JP3000835U - グラビア印刷機における短パス乾燥炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はフィルムパス長を短くして乾燥炉の
小形化と、乾燥効率を良くすることである。 【構成】 印刷された被印刷物を給送する給送口２と送
出口３を設けた乾燥炉匣体１を有し、この匣体１の給送
口２と送出口３の間に、走行する被印刷物を案内する略
１００ｍｍピッチの案内ローラ４，４ａ〜４ｈを配置す
ると共に、この各案内ローラ４，４ａ〜４ｈ間には遮蔽
板５，５ａ〜５ｇを配し、更に前記各案内ローラ４，４
ａ〜４ｈと対応させて熱気取入れ口７を備え、かつ給送
口側に向かって狭くした圧力匣６に通した寸法２ｍｍの
噴射口１０，１０ａ〜１０ｈを設け、更に、前記遮蔽板
５，５ａ〜５ｇと対応して誘導凹部１１，１１ａ〜１１
ｇを設け、この各誘導凹部１１，１１ａ〜１１ｇ内は前
記圧力匣６の背部に沿わせ、かつ排出口に連絡させた排
出通路９に吸引管１２，１２ａ〜１２ｇを介して連絡さ
せ、含湿熱気を排出する構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はグラビア印刷機で印刷された連続の被印刷物の印刷面に、被印刷物を 案内する案内ローラと対応させて圧力室を備えた圧力匣に設けたノズルスリット の噴射口を設け、この噴射口を通して吹付ける熱風により被印刷物の印刷面を乾 燥するようにしたグラビア印刷機における短パス乾燥炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来グラビア印刷機に設けた乾燥炉は、匣体内に被印刷物を案内する複数の案 内ローラと、この案内ローラ間に遮蔽板を設け、また匣体内には、前記案内ロー ラと対応させて１５０〜２００ｍｍの間隔をおいてノズルスリットからなる噴射 口を配し、しかもこの噴射口は、空気取入れ口を設けた圧力匣に連通させると共 に、前記圧力匣には噴射口の前部にヒータを配装してヒータを熱源として空気を 熱風としてこの熱風を印刷面に向けて噴射し、走行中の印刷物を乾燥するものが 一般に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記した従来の乾燥炉では、熱風は１５０〜２００ｍｍ程度のピッチで配した ノズルスリッター（４〜２ｍｍ）からの噴射口によって噴射される。従って間隔 が大きいため乾燥斑が生じ、更には吹出された熱風は、熱風の取出口が１ヵ所で 少ないため含湿熱気が匣体内に滞溜し乾燥が充分でなく乾燥効率が悪い。そのた めフィルムパスを長くしなければならないため結局乾燥炉が長くなる不都合があ る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は斯様な実情に鑑み、この問題を解決するために創案したもので、従来 の噴射口のピッチ寸法１５０〜２００ｍｍを１００ｍｍにすると共にノズルスリ ット４〜２ｍｍを２ｍｍにして固定し（従来は、風量を固定し、風量に合わせて ノズルスリットを変更していた。実験の結果ノズルスリットは２ｍｍが最も効率 がよいことが分かった。従って本案はノズルスリットを固定して、ノズル風速で 乾燥能力を制御するものである。）、しかもフィルムパス長を短くして乾燥炉を 短く小型化とし、更に乾燥効率を良くすることを目的にした乾燥炉を提供するも のである。

【０００５】

【作用】

本考案はグラビア印刷機で印刷された被印刷物Ｐは乾燥炉匣体１の給送口２か ら送られ案内ローラ４，４ａ…に案内され送出口３から乾燥されて送り出される 。この案内ローラ４，４ａ…に沿って走行中に熱風発生装置Ｂからの熱風は流路 を通って取入れ口７から圧力匣６内に取入れられ、更に圧力匣６内の熱気は、正 面側の前記案内ローラ４，４ａ…に対応させた吹出し噴射口１０，１０ａ…から 案内ローラを走行する被印刷物に噴射し連続して乾燥する。また、この吹付けた 熱風は印刷面の印刷インキで湿気を含み、この含湿熱気は直ちに吸引する誘導凹 部１１，１１ａ…１１ｇ内に集められ、この含湿熱気は、誘導通路９に通じた吸 気管１２から誘導通路９を通って排気口８から直ちに排気される。

【０００６】 また含湿熱気は誘導凹部１１に吸引して集めらる時には誘導凹部１１と対応し て取付けた遮閉板５，５ａ…により遮断されているため含湿熱気は匣体１内に滞 留することなく直ちに吸引され放出される。

【０００７】

【実施例】

図は本考案に係るグラビア印刷機における短パス乾燥炉の一実施例を示したも ので、以下図面に基いて説明する。

【０００８】 １は乾燥炉の匣体で、この匣体１にはグラビア印刷機で印刷された連続被印刷 物Ｐを給送する給送口２と、乾燥された被印刷物Ｐの送出口３を設け、この給送 口２から給送した被印刷物Ｐを送出口３に至る走行路には１００ｍｍ程度のピッ チで複数の案内ローラ４，４ａ……４ｈを配装し、また案内ローラ４，４ａ，４ ｂ…４ｇ，４ｈの各間には遮閉板５，５ａ…を配して設けてある。更に匣体１内 には例えば図３に示す熱風発生装置Ｂに熱風流路を介して圧力匣６の熱気取入れ 口７に連絡させ、また匣体１の圧力匣６の背部には、圧力匣６の背面に沿わせて 排気口８に通じた排気誘導通路９を設け、圧力匣６は前記給送口２方向に行くに 従って狭くして圧力匣６内の圧力室６ａに送られた熱気の圧力を平均化するよう にしてある。圧力匣６は前記案内ローラ４，４ａ…と対応する正面には、各案内 ローラ４，４ａ…と対向させてノズルスリット寸法２ｍｍに固定した噴射口１０ ，１０ａ…１０ｈを設けてある。更に、噴射口１０，１０ａ…１０ｈ間には誘導 凹部１１，１１ａ…１１ｇを有し、この各誘導凹部１１，１１ａ…１１ｇ内は夫 々前記排気誘導通路９に吸気管１２，１２ａ…１２ｇをもって連絡させ、誘導凹 部１１，１１ａ…内に誘導され集められた含湿熱気を排気口８に吸引され排気さ れるようになっている。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は上述のように、熱風噴射口のピッチを従来公知の乾燥炉のピッチより 小さくすることで、乾燥炉の長さを同じとしたとき熱風量が多くなるので乾燥能 率が１，５倍以上になるのは当然であるが、１．５倍より１０〜２０％効率がよ くなる。従って同じ乾燥能力をするには従来形より小型にすることができる。ま たフィルムパスが短くできる。そのためフィルムの伸びが少ない。また従来形よ り少し高めの乾燥温度にしても見当精度が安定している。そのため、高温乾燥が 可能となり、乾燥インキ被覆中の残留溶剤が少なくなる。更に高温乾燥可能でイ ンキ被膜の固形化が促進されて、より安定した印刷物が得られる等の効果がある 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るグラビア印刷機における短パス乾
燥炉の一実施例を示した縦断側面図である。

【図２】噴射群と誘導凹部の関係を示した一部の正面図
である。

【図３】乾燥炉への熱風発生装置からの熱風給送の概略
図である。

【符号の説明】

１ 匣体 ２ 給送口 ３ 送出口 ４，４ａ〜４ｈ 案内ローラ ５，５ａ〜５ｇ 遮閉板 ６ 圧力匣 ６ａ 圧力室 ７ 熱気取入れ口 ８ 排気口 ９ 排気誘導通路 １０，１０ａ〜１０ｈ 噴射口 １１，１１ａ〜１１ｇ 誘導凹部 １２，１２ａ〜１２ｇ 吸気管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 グラビア印刷機で印刷された被印刷物を
   給送する給送口と、送出口を備えた乾燥炉匣体を有し、
   この匣体の前記給送口と送出口の間に走行する被印刷物
   を案内する複数の案内ローラを略１００ｍｍピッチで配
   置すると共に、前記各案内ローラ間には遮閉板を配し、
   更に、前記各案内ローラと対応させて、熱気発生源に流
   路を介して連絡させた熱気取入れ口を備え、かつ給送口
   に向かって狭くした圧力匣の正面側の寸法を略２ｍｍの
   スリットからなる熱気噴射口を設け、更に、前記遮閉板
   と対応して誘導凹部を備え、しかもこの誘導凹部内は圧
   力匣の背部に沿わせ、かつ排出口に連絡させた誘導排出
   通路に吸引管を介して連絡させたことを特徴としたグラ
   ビア印刷機における短パス乾燥炉。