特に高密度ポリエチレンが好ましいが、ポリプロピレンもしくはポリオレフィン の共重合体あるいはポリエステル等ポリオレフィン以外の重合体もしくはポリオ レフィンとの共重合体を使用することもできる。さらに、必要に応じて、紫外線 吸収剤を添加して、耐久性を向上させることもできる。
【0008】 本考案に基づく養蚕用被覆カバーシートとして好適な不織布シートは、例えば デュポン社から商標:タイベックとして市販されている不織布シートである。こ の不織布シートは、坪量が40〜60g/m、光反射率が90〜95%である 。
【0009】 本考案に基づく養蚕用被覆カバーシートは、フラッシュ紡糸により長繊維フィ ラメントを高密度に接合して形成された不織布シートからなるものなので、強靭 で耐久性に優れており、また通気性および透湿性が高く、例えば、デュポン社製 タイベックのタイプ1000AGは、透気度として26.6s/100cc(J IS−P−8117(B型)による測定値)及び透湿度が5122g/m2/24 h(JIS−Z−0208修正法による測定値)、タイプ700AGは、透気度 が177.8s/100cc(1000AGの場合と同じ測定方法)、透湿度が3 980g/m2/24h(1000AGの場合と同じ測定方法)、タイプ760 AGは、透気度が166.5s/100cc(1000AGの場合と同じ測定方法 )、透湿度が3899g/m2/24h(1000AGの場合と同じ測定方法) である特性を有している。よって、被覆下を常に一定の湿度に保つことが可能で ある。同時に、極細の繊維を高密度に交差堆積させたものなので、フィラメント とフィラメント間の空気とが光を反射することによって高い反射率が得られ、こ れによって太陽光線が被覆シート表面で反射されることによって被覆シート裏側 に太陽光線が到達しないので、被覆シート裏面と接した空間または桑葉の温度上 昇を抑制することが可能となる。
【0010】 デュポン社製タイベックは、紫外部から可視、近赤外部の全波長にわたる光( 約300nm〜800nmの波長)に対して90%以上の反射率を有しているのに対 して、一般に使用されているフィルムや不織布は一般に反射率が低く、特に紫外 部(約300nm〜400nmの波長)の反射率が極端に低い。そのため、本考案に よる養蚕用被覆カバーシートは、無視することができない紫外線による桑葉およ び/または蚕への影響をも排除、解消ができる。従来のフィルムまたは不織布は 反射率が低いのみならず外部との熱交換性がないので被覆された蚕座の温度上昇 をもたらす問題があった。それに対してタイベックは高い反射率を示すのみなら ず、通気性および透湿性を合わせ持つものなので、高い降温効果を示す。タイベ ックのタイプとしては、タイプ−10(ハード品)およびタイプ−14(ソフト 品)のいずれも適当である。具体的には、タイベック タイプ1000AG、7 00AGまたは760AGである。太陽光線または人工光線の反射率について、 タイベックR とアルミ蒸着された樹脂フィルム(東罐興業社製,商品名:シルバ ーポリトー)とを比較すると、タイベックR のタイプ1000AGの光反射率が 94.42%、同タイプ760AGの光反射率が91.30%に対し、シルバーポ リトーの反射率は48.97%となり、著しく相違がある。
【0011】 (実施例) フラッシュ紡糸法によって製造された不織布(商標:タイベックソフトタイプ 700AG,デュポン社製)を適当な大きさのシート状(1.5m幅)に切断し 、代表的な使用方法を示す図1にあるように、本考案による養蚕用被覆カバーシ ートによって蚕座を被覆する。
【0012】 (比較例) 蚕座に給与された桑葉の萎凋防止のために、夏季(6〜7月)の高温期には給 与された桑葉の上に細目の噴口で散水し、その上を寒冷紗で覆って萎凋防止に努 めた。 本実施例によれば、前述のように被覆下の桑葉に対して萎凋防止効果を表し、 葉の鮮度を相対的に長期間に亙って維持することができることから、従来の場合 である比較例と比較して桑葉の給与回数を半減でき、例えば1日1回〜2回の桑 葉給与で足る。同時に、蚕座の本考案の養蚕用被覆カバーシートを使用した実施 例においては、被覆下の温度と湿度が一定化され、被覆カバーシート表面で光が 反射されることによって被覆下が外気温より2〜4℃低下(特に、夏季の高温時 )し、蚕の採食活動を変えることがなかった。 また、この実施例では、被覆用カバーシートを構成する不織布シートとしてデ ュポン社のタイベックを使用したが、このタイベックは軽量かつ可塑性に富んで いるため、被覆および除覆作業を簡便に実施することが可能である。
【0013】
【考案の効果】
本考案の養蚕用被覆カバーシートは、フラッシュ紡織法によって製造され、か つ光反射率が90%以上である不織布シートからなるものなので、この不織布シ ートを構成する複数のフィラメントと、これらのフィラメント間の隙間にある空 気とが光を反射することによって高い遮光効果を示し、さらに、通気性および透 湿性等にも優れたものなので、前記カバーシートに覆われた蚕座の温度及び湿度 を一定にすることができる。したがって本考案の養蚕用被覆カバーシートを用い ることによって蚕の飼育環境が改善される。
【0014】 図1は蚕座べたかけ方式による本考案の養蚕用被覆カバーシートを用いた蚕座 1の被覆状態を示し、蚕座の基部を構成する木枠2と、この木枠2の内部に給与 された桑葉3と、この桑葉を採食する蚕4を収納している。その蚕座1の上部を デュポン社製タイベックを用いた被覆用カバーシート5を用いて覆うものである 。 別にパイプ蚕舎の外張りとして本考案の養蚕用被覆カバーシートを用いること も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に基づく養蚕用被覆カバーシートによる
蚕座の被覆状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 蚕座 2 木枠 3 桑葉 4 蚕 5 本考案による養蚕用被覆カバーシート

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蚕を飼育するための桑葉を被覆し、当該
    桑葉の萎凋を抑制することができるフラッシュ紡糸法に
    よって製造され、且つ光反射率が90%以上である不織
    布シートからなることを特徴とする養蚕用被覆カバーシ
    ート。
JP1994004871U 1994-04-11 1994-04-11 養蚕用被覆カバーシート Expired - Lifetime JP3002939U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3501535B2 (ja) 1995-03-03 2004-03-02 旭化成せんい株式会社 高耐候性不織布及びそれからなるハウスラップ、農業資材

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