JP3002892B2 - ジエットプリントインクおよび方法 - Google Patents

ジエットプリントインクおよび方法

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JP3002892B2 JP2155595A JP15559590A JP3002892B2 JP 3002892 B2 JP3002892 B2 JP 3002892B2 JP 2155595 A JP2155595 A JP 2155595A JP 15559590 A JP15559590 A JP 15559590A JP 3002892 B2 JP3002892 B2 JP 3002892B2
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/36Inkjet printing inks based on non-aqueous solvents

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般にインク組成物に関し、更に詳しくは本
発明は平らな紙にジエツトプリントするのに有用なイン
ク組成物および平らな紙にインクをジエツトプリントす
る方法に関する。
〔従来の技術〕
「インクジエツトプリント」原理によるプリント法お
よびそのようなプリント操作を行なうための装置は周知
である。一般的にいつて、流体インクが加圧下および多
くの場合に昇温でプリントヘツド中の非常に小さなオリ
フイスを通して押し出される。
いわゆる「連続」ジエツトプリント操作において、イ
ンク液滴は荷電区域を通り、そこで個々の液滴が信号に
応答して電荷を受取る。これらの液滴は次いで電場を通
つて電場の強度に応じて個々の液滴の種々の偏向を生ぜ
しめる。これらの液滴は連続的に生産され、プリントす
べき基質に送られるか、あるいはまたバイパス導管に送
られる。
「連続」ジエツトプリント法の性質により、使用する
インクは伝導性であつて電荷を受取るものでなければな
らない。このようなインクは一般に水を基材とする。水
溶液または水性懸濁液は容易に伝導性になるからであ
る。水を基材とするインクは低い粘度(温度と共に変化
する傾向がある)および高い揮発度をもつものとして一
般に特徴づけられる。この両者の特性は不利であること
がある。
ジエツトプリントインクの粘度が過度に低いと、ミス
トおよびそれた液滴が生じることがあり、これは貧弱な
プリント品質をもたらす。ジエツトプリントインクの高
い揮発度は蒸発によるジエツトノズルの閉塞をもたらす
ことがある。
水を基材とするインクは平らな紙(すなわち顔料コー
テイングを含まない紙)に使用することができ、そして
紙の面に高い染料濃度を与えることができ、そのために
微細な小滴を生じ、高い色強度を与えながら基材面に染
料が蓄積することが可能になる。
いわゆる「要求時液滴」(DOD)系は、インク液滴が
プリント操作中に必要なときにのみプリントヘツドのノ
ズルから噴出するという点で、連続ジエツトプリント系
とは異なる。
DODプリント系において、インクは供給装置を介して
貯槽からプリントヘツド中のノズル/作動器に与えられ
る。作動器は一般にピエゾ電気型または気泡型であつ
て、作動の際にこのインクを作動器に付随するジエツト
ノズルを介して作動器によつて形成される室から押出す
ようにインクを押圧する。
DOD系において使用するインクは伝導性である必要は
なく、好ましくは非伝導性であるので、それらは一般に
主として非水性溶媒たとえばエチレングリコール特にジ
エチレングリコール(低い揮発度をもつ)を使用して調
製された。それ自体、エチレングリコール(および類似
溶媒)を基材とするインクは迅速に揮発せず、従つて閉
塞の問題を低下させる。
然しながら、エチレングリコールおよびその他の非水
性溶媒は比較的高い粘度(温度によりかなり変化する)
をもち、従つて液滴の生成に比較的大きなエネルギーを
必要とする。
溶媒を基材とするインクは望ましい乾燥特性を示し生
物学的に安定である。これに対して水を基材とするイン
クは一般に周囲環境から空気を吸収する傾向があり、生
物学的汚染を受け易い。
ジエツトプリントに使用する別の種類のインクは当業
技術において「ホツトメルト」と呼ばれ、インクが室温
で固体または半固体であるが昇温において流体であるよ
うにワツクスまたは他の熱可塑性材料を含む。加熱され
たインク流体はそれが紙と接触するときに固化する。
このようなインクは一般にすぐれた汚染安定性、光堅
牢性、および低い揮発性を示す傾向がある。然しなが
ら、これらのインクは比較的低い染料濃度にのみ適合
し、それ故に許容しうる色強度を与えるためには比較的
大きい液滴の製造を必要とする。また、このようなイン
クの熱可塑性成分はこすることによつて容易に不鮮明に
なる隆起汚点を生成しやすい。
ホツトメルト・ジエツトインクは非常に粘稠である傾
向があり、従つてプリンター・ノズルから液滴を噴出さ
せるためには高エネルギーを必要とする。また、全部の
インクを加熱によつて流体にしておかなければならない
ので、高エネルギー入力と長い時間がプリンター操作温
度に到達するのに必要である。
米国特許第4,490,177号には顔料と染料、または2種
の異なつた顔料、溶媒、および好ましくは樹脂バインダ
ー(室温において溶媒に可溶であるようにえらばれる)
を含むインク組成物が記載されている。
米国特許第4,680,332号には水不溶性ポリマーを液体
媒質中に分散させて成る不均一相インク組成物が記載さ
れている。油溶性であるようにえらばれた染料が水不溶
性ポリマー中に含まれる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は従来の技術において遭遇した欠点の1つ以上
を解決したジエツトプリントインクを提供しようとする
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するための手段として、本発明によ
れば、非水性溶媒;50℃以上のジエツトプリンター操作
温度において上記溶媒中に実質的に完全に溶解しうるが
室温においては該溶媒に実質的に不溶である樹脂;およ
び室温以上において上記の樹脂に可溶であるが室温にお
いて上記の溶媒に実質的に不溶である染料; の混合物から成るジエツトプリントインク組成物が提供
される。溶媒と樹脂と染料の割合は室温においてインク
が流体であり、そして染料と樹脂の溶液が50℃以上のプ
リント操作温度において溶媒によつて高度に溶媒和され
るようにえらばれる。プリンターから紙基質上への噴出
の際に、樹脂と染料は基質面に沈殿またはゲル化し、そ
して溶媒は基質に吸収される。
本発明のインク組成物は広範囲の平らな紙に有用であ
り;容易にこすられる隆起汚点の生成なしに微細な小滴
の生成を容易にし;着色の混合を容易にし;高い色強度
を与え;そしてインクが操作温度への加熱のために僅か
な量のエネルギーしか必要とせず且つ低い噴出温度の使
用を可能にするという点で経済的;である。
本発明によれば、上記のインク組成物を使用して平ら
な紙にインクジエツトプリントを行なう方法も提供され
る。
本発明のその他の目的と利点は以下の記述から当業者
にとつて明らかであろう。
〔発明の利点〕
本発明のジエツトインク組成物は従来技術の溶媒基
材、水基材、およびホツトメルトのジエツトプリントイ
ンクの利点の多くを示し、然もこの種のインクのそれぞ
れに付随する重大な欠点をなくす。本発明のインクは従
来のホツトメルトインクでえられるようなすぐれた染料
安定性、水堅牢性、低い溶媒揮発度、および光堅牢性を
示し、然も従来の溶媒基材インクでえられるような望ま
しい乾燥特性およびすぐれた生物学的安定性を示す。
多くの水基材インクと同様に、本発明のインク組成物
は平らな紙(すなわち顔料コーテイングを含まない紙)
と適合性があり、紙の表面に高い染料濃度を与えること
ができる。
〔発明の態様〕
溶 媒 溶媒は、インクジエツトプリンター操作温度(代表的
には50〜65℃)においてインクが低い粘度組成物を構成
するように、然しプリンター操作温度より低い温度(た
とえば20〜30℃一般には約20〜30℃のような室温)に冷
却したとき樹脂と染料が沈殿またはゲル化するように、
えらばれる。溶媒は再加温の際に樹脂を再溶解させるべ
きであり、且つ紙基質中に迅速に吸収(すなわち毛管吸
収)されなければならない。溶媒は溶媒蒸発とその結果
としてのジエツトプリントノズル中での樹脂の折出(ノ
ズルの閉塞をもたらす)を防ぐために比較的高い沸点
(すなわち操作温度よりかなり高い温度)をもつべきで
ある。
溶媒の選択は樹脂の選択と組合せて行なわれる。後に
詳細に述べるように、エチレン/ビニルアセテートコポ
リマー(EVA)樹脂は非常に好ましい。好ましいEVA樹脂
と共に使用するのに有用な溶媒の具体例としてモノ−、
ジ−もしくはトリ−プロピレングリコールエーテルまた
はモノ−、ジ−もしくはトリ−エチレングリコールエー
テルがあげられる。これらはここに述べるような樹脂の
溶解度要件を満足する。これらのなかでもジプロピレン
グリコールモノメチルエーテルおよびトリプロピレング
リコールモノメチルエーテルが好ましく、トリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。ジプ
ロピレングリコールメチルエーテル(沸点188℃)およ
びトリプロピレングリコールメチルエーテル(沸点242
℃)は非常に性能がよく、典型的な濃度の好ましいエチ
レン/ビニルアセテート樹脂をもちいるとそれぞれ48℃
および45℃の曇点を示す。これらの曇点は実質的に室温
を越え、EVA樹脂が室温条件においてこのような溶媒に
実質的に完全に不溶であることを確保するが、好ましい
操作温度50〜65℃以下であり、プリンター操作中に樹脂
が可溶であることを確保する。
本発明により使用するのに好適な溶媒は数社の提供会
社から商業的に入手することができ、たとえば米国ミシ
ガン州ミツドランドのザ・ダウ・ケミカル・カンパニー
からDowanolなる商標名で入手しうる。トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテルDowanol TPMなる商標名
で市販されている。ジプロピレングリコールモノメチル
エーテルはDowanol DPMなる商標名で市販されている。
モノエチレングリコール−n−ブチルエーテルはDowano
l EBなる商標名で市販され、ジエチレングリコール−n
−ブチルエーテルはDowanol DBなる商標名で市販されて
いる。トリエチレングリコール−n−ブチルエーテルは
Dowanol TBHなる商標名で市販されている。
若干の炭化水素溶媒も本発明において有用である。パ
ラフイン系炭化水素(たとえばサン・リフアイニング・
アンド・マーケツテイング・カンパニーから市販のSunt
hene204;沸点150℃)または混合パラフイン/ナフテン
系炭化水素(たとえばビスタ・ケミカル・カンパニーか
ら市販のVista LPA210、沸点240℃;およびサン・リフ
アイニング・アンド・マーケツテイング・カンパニーか
ら市販のSunpar LM)が好適である。然しながら、一般
にはパラフイン系および混合パラフイン/ナフテン系の
炭化水素は好ましくない。それらは紙に吸収されたとき
紙基質を透明にする傾向があり、そしてこれらの溶媒は
紙の繊維中には吸収されないので液滴容量が限られるか
らである。
FVA樹脂と共に使用する場合、ジメチルホルムアミド
またはテトラヒドロフランのような溶媒は許容しえな
い。染料が樹脂中よりも溶媒中により可溶性であり、従
つて溶媒と共に染料が紙に吸収されるからである。この
吸収は横方向の斑点をもたらし光学密度を低下させる。
樹 脂 本発明において使用するために、所望濃度において50
℃以上のジエツトプリンター操作温度で溶媒に可溶であ
るが、室温(たとえば25〜30℃)で溶媒に実質的に不溶
である1種以上の樹脂がえらばれる。特に45℃以上の温
度で溶媒中に実質上完全に溶解しうることが好ましい。
用いる樹脂の量は上記を満足するように選択される。樹
脂は加温の際に溶媒に容易に再溶解すべきであり、そし
て好ましくは紙基質に良く接着する。樹脂は光学的に透
明であるべきであり、そして室温および昇温の双方にお
いて染料を溶液中に保持すべきである。すなわち、染料
はインクがプリンター操作温度においてインクジエツト
プリンターヘツドにあるときインク中の樹脂と同伴して
おり、そしてインクが室温において紙表面上に堆積して
いるときにも樹脂に同伴してとどまつている。
迅速な溶解と再溶解は低融点樹脂の使用によつて促進
される。
エチレン/ビニルアセテートコポリマー(EVA)樹脂
は本発明において使用するのに非常に好ましい。EVA樹
脂、特に35重量%以上好ましくは40重量%以上の比較的
高いビニルアセテート含量をもつEVA樹脂はセルロース
基材に非常によく接着し、且つビニルアセテート含量を
変えることによつて室温から高温まで変化しうる軟化点
をもつ。エチレン/ビニルアセテート樹脂は本発明に有
用な種々の有機溶媒中、昇温において非常に可溶性であ
る。これらの樹脂の溶解度はビニルアセテート含量およ
び分子量の関数である。ビニルアセテート含量が増大す
るほど、そして分子量が低下するほど、溶解度は増大す
る。ビニルアセテート含量が低すぎると、樹脂は溶媒に
とけないことがある。然しビニルアセテート含量が高す
ぎると、樹脂は室温で可溶性になりうる。好ましいEVA
樹脂は約40重量%のビニルアセテート含量をもちデユポ
ンからELVAX40Wなる商標名で市販されている。カンタム
・ケミカル・コーポレーシヨンのUSIデイビジヨンから
市販されている35重量以上のビニルアセテート含量をも
つエチレン/ビニルアセテート樹脂も好適である。
染 料 染料は室温で樹脂に可溶であるが室温で溶媒には実質
的に不溶であるようにえらばれる。染料が樹脂に可溶で
あること又は樹脂が染料を溶液状態で保持することと
は、染料と樹脂が真の溶液を形成すること、あるいは少
なくとも染料と樹脂が水素結合もしくはフアン・デル・
ワールス力のような分子間の力によつて一緒に結合する
こと、を意味する。広範囲の種類の染料が有用であり、
The Colour Indexに「ピグメント染料」として特徴づけ
られているものの多くは満足すべきものである。染料は
樹脂に可溶であるので、紙表面上での色調の混合は容易
である。染料は好ましくは一次マイナスの色合いのもの
である。染料は光堅牢性であるべきであり、そしてくり
かえしの加温の際においてさえ熱的に安定であるべきで
ある。染料は水含有物質との接触の際の汚れを防ぐため
に、ひとたび基質に施用したならば水不溶性であるべき
である。染料の密度は、放置したときにインクから染料
が析出しないような密度であるべきであり、そして粒径
はインクジエツトプリント用途に適当なものであるべき
である。
有用であることがわかつた染料としてピグメント・グ
リーン7、ダイレクト・ブルー15、ピグメント・イエロ
ー17、ピグメント・イエロー83、ピグメント・イエロー
12、ピグメント・ブラツク2、ピグメント・ブラツク
5、ピグメント・ブラツク7、ピグメント・レツド17、
ピグメント・レツド23、ピグメント・レツド57およびピ
グメント・レツド112;ならびにチバ・ガイギーのMicrol
ithシリーズ染料(黒、赤、青、緑および黄金色)があ
げられる。ピグメント・ブルー15−6は好ましい染料で
ある。
他の有用な染料にはシアン・ブルーBNF、インペリア
ル・サカンダガ・イエローおよびリトール・ルビンがあ
る。これらの染料はELVAX 40W EVA樹脂およびTPM溶媒
との組合せにおいて特に好適である。
組成物の各成分の割合と組成物の物性 本発明によれば、溶媒と樹脂と染料の割合は、室温で
流体であり操作温度(通常50〜65℃)で適当に低粘度を
もつインク組成物を提供するようにえらばれる。
インク組成物は室温で流体であるけれども、好ましい
インク組成物(たとえばDPM中5重量%のELVAX 40W E
VAを含むもの)は室温条件において非ニユートン挙動を
示す。これはインク組成物が、室温条件で貯蔵されてい
る期間中あるいは例えばプリントヘツド中で静止状態に
あるときゲルとして挙動するが剪断力を加えたときには
流れるという点で有利である。これは貯蔵にとつて理想
的であり、シヨツクを受けたときプリントヘツドからイ
ンクが洩れるのを防ぐ。
好ましいインク組成物は代表的には室温条件において
低粘度(すなわち90〜4000cpsの範囲の粘度)を示す
が、約55℃に加熱したとき30cps以下の粘度(ブルーク
フイールド粘度計で測定)を通常はもつ。55℃におい
て、インクはホツトメルトインクよりもむしろ溶媒イン
クのように挙動する。
好ましくは、操作温度でのインクの粘度は10〜30cps
の範囲にあり、代表的には25cps以下である。
本発明のインクは高い染料吸収性の特徴をもち、高い
色強度をもたらし、そして比較的低い染料濃度の使用を
可能にする。
染料、樹脂および溶媒のそれぞれの割合は広く変える
ことができ、意図する目的に応じて使用者によつて経験
的にえらぶことができるけれども、樹脂はインク組成物
の約7重量以下、好ましくは5〜7重量%を構成し、染
料と樹脂の合計が組成物の約10重量%以下であるのが好
ましい。
樹脂/染料の重量比は好ましくは低く、たとえば約3:
2あるいはそれよりやや大きい。これは紙表面上の樹脂
の蓄積を防ぎ、色合いの容易な混合を可能にし、そして
非常に良好な色強度を与える。同時に、紙表面上の樹脂
と染料の堆積に付随する利点が保持される。
好ましくは、冷却および紙中への溶媒吸収の後に紙表
面上に堆積する沈殿またはゲルは約25〜65重量%の染料
を含む。
好ましいELVAX 40W EVA樹脂/DPM溶媒系に関して、
好ましい組成物は4〜6重量%のELVAX 40W EVAおよ
び2:3までの染料/樹脂の比をもつ。すなわちインク組
成物中に3重量%の染料濃度を得るためには、4.5〜5
重量%のELVAX 40W樹脂濃度が好ましい。これより低い
ELVAX 40W樹脂濃度は非ニユートン挙動を示し、これよ
り高いELVAX 40W樹脂濃度はそれらが高粘度をもたらす
という点で不利である。
TPMを溶媒として使用するとき、染料/樹脂の最大比
は約3:4である。すなわちインク組成物中に3重量%の
染料濃度を得るためには4重量%またはこれよりやや大
きい樹脂濃度を使用すべきである。
これより高い樹脂濃度は20cpsより大きい粘度をもた
らす。然しながら、3.5〜5.5重量%のELVAX 40W樹脂濃
度範囲も、特に染料濃度が2.5重量%に低下していると
きには、使用可能である。
各成分の割合の選択はインクジエツト装置の粘度要件
および必要な染料特性を依存する。
本発明のインク組成物はえらばれた樹脂と染料を溶媒
中でえらばれた濃度で混合することによつて生成され
る。1つの好適な方法は予熱した溶媒中に樹脂をとか
し、この溶液に染料を加え、攪拌しながらこの組成物を
急冷することから成る。
本発明のインク組成物において、樹脂は室温において
溶媒に不溶であり、染料は樹脂中に溶液として存在する
か又は上述のように少なくとも樹脂に接合している。50
℃以上、通常50〜60℃の操作温度において、染料と樹脂
の溶液は溶媒中で高度に溶媒和された状態にある。
〔実施例〕
本発明の実施を下記の実施例を参照して具体的に説明
する。これらの実施例は例示であつて本発明の範囲を限
定するものと解すべきではない。
実施例 1. 溶媒の選別 一連の試験用インク組成物を調製してELVAX 40W EV
A樹脂およびピグメント・ブラツク染料と共に使用する
のに有用な溶媒を決定した。それぞれの試験組成物は5
重量%のELVAX 40W EVA樹脂および2重量%のピグメ
ント・ブラツク染料を含み、残余は試験溶媒であつた。
最初の選別はEVA樹脂が50℃で5重量濃度で可溶であ
り、ピグメント・ブラツク染料が室温で不溶である溶媒
を見出すために行なつた。
EVAはアセトン、Texanol(イーストマン・コダツク製
の脂肪族エステルアルコール、2−メチルオキシエタノ
ール、ジメチルホルムアミド(DMF)、p−ジオキサ
ン、モノエタノールアミン、およびプロピレングリコー
ルに溶解しなかつた。従つてこれらの候補溶媒はそれ以
上試験しなかつた。
EVA樹脂は熱テオラヒドロフラン(THF)に溶解したけ
れども、樹脂と染料は共に室温でTHFに可溶であつた。
従つてTHFは好適な溶媒ではない。
樹脂が50℃で可溶であるが室温では不溶であり、染料
も室温で不溶である候補溶媒について曇点を測定した。
曇点は可溶化樹脂が溶液から沈殿して光学的に検知しう
る温度である。
特定の系についての溶媒の選択はインクを使用しよう
とする際の噴出温度に少なくとも部分的に依存する。樹
脂が操作温度において完全に可溶であることを保証する
ために噴出温度は曇点よりも高い、好ましくは実質的に
高いことが必要である。然し樹脂が室温で溶媒に完全に
不溶であることを保証するために曇点は室温(20〜30
℃、通常は25℃)よりも十分に高くあるべきである。
種々の溶媒中で5重量%のELVAX 40W EVA樹脂と2
重量%のピグメント・ブラツク染料を使用した試験イン
ク組成物の曇点を下記の第I表に示す。
第 I 表 溶媒、5重量%ELVAX 40W EVA樹脂、および2重量%
ピグメントブラツクを含む候補インク組成物の曇点 溶 媒 曇点(℃) エチルアセテート 39 ベンジルアルコール 47 シクロヘキサノン <28 キシレン <28 Sunpar LW104 45 Sunthene204 40 Vista LPA−210 44 ケロセン 33 ブチルセロソルブ 49 エチレングリコールプロピルエーテル 47 トリブチルホスフエート 38 メチルイソブチルケトン <28 上記第I表から、シクロヘキサノン、キシレン、およ
びメチルイソブチルケトンはそれらの曇点が28℃未満で
あり、室温での樹脂の実質的に完全な不溶性を保証する
には不十分な温度であるので試験組成物の好適な溶媒で
ないことがわかる。残余の溶媒は操作温度に依存する溶
解度の観点から好適でありうる。
ここに記載した種類の溶媒の樹脂溶解度は温度が増大
するにつれて溶解度が増大する特徴がある。従つて、5
重量%のELVAX 40W EVA樹脂は50℃以上の温度で上記
候補溶媒のすべてに完全に可溶である。
その他の特徴たとえば毒性、紙基質を透明にする傾
向、紙繊維中への吸収などは溶媒選択に際して当業者が
適宜考慮しうることである。
実施例 2. 一連のインク組成物および対照組成物(染料を含ま
ず)を溶媒としてDPMまたはTPM、種々の濃度のELVAX 4
0W EVA樹脂、および種々の濃度のピグメント・ブルー1
5染料を使用して製造した。これらのインク組成物の粘
度をブルークフイールド粘度計を用いて種々のスピンド
ル速度で種々の温度において測定した。これら組成物の
曇点も測定した。これらの結果を以下の第II表および第
III表に示す。
下記の組成物も本発明を説明するインク組成物であ
る。
本発明によれば、平らな紙上へのインクジエツトプリ
ントはジエツトインク組成物を、要求時滴下(ドロップ
・オン・デマンド)インクジェットプリンターを用い
て、樹脂と染料の溶液が溶媒によつて高度に溶媒和され
る温度において、セルロース基質の表面に噴出すること
によつて行なわれる。それによつてインクの温度は曇点
以下に低下し、インク組成物中の溶媒は基質に吸収さ
れ、インク中の樹脂と染料は表面に沈殿またはゲル化し
てプリントを形成する。
セルロース基質表面は好ましくは平らな紙すなわち顔
料(たとえばシリカ)コーテイングを実質的に含まない
紙である。粘土またはシリカ充てん剤は許容しうるが必
須ではない。非顔料コーテイングたとえば表面のり付け
剤、デンプなどは許容しうる。
インクが噴射される温度はインクの迅速加温を可能に
するために比較的に低くあるべきである。これは次いで
染料の安定性の歪みを最小にし、エネルギー消費を最小
にする。操作(ノズル)温度は実質的に室温(たとえば
25℃)より高く、一般には最低35℃、好ましくは50〜65
℃の範囲にある。ノズルのみ又はノズルと作動機のみを
加熱することが必要であり、それによつて低粘度の流れ
がこの重要区域にえられる。
本発明のインク組成物の接着力は約50℃以上の温度に
おいて、特に約80℃を越える温度において増大する。接
着力の増大は高温における低粘度にもかかわらずプリン
ト系内でインクを移動させるに必要なエネルギーを増大
させる。この理由のために、ノズルのみ又はノズルと作
動機のみを加熱するのが望ましい。
ノズル操作温度(従つてインク温度)が約40℃以下に
低下すると、紙基質へのインクの接着力は低下し、プリ
ントしたインク(ただし紙ではない)のプリント後の加
熱が紙へのインクの接着を増大させるために望ましいこ
とがある。これは小さい赤外線ヒーターを用いて行なう
ことができる。
以上に具体的に詳しく述べた記述は理解を明瞭にする
ためにのみなされたものであり、不必要な限定をそこか
ら理解すべきではない。本発明の範囲内での変形は当業
者にとつて自明だからである。
樹脂がエチレン/ビニルアセテートコポリマーであ
り、そして溶媒がDPMまたはTPMである本発明の好ましい
インク組成物について、たとえば要求時滴下インクジェ
ットプリンターにおいてピエゾ電気作動噴出系を作動さ
せるに必要な電圧によつて測定して、プリトヘツドから
インク液滴を排出させるのに必要なエネルギーは、適切
な温度におけるインクの測定粘度から予想されるそれよ
りも実質的に小さく、それによつて操作電圧およびプリ
ントヘツドの価格の貴重な節約が与えられる。

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の(a)、(b)および(c)の成分す
    なわち (a)非水性溶媒; (b)50℃以上のジェットプリンター操作温度において
    上記溶媒中に完全に溶解しうるが室温においては該溶媒
    に実質的に不溶である樹脂;および (c)室温以上において上記の樹脂に可溶であるが室温
    において上記の溶媒に実質的に不溶である染料; の混合物から成り、溶媒と樹脂と染料の割合が室温にお
    いて流体インク組成物を与えるようにえらばれることを
    特徴とするインクジェット組成物。
  2. 【請求項2】樹脂が45℃以上の温度で溶媒中に実質的に
    完全に溶解しうるものである請求項1記載のインク組成
    物。
  3. 【請求項3】溶媒がパラフィン系炭化水素、混合パラフ
    ィン/ナフテン系炭化水素、モノ−、ジ−もしくはトリ
    −プロピレングリコールエーテル、およびモノ−、ジ−
    もしくはトリ−エチレングリコールブチルエーテルから
    えらばれる請求項1または2記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】溶媒がジプロピレン−およびトリ−プロピ
    レングリコールエーテルからえらばれる請求項3記載の
    インク組成物。
  5. 【請求項5】溶媒がジプロピレングリコールモノメチル
    エーテルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエ
    ーテルからえらばれる請求項4記載のインク組成物。
  6. 【請求項6】樹脂がエチレン/ビニルアセテートコポリ
    マーである請求項1〜5のいずれか1項記載のインク組
    成物。
  7. 【請求項7】エチレン/ビニルアセテートコポリマーが
    少なくとも35重量%のビニルアセテートを含む請求項6
    記載のインク組成物。
  8. 【請求項8】染料がピグメントダイである請求項1〜7
    のいずれか1項記載のインク組成物。
  9. 【請求項9】溶媒がジプロピレングリコールモノメチル
    エーテルであり、染料/樹脂の重量比が2:3またはそれ
    以下である請求項6〜8のいずれか1項記載のインク組
    成物。
  10. 【請求項10】溶媒がトリプロピレングリコールモノメ
    チルエーテルであり、染料/樹脂の重量比が0.75以下で
    ある請求項6〜8のいずれか1項記載のインク組成物。
  11. 【請求項11】樹脂が組成物の7重量%以下を構成する
    請求項6〜10のいずれか1項記載のインク組成物。
  12. 【請求項12】樹脂が組成物の5〜7重量%を構成する
    請求項11記載のインク組成物。
  13. 【請求項13】樹脂と染料の合計重量が組成物の10重量
    %以下である請求項11または12記載のインク組成物。
  14. 【請求項14】溶媒と樹脂と染料の割合が55℃において
    30cps以下の組成物粘度を与えるようにえらばれる請求
    項12記載のインク組成物。
  15. 【請求項15】次の(a)、(b)および(c)の工程
    すなわち (a)顔料コーティングを実質的に含まないセルロース
    基質の面に; (b)請求項1〜14のいずれか1項記載のインクジェッ
    ト組成物を; (c)インクジェット組成物中の樹脂が溶媒中で溶液状
    態にある温度において上記のインクジェット組成物をプ
    リントヘッドから噴出させ、それによって組成物を基質
    面に堆積させ、溶媒を基質に吸収させ、そして組成物中
    の樹脂と染料を基質面上に沈澱またはゲル化させてプリ
    ントを形成する; ことから成ることを特徴とするセルロース基質の面にプ
    リントする方法。
  16. 【請求項16】インクジェット組成物を要求時滴下イン
    クジェットプリンターから噴出させる請求項15記載の方
    法。
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