JP3002111B2 - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池

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JP3002111B2
JP3002111B2 JP7061666A JP6166695A JP3002111B2 JP 3002111 B2 JP3002111 B2 JP 3002111B2 JP 7061666 A JP7061666 A JP 7061666A JP 6166695 A JP6166695 A JP 6166695A JP 3002111 B2 JP3002111 B2 JP 3002111B2
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battery
organic electrolyte
electrolyte battery
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彰博 姉川
肇 木下
之規 羽藤
静邦 矢田
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機電解質電池に係り、
更に詳しくは電極活物質に上記特定の不溶不融性基体及
び上記特定の電解液を用いた有機電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、導電性高分子、遷移金属酸化物等
を正極とし、負極にリチウム金属或いはリチウム合金を
用いた二次電池がエネルギー密度が高いことから、Ni
−Cd電池、鉛電池に代る電池として提案されている。
しかし、これら二次電池は繰り返し充放電を行うと正
極、或いは負極の劣化による容量低下が大きく、実用上
問題が残されている。特に負極の劣化は充放電の繰り返
しによりデントライトと呼ばれる苔状のリチウム結晶の
生成を伴い、このデンドライトに起因する内部短絡や充
放電効率の低下が、電池の長寿命や高エネルギー密度に
対して障害となっている。また、上記デンドライト起因
の電池内部の短絡は、終局的にはデントライトによるセ
パレーターの貫通を招き、場合によっては電池が発火、
破裂する等、安全面においても問題があった。
【0003】近年、グラファイト等の炭素材、ポリアセ
チレン、ポリパラフェニレン等の導電性高分子にリチウ
ムを担持させたリチウム電池の研究が進められている。
しかしながら、例えば炭素材にリチウムを担持させた場
合、デントライトの発生は著しく少ないものの、その利
用率はC6 Li、即ち炭素原子に対してモル百分率で1
6.7%程度である。更に、炭素材を負極に用いた場合
リチウムの出し入れに対して構造の変化があることか
ら、サイクル特性が低下するという問題があった。
【0004】一方、特公平1−44212号公報、特公
平3−24024号公報等にはポリアセン系骨格構造を
有する不溶不融性基体(ポリアセン系有機半導体)が記
載されている。ポリアセン系有機半導体は、多環芳香族
系炭化水素が適度に発達したアモルファス有機半導体で
あり、リチウムをドーピング、即ち担持できることか
ら、上記電池の負極活物質になる事が知られている。一
般に電池用電極は生産性、寸法安定性等の観点から、電
極活物質粉末にバインダーを加え、成形したものが好ま
しく用いられる。更に特開平3−233860号公報に
は、該不溶不融性基体と熱硬化性樹脂より成る電極を負
極に用いる有機電解質電池が記載されている。該電池は
リチウムをドープした時の電極の緩みを抑止することに
より、サイクル特性、急速充放電特性に優れた電池が得
られるが、低温における容量は電解液の凝固、電導度の
低下等の問題があり充分ではなかった。また特開平6−
203833号公報に記載されている有機電解質電池
は、該不溶不融性基体を特定のバインダーで成形した電
極を負極に用い、該電池は電池容量の大幅な向上を達成
しているが、低温における容量は上述した様な問題が依
然未解決のままであり充分ではなかった。
【0005】一般に電池の低温特性の改善に対しては電
極の改良等による解決法もあるが、電解液の効果が大き
い。電解液溶媒に求められる条件としては低粘度、高誘
電率等が挙げられるが、単独溶媒として電解液溶媒に必
要なこれらの条件を満たしているものは殆どなく、通常
低粘度溶媒と高誘電率溶媒を混合する等、2種類以上の
溶媒を混合し用いられている。しかしながら、これら混
合電解液に於いても、用いる電解液溶媒と電極活物質の
種類によっては、充電時に溶媒の分解等があり、また低
温時の電解液の凍結及びこれらに起因する電池容量の大
幅な低下等の問題があり、実用系を考慮した低温領域で
の容量、特に高負荷特性等に対して、満足できる特性を
持つ電解液は殆ど報告されていないのが実状である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高容
量かつ高電圧を有し、長期に亘って充電、放電が可能で
あり、特に低温に於ける高負荷放電でも容量の低下の少
ない有機電解質二次電池の提供である。本発明の更に他
の目的は安全性に優れた二次電池の提供である。本発明
の更に他の目的は製造が容易な二次電池の提供である。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、電極活
物質にポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体を
用い、電解液溶媒として特定の混合溶媒を用いた有機電
解液を用いると、室温及び低温に於いても高容量であ
り、且つ高負荷放電に対して容量低下を改善できること
を見いだし本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は正極、負極並びに電解液と
してリチウム塩の非プロトン性有機溶媒を備えた有機電
解質電池であって、 (1)負極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって
水素原子/炭素原子の原子比(H/C)が0.5〜0.
05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基
体(PAS)であり、 (2)電解液溶媒として環状炭酸エステルと鎖状炭酸エ
ステルと鎖状エステルの3種からなる混合溶媒を含むこ
とを特徴とする有機電解質電池である。
【0009】本発明における芳香族系縮合ポリマーと
は、フェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物
とアルデヒド類との縮合物である。芳香族炭化水素化合
物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノ
ールの如き所謂フェノール類が好ましいが、これらに限
られない。例えば下記式
【化1】 (ここで、x及びyはそれぞれ独立に、0、1又は2で
ある)で表されるメチレン・ビスフェノール類であるこ
とができ、或いはヒドロキシ・ビフェニル類、ヒドロキ
シナフタレン類であることもできる。これらのうち、実
用的にはフェノール類特にフェノールが好ましい。本発
明に於ける芳香族系縮合ポリマーとして、上記のフェノ
ール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物の1部をフ
ェノール性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合物、例
えばキシレン、トルエン、アニリン等で置換した変成芳
香族系縮合ポリマー、例えばフェノールとキシレンとホ
ルムアルデヒドとの縮合物が好ましく用いられる。また
フラン樹脂も好ましい。またアルデヒドとしてはホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアル
デヒドを使用することができるが、ホルムアルデヒドが
好ましい。フェノールホルムアルデヒド縮合物として
は、ノボラック型又はレゾール型或はそれらの混合物の
いずれであってもよい。
【0010】本発明における不溶不融性基体は、上記芳
香族系ポリマーを熱処理する事により得られ、特公平1
−44212号公報、特公平3−24024号公報等に
記載されているポリアセン系骨格構造を有する不溶不融
性基体は全て用いることができ、例えば、次のようにし
て製造することもできる。該芳香族系縮合ポリマーを、
非酸化性雰囲気下(真空も含む)で、400°C〜80
0°Cの適当な温度まで徐々に加熱する事により、水素
原子/炭素原子の原子比(以下H/Cと記す)が0.5
0〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の不溶不
融性基体を得ることができる。
【0011】本発明に用いる不溶不融性基体は、X線回
折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位置は2θ
で表して24°以下に存在し、また該メイン・ピークの
他に41〜46°の間にブロードな他のピークが存在す
る。即ち、上記不溶不融性基体は芳香族系多環構造が適
度に発達したポリアセン系骨格構造を有し、且つアモル
ファス構造をとると示唆され、リチウムを安定にドーピ
ングできることから電池用活物質として有用である。H
/Cが0.50を越える場合、芳香族系多環構造が充分
に発達していないため、リチウムのドーピング、脱ドー
ピングがスムーズに行うことができず、電池を組んだ
時、充放電効率が低下する。また、H/Cが0.05以
下の場合、本発明の電極を用いた電池の容量が低下し好
ましくない。本発明で用いる不溶不融性基体の形状は、
粉末状、短繊維状等成形可能であれば特に限定されない
が、成形性を考慮すると、平均粒径が100μm以下の
粉末であることが好ましい。
【0012】本発明における電極に用いるバインダーの
種類は、特に限定されないが、フッ素系バインダーが好
ましく、更にはフッ素原子/炭素原子の原子比(以下F
/Cと記す)が1.5未満0.75以上であるフッ素系
バインダーが好ましく、特に1.3未満0.75以上の
フッ素系バインダーが好ましい。
【0013】上記フッ素系バインダーとしては、例えば
ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−3フッ化エ
チレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合
体、プロピレン−4フッ化エチレン共重合体等が挙げら
れ、更に主鎖の水素をアルキル基で置換した含フッ素系
ポリマーも用いる事ができる。ポリフッ化ビニリデンの
場合、F/Cは1でありフッ化ビニリデン−3フッ化エ
チレン共重合体の場合、フッ化ビニリデンのモル分率が
50%の時、80%の時、それぞれF/Cは1.25、
1.1となり、更にプロピレン−4フッ化エチレン共重
合体の場合、プロピレンのモル分率が50%の時、F/
Cは0.75となる。中でもポリフッ化ビニリデン、フ
ッ化ビニリデンのモル分率が50%以上のフッ化ビニリ
デン−3フッ化エチレン共重合体が好ましく、実用的に
はポリフッ化ビニリデンが好ましい。これらバインダー
を用いた場合、PASの有するリチウムのドープ能(容
量)を十分に利用することができる。
【0014】本発明の有機電解質電池の正極としては、
特に限定されないが、例えばLiXCoO2 、 LiX
iO2 、 LiX MnO2 等のLiX y Z (Mは金
属、2種類以上の金属でもよい)の一般式で表されるリ
チウム含有金属酸化物、或いはコバルト、マンガン、ニ
ッケル等の遷移金属酸化物等を用いることができる。特
にリチウム金属に対して4V以上の電圧を有するリチウ
ム含有金属酸化物が好ましい。中でもリチウム含有コバ
ルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物が好ましい。
本発明における正極は、上記活物質及び必要に応じて導
電剤、バインダーを加え成形したものであり、導電剤、
バインダーの種類、組成等は特に限定されるものではな
く、また電極形状は、目的とする電池により板状、フィ
ルム状、円柱状或いは、金属箔上に成形する等、種々の
形状をとることが出来る。特に、金属箔上に成形したも
のは、集電体一体電極として、種々の電池に応用できる
ことから好ましい。
【0015】本発明の電極は、特定の細孔構造を有する
PASを電極活物質とし、特定の電解液を用いることに
より、室温、低温に於ける該電極及び電解液を用いた電
池の容量を、従来の電池に比べ大幅に向上することがで
きる。
【0016】本発明に用いる電解液の溶媒は環状炭酸エ
ステルと鎖状炭酸エステルと鎖状エステルの混合溶媒を
含むものであれば特に限定されるものではない。環状炭
酸エステルと鎖状炭酸エステルと鎖状エステルのそれぞ
れは必ず1種類ずつ用いられる必要は無く、例えば2種
類の環状炭酸エステルと1種類ずつの鎖状炭酸エステル
と鎖状エステルから混合溶媒を構成させる、また環状炭
酸エステルと鎖状炭酸エステルと鎖状エステルの混合溶
媒に添加剤を加える等によっても本発明の効果を得るこ
とができる。環状炭酸エステルとしてはエチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、2,3−ブチレンカ
ーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−
ペンテンカーボネート、1,2−ペンテンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、2−メチル−プロピレンカ
ーボネート等が挙げられるが、その中でもプロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、2,3−ブチレン
カーボネート、ビニレンカーボネートが好ましい。更に
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが誘電
率が大きく、多量の電解質を溶解できることからより好
ましく、凝固点等を考慮するとプロピレンカーボネート
が最も好ましい。プロピレンカーボネートは充電時に分
解反応を起こす等の問題点があるが、PASを電極活物
質として用いた場合、その隙間の多い構造により殆ど分
解反応を起こさず、電解液溶媒として用いることが可能
である。
【0017】また鎖状炭酸エステルとしてはジエチルカ
ーボネート、ジメチルカーボネートやメチルエチルカー
ボネート等が挙げられるが、凝固点等を考慮するとその
中でもジエチルカーボネートやメチルエチルカーボネー
トがより好ましい。これらは先の環状炭酸エステルと混
合することにより、混合溶媒の粘度低下による低温特性
の向上が基体される。更に本発明に示す様に、鎖状エス
テルを環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合溶媒
に加えることにより、低温に於ける高負荷放電に対し容
量の低下の少ない有機電解質二次電池を提供することが
できる。これは鎖状エステルの持つ低凝固点及び低粘度
のためであり、また単独では安定性が十分ではない鎖状
エステルが環状炭素エステルと鎖状炭酸エステルの混合
溶媒と同時に存在することにより安定性が向上するため
であり、この効果により低温特性に於いて良好な結果を
得ることができる。
【0018】このような鎖状エステルとして蟻酸メチ
ル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル等
が挙げられるが、リチウムとの反応性や充電時の分解等
を考慮すると、エチルカルボシキル基を有するプロピオ
ン酸メチル、プロピオン酸エチルが安定性の面から好ま
しく、また同様の理由から酪酸メチルも好ましい。
【0019】また本発明で用いる電解液においては、環
状炭酸エステルが全溶媒に占める体積の割合は10%以
上70%以下が好ましく、更には20%以上40%以下
がより好ましい、鎖状炭酸エステルが全溶媒に占める体
積の割合は10%以上70%以下が好ましく、更には1
0%以上40%以下がより好ましい、鎖状エステルが全
溶媒に占める体積の割合は10%以上70%以下が好ま
しく、更には10%以上40%以下がより好ましい。ま
た、環状炭酸エステルの体積に対する鎖状炭酸エステル
と鎖状エステルの体積和の比は、(環状炭酸エステルの
体積)/(鎖状炭酸エステルの体積+鎖状エステルの体
積)=1/5〜1/2であるのが好ましい。これによ
り、室温及び低温に於いても高容量で、且つ高負荷特性
に優れた有機電解質電池が提供できる。
【0020】また上記の混合溶媒に溶解させる電解質
は、リチウムイオンを生成しうる電解質のいずれでもよ
い。このような電解質としては、例えばLiI、LiC
lO4、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li
CF3 SO 3またはLiHF2等が挙げられる。上記の
電解質及び溶媒は十分に脱水された状態で混合され、電
解液とするのであるが、電解液中の電解質の濃度は電解
液による内部抵抗を小さくするため少なくとも0.1モ
ル/l以上とするのが好ましく、通常0.2〜1.5モ
ル/lとするのが更に好ましい。
【0021】電池外部に電流を取り出すための集電体と
しては、例えば炭素、白金、ニッケル、ステンレス、ア
ルミニウム、銅等を用いることができ、箔状、ネット状
の集電体を用いる場合、電極を集電体上に成形すること
により集電体一体型電極として用いることもできる。
【0022】次に図面により本発明の実施態様の一例を
説明する。図1は本発明に係る電池の基本構成説明図で
ある。図1において、(1)は正極であり、(2)は負
極である。(3)、(3′)は集電体であり、各電極及
び外部端子(7)、(7′)に電圧降下を生じないよう
に接続されている。(4)は電解液であり、ドーピング
されうるイオンを生成しうる前述の化合物が非プロトン
性有機溶媒に溶解されている。(5)は正負両極の接触
を阻止する事及び電解液を保持する事を目的として配置
されたセパレータである。
【0023】該セパレータは、電解液或は電極活物質等
に対し、耐久性のある連通気孔を有する電子伝導性のな
い多孔体であり、通常ガラス繊維、ポリエチレン或はポ
リプロピレン等からなる布、不織布或は合成樹脂微多孔
膜等が用いられる。セパレータの厚さは電池の内部抵抗
を小さくするため薄い方が好ましいが、電解液の保持
量、流通性、強度等を考慮して決定される。正負極及び
セパレータは電池ケース(6)内に実用上問題が生じな
いように固定される。電極の形状、大きさ等は目的とす
る電池の形状、性能により適宜決められる。
【発明の効果】上記PASを電極活物質とし、上記特定
の電解液を用いた有機電解質電池は、室温及び低温に於
いても高容量且つ高電圧の有機電解質二次電池である。
【0024】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【実施例】
実施例1 厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット
電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で10℃/時間の速度で
昇温し、650℃まで熱処理し、PASを合成した。か
くして得られたPAS板をディスクミルで粉砕すること
により平均粒径15μmのPAS粉体を得た。このPA
SのH/C比は0.22であった。次に上記PAS粉末
100重量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部
をN,N−ジメチルホルムアミド90重量部に溶解した
溶液100重量部を充分に混合する事によりスラリーを
得た。該スラリーをアプリケーターを用い厚さ50μm
の銅箔(負極集電体)上に塗布し、乾燥、プレスし厚さ
200μmのPAS負極を得た。
【0025】市販のLiCoO2 (ストレム社製)10
0重量部に対し、ポリ4フッ化エチレン5重量部、アセ
チレンブラック10重量部を良く混合し、ローラーを用
いて厚さ700μmの正極シートを得た。
【0026】上記正、負極(1×1cm2 )を用い図1
のような電池を組み立てた。正極負極集電体としてはス
テンレス金網、セパレータとしては厚さ25μmのポリ
プロピレン製セパレータを用いた。電解液としてはエチ
レンカーボネート(以下EC)/ジエチルカーボネート
(以下DEC)/プロピオン酸メチル(以下MPR)=
1:2:2の混合溶媒に1モル/lの濃度にLiPF6
を溶解した溶液を用いた。
【0027】上記電池を3個用意し、以下の検討を行っ
た。まず1個目は25℃に於いて0.25mA/cm2
の定電流充電を行い、開路電圧(充電回路開放後、1時
間放置した時の電池電圧として測定)が3.9Vになる
まで充電し、続いて0.25mA/cm2 の定電流放電
を行い、開路電圧が3.0Vになるまで放電した。この
電池に対して3.9V〜3.0Vのサイクルを繰り返
し、3回目の放電に於いて容量を評価した。この容量値
をAとした。2個目は25℃に於いて0.25mA/c
2 の定電流充電を行い、開路電圧が3.9Vになるま
で充電し、続いて−20℃に於いて2.0mA/cm2
の定電流放電を行い、開路電圧が3.0Vになるまで放
電した。この電池に対して3.9V〜3.0Vのサイク
ルを繰り返し、3回目の放電に於いて容量を評価した。
この容量値をBとした。3個目は25℃に於いて0.2
5mA/cm2 の定電流充電を行い、開路電圧が3.9
Vになるまで充電し、続いて−20℃に於いて0.25
mA/cm2 の定電流放電を行い、開路電圧が3.0V
になるまで放電した。この電池に対して3.9V〜3.
0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電に於いて評価
した。この容量値をCとした。これら3つの電池に対し
てその容量値を比較した。結果を表1に示す。 実施例2 電解液をプロピレンカーボネート(以下PC)/DEC
/MPR=1:2:2の混合溶媒に1モル/lの濃度に
LiPF6 を溶解した溶液とした以外は実施例1と同様
にし、3回目の容量で評価した。 実施例3 電解液をPC/DEC/酪酸メチル(以下MBU)=
1:2:2の混合溶媒に1モル/lの濃度にLiPF6
を溶解した溶液とした以外は実施例1と同様にし、3回
目の容量で評価した。 実施例4 電解液をEC/メチルエチルカーボネート(以下ME
C)/MPR=1:2:2の混合溶媒に1モル/lの濃
度にLiPF6 を溶解した溶液とした以外は実施例1と
同様にし、3回目の容量で評価した。 実施例5 電解液をEC/ジメチルカーボネート(以下DMC)/
MPR=1:2:2の混合溶媒に1モル/lの濃度にL
iPF6 を溶解した溶液とした以外は実施例1と同様に
し、3回目の容量で評価した。
【0028】比較例1 電解液をPCに1モル/lの濃度にLiPF6 を溶解し
た溶液とした以外は実施例1と同様にし、3回目の容量
で評価した。 比較例2 電解液をEC/DEC=1:1の混合溶媒に1モル/l
の濃度にLiPF6 を溶解した溶液とした以外は実施例
1と同様にし、3回目の容量で評価した。 比較例3 グラファイト粉末(平均粒径6μm)100重量部とポ
リフッ化ビニリデン粉末10重量部をN,N−ジメチル
ホルムアミド90重量部に溶解した溶液100重量部を
充分に混合する事によりスラリーを得た。該スラリーを
アプリケーターを用い厚さ50μmの銅箔(負極集電
体)上に塗布し、乾燥、プレスし厚さ200μmのグラ
ファイト電極を得た。該電極を負極として用い、電解液
をPC/DEC/MPR=1:2:2の混合溶媒に1モ
ル/lの濃度にLiPF6 を溶解した溶液とした以外は
実施例1と同様にし、3回目の容量で評価した。以上の
結果を纏めて表1に示す。
【表1】
【0029】表1より明らかな様に、本発明の有機電解
質電池は、ポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基
体を活物質として用い、特定の電解液を用いる事によ
り、室温に於いて高容量で且つ低温に於ける高負荷放電
に対しても電池の容量の低下が少ない優れた有機電解質
二次電池を提供することができる。また、実施例2及び
比較例3についてその後10サイクル程度まで上記と同
様の充放電をそれぞれ行ったところ、実施例2に於いて
は安定した容量値が得られたが、比較例3に於いては容
量値は徐々に低下した。
【0030】なお、本検討では電解質として上記のLi
PF6 以外にLiI、LiClO4、LiAsF6 、L
iBF4 、LiCF3 SO 3、LiHF2 等を用いて検
討を行ったが、上記の実施例とほぼ同様の結果が得られ
た。また、上記の混合溶媒に於いて溶媒の体積比を変え
たり、溶媒としてプロピオン酸エチルを用いて、或いは
正極活物質として他のリチウム含有複合酸化物、例えば
LiNiO2 等を用いて検討を行ったが、上記の実施例
とほぼ同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の基本構成説明図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 3’集電体 4 電解液 5 セパレ−タ 6 電池ケ−ス 7 7’ 外部端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−236153(JP,A) 特開 平5−325972(JP,A) 特開 平5−325965(JP,A) 特開 平5−205745(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極並びに電解液としてリチウム
    塩の非プロトン性有機溶媒を備えた有機電解質電池であ
    って、 (1)負極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって
    水素原子/炭素原子の原子比(H/C)が0.5〜0.
    05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基
    体(PAS)であり、 (2)電解液溶媒として環状炭酸エステルと鎖状炭酸エ
    ステルと鎖状エステルの3種からなる混合溶媒を含むこ
    とを特徴とする有機電解質電池。
  2. 【請求項2】 鎖状炭酸エステルがジエチルカーボネー
    ト、メチルエチルカーボネートの中の少なくともいずれ
    か1つである請求項1に記載の有機電解質電池。
  3. 【請求項3】 鎖状エステルがプロピオン酸メチル、プ
    ロピオン酸エチル、酪酸メチルの中の少なくともいずれ
    か1つである請求項1に記載の有機電解質電池。
  4. 【請求項4】 環状炭酸エステルがプロピレンカーボネ
    ートであり、鎖状炭酸エステルがジエチルカーボネート
    であり、鎖状エステルがプロピオン酸メチル、プロピオ
    ン酸エチル、酪酸メチルの中の少なくともいずれか1つ
    である請求項1に記載の有機電解質電池。
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