JP3001231U - 自動車の前部座席背もたれ用の姿勢保持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗員の体形や好みに応じて異なる着座姿勢を
簡単かつ確実に保持することができしかも経済的な自動
車背もたれ用姿勢保持具を提供する。 【構成】 ファブリックなどからなる連結シート１２，
２２と、前記連結シートの一側端部に設けられた側部膨
出弾性部材１３，２３と、前記側部膨出弾性部材に設け
られた取り付け部材１４，２４と、前記各保持具半体の
連結シート同士をその重合量を可変にして連結および連
結解除するため前記連結シートの前面または背面に設け
られた連結部材１５，２５とからなる二つの保持具半体
１１，２１を、自動車の前部座席の背もたれ前面に取り
外し可能に取り付けて乗員の姿勢を保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は自動車の前部座席背もたれ用の姿勢保持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般的な自動車の前部座席を図１０に示す。図示されるように、この座席６０ は、背もたれ６１と座部６２とヘッドレスト６３とから構成されており、調節ハ ンドル６９によって、前記背もたれ６１の傾斜角度を調節することができる。 前記座席６０は、所定形状のインサートが配されたウレタンフォームがファブ リックなどの表皮で覆われてなる。

【０００３】 ところで、このような自動車の座席６０の背もたれ６１は、乗員の背中が当た る中央部６４とその両側の盛り上がった側部６５，６５からなり、当該側部６５ ，６５によって前記乗員の背中側を両側から支持して、運転中の姿勢を保持する ようになっている。 また、かかる座席６０には、前記側部６５，６５の盛り上がり状態を調節する ことによって、乗員の体形や好みに合わせた姿勢の保持ができるようになってい るものがある。前記姿勢保持調節機構の一例としては、前記側部６５，６５内の インサートを可倒式とし、このインサートを手動あるいは電動などによって背も たれ６１の内外へ回動させることにより、前記側部６５，６５を起こしたり倒し たりするものが知られている。

【０００４】 しかしながら、この構造にあっては、前記インサートの可倒機構およびその調 節機構が、ウレタンフォームの発泡時や座席の縫製時に取り付けられるため、製 造コストが高くなる傾向にある。 また、前記側部のインサート回動幅には限度があるため、極度に細い体形の乗 員に対しては、その姿勢を確実に保持できないおそれがある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、このような問題を解決するために提案されたものであって、乗員 の体形や好みに応じた姿勢を簡単かつ確実に保持することができ、しかも経済的 な自動車の前部座席背もたれ用の姿勢保持具を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、この考案は、乗員の姿勢保持のために自動車の前部座席の背もたれ 前面に着脱自在に取り付けられる姿勢保持具であって、連結および連結解除自在 な二つの保持具半体からなり、前記各保持具半体は、ファブリック等の変形容易 な材質からなる連結シートと、前記連結シートの一側端部に前面側へ膨らんで設 けられた側部膨出弾性部材と、前記側部膨出弾性部材または連結シートの一側端 部に設けられたベルト等の取り付け部材と、前記各保持具半体の連結シート同士 をその重合量を可変にして連結および連結解除するため前記連結シートの前面ま たは背面に設けられた連結部材とよりなる自動車の前部座席背もたれ用の姿勢保 持具に係る。

【０００７】

【実施例】

以下添付の図面に従ってこの考案を詳細に説明する。 図１はこの考案の姿勢保持具を自動車の前部座席に取り付けた状態を示す斜視 図、図２はその横断面図、図３はこの考案の姿勢保持具の一例を示す斜視図、図 ４は連結シートの重合量を調節した状態を示す断面図、図５はこの考案の他の例 を示す正面図、図６はその要部を示す断面図、図７はさらに他の例を示す正面図 、図８は同じくこの考案の他の例を示す正面図、図９はその要部を示す断面図で ある。

【０００８】 図１および図２に示されるように、この考案の姿勢保持具１０は二つの保持具 半体１１，２１からなり、当該保持具半体１１，２１を連結して、図１０で示し た一般的な座席６０の背もたれ６１前面側に取り付けることによって、乗員の姿 勢を保持するようになっている。図２中の符号６６は座席６０を形成するウレタ ンフォーム、６７は前記ウレタンフォーム６６を覆う表皮、６８はインサートで ある。

【０００９】 図３に示されるように、一方の保持具半体１１は、連結シート１２と側部膨出 弾性部材１３と背もたれ取り付け部材１４と連結部材１５とから構成される。 そして、他方の保持具半体２１は、同じく連結シート２２と側部膨出弾性部材 ２３と背もたれ取り付け部材２４と連結部材２５とから構成されている。 なお、両保持具半体１１，２１は同様の構造を有しているため、一方の保持具 半体１１の説明をもって他方の保持具半体２１の説明に代える。

【００１０】 連結シート１２は、他の保持具半体２１の連結シート２２と背もたれ６１の前 面側で連結されて側部膨出弾性部材１３，２３間の幅を決定するためのもので、 ファブリックや合成皮革などの変形容易な材質よりなり、前記自動車の前部座席 ６０の背もたれ６１前面中央６４に配される。この連結シート１２の一側端部側 には、側部膨出弾性部材１３が設けられている。

【００１１】 前記側部膨出弾性部材１３は、座席の背もたれ６０の側部６５近傍に配されて 、乗員の背中を両側から弾力的に保持するためのもので、ウレタンフォームなど 弾性を有する材質をファブリック等で覆ったものが好ましく用いられる。この側 部膨出弾性部材１３は、前記連結シート１２の前面側に膨らむように設けられて ている。また、前記姿勢保持具１０の外観や感触を良くするため、この例では図 ２のように、前記側部膨出弾性部材１３を前記連結シート１２を構成する材質に よって一体に覆っている。

【００１２】 背もたれ取り付け部材１４は、姿勢保持具１０を背もたれ６１に着脱自在に取 り付けるためのもので、この実施例では二本のベルト部材１４ａからからなり、 前記の側部膨出弾性部材１３に、または連結シート１２の一側に設けられる。ベ ルト部材１４ａの先端には、前記保持具半体１１を他方の保持具半体２１と背も たれ６１の背面側で連結するためのバックル部材１６が設けられている。このバ ックル部材１６には、他方の保持具半体２１の取り付け部材２４を構成するベル ト部材２４ａが通されて両ベルト部材１４ａ，２４ａが連結されるとともに、姿 勢保持具１０が取り付けられる背もたれ６１の大きさによって、ベルト部材１４ ａ，２４ａの長さが調節できるようになっている。

【００１３】 前記連結シート１２の背面には、他方の保持具半体２１の連結シート２２と連 結するための連結部材１５が設けられている。 この連結部材１５は、前記両連結シート１２，２２において、背もたれ中央部 ６４の幅方向に長く設けられており、当該連結シート１２，２２の重合量を乗員 の好みや体形に合わせて可変にして連結することができるようになっている。前 記連結部材１５としては、公知の種々のものが用いられるが、この実施例では、 連結および連結解除が簡単かつ確実で、しかも微調整も可能で経済的であること から、ループとフックなどからなる公知の面接合ファスナーを用いている。 また、この例において、前記保持具半体１１，２１の連結を確実にするため、 前記連結部材１５は連結シート１２の上下方向に三か所設けられている。 なお、前記連結シート１２，２２は重ね合わせられて連結されるため、他方の 保持具半体２１の連結部材２５は、当該連結シート２２の前面側に設けられてい ることは言うまでもない。

【００１４】 このようにしてなる二つの保持具半体１１，２１は、側部膨出弾性部材１３， ２３が乗員の身体の側部に沿うよう前記両連結シート１２，２２の重合量を調節 して両連結シートが重ね合わされ、連結部材１５により連結される。 そして、両保持具半体１１，２１が連結された姿勢保持具１０は、自動車の前 部座席６０の背もたれ６１前面に、前記連結シート１２，２２および側部膨出弾 性部材１３，２３を配置され、取り付け部材１４，２４が、背もたれ６１の背面 側で結合されることにより座席６０の背もたれ６１に取り付けられる。

【００１５】 図４から理解されるように、この構造によれば、前記連結シート１２，２２の 重合量を調節することによって、簡単かつ確実に側部膨出弾性部材１３，２３間 の幅を調節することができる。また、この姿勢保持具１０は座席に組み込まれて いるものではなく、必要に応じて着脱するものであるから、前記座席製造のコス トを上昇させることはなく極めて経済的である。

【００１６】 図５ないし図９はこの考案の他の例を示したものである。 図５および図６に示される姿勢保持具３０は、連結部材３５を凸部３７と凹部 ３８とからなる公知のスナップボタンによって構成した例である。符号３１は保 持具半体、３２ａ，３２ｂは連結シート、３３は側部膨出弾性部材、３４は取り 付け部材である。この実施例において、背もたれの前面側に配される連結シート ３２ａには、その上下方向の三か所に連結部材３５の凸部３７が設けられている 。一方、前記連結シート３２ａの裏側に重合される他方の連結シート３２ｂには 、前記凸部３７に対応する凹部３８が、背もたれ６１の幅方向に４列形成されて おり、前記連結シート３２ａ，３２ｂの重合量を４段階に調節することができる 。なお、前記スナップボタンにかえて、適宜磁石などを用いることもできる。

【００１７】 また、図７は連結部材をファスナーによって構成した例である。符号４０は姿 勢保持具、４１は保持具半体、４２ａ，４２ｂは連結シート、４３は側部膨出弾 性部材、４４は取り付け部材、４６は連結部材である。 この例では、一方の連結シート４２ａの端部にファスナー部材４７ａが上下方 向に設けられている。 そして、重合される相手側の連結シート４２ｂには、前記ファスナー部材４７ ａと係合するファスナー部材４７ｂが、背もたれの幅方向に４列設けられており 、このファスナー部材４７ｂのいずれか所望の位置に前記ファスナー部材４７ａ を係合させることにより、側部膨出弾性部材４３，４３間の幅が決定される。

【００１８】 さらに、図８および図９は、連結シート５２および側部膨出弾性部材５３にお いて、乗員の身体と当接する側の面に多数個の磁石Ｍ，Ｍ，Ｍ，…を内蔵した例 である。符号５０は姿勢保持具、５１は保持具半体、５４は取り付け部材、５５ は連結部材である。この磁石Ｍは、連結シート５２を構成するファブリックある いは側部膨出弾性部材５３表面のファブリック若しくは内部の弾性部材の裏面あ るいは内部など、適宜位置に配設されており、運転中の肩こりや眠気をその磁力 によって軽減させる効果がある。

【００１９】

【考案の効果】

以上図示し説明したように、この考案の姿勢保持具によれば、乗員の背中両側 を保持する座席背もたれ中央部の幅を、簡単かつ確実にしかも大きく変えること ができるので、特に痩せている人などでも充分に姿勢を保つことができる。 また、この姿勢保持具は、必要に応じて座席背もたれに着脱して用いるもので あるから、前記座席製造のコストをあげることはなく極めて経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の姿勢保持具を自動車の前部座席に取
り付けた状態を示す斜視図である。

【図２】その横断面図である。

【図３】この考案の姿勢保持具の一例を示す斜視図であ
る。

【図４】連結シートの重合量を調節した状態を示す断面
図である。

【図５】この考案の他の例を示す正面図である。

【図６】その要部を示す断面図である。

【図７】さらに他の例を示す正面図である。

【図８】同じくこの考案の他の例を示す正面図である。

【図９】さらにその要部を示す断面図である。

【図１０】一般的な自動車の前部座席を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０ 姿勢保持具 １１，２１ 保持具半体 １２，２２ 連結シート １３，２３ 側部膨出弾性部材 １４，２４ 取り付け部材 １５，２５ 連結部材 ６０ 座席 ６１ 背もたれ Ｍ 磁石

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗員の姿勢保持のために自動車の前部座
   席の背もたれ前面に着脱自在に取り付けられる姿勢保持
   具であって、連結および連結解除自在な二つの保持具半
   体からなり、 前記各保持具半体は、ファブリック等の変形容易な材質
   からなる連結シートと、前記連結シートの一側端部に前
   面側へ膨らんで設けられた側部膨出弾性部材と、前記側
   部膨出弾性部材または連結シートの一側端部に設けられ
   たベルト等の取り付け部材と、前記各保持具半体の連結
   シート同士をその重合量を可変にして連結および連結解
   除するため前記連結シートの前面または背面に設けられ
   た連結部材とよりなる自動車の前部座席背もたれ用の姿
   勢保持具。
2. 【請求項２】 請求項１において、連結シートまたは側
   部膨出弾性部材のいずれかまたは両者に磁石が配設され
   た自動車の前部座席背もたれ用の姿勢保持具。