JP3001165U - 経編機におけるガイドポイント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経編機におけるガイドポイントにおいて、編
糸の巻き付きによる糸切れなどを防止できるものを提供
すること。 【構成】 ガイドポイント１の導糸穴５を有する先端部
６の外側縁７を拡張周縁形態とし、編糸が巻き付いても
外側をすべって巻き付きを解除するようにする。ガイド
ポイントが導糸パイプ形態のものにあっては先端部に拡
張周縁形態の板材を固着するか一体成形することで達成
される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、経編機における経糸、柄糸を編針へ導くためのガイドポイントに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、経編機における経糸又は柄糸は地筬又は柄筬に取り付けられた ガイドポイントの先端部に設けた導糸穴に通糸され、各筬の編針に対するスイン グ（針列と直角方向への変位）及びラッピング（針列方向への変位）によって編 成運動がなされる。

【０００３】 一方、ガイドポイントは地筬用、柄筬用として種々の形状のものが採用されて いるが、特に地筬の場合では、通常ガイドポイントは編機のゲージ（１吋長さあ たりの編針のセット本数）に基づいてガイドブロックと呼ばれるすず合金からな る保持部に間隔をおいて鋳込まれている。

【０００４】 そして図５に示すようにガイドブロック２に鋳込まれたガイドポイント１には 編糸３が通糸され編針４に対し導糸作用がなされる。例えば図６に示すように編 糸３が紙面上でガイドポイント１の右側面より導糸穴５に通糸がなされて編成さ れる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記状況において、編針４に対し矢印Ａ方向にオーバーラッピング（編針のフ ック開口側でのラッピング）がなされ、次にスイングされた場合は問題ないが、 矢印Ｂ方向にオーバーラッピングののち次にスイングがなされると、編針とガイ ドポイントの位置関係及び給糸状態によっては図７に示すように編糸３がガイド ポイント１の先端に巻き付く現象が発生し、この巻き付きが原因での糸切れ、毛 羽などが発生する。このため編組織上好都合であっても編成上の問題から特にダ ブルラッシェル機におけるこの編成組織については採用できなかった。

【０００６】 本考案は上記欠点を解消し、上記のような経糸がガイドポイントに巻き付きや すい編組織でも巻き付きを防ぐことができるガイドポイントを提供せんとするも のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案者は上記問題点に鑑み、ガイドポイントの先端の形状について考察の結 果、従来のガイドポイントにおいては、経糸が巻き付いたあとにそのままの状態 に保持されることに着目し、巻き付きが発生してもこれをすぐに解除することが できれば良いとの結論に達し本考案に至ったものである。

【０００８】 本考案は、ガイドポイントの導糸穴を有する先端部外側縁を編糸巻き付き解除 のための拡張周縁形態としたものである。

【０００９】 又、ガイドポイントの導糸パイプ先端部に編糸巻き付き解除のための拡張周辺 形態の板材を固着あるいは一体成形したものである。

【００１０】

【作用】

先端部外側縁あるいは先端部が拡張周縁形態を呈しているので、編糸が編針に オーバーラッピングの時ガイドポイントの先端部にからむ方向にオーバーラッピ ングがなされても、編糸は拡張周縁に沿って滑りながら巻き付きが解除される。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案のガイドポイントの一実施例を示す平面図である。図中６はガイ ドポイント１の先端部であり、先端部６の外側縁７を拡張周縁形態としている。 比較のために一点鎖線で示している従来のガイドポイント２０は導糸穴５の半径 ｒ₁とガイドポイント２０の外側縁２１の半径ｒ₂の中心Ｏ₁は同じであり同心周 縁形態である。

【００１２】 これに対して、本考案の外側縁７の半径ｒ₀の部分の中心Ｏ₀は導糸穴５の中心 Ｏ₁よりガイドポイント１の根元側に移動している。なお本実施例における外側 縁７は円弧状を呈しているが、非円弧状の曲線であってもこの部分が拡張周縁形 態である限り同様の作用がなされる。

【００１３】 図２はガイドポイントが導糸パイプ形態のものを示すもので、導糸パイプ１０ の先端部１１に拡張周縁１２をもつ板材１３を溶接などにより固着したものであ る。板材１３についてはこのように固着してもよいが、一体成形により先端部を 拡張周縁をもつように形成してもよい。

【００１４】 上記実施例は主として地筬のガイドポイント用に使用されるものであるが、図 ３に示すのは、柄筬のガイドポイント１５の実施例を示すものであり、導糸穴１ ４はガイドポイントの軸線１６より間隔Ｌをもって偏心しており、かつ導糸穴１ ４の一側方に拡張周縁１７を有している。この場合ガイドポイント１５は柄筬枚 数が多く、先端部を傾斜して使用する場合に有効である。

【００１５】 図４は、本考案のガイドポイントの変形例を示したものであり、先端部６の導 糸穴５近辺において屈接形態８としたものであり、外側縁７の拡張周縁形態との 組み合わせによって編糸３の巻き付きの解除とともに、編糸３が太糸の場合でも 導糸穴５への導糸状態を直線状とすることができるので円滑な編成状態を得るこ とができる。

【００１６】 なお上記実施例以外にも図示はしないが、先端部の形状において、編糸の導糸 において好適なように溝部、ねじり部など種々の変形例を適用したものについて も、本考案の請求の範囲を逸脱しない限りすべて本考案の技術範囲に含まれるこ とはいうまでもない。

【００１７】

【考案の効果】 本考案のガイドポイントは、先端部に編糸巻き付きを解除する拡張周縁を有す るものであるので、編成上困難であった編組織も支障なく編成可能となり、経編 地品質の向上に寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガイドポイントの一実施例を示す平面
図。

【図２】ガイドポイントが導糸パイプ形態のものを示す
平面図。

【図３】柄筬のガイドポイントに適用した例を示す平面
図。

【図４】Ｉは本考案のガイドポイントの変形例を示す平
面図、ＩＩは同じく側面図。

【図５】従来のガイドポイントの使用例を示す編成要部
の概略側面図。

【図６】図５の正面図。

【図７】編糸の巻き付き状況を示す図６の左側面図。

【符号の説明】

１……………ガイドポイント ２……………ガイドポイント ３……………編糸 ４……………編針 ５……………導糸穴 ６……………先端部 ７……………外側縁 １０…………導糸パイプ １１…………先端部 １２…………拡張周縁 １３…………板材 １４…………導糸穴 １５…………ガイドポイント １７…………拡張周縁

【手続補正書】

【提出日】平成６年３月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図６

【補正方法】変更

【補正内容】

【図６】 ガイドポイントに通糸された編糸のオーバー
ラップの方向を説明するための編成要部の正面図。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図７

【補正方法】変更

【補正内容】

【図７】 編糸の巻き付き状況を示す編成要部の側面
図。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】符号の説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【符号の説明】 １……………ガイドポイント ２……………ガイドブロック ３……………編糸 ４……………編針 ５……………導糸穴 ６……………先端部 ７……………外側縁 １０…………導糸パイプ １１…………先端部 １２…………拡張周縁 １３…………板材 １４…………導糸穴 １５…………ガイドポイント １７…………拡張周縁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドポイントの導糸穴を有する先端部
   外側縁を編糸巻き付き解除のための拡張周縁形態とした
   ことを特徴とする経編機におけるガイドポイント。
2. 【請求項２】 ガイドポイントの導糸パイプ先端部に編
   糸巻き付き解除のための拡張周縁形態の板材を固着ある
   いは一体成形したことを特徴とする経編機におけるガイ
   ドポイント。