JP3002728B1 - 離隔水中送受波器用感度試験器 - Google Patents

離隔水中送受波器用感度試験器

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JP3002728B1
JP3002728B1 JP22603198A JP22603198A JP3002728B1 JP 3002728 B1 JP3002728 B1 JP 3002728B1 JP 22603198 A JP22603198 A JP 22603198A JP 22603198 A JP22603198 A JP 22603198A JP 3002728 B1 JP3002728 B1 JP 3002728B1
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Abstract

【要約】 【課題】 離隔水中送受波器用感度試験器による感度計
測方式の完全自動化を可能とし、計測されるデータの精
度の向上を図る。 【解決手段】 発信手段23は、発信信号と同期信号を
出力し、発信信号を所定増幅した送信信号を同期信号に
より同期をとりながらソーナー用送波器4へ送出する。
同期信号は送信アンテナ7から無線送信され、受信アン
テナ15で受信される。送信信号は送波音として海中を
伝搬し、計測用受波器10に受波される。XYアナライ
ザ18は、送波音と同期信号とに基づいて静止画面を表
示する。また静止画面の波形に基づいて信号波の伝達時
間と直接波の振幅とを計測する。パーソナルコンピュー
タ19は、ソーナー用送波器4への印加電圧、信号波の
伝達時間と直接波の振幅とのデータに基づいてソーナー
用送波器4の未知感度を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海上において試験
船から所要距離隔てた計測船において、既知感度の計測
用送受波器を基準器として、計測船から海中に吊下し、
未知感度の試験船の船体に固定装備されたソーナー用送
受波器と組み合わせてパルス法によって感度試験を行う
場合に、計測に必要な同期信号を無線電波により行い、
水中音伝達時間と直接波の受波振幅を計測し、基準器の
計測用送受波器に組み入れした音速計の音速値とを用い
てソーナー用送受波器の感度測定を行う離隔水中送受波
器用感度試験器に関するものである。なお、本発明は、
海中伝搬音計測器及び各種音響器材の海上試験器として
適用可能である。
【0002】
【従来の技術】水中用送波器又は水中用受波器の感度等
の性能把握を行う場合には、標準校正された既知感度の
水中用送波器又は水中用受波器を基準にして、未知感度
の水中用送波器又は水中用受波器とを組み合わせ、水槽
施設等において計測するのが一般的である。
【0003】また、試験船の船体に固定装備されたソー
ナー用送受波器の性能把握を行う場合は、特許番号第2
653419号に示した「音響探査装置の送受波器感度
試験器」のように、既知感度の水中用送受波器を同試験
船の甲板から突き出棒にくくりつけて舷側から海中に吊
下して行っている。これは、比較的測定周波数が低く、
かつまた、計測距離が十数メータの場合に利用される。
【0004】上記計測用に提案した計測装置の「音響探
査装置の送受波器感度試験器」は、既知感度の水中用送
受波器を基準器として、ソーナー用送受波器と組み合わ
せて、パルス法によって送波レベルと水中音伝達時間及
び直接波の受波振幅を測定し、デジタル記憶型波形表示
器によって計測した測定値及び計測時の水温に対する水
中音の音速数値をパーソナルコンピュータにデータ伝送
とデータ入力してソーナー用送受波器の未知感度を算出
している。
【0005】すなわち、ソーナー用送受波器の送波器と
しての送波感度S0 は、ソーナー用送受波器への送波印
加電圧SE と既知感度の水中用送受波器の受波器として
使用した場合の受波感度M0 、受波レベルME 及びソー
ナー用送受波器と水中用送受波器との器間距離dを計
り、計測水温tにもとづき、水温と音速の関係表から音
速cを求めて、後述する簡略式の(3)式に代入するこ
とによって算出される。
【0006】また、ソーナー用送受波器の受波器として
の感度M0 は、受波レベルME 、既知感度の水中用送受
波器の送波器として使用した場合の送波感度S0 、送波
印加電圧SE 及びソーナー用送受波器と水中用送受波器
との器間距離dを計り、計測水温tにもとづく水温と音
速との関係表から音速cを求めて、後述する簡略式の
(4)式に代入することによって算出できる。
【0007】なお、理論計算式は、上記に水中の音波伝
搬における吸収減衰係数αを考慮することにより、
(1)及び(2)式で示される。 S0 +SE −20logd−α/1000+M0 +AG =ME ・・・・(1) M0 =ME −(S0 +SE −20logd−α/1000+AG )・・(2) α :吸収減衰係数(dB/km)
【0008】
【数1】
【0009】ft =21.9×10C C=6.0−1520/(T+273.0) ただし、A:定数(1.86×10-2) S:塩分濃度(ppt ) ft :緩和周波数(kHz ) f:周波数(kHz ) B:定数(2.68×10-2)(f>32の時B=0) T:温度(℃)
【0010】なお、比較的測定周波数が低く、かつま
た、計測距離が十数メータであって、海中の吸収減衰係
数による音波伝搬減衰量が無視できる程度の微小である
場合には、1及び2式は、簡略式の3及び4式で算出し
て差し支えない。 S0 +SE −20logd+M0 +AG =ME ・・・・・(3) M0 =ME −(S0 +SE −20logd+AG )・・・(4) ただし M0 :ソーナー用送受波器の受波感度(dB)
〔dB re 1 V/μPa〕 ME =20log(VP /(2×21/2)) ME :受波レベル(dB) VP :シンクロスコープの振幅(V) S0 :基準送波器の送波感度(dB)〔dB re 1μPa
/V,1mにおいて〕 SE =20log(VS /(2×21/2)) SE :基準送波器の印加電圧(dB) VS :シンクロスコープの振幅(V) d:器間距離(m)〔=c×t〕 c:水中の音速(14c°:1500m/sec) t:音波の伝達時間(sec) AG :受波系の電圧増幅度(dB)
【0011】この計測における「音響探査装置の送受波
器感度試験器」は、ソーナー用送受波器を装備している
試験船の計測室で専ら実施する装置である。このため、
ソーナー用送受波器と所要距離隔てた既知感度の水中用
送受波器との器間距離を求めるのに必要な水中音伝達時
間及び直接波の受波振幅の表示位置を見極めるのに必要
な同期信号が測定上不可欠である。
【0012】また近年、ソーナー用送受波器が大規模に
なって、感度計測の定義である遠距離音場での測定に必
要な計測の最低距離が拡大しつつあり、従来の数メータ
から数十メータになっている。図4は、上記「音響探査
装置の送受波器感度試験器」を遠距離音場で使用したと
きの感度計測系統図である。
【0013】この場合、別途仕立てる作業船35で所要
距離を隔てた距離の間に試験船8から既知感度の計測用
送受波器10の延長した同期信号ケーブル31及び送波
信号ケーブル32を作業船まで海上展張させて、既知感
度の計測用送受波器10を作業船35から吊下して対応
する。
【0014】試験船8には上記「音響探査装置の送受波
器感度試験器」と同様、周波数,パルス幅及び繰り返し
周期を設定するシンセサイザ1、電気信号を増幅する電
力増幅器2、ソーナー用送受波器4への所定の印加電圧
を計測する電圧計3、所定の電圧印加によって水中へ音
波を送波するソーナー用送受波器4が設けられている。
【0015】また、試験船8には、ソーナー用送受波器
4から計測用送受波器10までの数十〜数百mの器間距
離dを送波音が伝搬し、既知感度の試験用送受波器10
に受波されて、送波信号ケーブル32を経由して、イン
ピーダンス変換し低インピーダンスにする前置増幅器1
2、所要周波数の信号音を通過させるバンドパスフィル
タ13、微小振幅を増幅する主増幅器14、同期信号入
力端子を有し送信タイミングの同期信号に基づく音波伝
搬時間の計測と受波レベルの振幅測定を自動計測するデ
ィジタル記憶型波形表示器36、感度,送波レベル及び
受波レベル等の所要の音響性能値をプログラム計算させ
るパーソナルコンピュータ19、データを出力するプリ
ンタ22が設けられている。
【0016】しかし、さらにソーナー用送受波器4が大
規模になるのに伴って、かつ、使用周波数が高いソーナ
ー用送受波器4の場合、遠距離音場の条件を満足するに
は、計測の最低距離が数百メータになるものの、ソーナ
ー用送受波器4と計測用送受波器10との距離d及び直
接波の振幅の両方を測定するに必要な同期信号が不可欠
であることは変わりない。
【0017】もし、同期信号がなければ、家庭のテレビ
ジョンの画像が静止せず流れる症状と同じ状況となるこ
とであり、計測距離及び直接波の振幅データは、全く得
られないという問題がある。
【0018】また、水中の音速値cとして一定の値(1
4c°:1500m/sec)を用いていたため、水温
等の変化による音速の変動に対応できず、正確な器間距
離dが得られない。
【0019】更に、感度の定義で規定されている基準距
離(1m)への距離換算が不可能であり、ソーナー送受
波器4の感度を求めることが出来ないという問題があ
る。
【0020】なお、ケーブルを配して同期信号を有線で
接受する場合には、既知感度のソーナー用送受波器4の
送波信号ケーブル32の他に、さらに同期信号用のケー
ブル31を追加すると共に、離隔距離隔てた規模増大作
業に対応できる甲板作業設備を備えた作業船35の派出
がさらに必要になるという問題がある。この時、ケーブ
ル31,32の海上展張には、ブイ等の浮力体33に係
着する等の複雑で煩雑な仕掛けと準備作業を要する上、
警戒船34も必要であり経費面や、安全性等にも影響を
及ぼすという問題がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
除くために上記計測装置を改良したものであって、その
目的とするところは、離隔水中送受波器用感度試験器に
よる感度計測方式の完全自動化を可能とし、計測される
データの精度の向上を図ることにある。
【0022】また他の目的は、海上で試験船の船体固定
装備のソーナー用送受波器の感度測定を所要距離隔てた
位置の計測船の舷側から既知感度の計測用送受波器を吊
下して計測をパルス法で実施する場合、計測に必要な同
期信号系統を無線電波方式とすることにより、海上の状
態により感度計測が左右されやすい両船間の離隔距離に
わたる有線展張及びその準備を不要とし、煩雑な試験船
と計測船間にわたる同期信号系のケーブル安全性の向上
及び試験船と計測船間の横切り航行船の監視とそれを阻
止する警戒船を不必要とし、経費の節減効果の増大を図
ることにある。
【0023】更に他の目的は、無線で送受信する同期信
号を基準とすることにより、海中を伝播する送信信号
(送波音)に比し伝達時間の遅れをなくし、海中の送信
信号(送波音)の伝達時間を的確に計測することにあ
る。
【0024】また他の目的は、送信信号の入力に基づい
てソーナー用送波器から計測用受波器へ送出される送波
音と、同期信号受信手段により受信された同期信号と、
に基づいて静止画面を表示する表示計測手段を設けたこ
とにより、送信信号の送波時を起点とする受波波形を表
示することにあり、またこれによって、起点から直接波
受波点までの時間を送信毎に計測し、送信信号(水中
音)の伝達時間を自動計測することにある。
【0025】更に他の目的は、送波器への印加電圧及び
表示計測手段により計測された信号波の伝達時間及び直
接波の振幅のデータに基づいて送波器の未知感度を演算
する演算手段を設けたことにより、感度の定義である基
準距離(1m)への距離換算が問題なく可能となり、ソ
ーナー用送波器又はソーナー用受波器の未知感度を正確
に求めることにある。
【0026】また他の目的は、計測用送受波器に設けら
れた音速計で計測される音速値により、伝達時間と相ま
って計測時のソーナー用送受波器と計測用送受波器の器
間距離を正確に計測することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】要するに、本発明の請求
項1記載の離隔水中送受波器用感度試験器は、試験船の
船底に固定装備された未知感度のソーナー用送波器と、
前記試験船から所定距離離隔されている計測船から水中
に吊下されており、前記ソーナー用送波器との組合せに
より一対の送受波器を構成する既知感度の計測用受波器
と、前記試験船に設けられ、計測する所定周波数毎に発
信信号を出力するとともに同期信号を出力し、前記発信
信号を所定増幅した送信信号を前記同期信号により同期
をとりながら前記ソーナー用送波器へ送出する発信手段
と、前記試験船に設けられ、前記発信手段から出力され
た同期信号を無線送信する同期信号送信手段と、前記計
測船に設けられ、前記送信手段から無線送信された同期
信号を受信する同期信号受信手段と、前記送信信号の入
力に基づいて前記ソーナー用送波器から前記計測用受波
器へ送出される送波音と、前記同期信号受信手段により
受信された同期信号と、に基づいて静止画面を表示し、
前記ソーナー用送波器から送波音が送出される毎の前記
静止画面の波形に基づいて、前記送波音が送出されてか
ら前記計測用受波器が直接波を受波するまでの信号波の
伝達時間と直接波の振幅と塩分濃度計,深度計及び水温
計により求められる吸収減衰係数とを自動計測する表示
計測手段と、該表示計測手段により計測された信号波の
伝達時間と直接波の振幅と吸収減衰係数のデータに基づ
いて前記ソーナー用送波器の送波感度を演算する演算手
段と、を具備することを特徴としている。
【0028】また、本発明の請求項2記載の離隔水中送
受波器用感度試験器は、試験船の船底に固定装備された
未知感度のソーナー用受波器と、前記試験船から所定距
離離隔されている計測船から水中に吊下されており、前
記ソーナー用受波器との組合せにより一対の送受波器を
構成する既知感度の計測用送波器と、前記計測船に設け
られ、計測する所定周波数毎に発信信号を出力するとと
もに同期信号を出力し、前記発信信号を所定増幅した送
信信号を前記同期信号により同期をとりながら前記ソー
ナー用送波器へ送出する発信手段と、前記計測船に設け
られ、前記発信手段から出力された同期信号を無線送信
する同期信号送信手段と、前記試験船に設けられ、前記
送信手段から無線送信された同期信号を受信する同期信
号受信手段と、前記送信信号の入力に基づいて前記計測
用送波器から前記ソーナー用受波器へ送出される送波音
と、前記同期信号受信手段により受信された同期信号
と、に基づいて静止画面を表示し、前記計測用送波器か
ら送波音が送出される毎の前記静止画面の波形に基づい
て、前記送波音が送出されてから前記ソーナー用受波器
が直接波を受波するまでの信号波の伝達時間と直接波の
振幅と吸収減衰係数とを自動計測する表示計測手段と、
該表示計測手段により計測された信号波の伝達時間と直
接波の振幅と前記吸収減衰係数のデータに基づいて前記
ソーナー用受波器の受波感度を演算する演算手段と、を
具備することを特徴としている。
【0029】また、上記離隔水中送受波器用感度試験器
の計測用送波器又は計測用受波器は、少なくとも音速計
及び塩分濃度計を備えるモニタセンサを有し、前記演算
手段は、前記音速計により計測される音速値及び前記塩
分濃度計により計測される水中の塩分濃度のデータをも
含めて前記ソーナー用送波器又は前記ソーナー用受波器
の未知感度を演算してもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明に係わる離隔水中送受
波器用感度試験器の実施例を図1〜図3によって説明す
る。図1は本発明における感度測定系統図である。なお
本実施の形態では、ソーナー用送受波器4の送波感度を
計測するため、ソーナー用送受波器4を送波器として、
計測用送受波器10を受波器として用いることとする。
また、上述した従来例と同一又は同等部分には同一符号
を付して示し、説明を省略する。
【0031】試験船8には、発信信号と同期信号(トリ
ガ信号)を出力する発信手段23と、船底に固定装備さ
れた未知感度のソーナー用送受波器4と、同期信号を無
線送信する同期信号送信手段24が設けられている。
【0032】発信手段23は、周波数,パルス幅及び繰
り返し周期を設定するシンセサイザ1と、発信信号を増
幅する電力増幅器2と、ソーナー用送受波器4への所定
の印加電圧を計測する電圧計3と、で構成されている。
【0033】同期信号送信手段24は、パルス変調回路
及び送信回路で構成されるトリガ信号変調回路5と、無
線送信器6と、同期信号を電波信号として送信する送信
アンテナ7と、で構成されている。
【0034】シンセサイザ1では、同期信号(トリガ信
号)と、同期信号に同期した発信信号とが同時に出力さ
れる。発信信号は電力増幅器2により増幅され、送信信
号としてソーナー用送受波器4へ送出される。このとき
の印加電圧は、電圧計3により計測される。ソーナー用
送受波器4は、同期信号から同期をとった状態で、上述
した電圧印加によって水中へ送波音を送波する。
【0035】また、シンセサイザ1から出力された同期
信号は、トリガ信号変調回路5で正弦波バースト信号に
変換され、無線送信器6により送信アンテナ7から送信
される。
【0036】一方、遠距離離れた計測船9には、計測船
9の舷側からケーブル30で吊下した既知感度の計測用
送受波器10と、試験船8からの同期信号を受信する同
期信号受信手段26と、計測用送受波器10で受波され
た送波音を受波信号として増幅して入力されるとともに
同期信号受信手段で受信された同期信号が入力される表
示計測手段18と、が設けられている。
【0037】同期信号受信手段26は、バースト信号と
して無線送信された同期信号を受信する受信アンテナ1
5と、無線受信器16と、パルス復調回路及び受信回路
で構成されるトリガ信号復調回路17と、で構成されて
いる。
【0038】表示計測手段としてのXYアナライザ18
は、同期信号入力端子を有し送信タイミングの同期信号
に基づく音波伝搬時間の計測と受波レベルの振幅測定を
自動計測する。
【0039】試験船8の送信アンテナ7から無線送信さ
れたバースト信号は、受信アンテナ15により無線受信
器16で受信され、トリガ復調回路17でトリガ信号に
変換生成されて、ディジタル型のXYアナライザ18の
同期入力端子に送出される。
【0040】また、計測用送受波器10に受波された送
波音(受波信号)は、ケーブル30を経由して増幅器2
5に入力される。増幅器25は、前置増幅器12とバン
ドパスフィルタ13と主増幅器14と、で構成されてい
る。受波信号はまず、前置増幅器12でインピーダンス
変換されて低インピーダンスの信号波となる。そして、
バンドパスフィルタ13により所要周波数の信号音(直
接波)を通過させ、主増幅器14によりその微小振幅を
増幅し、ディジタル型のXYアナライザ18に送出され
る。
【0041】ディジタル型のXYアナライザ18では、
同期信号と受波信号の入力を受け、送信タイミングの同
期信号に基づく音波伝搬時間の計測と受波レベルの振幅
測定を自動計測する。すなわち、送信毎の直接波の振幅
と音波伝搬時間(t)が連続自動測定されることとな
る。
【0042】このときのXYアナライザ18の静止画面
を図2に示す。画面上には送信信号(直接波)の送波時
を起点とする受波波形が表示されている。この起点から
直接波受波点までの時間を送信毎に計測することによっ
て、送波音(直接波)の伝搬時間tが自動的に求められ
る。
【0043】すなわち、音波伝搬時間(t)は、受波し
た直接波のうちの最先端部の立ち上がり波形が予め設定
したスライスレベル(Th)を越えた点の時間t1 と、
トリガ信号を起点とする時間t0 との差を計測して求め
る。
【0044】この時、音波伝搬時間(t)は、シンセサ
イザ1の同期出力信号を起点として、受波波形の最初の
立ち上がり波形までの間を自動読み取りすることで得ら
れる。また、その時の振幅は、送波信号のパルス幅を考
慮した区間を自動読み取りすることで、音波伝搬時間
(t)と共に同時に得られる。
【0045】以上のようにして、海中を伝搬する送波音
に比べ伝搬時間の遅れが殆ど無い空中の電波で同期信号
を送信し、それを基準とするため、試験船のソーナー用
送受波器から送波され、計測用送受波器10にいたる海
中の送波音の伝達時間(t)が的確に計測できる。
【0046】なお、送信トリガ信号に対して、生成した
トリガ信号及び受波信号のスレショルドレベルまでに
は、わずかな数マイクロ秒の無視して差し支えない程度
ではあるが、時間遅れを伴っている。この時間遅れを極
力小さくすることは、回路設計技術で可能であり、あら
かじめ別途の計測によっても得られ、補正値として感度
計算式に用いることも出来る。
【0047】また、計測船9には、感度,送波レベル及
び受波レベル等の所要の音響性能値をプログラム計算さ
せるパーソナルコンピュータ(演算手段)19と、デー
タを出力するプリンタ22が設けられている。
【0048】パーソナルコンピュータ19は、XYアナ
ライザ18により計測されたソーナー用送受波器4への
印加電圧,信号波の伝達時間及び直接波の振幅とのデー
タが送出される。
【0049】パーソナルコンピュータ19では、ソーナ
ー用送受波器4を駆動する試験周波数毎に電圧計3で計
測されるソーナー用送受波器4への印加電圧,送信毎の
直接波の振幅,受信系の増幅度,音波伝搬時間(t)及
び音速(c)を,予めプログラムされた計算式に代入し
て、離隔距離を隔てた距離において、試験船8の船体に
固定装備されているソーナー用送受波器4の未知感度を
測定する。
【0050】さらに、あらかじめ設定のとおりの送波器
端子電圧の値をパーソナルコンピュータ19に入力し
(2)式による感度計算を実行させるものである。な
お、受波系の前置増幅器12,バンドパスフィルタ13
及び主増幅器14の各増幅度については、測定周波数に
対してあらかじめ計測しておけばよい。
【0051】また、複数の試験船8のソーナー用送受波
器4の送波感度を計測するには、計測船9の計測用送受
波器10を基準受波器として用いて、各試験船8のソー
ナー用送受波器4からの送信を順次行うことによって連
続的に実施できる。
【0052】以上、ソーナー用送受波器4の送波感度を
計測する場合の実施の形態について述べたが、ソーナー
用送受波器4の受波感度を計測する場合には、上記実施
の形態とは逆に、計測船9に発信手段23としてのシン
セサイザ1,電力増幅器2及び電圧計3を搭載設置を行
い、計測用送受波器10を吊下する。
【0053】次に、同期信号送信手段24としてのパル
ス信号変調回路5,無線送信器6及び送信アンテナ7を
合わせて配置する。
【0054】一方、試験船8には、増幅器25、表示計
測手段としてのディジタル型のXYアナライザ18と、
演算手段としてのパーソナルコンピュータ19及びプリ
ンタ22を搭載設置する。
【0055】次に、同期信号受信手段26としての受信
アンテナ15,無線受信器16及びトリガ信号復調回路
17を併せて配置する。
【0056】したがって、計測船9の計測用送受波器1
0で送波された送波音をソーナー用送受波器4で受波す
ると共に、試験船8の受信アンテナ15で同期信号の電
波(バースト信号)を受信し、受信アンテナ15,無線
受信器16及びトリガ信号復調回路17を経由してXY
アナライザ18の同期入力端子へ送出する。このように
して、試験船8の船体固定のソーナー用送受波器4の受
波感度が計測できる。
【0057】さらに、計測船9の1隻と複数の試験船8
と組み合わせることによって、計測船9から送波音と同
期信号を送出させることにより、複数の試験船8のソー
ナー用送受波器4の受波感度計測が同時に実施できる。
【0058】なお、上述したいずれの形態においても、
計測用送受波器10に、音速計,水温計,深度計,塩分
濃度計を備えるモニタセンサを設けてもよい。音速計,
水温計,深度計,塩分濃度計の各計測値は、データロガ
20に集められ、インタフェーサ21でAD変換され
て、パーソナルコンピュータ(演算手段)19に送出さ
れる。
【0059】音速計で計測された計測値を用いると、予
めパーソナルコンピュータ19に記憶されている音速値
よりも実際の正確な計測値が計測される。この計測値が
パーソナルコンピュータ19に送出されると、計測時の
試験船8のソーナー用送受波器4と計測用送受波器10
との器間距離dが正確に計算されることとなる。
【0060】また、水温計,深度計,塩分濃度計の各計
測値をもパーソナルコンピュータ19に送出されると、
感度計測時の音波の振幅計測値と併せて同時にデータ収
集でき、環境データと一体化した極めて有用な技術資料
がえられることとなる。
【0061】
【実施例】次に、本発明の離隔水中感度試験器の適用の
一つとして行った片道伝搬音距離減衰特性の計測実施例
を示す。この実施例においては、試験海域において,実
験船の供試送受波器から所要の比較的高い周波数、送信
モード及びパルス幅で送波し、これを実験船から計測船
までの離隔距離50mから最大400mまでの距離毎に
計測船から吊下した計測用受波器で受波し、音圧レベル
を測定した。その時の計測に必要なトリガ信号は、電波
信号で送信し、接受した。
【0062】片道伝搬音距離減衰特性の計測による音圧
レベルは,デジタルオシロスコープの計測値から(7)
式により算出し,各距離毎に音圧レベルをプロットして
距離特性を求めた。その結果の一例を図3に示す。
【0063】同図には、計測データの妥当性を検討する
ため、実測した塩分濃度S(34ppt)と海水温度t
(24°c)を用いて水中伝搬損失の(2)式の理論式
より計算し、実線で示した試験実施現場海域の推定値と
比較した。 MP = M01 + 20log(VP /(2×21/2))・・・・(7) MP :受波音圧レベル(dB) M01:試験用受波器の受波感度(dB) VP :シンクロスコープの振幅(V)
【0064】計測に際して,同期信号を電波送信方式で
実施し,器間距離が確実に計測できたことにより,図3
の結果は計測値のバラツキが小さく、推定値とほぼ合う
良好な結果を得ることができた。以上のように、本発明
は測定機器構成を簡易化でき、煩雑な変動振幅読み取り
作業を解消させると共により良好な計測精度でデータが
得られる等の優れた効果のあることが分かった。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明による離隔水
中送受波器用感度試験器では、離隔水中送受波器用感度
試験器による感度計測方式の完全自動化を可能とし、計
測されるデータの精度の向上を図ることが可能である。
【0066】また、海上で試験船の船体固定装備のソー
ナー用送受波器の感度測定を所要距離隔てた位置の計測
船の舷側から既知感度の計測用送受波器を吊下して計測
をパルス法で実施する場合、計測に必要な同期信号系統
を無線電波方式とすることにより、海上の状態により感
度計測が左右されやすい両船間の離隔距離にわたる有線
展張及びその準備を不要とし、煩雑な試験船と計測船間
にわたる同期信号系のケーブル安全性の向上及び試験船
と計測船間の横切り航行船の監視とそれを阻止する警戒
船を不必要とし、経費の節減効果の増大を図ることが可
能である。
【0067】更に、無線で送受信する同期信号を基準と
することにより、海中を伝播する送信信号(送波音)に
比し伝達時間の遅れをなくし、海中の送信信号(送波
音)の伝達時間を的確に計測することが可能である。
【0068】また、送信信号の入力に基づいてソーナー
用送波器から計測用受波器へ送出される送波音と、同期
信号受信手段により受信された同期信号と、に基づいて
静止画面を表示する表示計測手段を設けたことにより、
送信信号の送波時を起点とする受波波形を表示すること
が可能である。またこれによって、起点から直接波受波
点までの時間を送信毎に計測し、送信信号(送波音)の
伝達時間を自動計測することが可能である。
【0069】更に、表示計測手段により計測された送波
器への印加電圧、信号波の伝達時間及び直接波の振幅の
データに基づいて送波器の未知感度を演算する演算手段
を設けたことにより、感度の定義である基準距離(1
m)への距離換算が問題なく可能となり、ソーナー用送
波器又はソーナー用受波器の未知感度を正確に求めるこ
とが可能である。
【0070】また、計測用送受波器に設けられた音速計
で計測される音速値により、伝達時間と相まって計測時
のソーナー用送受波器と計測用送受波器の器間距離を正
確に計測することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の離隔水中送受波器用感度試験器測定系
統図である。
【図2】XYアナライザの静止画面(表示波形)を示し
た図である。
【図3】本発明による片道音波伝搬減衰特性計測例であ
る。
【図4】海上試験における従来の感度測定系統図であ
る。
【符号の説明】
4…ソーナー用送受波器 8…試験船 9…計測船 10…計測用送受波器 11…モニタセンサ 18…表示計測手段(XYアナライザ) 19…演算手段(パーソナルコンピュータ) 23…発信手段 24…同期信号送信手段 26…同期信号受信手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験船の船底に固定装備された未知感度
    のソーナー用送波器と、 前記試験船から所定距離離隔されている計測船から水中
    に吊下されており、前記ソーナー用送波器との組合せに
    より一対の送受波器を構成する既知感度の計測用受波器
    と、 前記試験船に設けられ、計測する所定周波数毎に発信信
    号を出力するとともに同期信号を出力し、前記発信信号
    を所定増幅した送信信号を前記同期信号により同期をと
    りながら前記ソーナー用送波器へ送出する発信手段と、 前記試験船に設けられ、前記発信手段から出力された同
    期信号を無線送信する同期信号送信手段と、 前記計測船に設けられ、前記送信手段から無線送信され
    た同期信号を受信する同期信号受信手段と、 前記送信信号の入力に基づいて前記ソーナー用送波器か
    ら前記計測用受波器へ送出される送波音と、前記同期信
    号受信手段により受信された同期信号と、に基づいて静
    止画面を表示し、前記ソーナー用送波器から送波音が送
    出される毎の前記静止画面の波形に基づいて、前記送波
    音が送出されてから前記計測用受波器が直接波を受波す
    るまでの信号波の伝達時間と直接波の振幅と塩分濃度
    計,深度計及び水温計により求められる吸収減衰係数と
    を自動計測する表示計測手段と、 該表示計測手段により計測された信号波の伝達時間と直
    接波の振幅と前記吸収減衰係数のデータに基づいて前記
    ソーナー用送波器の送波感度を演算する演算手段と、 を具備することを特徴とする離隔水中送受波器用感度試
    験器。
  2. 【請求項2】 試験船の船底に固定装備された未知感度
    のソーナー用受波器と、 前記試験船から所定距離離隔されている計測船から水中
    に吊下されており、前記ソーナー用受波器との組合せに
    より一対の送受波器を構成する既知感度の計測用送波器
    と、 前記計測船に設けられ、計測する所定周波数毎に発信信
    号を出力するとともに同期信号を出力し、前記発信信号
    を所定増幅した送信信号を前記同期信号により同期をと
    りながら前記ソーナー用受波器へ送出する発信手段と、 前記計測船に設けられ、前記発信手段から出力された同
    期信号を無線送信する同期信号送信手段と、 前記試験船に設けられ、前記送信手段から無線送信され
    た同期信号を受信する同期信号受信手段と、 前記送信信号の入力に基づいて前記計測用送波器から前
    記ソーナー用受波器へ送出される送波音と、前記同期信
    号受信手段により受信された同期信号と、に基づいて静
    止画面を表示し、前記計測用送波器から送波音が送出さ
    れる毎の前記静止画面の波形に基づいて、前記送波音が
    送出されてから前記ソーナー用受波器が直接波を受波す
    るまでの信号波の伝達時間と直接波の振幅と塩分濃度
    計,深度計及び水温計により求められる吸収減衰係数と
    を自動計測する表示計測手段と、 該表示計測手段により計測された信号波の伝達時間と直
    接波の振幅と前記吸収減衰係数のデータに基づいて前記
    ソーナー用受波器の受波感度を演算する演算手段と、 を具備することを特徴とする離隔水中送受波器用感度試
    験器。
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