JP3000670U - ポット苗用移植機の搬送ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送ベルト上に供給されるポット苗が縦方向
に位置ずれを起こさないようにし、浅植えになったり植
付姿勢が悪化するのを防止する。 【構成】 ポット苗用移植機に水平に張架されポット苗
を回転方向に対し横向きに載せて搬送する無端状搬送ベ
ルト１５であって、その表面にポット苗２１の横方向の
位置決め用突起１６を回転方向に対し等間隔（間隔ｓ）
に配列するとともに、ポット苗の根部２１ａ上縁を掛止
する縦方向の位置決め用突起１７を位置決め用突起１６
の列の間に配置する。縦方向（矢印Ｂ）にずれようとす
るポット苗２１は、その根部２１ａ上縁が突起１７に掛
止され、それ以上縦方向にずれることはない。突起１７
は、突起１６の列の間に複数個配置してもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ポット苗用移植機に水平に張架されポット苗を回転方向に対し横向 きに載せて搬送する無端状搬送ベルトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ポット苗用移植機として、苗載台上のポット苗箱から押し出された横１列のポ ット苗を苗受けアームに受け、苗受けアームから機体に水平に張架され互いに反 対方向に回転する一対の搬送ベルト上に搬送方向に対し横向きに落下させ、この 搬送ベルトの端縁から送り出されるポット苗を植付装置に供給するようにしたも のが知られている（例えば、特公昭５５−３８０８２号公報、特公昭５７−１８ ７６３号公報、特公昭５７−２２２８６号公報、実公平１−４２９７７号公報、 実公平２−３６３３２号公報参照）。

【０００３】 これをまず図２を参照して具体的に説明すると、上記ポット苗用移植機におい ては、多数のポット苗室を連設した可撓性のポット苗箱１が苗載台２内を湾曲し て一列分づつ間欠送りされ、所定位置で苗載台２の後方に設けられた押出杆３が ポット苗箱１の横一列のポット苗室１ａに底面から突入し、ポット苗を前方に押 し出すとともにその根部を前方に設けられた苗受けアーム４の苗受け溝４ａ内に 押し込む（図２に実線で示す）。続いて、ポット苗を受け取った苗受けアーム４ は、ポット苗を逆方向に反転させながら下方に回動し（図２に仮想線で示す）、 このとき苗受け溝４ａがポット苗の根部を先にして跳ね出し部材６の位置を通過 する。これによりポット苗は苗受け溝４ａから押し出され、跳ね出し部材６はポ ット苗が苗受け溝４ａから抜け切ると同時に下方に（矢印Ａで示す）素早く回動 し、ポット苗を下方の搬送ベルト５上に落下させる。なお、ポット苗を自然落下 に任せず強制的に落下させるのは、動いている搬送ベルトの所定位置に素早く確 実にポット苗を供給するためである。

【０００４】 図３は、上記搬送ベルト５の端縁に野菜等の定植に適する植付装置を配置した 例である。ここに示すように、搬送ベルト５は互いに反対方向に回転する一対の 無端状ベルトで構成されており、搬送ベルト５上に供給されたポット苗は、搬送 ベルト５上を端縁に向かって水平に移送され、該端縁に達したとき苗受け７内に 落下し、続いて苗受け７の上方にあった送り爪８が下降し、ポット苗を揺動自在 の苗受け７から下方へ送り出す。送り出されたポット苗は、その根部が一対の無 端状下降ベルト９に挟持され、水平姿勢を保ったまま下降し、下降ベルト５の下 端において植付装置１０に供給される。植付装置１０は、相互に若干の角度をな して対向配置され同一方向に回転する一対の円盤で構成され、その対向面で挟持 したポット苗を回転に伴い下降回動させ、溝切り刃１１により地表に形成された 溝に下ろす。このポット苗に対し図示しない土寄せ輪により直ちに土寄せが行わ れ、同時に植付装置１０による挟持が解かれ移植が完了する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来のポット苗用移植機における搬送ベルト（上記実公平１−４２ ９７７号公報又は実公平２−３６３３２号公報参照）においては、図２又は図３ に示すように、その表面に位置決め用突起１２が回転方向に対し等間隔に配列し 、各ポット苗は図３に仮想線で示したように（簡略化のため１つのみ図示）突起 １２の列の間に納まって搬送され、ポット苗が搬送ベルト５上で転動したり移動 したりして横方向に位置ずれを起こすのが防止されている。

【０００６】 しかし、先に説明したように、ポット苗は素早く回動する跳ね出し部材６によ り搬送ベルト５上に強制的に落下させられるため、落下時の衝撃により搬送ベル ト５上で縦方向（図２でいえば右方）に位置ずれを起こすことがある。あるいは 、キャベツ、ブロッコリー、菊等の葉の大きいものでは、苗受けアーム４が下降 してポット苗を搬送ベルト５上へ落下させた後再び上方に回動するとき、搬送ベ ルト５上のポット苗の葉を引っ掛け、同じく縦方向に位置ずれを起こすことがあ る。そして、ポット苗が縦方向に位置ずれを起こすと、浅植えとなったり、送り 爪８がポット苗の根部の尻を押して苗が傾き、植え付け姿勢が悪くなったりする 。 本考案は、上記従来の搬送ベルトの問題点に鑑みてなされたもので、搬送ベル ト上に供給されるポット苗が横方向のみならず縦方向にも位置ずれを起こさない ような搬送ベルトを得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ポット苗用移植機に水平に張架されポット苗を回転方向に対し横向 きに載せて搬送する無端状搬送ベルトに関し、その表面にポット苗根部の横方向 の位置決め用突起を回転方向に対し等間隔に配列するとともに、ポット苗根部上 縁を掛止する縦方向の位置決め用突起を設けることを特徴とし、好ましくは、上 記縦方向の位置決め用突起を横方向の位置決め用突起の列の中間位置に１又は２ 個以上配置することを特徴とする。ここで横方向の位置決め用突起の列の中間位 置とは、列の中央のみを指すのではなく、列と列の間の範囲全体を指す。

【０００８】

【実施例】

以下、図１を参照して、本考案の１実施例について説明すると、この搬送ベル ト１５は、従来の搬送ベルト５と同様にポット苗を横向きに載せて搬送するもの で、その表面にポット苗の横方向の位置決め用突起１６の列が回転方向（矢印Ｂ で示す）に対し等間隔（間隔ｓ）に配列し、さらに突起１６の各列の間の丁度中 央位置に縦方向の位置決め用突起１７を１個づつ配置したものである。なお、図 １において、１８は搬送ベルト１５を駆動するホイール、１９は従動ホイール、 ２０はフレームである。

【０００９】 搬送ベルト１５はこのような構造であるので、上方から横方向の位置決め用突 起１６の各列の間に供給されるポット苗２１は、その根部２１ａが突起１６の各 列の間に納まり横方向への移動又は転動が防止される。そして、ポット苗２１が 落下した勢い又は苗受けアームに引っ掛けられて縦方向（矢印Ｃで示す）にずれ ようとする場合であっても、縦方向の位置決め用突起１７で根部２１ａの上端が 掛止され、それを越えてずれることは防止される。このように、上記搬送ベルト １５によれば、ポット苗２１はいつでもその根部２１ａが突起１６及び１７で囲 まれるエリア内に納まり、横方向にも縦方向にも大きいずれのない状態で搬送さ れる。

【００１０】 なお、上記実施例では、縦方向の位置決め用突起１７は、横方向の位置決め用 突起１６の列の間の中央位置に１個づつ設けられたが、縦方向の位置決め用突起 を横方向の位置決め用突起１６の列の間に２個づつ又はそれ以上の個数設けるこ ともでき、その形状についても特に限定されるものではない。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の搬送ベルトによれば、ポット苗を縦方向にも大きいずれのない状態で 搬送することができるので、浅植えになったり、植え付け姿勢が悪くなったりす ることが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の搬送ベルトの平面図（ａ）及びそのＩ
−Ｉ断面図（ｂ）である。

【図２】従来の搬送ベルトにポット苗が落下するときの
様子を説明するためのポット苗供給部の側面図である。

【図３】従来の搬送ベルトから植付装置にポット苗を供
給するときの様子を説明するための植付部の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１５ 搬送ベルト １６ 横方向の位置決め用突起 １７ 縦方向の位置決め用突起 ２１ ポット苗 ２１ａ ポット苗の根部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポット苗用移植機に水平に張架されポッ
   ト苗を回転方向に対し横向きに載せて搬送する無端状搬
   送ベルトであって、その表面にポット苗根部の横方向の
   位置決め用突起を回転方向に対し等間隔に配列するとと
   もに、ポット苗根部上縁を掛止する縦方向の位置決め用
   突起を設けることを特徴とするポット苗用移植機の搬送
   ベルト。
2. 【請求項２】 上記縦方向の位置決め用突起を横方向の
   位置決め用突起の列の中間位置に配置することを特徴と
   する請求項１に記載されたポット苗用移植機の搬送ベル
   ト。