JP3001929U

JP3001929U - ロックビット

Info

Publication number: JP3001929U
Application number: JP1994002002U
Authority: JP
Inventors: 圭伍勝
Original assignee: 株式会社ハンナンテックス
Priority date: 1994-03-11
Filing date: 1994-03-11
Publication date: 1994-09-06
Anticipated expiration: 2000-03-11

Abstract

(57)【要約】【目的】主として、掘削穿孔に使用されるロックビッ
トに於いて、その作業時にカッター本体に付着する掘屑
を確実に除去してカッター本体及びその主刃の耐久性を
向上させると共に、掘削により生ずる堀屑を効率よく地
表へ排出するように改良されたロックビットを提供する
ことを目的とする。【構成】削岩機の回転駆動体A に一端側1aが連結可能
なロックビット本体1 の内部には高圧流体が流通可能な
流通路2 が形成され、且つ前記ロックビット本体1 の他
端側1bには前記高圧流体を掘削面に噴射する前記流通路
2 と連通する噴射口6 が回転軸芯部O と離間する位置に
設けられていると共に、掘削用の主刃15を有するカッタ
ー本体13が取付けられてなるロックビットに於いて、前
記ロックビット本体1 の他端面1cの回転軸芯部O には高
圧流体を掘削面に噴射する中央噴射口9 が前記流通路2
と連通して設けられているロックビット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はロックビット、更に詳しくは、ボーリング等に使用される粘土層・礫層・岩盤層等の掘削用のロックビットの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のロックビット35としては、図３に示すように、ロックビット本体31の下端部31a に主刃32（カッター）を有する３個の回転自在なカッター本体 33,33,33（コーン）がロックビット本体31と一体的に配設され、しかもそのロックビット本体31の下端部31a には前記各カッター本体33との相対位置に３個噴射口34,34,34が夫々配設されているものが使用されている。

【０００３】上記のようなロックビット35は、削岩機のドリルにそのロックビット35の一端を取付け、回転させることによって前記カッター本体33に設けられた主刃32により掘削面の様々な粘土・岩盤等を圧削し、更にそのロックビット35の噴射口34から泥水を高圧噴射して前記掘削面に衝突させることによってカッター本体33による掘削穿孔作業を補助している。さらに、噴射口34から泥水を高圧にて噴射することにより、カッター本体33の冷却且つその洗浄を行うと共に、削り取られた堀屑を地表に運搬して掘削穿孔する、即ちボーリングを行うことができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のようなロックビット35に於いては、噴射口34がロックビット本体31の下端部31a の各カッター本体33の間に配置されているだけなので各カッター本体33の先端部33a には高圧泥水が直接噴射されないため、各カッター本体33の先端部33a 側に付着した粘土等を除去することができない。そして、前記カッター本体33に粘土等が付着した状態で使用すると、カッター本体33の主刃32が偏磨耗等し、又カッター本体33にひび・割れ等が生じるだけでなく、掘削穿孔作業能率も著しく低下するので、それらを防止するため頻繁にロックビット35を地上に引き上げてカッター本体33の洗浄しなければならなかった。特に粘土・軟質石灰岩・砂質泥岩等の軟質層に使用する場合は上記問題点が顕著である。

【０００５】本考案は、上記の如き従来の問題点に鑑みてなされたもので、カッター本体に付着する掘屑を確実に除去してカッター本体及びその主刃の耐久性を向上させると共に、掘削穿孔作業時に生ずる堀屑を効率よく地表へ排出するように改良されたロックビットを提供することを課題とするものである。

【０００６】

【問題を解決するための手段】

本考案は、このような課題を解決するためになされたもので、その課題を解決するための手段は、削岩機の回転駆動体A に一端側1aが連結可能なロックビット本体1 の内部には高圧流体が流通可能な流通路2 が形成され、且つ前記ロックビット本体1 の他端側1bには前記高圧流体を掘削面に噴射する前記流通路2 と連通する噴射口6 が回転軸芯部O と離間する位置に設けられていると共に、掘削用の主刃15を有するカッター本体13が取付けられてなるロックビットに於いて、前記ロックビット本体1 の他端面1cの回転軸芯部O には高圧流体を掘削面に噴射する中央噴射口9 が前記流通路2 と連通して設けられていることにある。

【０００７】さらに、前記噴射口6 に孔8 が穿設されたノズル7 を取着或いは前記中央噴射口9 に孔11が穿設されたセンターノズル10を取着してもよい。

【０００８】また、前記センターノズル10の孔11をロックビット本体1 の回転軸芯部O と前記噴射口6 の中心との略結線上に設け、更に前記孔11を回転軸芯部O から遠心方向に噴射可能に設けてもよい。

【０００９】

【作用】本考案に係るロックビットは、ロックビット本体1 の内部には高圧流体が流通可能な流通路2 が形成され、そのロックビット本体1 の回転軸芯部O と離間する位置に高圧流体を掘削面に噴射するための噴射口6 が設けられているだけでなく、回転軸芯部O にも高圧流体を掘削面に噴射するための中央噴射口9 が設けられているので、カッター本体13全体に前記高圧流体が直接噴射されることとなり、カッター本体13によって切り取られた堀屑がカッター本体13に付着滞留することもない。即ち、カッター本体13全体が洗浄されるので、カッター本体13の主刃15の偏磨耗等が激減し、その切味も維持できカッター本体13を長期間使用できるようになる。

【００１０】また、前記噴射口6 に孔8 が穿設されたノズル7 を取着或いは前記中央噴射口 9 に孔11が穿設されたセンターノズル10を取着すれば、前記各ノズルを変更するだけで流体の水量等を変えることができ、又それらが破損等した場合であっても修復が容易、つまり交換できる。

【００１１】また、前記センターノズル10の孔11を回転軸芯部O から遠心方向に噴射可能に穿設さたものに於いては、前記孔11から噴射される高圧流体はロックビット本体 1 の回転軸芯部O から外方に噴射されるので、中から外へと掘削による堀屑を運搬することができる。さらに、前記センターノズル10の孔11をロックビット本体1 の回転軸芯部O と前記噴射口6 との略結線上に設けたことにより、前記孔11から噴射される高圧流体とノズル7 の孔8 から噴射される高圧流体とは略同方向から掘削面に噴射されることとなり、それらは相乗効果を生じ、一方のみの噴射に比して堀屑の排出をより確実に行うことができるのである。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

【００１３】図１及び図２に於いて、1 はその内部に泥等が混入された水からなる高圧流体が流通可能な流通路2 が形成された略筒軸状のロックビット本体を示し、そのロックビット本体1 の一端側1aの外周面には削岩機の回転駆動体A に連結可能なネジ部3 が周設され、且つ他端側1bの外周面には前記一端側1aから他端面1c方向に３条の切欠4,4,4 が形成されている。

【００１４】また、前記ロックビット本体1 の他端面1cの前記切欠4,4,4 と相対する位置、即ちロックビット本体1 の回転軸芯部O と離間する位置の他端面1cには高圧流体を掘削面に噴射する噴射口6 が夫々設けられ、且つその噴射口6 はロックビット本体1 内で前記主流通路2 と連通されている。 7 は流体噴射口である円形の孔8 が穿設された略筒状のノズルを示し、そのノズル7 の一端は前記噴射口6 に嵌入され、しかもその他端に形成された係止部7a がロックビット本体1 に溶接固定されている。

【００１５】さらに、前記ロックビット本体1 の他端面1cの回転軸芯部O には高圧流体を掘削面に噴射する中央噴射口9 が設けられ、且つその中央噴射口9 と前記流通路2 とはロックビット本体1 内で連通されている。 10は流体噴射口である略小判形の３個の孔11,11,11が放射状に穿設されたセンターノズルを示し、そのセンターノズル10は前記各孔11が回転軸芯部O と噴射口 6 との略結線上に夫々位置するように中央噴射口9 に嵌入されて溶接にてロックビット本体1 の他端面1cに固着されている。尚、前記各孔11は、図２に示すように、回転軸芯部O に対して外向に傾斜させて穿通されている。即ち、前記孔11から噴射される高圧流体は前記回転軸芯部O から遠心方向に噴射可能となり、しかも前記ノズル7 から噴射される高圧流体と掘削面にて合流することになる。

【００１６】 12は前記ロックビット本体1 の切欠4,4,4 にその一端部12a を溶接にて取着された取付体（レグ）を示す。 13は前記取付体12の他端部12b にベアリング14を介して回転自在に取着された略円錐状のカッター本体（コーン）を示し、そのカッター本体13には放射状の複数個の主刃15（カッター）が多段に突設されている。また、前記取付体12の他端部12b とカッター本体13間にはベアリング14内に石塊や水等の侵入防止手段としてゴム製のＯリング16が装着されている。

【００１７】以上のような構成からなるロックビット20をさく井工事に使用する場合について以下説明する。尚、流体の水圧・水量等は工事内容により適宜選択される。

【００１８】削岩機の回転駆動体A とロックビット本体1 のネジ部3 を連結してロックビット20を削岩機に固定する。そして、泥・ベントナイト・石灰等が混入された水であって高圧に加圧された流体を前記回転駆動体A からロックビット本体1 内の流通路2 を通じてロックビット20の他端面1cのノズル7,7,7 及びセンターノズル10 から噴射し掘削面に衝突させることによって掘削面を圧壊・洗浄すると共に、前記ロックビット20を回転させながら圧入することによって、その先端に設けられたカッター本体13が掘削面を圧削して穿孔を行う。

【００１９】さらに、前記高圧流体は、その圧力により主刃15によって削り取られた堀屑を地表に押し上げ搬出するため、その後継続して掘削穿孔作業を行うことができるのである。

【００２０】この場合、本考案に係るロックビット20には３ケ所のノズル7 だけでなくセンターノズル10も設けられているので各カッター本体13の先端側13a にも高圧流体が直接噴射され、削り取られた堀屑がその先端側13a に付着滞留することがない。即ち、カッター本体13に付着した掘屑の除去を掘削穿孔作業と同時に行うことができるので、従来のようにカッター本体13の洗浄のためにロックビット20を地上に引き上げる必要がない。また、前述のようにカッター本体13に掘屑が付着しないので、カッター本体13 の主刃15の切味も維持されることとなり、掘削穿孔作業の効率も向上する。

【００２１】尚、前述のようにカッター本体13の先端側13a には高圧流体が直接噴射されるためその先端側13a が冷却され、且つその部分に付着した堀屑・粘土等が洗浄されるのでカッター本体13の耐久性を向上させることができる。

【００２２】特に、粘土・軟質石灰岩・砂質泥岩等の軟質層の掘削に使用する場合、その堀屑はカッター本体13への付着性が強いので、本考案に係るロックビット20は極めて顕著な効果を生ずるのである。

【００２３】また、ロックビット20は、上述のようにセンターノズル10の孔11が外向に傾斜して穿通されて、しかも孔11が回転軸芯部O と噴射口6 との略結線上に位置するようにセンターノズル10が固着されており前記孔11から噴射される高圧流体はロックビット本体1 の回転軸芯部O から遠心方向に噴射されるので、中から外へと掘削による堀屑が運搬され、効率よくその堀屑を地表へ排出することができることとなる。さらに、前記孔11から噴射される高圧流体とノズル7 の孔8 から噴射される高圧流体とはほぼ同方向から掘削面に噴射されることとなるので相乗効果を生じ、一方のみの噴射に比して堀屑の排出を確実に行うことができるのである。

【００２４】尚、本実施例のロックビット20は、ロックビット本体1 にカッター本体13が取付体12を介してに取着されてなるため、噴射口6 と中央噴射口9 両方を設けることが可能となる。

【００２５】上記実施例に於いて、センターノズル10には３個の孔11,11,11が放射状に穿通されているが、必ずしも３個必要というわけではなく、１，２，４，５，…個でもよい。また、前記孔11はロックビット本体1 の回転軸芯部O に対して外向に傾斜させて穿通されているが、その傾斜角はロックビット20の大きさ等により適宜変更可能である。

【００２６】上記実施例に於いて、ロックビット本体1 の噴射口6 にはノズル7 及び中央噴射口9 にはセンターノズル10が夫々固着されている構成であるが、必ずしも前記ノズルを用いなければならないわけではなく、前記噴射口6 又は中央噴射口9 の形状をノズルと同様な形状に構成することも可能である。但し、前記ノズルを用いると、噴射する高圧流体の水量等の調節が容易であり、又掘削作業中に破損等した場合であっても交換するだけで良いという利点がある。また、前記ロックビット本体1 に設けられた噴射口6 又は中央噴射口9 の個数についても上記実施例に限定されるものではない。

【００２７】さらに、上記実施例に於いてはセンターノズル10に穿通された孔11は長孔であるが、必ずしも長孔とは限らず、丸孔・三角孔・その他の形状であってもよい。また、上記実施例に於いてはノズル7 に穿通された孔8 、ロックビット本体1 に設けられた噴射口6 及び中央噴射口9 は丸孔であるが、前述と同様にその他の形状でもよい。

【００２８】また、上記実施例に於いては、カッター本体13に主刃15が一体的に突設してなるが、カッター本体13に主刃15を圧入したものであってもよく、更に主刃15の個数も任意である。即ち、カッター本体13は工事内容により適宜選択されるものであり、上記実施例に限定されるものではない。

【００２９】

【考案の効果】

叙上のように、本考案に係るロックビットはロックビット本体にその回転軸芯部と離間する位置に高圧流体を掘削面に噴射するための噴射口が設けられているだけでなく、回転軸芯部にも高圧流体を掘削面に噴射するための中央噴射口が設けられているので、カッター本体全体に前記高圧流体が直接噴射されることとなり、カッター本体に切り取られた堀屑が付着滞留することがない。つまり、カッター本体全体が洗浄されるので、頻繁にロックビットを地上に引き上げて洗浄せずとも、カッター本体の耐久性を向上することができる。

【００３０】さらに、ロックビットの中央噴射口に取着されたセンターノズルの孔を回転軸芯部から遠心方向に噴射可能に穿設した場合、そこから噴射される高圧流体は掘削による堀屑を外方に運搬することができる。さらに、前記センターノズルの孔をロックビット本体の回転軸芯部と噴射口との略結線上に設けた場合、前記孔から噴射される高圧流体と前記噴射口の孔から噴射される高圧流体とは略同方向から掘削面に噴射されることとなり、それらは相乗効果を生じ、一方のみの噴射に比して堀屑の排出をより確実に行うことができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例におけるロックビットの下方より見た
平面図。

【図２】図１のイ−イ線断面図。

【図３】従来のロックビットの下方より見た平面図。

【符号の説明】

1 ロックビット本体 1a 一端側 1b 他端側 1c 他端面 2 流通路 6 噴射口 7 ノズル 8 孔 9 中央噴射口 10 センターノズル 11 孔 13 カッター本体 15 主刃 A 回転駆動体 O 回転軸芯部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】削岩機の回転駆動体(A) に一端側(1a)が
連結されるロックビット本体(1) の内部には高圧流体が
流通可能な流通路(2) が形成され、且つ前記ロックビッ
ト本体(1) の他端側(1b)には前記高圧流体を掘削面に噴
射すべく前記流通路(2) と連通する噴射口(6) が回転軸
芯部(O) と離間する位置に設けられていると共に、掘削
用の主刃(15)を有するカッター本体(13)が取付けられて
なるロックビットに於いて、前記ロックビット本体(1)
の他端面(1c)の回転軸芯部(O) には高圧流体を掘削面に
噴射する中央噴射口(9) が前記流通路(2) と連通して設
けられてなることを特徴とするロックビット。
【請求項２】前記噴射口(6) には、孔(8) の穿設され
たノズル(7) が取着されてなる請求項１記載のロックビ
ット。
【請求項３】前記中央噴射口(9) には、孔(11)の穿通
されたセンターノズル(10)が取着されてなる請求項１又
は２記載のロックビット。
【請求項４】前記センターノズル(10)に穿設された孔
(11)が前記ロックビット本体(1) の回転軸芯部(O) と前
記噴射口(6) の中心との略結線上に設けられてなる請求
項３記載のロックビット。
【請求項５】前記センターノズル(10)の孔(11)は、該
孔(11)から噴射される高圧流体が回転軸芯部(O) から遠
心方向に噴射可能に穿設されてなる請求項４記載のロッ
クビット。
【請求項６】前記噴射口(6) 若しくは中央噴射口(9)
又孔(8) 若しくは孔(11)の少なくとも何れかが長孔であ
る請求項１〜５の何れかに記載のロックビット。