JP3001109U - 自転車のワイヤー錠収納部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自転車のワイヤー錠を、その不使用時に容易・
迅速にかつ体裁良くすっきりと収納可能な自転車のワイ
ヤー錠収納部を提供する。 【構成】自転車のシートポスト１、立パイプ、上パイプ
または下パイプの側部に小孔８を形成して、該小孔８
に、ワイヤー錠５のワイヤー部６を通挿可能でかつ錠部
７を係止可能な内径の短管９を固着し、該短管９内周に
弾性材質のリング１０を装着して、ワイヤー部６を上記
ポストまたはパイプ内へ収納可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自転車のワイヤー錠収納部に関するものであり、ワイヤー錠のワイ ヤー部を容易・迅速に収納可能で、かつ収納後は外部から見えずすっきりと体裁 よく収納可能としたことを特徴とするものである。

【０００２】

【従来の技術】

自転車の盗難防止用の錠としては、１）前車輪または後車輪のスポークの間に カンヌキを入れて、車輪の回転をロックするもの，例えば箱形錠や馬蹄錠、２） 前ホーク肩部やヘッドセット部で前ホークやハンドルの回動を係止するもの，例 えばラレー錠やハンドルロック錠、３）単独の携行して用いる錠で自転車の車輪 その他の任意の箇所を任意の物に引っ掛けて係止可能なもの，例えばワイヤー錠 やチエン錠やシャックル錠等がある（例えば「自転車便覧」第４版，財団法人自 転車産業振興協会発行の第８６６頁，第８６８頁，実開昭５４−２３４６３号公 報，実開昭５４−１１８７６３号公報参照）。

【０００３】 上記自転車用錠の内でワイヤー錠は、チエン錠に比べて比較的軽量であるとと もに、自転車を道路の鉄柵の如き固定物へ引っ掛けて係止できるので、上記の箱 形錠・馬蹄錠・ラレー錠・ハンドルロック錠が車輪やハンドルが固定したまま自 転車を持ち上げて運ばれることがあるのと異なり、盗難防止性に優れたものであ る。

【０００４】 ところが、ワイヤー錠は箱形錠・馬蹄錠・ラレー錠・ハンドルロック錠等と異 なり、自転車と別体であるため、それを使用時はともかくとして、不使用時であ る自転車走行中にそれを別に携行する必要がある。そこで従来一般に不使用時の ワイヤー錠は、自転車の荷籠内へ放り込んでおいたり、ワイヤーを自転車フレー ムに巻付けて端部寄りを錠に係止させて、携行していることが多い。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の如く不使用時のワイヤー錠を自転車の荷籠内へ放り込ん でおくのは、あまり体裁が良くないし、荷籠に荷物を入れる際の邪魔になったり あるいは使用時に荷物の下のワイヤー錠を直ぐに取り出せなかったりして、不便 である。

【０００６】 また、ワイヤー錠を自転車フレームに巻付けて端部寄りを錠に係止させておく のは、やはり体裁が良くないし、そのようにワイヤーを巻き付けて端部を錠に係 止させるのに手間がかかり、かつ、ワイヤー錠を使用する際に取り外すのにも手 間がかかって、煩わしいものである。

【０００７】 本考案は、不使用時のワイヤー錠の収納に関し、上記従来の問題点を解決しよ うとするものである。即ち本考案の目的は、ワイヤー錠を容易・迅速、かつ外部 から殆ど見えず、すっきりと体裁よく収納できるような、自転車のワイヤー錠収 納部を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

Ａ 本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第１は、 自転車のシートポスト（シートピラーともいう）１の上部寄り側部に小孔８を 形成して、該小孔８に、ワイヤー錠５のワイヤー部６を通挿可能でかつ錠部７を 係止可能な内径の短管９を固着し、該短管９内周に弾性材質のリング１０を装着 してなるものである。

【０００９】 Ｂ 本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第２は、 自転車の立パイプ２の上部寄り側部に小孔８を形成して、該小孔８に、ワイヤ ー錠５のワイヤー部６を通挿可能でかつ錠部７を係止可能な内径の短管９を固着 し、該短管９内周に弾性材質のリング１０を装着してなるものである。

【００１０】 Ｃ 本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第３は、 自転車の上パイプ３の一側部に小孔８を形成して、該小孔８に、ワイヤー錠５ のワイヤー部６を通挿可能でかつ錠部７を係止可能な内径の短管９を固着し、該 短管９内周に弾性材質のリング１０を装着してなるものである。

【００１１】 Ｄ 本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第４は、 自転車の下パイプ４の一側部に小孔８を形成して、該小孔８に、ワイヤー錠５ のワイヤー部６を通挿可能でかつ錠部７を係止可能な内径の短管９を固着し、該 短管９内周に弾性材質のリング１０を装着してなるものである。

【００１２】 上記構成において、下パイプ４とは、別に上パイプをもつフレームでの下パイ プに限らず、例えばミニサイクルのフレームの如く上パイプがなく１本の下パイ プだけのものを含む。

【００１３】 上記で立パイプ２に短管９を設けるものでは、立パイプ２上部にシートポスト １を挿入・固定した場合のシートポスト１下端部より下位置に設ける。

【００１４】 図において、１１は錠部７とワイヤー部６間の接続部を示し、該接続部１１は ワイヤー錠５の首部に当たる。また１２はサドルを示す。

【００１５】

【作用】

上記構成の自転車のワイヤー錠収納部を使用する場合は、次のようになる。 ａ）まず、上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第１のものでは、立 パイプ２上部に装入固定されたシートポスト１上部寄り側部の小孔８に、短管９ を内方へ向けて固着してある。

【００１６】 そのため、ワイヤー錠５を不使用時には、該錠５のワイヤー部６を側端部から ワイヤー挿入口に当たる短管９へ挿入させて、ワイヤー部６の他端部にある錠部 ７が短管９の外端部で係止されるまで送り込めばよい。

【００１７】 この場合にワイヤー部６は、シートポスト１下端部から立パイプ２内へ垂下し ており、外部には錠部７だけが露出した状態にある。

【００１８】 ｂ）次に、上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第２のものでは、立 パイプ２上部寄り側部の小孔８に、短管９を内方へ向けて固着してある。

【００１９】 そのため、ワイヤー錠５を不使用時には、上記ａ）と同様に該錠５のワイヤー 部６を側端部から短管９へ挿入させて、ワイヤー部６の他端部にある錠部７が短 管９で係止されるまで送り込めばよい。この場合にワイヤー部６は、立パイプ９ 内にあり、外部には錠部７だけが露出している。

【００２０】 ｃ）上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第３のものでは、上パイプ ３の一側部の小孔８に、短管９を内方へ向けて固着してある。

【００２１】 そのため、ワイヤー錠５を不使用時には、該錠５のワイヤー部６を側端部から 短管９へ挿入させて、錠部７が短管９外端部で係止されるまで送り込めばよい。 この場合にワイヤー部６は上パイプ３内にあり、外部には錠部７だけが露出して いる。

【００２２】 ｄ）上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第３のものでは、下パイプ ４の一側部の小孔８に、短管９を内方へ向けて固着してある。

【００２３】 そのため、ワイヤー錠５を不使用時には、該錠５のワイヤー部６を側端部から 短管９へ挿入させて、錠部７が短管９外端部で係止されるまで送り込めばよい。 この場合にワイヤー部６は下パイプ４内にあり、外部には錠部７だけが露出した 状態にある。

【００２４】 上記いずれの場合も、ワイヤー部６を短管９内へ挿入することは、誰でも容易 ・迅速に行えるし、ワイヤー錠５は錠部７以外の部分が露出せず、すっきりと体 裁よくワイヤー錠を収納できたことになる。

【００２５】 同様に、上記いずれのものも、短管９内周に弾性材質のリング１０を装着して あるので、ワイヤー錠５のワイヤー部６や接続部１１が金属性の短管９との接触 で損耗することが少ない。なお、リング１０の内径を錠部７とワイヤー部６間の 接続部１１の外径とほぼ等しく形成することで、収納したワイヤー錠５のガタツ キや抜け出しが防止される。

【００２６】 また、ワイヤー錠５を使用時には、錠部７を掴んで引き出せばよく、これも容 易・迅速に行える。後は短管９にキャップ（図示略）を被せておけば、雨や埃等 の侵入が防止される。

【００２７】

【実施例】

イ）図１および図２は、上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第１の ものを示す。

【００２８】 自転車のシートポスト１上部寄り側部に小孔８を形成して、金属製の短管９を 装入して固着してある。該短管９のシートポスト１に対する取付角度αは、ワイ ヤー部６を挿入し易いように９０度よりも小さい角度とするのが望ましく、ここ では約４５度の角度としてあるが、これに限るものではない。また該短管９の材 質は、ここでは鉄製としているが、これに限らずアルミ合金・チタン合金等であ ってもよい。

【００２９】 また該短管９の内径は、ワイヤー部６を通挿可能でかつ錠部７を係止可能なも のであり、該短管９内周に弾性材質のリング１０を装着してある。該リング１０ の材質は、ここでは合成ゴム製としているが、それに限らず例えば天然ゴムその 他のものであってもよい。また該リング１０の内径は、ここではワイヤー錠５の ガタツキや抜け出し防止用に、錠部７とワイヤー部６間の接続部１１の外径にほ ぼ等しいものにしてあるが、多少の間隙が生じてもよい。

【００３０】 ロ）次に図３は、上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第２のものを 示す。 自転車の立パイプ２の上部寄り側部に小孔８を形成して、短管９を装入して固 着してある。その位置は、立パイプ２上部に装入されたシートポスト１の下端部 よりも下方になる。その他の点は、上記イ）で述べたものとほぼ同様にしておけ ばよい。

【００３１】 ハ）また図４は、上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第３のものを 示す。 自転車の上パイプ３の一側部、ここでは上側部に小孔８を形成して、短管９を 装入して固着してあるが、その他の点は、上記イ）で述べたものとほぼ同様にし ておけばよい。

【００３２】 ニ）さらに図５は、上記本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第４のもの を示す。 自転車の下パイプ４の一側部、ここでは上側部に小孔８を形成して、短管９を 装入して溶着してあるが、その他の点は、上記イ）で述べたものとほぼ同様にし ておけばよい。

【００３３】

【考案の効果】

以上で明らかな如く、本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部によれば、いず れの場合も不使用時のワイヤー錠のワイヤー部を、ワイヤー挿入口としての短管 からシートポスト内を経て立パイプ内へ挿入させ、あるいは直接に立パイプ内、 上パイプ内、または下パイプ内へ各々挿入させて収納することができる。

【００３４】 そのため、従来のように不使用時のワイヤー錠を、自転車の荷籠内へ放り込ん でおいたり、自転車フレームに巻付けて係止しておくのと異なり、ワイヤー錠を すっきりと体裁よく収納できるし、その際の収納作業は子供や老人でも容易・迅 速に行うことができるし、かつ必要時にはいつでも引き出して使用することがで きる。

【００３５】 したがって、他の自転車用錠と比較して盗難防止性に優れたワイヤー錠を、何 の支承もなく携行することができることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第１
のものの要部を、一部切り欠いて示す側面図である。

【図２】図１で示したものの使用状態を示す側面図であ
る。

【図３】本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第２
のものの使用状態を示す側面図である。

【図４】本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第３
のものの使用状態を示す側面図である。

【図５】本考案に係る自転車のワイヤー錠収納部の第４
のものの使用状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１−シートポスト ２−立パイプ ３−上パイプ ４−下パイプ ５−ワイヤー錠 ６−ワイヤー部 ７−錠部 ８−小孔 ９−短管 １０−リング １１−接続部 １２−サドル α−角度

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自転車のシートポスト１の上部寄り側部に
   小孔８を形成して、該小孔８に、ワイヤー錠５のワイヤ
   ー部６を通挿可能でかつ錠部７を係止可能な内径の短管
   ９を固着し、該短管９内周に弾性材質のリング１０を装
   着してなる、自転車のワイヤー錠収納部。
2. 【請求項２】自転車の立パイプ２の上部寄り側部に小孔
   ８を形成して、該小孔８に、ワイヤー錠５のワイヤー部
   ６を通挿可能でかつ錠部７を係止可能な内径の短管９を
   固着し、該短管９内周に弾性材質のリング１０を装着し
   てなる、自転車のワイヤー錠収納部。
3. 【請求項３】自転車の上パイプ３の一側部に小孔８を形
   成して、該小孔８に、ワイヤー錠５のワイヤー部６を通
   挿可能でかつ錠部７を係止可能な内径の短管９を固着
   し、該短管９内周に弾性材質のリング１０を装着してな
   る、自転車のワイヤー錠収納部。
4. 【請求項４】自転車の下パイプ４の一側部に小孔８を形
   成して、該小孔８に、ワイヤー錠５のワイヤー部６を通
   挿可能でかつ錠部７を係止可能な内径の短管９を固着
   し、該短管９内周に弾性材質のリング１０を装着してな
   る、自転車のワイヤー錠収納部。