JP3002427U - 線材の突合せ溶接装置 - Google Patents
線材の突合せ溶接装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 2本の線材の突合せ部分が折曲り状態となる
ことなく滑らかに連続するように溶接する。 【構成】 本体22の上面部に、固定電極25及び可動
電極26を間隙Sを存して右左に並ぶように設ける。本
体22内に、固定電極25に対して可動電極26を接離
方向に移動させる駆動機構を設けると共に、両電極2
5,26間に所定の電圧を印加する電源回路を設ける。
各電極25,26上に夫々ワイヤの先端部を挟み付け保
持するための押え部材36,40を設ける。固定電極2
5及び可動電極26の上面に、ワイヤの位置決め用の溝
部33及び溝部42を形成する。両溝部33,42を、
ほぼ同一円周上に位置し間隙Sを介して連続するような
円弧状に形成する。2本のワイヤは湾曲方向を一致させ
た状態にセットされ、滑らかに連続するように溶接され
る。
ことなく滑らかに連続するように溶接する。 【構成】 本体22の上面部に、固定電極25及び可動
電極26を間隙Sを存して右左に並ぶように設ける。本
体22内に、固定電極25に対して可動電極26を接離
方向に移動させる駆動機構を設けると共に、両電極2
5,26間に所定の電圧を印加する電源回路を設ける。
各電極25,26上に夫々ワイヤの先端部を挟み付け保
持するための押え部材36,40を設ける。固定電極2
5及び可動電極26の上面に、ワイヤの位置決め用の溝
部33及び溝部42を形成する。両溝部33,42を、
ほぼ同一円周上に位置し間隙Sを介して連続するような
円弧状に形成する。2本のワイヤは湾曲方向を一致させ
た状態にセットされ、滑らかに連続するように溶接され
る。
Description
【0001】
本考案は、2本の線材の先端を突合せ状態に抵抗溶接する線材の突合せ溶接装 置に関する。
【0002】
近年、例えばロボットによるアーク溶接を自動化したラインにあっては、使用 されるワイヤ(溶接棒)をとぎれることなく連続的に供給するために、ドラムに 巻回されて供される一巻のワイヤの残量を検出する検出装置を設け、そのワイヤ の残量が少なくなったときに、作業者がそのワイヤの終端部と次のワイヤの始端 部とを突合せ溶接して繋ぐことが行われている。
【0003】 このような2本の線材を突合せ溶接するための装置として、図6に示されるも のがある。即ち、矩形箱状をなす本体1の上面部には、例えば銅製の固定電極2 及びこの固定電極2に対して接離移動可能な可動電極3が、僅かな間隙部4を介 して横方向に並んで設けられている。これら各電極2,3の上面には、図7にも 示すように横方向に直線状に延びる位置合せ用の溝部2a,3aが夫々形成され ており、また、各電極2,3の上部には、夫々図示しないワイヤを挟んで保持す るための押え部材5,6が設けられている。尚、各電極2,3は、一段下がった 薄肉の取付け部2b,3bを夫々一体に有し、この取付け部2b,3bを介して 矩形ブロック状をなす真鍮製の固定ベース7及び可動ベース8に取付けられてい る。
【0004】 そして、図示はしないが、前記本体1内には、電源コード9を介して供給され る商用電源を所定の電圧として前記固定電極2(固定ベース7)と可動電極3( 可動ベース8)との間に印加する電源回路が設けられている。また、本体1の側 面部には、電源スイッチ10が設けられている。さらに、本体1の上面部には操 作釦11が設けられ、本体1内には、その操作釦11の押圧操作力を前記可動電 極3(可動ベース8)の接近方向への移動力に機械的に変換して伝達する伝達機 構が設けられている。
【0005】 溶接作業を行うにあたっては、作業者は、まず、一方のワイヤの先端部を、そ の端面が間隙4に突出するようにして固定電極2の溝部2aに嵌め込んで押え部 材5により挟付けると共に、他方のワイヤの先端部を、やはりその端面が間隙4 に突出するようにして可動電極3の溝部3aに嵌め込んで押え部材6により挟付 ける。そして、電源スイッチ10をオンした状態で、操作釦11を押圧操作する ことにより、可動電極3が固定電極2に接近するように移動し、これにて、両ワ イヤの端面同士が突合されて加圧された状態で電流が流され、突合せ部分の抵抗 による発熱により溶接が行われるのである。
【0006】
ところで、上述したようなアーク溶接用のワイヤにあっては、径小なノズル( 例えばワイヤの直径が1.2mmに対してノズルの内径が1.3mm)を通されなが ら順送りに溶接部分に供給される事情があり、ワイヤの途中に折曲り部分などが 存在すると、スムーズなワイヤの供給が行えず、トラブルの発生を招くことにも なってしまう。従って、上記した装置を用いて2本のワイヤを繋ぎ合せる場合に も、突合せ部分が折曲り状態となることなく滑らかに連続するように溶接を行う 必要がある。
【0007】 これに対し、上述したようなワイヤは、ドラムに巻回された状態で供されるこ とが一般的であるため、真直ぐな直線状でなくドラムの外形に沿った緩やかな湾 曲状にいわば癖が付けられた形態とされている。このため、この種の溶接装置に あっては、2本のワイヤの湾曲方向を一致させて滑らかに連なった状態で溶接さ せなければならない。
【0008】 ところが、上記従来のものでは、2本のワイヤの湾曲方向を一致させて溶接す るための工夫は何らなされてはおらず、電極2,3の上面に位置合せ用の溝部2 a,3aが夫々形成されているものの、それら溝部2a,3aは直線状であり、 また、電極2,3及び押え部材5,6自体が小さく両ワイヤの先端部の極く短い 長さの部分(10mm程度)を保持するものに過ぎなかった。
【0009】 このため、例えば図8に示すように、一方のワイヤaと他方のワイヤbとを、 湾曲方向が相互に逆の状態で電極2,3にセットしてしまい、その結果、突合せ 溶接部cにて折曲り状態となることがしばしば起っていた。
【0010】 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、2本の線材の突合せ 部分が折曲り状態となることなく滑らかに連続するように溶接することができる 線材の突合せ溶接装置を提供するにある。
【0011】
本考案の請求項1の線材の突合せ溶接装置は、2本の線材の先端を突合せ状態 に抵抗溶接する装置であって、本体の上面部に間隙を存して並ぶように設けられ 前記各線材の先端部が夫々前記間隙に端面を突出させた状態に載置される一対の 電極と、これら各電極の上面部に前記各線材の先端部を夫々挟み付けるように保 持するための一対の押え部材と、前記本体内に設けられ前記両電極間に電圧を印 加する電圧印加手段と、前記本体に設けられ前記電極を接離する方向に移動させ る駆動機構とを具備し、前記各電極及び各押え部材を両電極の並び方向に長尺な 形状として前記各線材の先端部の所定長さ部分を夫々保持する構成とすると共に 、前記各電極の上面部に、前記各線材の先端部が位置決め状態に嵌め込まれる溝 部を、それら電極の並び方向に延びほぼ同一円周上に位置する円弧状に形成した ところに特徴を有する。
【0012】 この場合、各電極を、本体の上面部に設けられた一対の取付ベースに夫々着脱 可能に取付けるように構成しても良い(請求項2の考案)。また、各電極の上面 部に、太さの異なる複数組の溝部を形成するように構成すれば、より効果的であ る(請求項3の考案)。さらには、電極を、溝部の湾曲方向に沿って移動するよ うに構成することもできる(請求項4の考案)。
【0013】
本考案の請求項1の線材の突合せ溶接装置によれば、一方の線材の先端部は、 一方の電極の上面部の溝部に嵌め込まれ且つその端面が間隙に突出するようにし てその電極に押え部材により挟み付け保持され、他方の線材の先端部は、他方の 電極の上面部の溝部に嵌め込まれ且つその端面が間隙に突出するようにしてその 電極に押え部材により挟み付け保持される。そして、電圧印加手段により両電極 間に電圧が印加された状態で、駆動機構により両電極に接近するように移動され ることにより、両線材の端面同士が突合されて加圧された状態で電流が流され、 突合せ部分の抵抗による発熱により溶接が行われる。
【0014】 このとき、各電極の上面部に形成され線材の先端部が嵌め込まれる溝部は、そ れら電極の並び方向に延びほぼ同一円周上に位置する円弧状とされているので、 各線材が緩やかな湾曲状にいわば癖が付けられた形態とされていても、2本の線 材は、その湾曲方向を一致させた状態にセットされるようになる。しかも、両電 極の並び方向に長尺な電極及び押え部材により、各線材の先端部の所定長さ部分 が保持されるようになるので、その湾曲方向を一致させたセット状態を確実に保 つことができる。
【0015】 この場合、各電極を各取付ベースに着脱可能に取付けるように構成すれば(請 求項2の線材の突合せ溶接装置)、電極が損耗した際などの交換作業を容易に行 うことができる。また、各電極の上面部に、太さの異なる複数組の溝部を形成す るように構成すれば(請求項3の線材の突合せ溶接装置)、線材の太さに応じた 溝部を選択的に使用することができ、1種類の電極で複数種類の線材に対応する ことができる。さらには、電極を、溝部の湾曲方向に沿って移動するように構成 すれば(請求項4の線材の突合せ溶接装置)、両線材の端面の突合せ加圧方向が 湾曲方向に一致するようになり、直線方向に移動させる場合と比べてより一層滑 らかに連続した溶接を行うことができる。
【0016】
以下、本考案を、アーク溶接に使用されるワイヤ(溶接棒)の溶接に適用した 一実施例について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施例に係る線 材の突合せ溶接装置21の外観を示しており、ここで、本体22は矩形箱状をな し、その一側面部には、電源コンセントに接続される電源コード23(一部のみ 図示)や電源スイッチ24等が設けられている。
【0017】 そして、この本体22の上面部には、絶縁材製のプレート22aが設けられ、 このプレート22a上には、図2にも示すように、後述するような固定電極25 及び可動電極26が、図1で正面側の辺部に沿って、間隙Sを存して右左に並ぶ ように設けられていると共に、それらに対応して固定側挟付け装置27及び可動 側挟付け装置28が設けられている。さらに、図で左側辺部に沿うようにして、 操作釦29、切替スイッチ30、電源ランプ31が設けられている。
【0018】 前記固定電極25は、例えば銅からなり、横長(例えば長さ30mm以上)の矩 形ブロック状に形成されていると共に、その前面側全体に下方に薄板状に延び2 個のねじ挿通孔が形成された取付部25aを一体に有して構成されている。図示 はしないが、前記プレート22aの上面部には、本体22の上面を貫通するよう にして例えば真鍮製の固定側取付ベースが固定的に設けられている。この固定側 取付ベースの上端部は横長な矩形ブロック状をなし、その前面部に2個のねじ穴 が形成されている。前記固定電極25は、その固定側取付ベースに載置されるよ うにして、前記取付部25aにて2本のねじ32,32により着脱可能に取付け られている。
【0019】 そして、図3にも示すように、この固定電極25の上面には、左右方向全体に 延び円弧状に緩やかに湾曲する溝部33が形成されている。この溝部33は、線 材たるワイヤa,b(図2,4参照)の直径が例えば1.2mmであるのに対し、 幅1.3mm、深さ0.8mmの凹溝状に形成されている。詳しくは後述するように 、溶接されるべき一方のワイヤaは、端面を前記間隙S(図で左側)に突出させ た状態で、その先端部が前記溝部33に位置決め状態で嵌込まれて固定電極25 の上面部にセットされるようになっている。
【0020】 また、前記固定側挟付け装置27は、前記固定電極25の後側部分に前後方向 に延びるレバー34を、左右方向に水平に延びる軸部35(図2参照)を中心に 揺動可能に設けて構成され、前記レバー34の前端部には、前記固定電極25の 上部に位置される押え部材36が取付けられている。前記押え部材36は、固定 電極25の上面の大部分を覆うような横長な矩形板状に構成されている。そして 、前記レバー34の軸部35の後側の途中部が、図示しないコイルばねによって 常時上方への付勢力を受けており、もって前記押え部材36が固定電極25の上 面に対して押付け状態となり、セットされたワイヤaを挟み付け保持するように なっている。尚、レバー34の後端部は幅広な操作部34aとされている。
【0021】 一方、前記可動電極26は、前記固定電極25と同様に、例えば銅からなり、 横長の矩形ブロック状に形成されていると共に、2個のねじ挿通孔が形成された 取付部26aを一体に有して構成されている。この可動電極26は、本体22の 上面部に左右方向つまり前記固定電極25に対する接離方向に移動可能に設けら れた真鍮製の可動側取付ベース37(図1に一部のみ図示)に、2本のねじ32 ,32により取付けられている。
【0022】 このとき、前記可動側取付ベース37は、本体22内に設けられた図示しない 駆動機構により、左右方向(図2で矢印A及びB方向)に往復移動されるように なっている。この場合、前記駆動機構は、前記操作釦29の押下げ操作力を、機 械的に可動側取付ベース37の左右方向移動に変換して伝達する伝達機構から構 成されている。
【0023】 これにて、通常時(操作釦29が操作されていないとき)には、可動電極26 (可動側取付ベース37)は、図2(a)に示すような固定電極25から比較的 離れたセット位置に位置され、作業者により操作釦29が押下げ操作されると、 可動電極26が矢印B方向に移動して図2(b)に示すように固定電極25に接 近するようになっている。尚、作業者が操作釦29の操作力を解除すると、ばね 力により可動電極26(可動側取付ベース37)は矢印A方向に移動し、セット 位置に戻るようになっている。
【0024】 また、前記可動側挟付け装置28は、前記可動電極26の後側部分に位置して 、前記固定側挟付け装置27と左右対称的に設けられている。従って、この可動 側挟付け装置28も、操作部38aを有するレバー38,左右方向に延びる軸部 39,横長な板状の押え部材40,コイルばね41などから構成され、もって押 え部材40が可動電極26の上面に対して押付け状態となり、セットされたワイ ヤbを挟み付け保持するようになっている。そして、この場合、可動側挟付け装 置28は、可動側取付ベース37に固定されており、該可動側取付ベース37( 可動電極26)の左右方向の移動に伴い一体的に移動するようになっている。
【0025】 さて、前記可動電極26の上面にも、前記固定電極25と同様に、左右方向全 体に延び円弧状に緩やかに湾曲する例えば幅1.3mm、深さ0.8mmの凹溝状の 溝部42が形成されている。溶接されるべき他方のワイヤbは、端面を前記間隙 S(図で右側)に突出させた状態で、その先端部が溝部42に位置決め状態で嵌 込まれて可動電極26の上面部にセットされるようになっている。この場合、図 3に示すように、溝部42は、溝部33と左右対称的に設けられ、これにて、両 溝部33,42は、ほぼ同一円周上に位置し間隙Sを介して連続するような円弧 状に形成されているのである。
【0026】 ここで、アーク溶接用のワイヤa,bは、ドラムに巻回された状態で供される ことが一般的であり、このため真直ぐな直線状でなくドラムの外形に沿った緩や かな湾曲状にいわば癖が付けられた形態とされている。前記溝部33及び42の 曲率半径は、その際のワイヤa,bの曲率半径よりもやや大きめ或いはほぼ同等 に設定されているのである。
【0027】 さらに、図示はしないが、前記本体22内には、前記電源コード23及び電源 スイッチ24を介して供給される商用電源を所定の電圧として前記固定電極25 (固定側取付ベース)と可動電極26(可動側取付ベース37)との間に印加す る電圧印加手段としての電源回路が設けられている。また、この場合、前記切替 スイッチ30の操作により、ワイヤa,bの径の大小に応じて印加電圧の大小を 切替えることができるようになっている。
【0028】 次に、上記構成の作用について述べる。線材たるワイヤaとワイヤbとを突合 せ状態に溶接するにあたっては、作業者は、まず、図2(a)に示すように、一 方のワイヤaの先端部を固定電極25にセットすると共に、他方のワイヤbの先 端部を可動電極26にセットする。
【0029】 このセットの作業は、ワイヤaの場合、レバー34の操作部34aを押下げ操 作して、押え部材36を固定電極25の上面から浮上がらせた状態で(図1参照 )、ワイヤaを、その端面が間隙Sに突出するようにしてその先端部を溝部33 に嵌め込むようにして行う。そして、操作部34aの操作力を解除することによ り、押え部材36が固定電極25の上面部に押え付けられて、ワイヤaが位置決 め状態に挟み付け保持されるのである。また、詳しい説明は省略するが、ワイヤ bの場合も、同様にして可動電極26にセットすることができる。尚、このセッ ト時には、両ワイヤa,bの端面同士は、空隙S部分において僅かな隙間を介し て対向状態とされるが、接触状態であっても良い。
【0030】 このとき、ワイヤa及びbを位置決めする溝部33及び42は、両電極25, 26の並び方向に延びほぼ同一円周上に位置する円弧状とされているので、図2 (a)に示すように、ワイヤa,bが緩やかな湾曲状にいわば癖が付けられた形 態とされていても、その湾曲方向を一致させた状態にセットされることになる。 さらに、両電極25,26が横長形状をなし且つ押え部材36,40も横長形状 をなしていることにより、各ワイヤa,bは、夫々その先端部がある程度長い部 分にて保持されるようになるので、その湾曲方向を一致させたセット状態が強固 に保たれるようになるのである。
【0031】 このようなセット作業が完了すると、次に、作業者は、電源スイッチ24をオ ン操作し、引続いて操作釦29を押下げ操作する。すると、図2(b)に示すよ うに、両電極25,26間に電圧が印加された状態で、可動電極26が、ワイヤ bや可動側挟付け装置27と一体的に矢印B方向に移動し、両ワイヤa,bの端 面同士が突合されて加圧された状態で電流が流され、突合せ部分の抵抗による発 熱により溶接が行われるのである。この後、作業者は、操作釦29の操作力を解 除し、電源スイッチ24をオフ操作し、レバー34,38を操作しながら溶接さ れたワイヤa,bを取出すようにする。
【0032】 このとき、両ワイヤa,bは、湾曲方向を一致させたセット状態を確実に保ち つつ溶接されるので、図4に示すように、突合せ溶接部cにて折曲るようなこと なく滑らかに連続するように溶接されるのである。これにて、アーク溶接用のワ イヤが径小なノズル(例えば内径が1.3mm)を通されながら順送りに供給され る事情があっても、スムーズなワイヤの供給を行うことができるのである。尚、 セット時の両ワイヤa,bの端面同士間の隙間が小さかった場合には、突合せ溶 接部cにばりが生ずることがあるが、作業者は、ばりが生じた場合には、ハンド 型グラインダー等を用いてばりの除去作業を行うようにする。
【0033】 また、長期間の使用を繰返すに伴い両電極25,26の損耗等が起こるが、電 極25,26が損耗した際などには、ねじ32を外すことにより、古い電極25 ,26を取付ベースから取外すことができ、新たな電極25,26に容易に交換 することができる。
【0034】 このように本実施例によれば、各電極25,26及び各押え部材36,40を 両電極25,26の並び方向に長尺な形状としてワイヤa,bの先端部の所定長 さ部分を夫々保持する構成とすると共に、前記各電極25,26の上面部の位置 決め用の溝部33,42を、それら電極25,26の並び方向に延びほぼ同一円 周上に位置する円弧状に形成したので、従来のような突合せ溶接部cにて折曲り 状態となることがしばしば起っていたものと異なり、2本のワイヤa,bの突合 せ溶接部分cが折曲り状態となることなく滑らかに連続するように溶接すること ができるものである。
【0035】 また、特に本実施例では、固定電極25を固定側取付ベースにねじ32により 着脱可能に取付けると共に、可動電極26を可動側取付ベース37にねじ32に より着脱可能に取付ける構成としたので、電極25,26が損耗した際などの交 換作業を容易に行うことができるといった利点も得ることができる。
【0036】 図5は本考案の他の実施例に係る電極51,52を示すものであり、上記実施 例と異なるところは、電極51及び52の上面部に、太さの異なる複数組この場 合2組の溝部53,54及び55,56を夫々形成した点にある。このうち、溝 部53,55は、幅広に形成され、電極51,52の並び方向に延びほぼ同一円 周上に位置する緩やかな円弧状に形成されている。また、溝部54,56は、そ れより幅狭に形成され、やはり電極51,52の並び方向に延びほぼ同一円周上 に位置する緩やかな円弧状に形成されている。
【0037】 これによれば、線材の太さに応じた溝部を選択的に使用して溶接作業を行うる ことができ、1種類の電極51,52で複数種類の線材に対応することができる ものである。
【0038】 尚、上記実施例では、可動電極26を固定電極25に対して直線状に接離移動 させる構成としたが、可動電極を、溝部の湾曲方向に沿って移動するように構成 するようにしても良く、これによれば、両線材の端面の突合せ加圧方向が湾曲方 向に一致するようになり、直線方向に移動させる場合と比べてより一層滑らかに 連続した溶接を行うことができるものである。
【0039】 その他、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、例えばアーク溶接用 のワイヤに限らず、各種の金属線材の突合せ溶接に適用することができ、また、 双方の電極を相互に接離する方向に移動させたり、電気的スイッチの操作に基づ いて駆動機構を動作させることもでき、さらには、電極の材質や形状、押え部材 の形状やその構造等についても各種の変形が可能であるなど、要旨を逸脱しない 範囲内で適宜変更することができるものである。
【0040】
以上の説明にて明らかなように、本考案の請求項1の線材の突合せ溶接装置に よれば、各電極及び各押え部材を両電極の並び方向に長尺な形状として各線材の 先端部の所定長さ部分を夫々保持する構成とすると共に、各電極の上面部に、各 線材の先端部が位置決め状態に嵌め込まれる溝部を、それら電極の並び方向に延 びほぼ同一円周上に位置する円弧状に形成したので、2本の線材の突合せ部分が 折曲り状態となることなく滑らかに連続するように溶接することができるという 優れた実用的効果を奏するものである。
【0041】 この場合、各電極を各取付ベースに着脱可能に取付けるように構成すれば(請 求項2の線材の突合せ溶接装置)、電極が損耗した際などの交換作業を容易に行 うことができる。また、各電極の上面部に、太さの異なる複数組の溝部を形成す るように構成すれば(請求項3の線材の突合せ溶接装置)、線材の太さに応じた 溝部を選択的に使用することができ、1種類の電極で複数種類の線材に対応する ことができる。さらには、電極を、溝部の湾曲方向に沿って移動するように構成 すれば(請求項4の線材の突合せ溶接装置)、両線材の端面の突合せ加圧方向が 湾曲方向に一致するようになり、直線方向に移動させる場合と比べてより一層滑 らかに連続した溶接を行うことができるものである。
【図1】本考案の一実施例を示すもので、溶接装置の外
観を示す斜視図
観を示す斜視図
【図2】ワイヤのセット時(a)及び溶接時(b)にお
ける上面図
ける上面図
【図3】両電極の溝部の形状を示すための拡大平面図
【図4】溶接されたワイヤを示す平面図
【図5】本考案の他の実施例を示す図3相当図
【図6】従来例を示す図1相当図
【図7】図3相当図
【図8】溶接部分が折曲り状態となった様子を示すワイ
ヤの平面図
ヤの平面図
図面中、21は溶接装置、22は本体、25は固定電
極、26は可動電極、29は操作釦、32はねじ、3
3,42は溝部、36,40は押え部材、37は可動側
取付ベース、51,52は電極、53,54,55,5
6は溝部、a,bはワイヤ(線材)、cは突合せ溶接
部、Sは間隙を示す。
極、26は可動電極、29は操作釦、32はねじ、3
3,42は溝部、36,40は押え部材、37は可動側
取付ベース、51,52は電極、53,54,55,5
6は溝部、a,bはワイヤ(線材)、cは突合せ溶接
部、Sは間隙を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 2本の線材の先端を突合せ状態に抵抗溶
接する装置であって、 本体の上面部に間隙を存して並
ぶように設けられ前記各線材の先端部が夫々前記間隙に
端面を突出させた状態に載置される一対の電極と、これ
ら各電極の上面部に前記各線材の先端部を夫々挟み付け
るように保持するための一対の押え部材と、前記本体内
に設けられ前記両電極間に電圧を印加する電圧印加手段
と、前記本体に設けられ前記電極を接離する方向に移動
させる駆動機構とを具備し、 前記各電極及び各押え部材を両電極の並び方向に長尺な
形状として前記各線材の先端部の所定長さ部分を夫々保
持する構成とすると共に、 前記各電極の上面部に、前記各線材の先端部が位置決め
状態に嵌め込まれる溝部を、それら電極の並び方向に延
びほぼ同一円周上に位置する円弧状に形成したことを特
徴とする線材の突合せ溶接装置。 - 【請求項2】 各電極は、本体の上面部に設けられた一
対の取付ベースに夫々着脱可能に取付けられていること
を特徴とする請求項1記載の線材の突合せ溶接装置。 - 【請求項3】 各電極の上面部には、太さの異なる複数
組の溝部が形成されていることを特徴とする請求項1又
は2記載の線材の突合せ溶接装置。 - 【請求項4】 電極は、溝部の湾曲方向に沿って移動す
るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれかに記載の線材の突合せ溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994002867U JP3002427U (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 線材の突合せ溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994002867U JP3002427U (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 線材の突合せ溶接装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3002427U true JP3002427U (ja) | 1994-09-27 |
Family
ID=43138392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1994002867U Expired - Lifetime JP3002427U (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 線材の突合せ溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3002427U (ja) |
-
1994
- 1994-03-28 JP JP1994002867U patent/JP3002427U/ja not_active Expired - Lifetime
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