JP2533096Y2

JP2533096Y2 - 根菜類の植付機

Info

Publication number: JP2533096Y2
Application number: JP6081991U
Authority: JP
Inventors: 本弘松
Original assignee: 株式会社マツモト
Priority date: 1991-08-01
Filing date: 1991-08-01
Publication date: 1997-04-16
Anticipated expiration: 2006-08-01
Also published as: JPH0513116U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンニャク玉、ジャガ
イモ等の根菜類をその芽を上にして畑に植え付ける根菜
類の植付機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、球状の地下茎であるコンニャク
玉は、畑に溝を掘り、この溝内にコンニャク玉の芽が上
に向くように、またコンニャク玉の大きさに合った株間
隔が得られるように植え付ける必要があるが、このよう
な植付け作業を手作業で行うと、時間がかかると共に骨
の折れる仕事となる。そのため、本考案者はコンニャク
玉を能率良く、正確に自動植え付けできる植付機を種々
開発し、既に出願している（実願昭６２ー６４７２１
号、６２ー６４７２２号、実願平１ー９３５６７号な
ど）。

【０００３】図５は、このような植付機の基本的な構造
を示したものであり、エンジン１、駆動車輪２、ハンド
ル３を備えた動力ユニットＡに、連結具４を介して植付
ユニットＢを連結して構成されている。植付ユニットＢ
は、地面に植付用の溝を掘るための刃板５、根腐れ防止
用の薬剤を貯蔵するホッパー６、コンニャク玉Ｐを収納
するケース７の載置台８、コンニャク玉Ｐを支持しつつ
搬送して芽Ｐ’を上に向けて落下させる搬送コンベヤ９
などを備えている。搬送コンベヤ９には、ベルト式コン
ベヤ、チェーン式コンベヤ等が用いられており、図示の
ベルト式コンベヤの場合、フレーム１０に回転自在に支
持された駆動プーリー１１、従動プーリー１２、テンシ
ョンプーリー１３と、これらプーリーに無端状に巻き掛
けられた側面視菱形の搬送ベルト１４と、植付機の走行
移動により従動回転しチェーン伝動機構１５を介して駆
動プーリー１１を回転駆動する従動車輪１６からなる。
エンジン１を駆動させ、ハンドル８を持って植付機全体
を図５の白抜き矢印方向に走行移動させると、従動車輪
１６が従動回転して搬送ベルト１４が矢印方向へ移動す
る。

【０００４】搬送ベルト１４は、その搬送面１４ａ上
に、搬送方向に対して直交するバケット板１７が搬送方
向に等間隔をおいて突設されており、搬送方向に向かっ
て下り勾配の上部位置Ｘにおいて、ケース７から取り出
したコンニャク玉Ｐを、その芽Ｐ’をバケット板１７の
後述する芽出溝に挿入しつつバケット１７板の搬送方向
後部における搬送面１４ａ上に載置する。図６に示すよ
うに、上部位置Ｘにおけるコンニャク玉Ｐは、その芽
Ｐ’を搬送方向に向けた状態で搬送面１４ａとバケット
板１７とで支持され、次の下降位置Ｙでは、バケット板
１７のみの支持に移行し、最下部位置Ｚでは、バケット
板１７から離れて落下する。この最下部位置Ｚには、湾
曲した案内板１８が設けられており、この案内板１８で
コンニャク玉Ｐの落下を阻止しつつ方向転換することに
より、コンニャク玉Ｐがほぼ９０度回転して落下し、芽
Ｐ’を上に向けて植え付けられることになる。

【０００５】従来のバケット板１７は、図７に示すよう
に、板材を折曲加工して一体的に形成された支持部１７
ａ、取付部１７ｂ、折返し部１７ｃからなり、また中央
に芽出溝１７ｄを有している。支持部１７ａは、搬送ベ
ルト１４中央から搬送方向後方に向かって立ち上がる断
面Ｖ字状とされている。取付部１７ｂは、支持部１７ａ
の基部を搬送方向に９０度折曲して形成され、キャップ
スクリュー１７ｅにより搬送ベルト１４に固定される。
折返し部１７ｃは、支持部１７ａの先端部を搬送方向後
方に向けて折曲して形成されている。芽出溝１７ｄは、
支持部１７ａの谷部を折返し部１７ｃから取付部１７ｂ
の手前まで切欠いて形成され、折返し部１７ｃに向かっ
て末広がりとされている。コンニャク玉Ｐは、その芽
Ｐ’が芽出溝１７ｄに挿入された状態でＶ字状の支持部
１７ａに支持され、この姿勢が保持されつつ搬送され
る。折返し部１７ｃは、案内板１８と同様に最下部位置
Ｚにおけるコンニャク玉Ｐの落下を規制するものであ
り、コンニャク玉Ｐに回転を与え、芽Ｐ’を確実に上に
向ける効果がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来のバケットの場合、コンニャク玉Ｐの載る部
分が平らな搬送面であるため、上部位置Ｘでコンニャク
玉Ｐを載置する際に、コンニャク玉Ｐが搬送方向と直交
する方向（横方向）に振れて姿勢が決まらず、芽Ｐ’を
搬送方向に向けて正しくセットできず、またセット後、
機械の振動や機体の傾斜などによって横方向に転がって
芽Ｐ’が搬送方向に対して傾斜し（特に、上部位置Ｘか
ら下降位置Ｙへのプーリー部分における回転箇所で横に
転がり易い）、最終的に芽Ｐ’を上に向けた正しい姿勢
で植え付けができないという問題があった。芽Ｐ’を上
に向けた正しい姿勢でコンニャク玉Ｐの植え付けができ
ない場合には、作柄が悪くなるため、自動植付後、手直
しが必要となる。本考案は、前述のような問題点を解消
すべくなされたもので、その目的は比較的簡単な構成で
搬送面上の根菜類を一定の正しい姿勢で保持でき、芽を
上に向けた正しい姿勢で根菜類を植え付けることのでき
る根菜類の植付機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、複数個のプー
リー、スプロケット等の回転輪に無端状に巻き掛けたベ
ルト、チェーン等の搬送手段の搬送面上に、芽出溝を有
するバケット板を突設し、前記搬送手段の上部位置にお
いてコンニャク玉等の根菜類をその芽を芽出溝に挿入し
つつ搬送面上に載置し、バケット板に支持された根菜類
を下部位置で落下させて植付けを行う根菜類の植付機に
おいて、前記バケット板の搬送方向後部における搬送面
上に根菜類の搬送方向と直交する方向の移動を阻止し得
る阻止部材を設けたものである。阻止部材は、バケット
板の基端部に一体的に設けられ、搬送方向と直交する方
向に向かって搬送面から立ち上がる溝状の支持板でもよ
いし、搬送面上に搬送方向と直交する方向に間隔をおい
て一対で配設した係止片でもよい。溝状の支持板の場
合、溝状の支持板の横方向両端部に立ち上がり片を突設
するようにしてもよい。

【０００８】

【作用】搬送手段の上部位置で根菜類をバケットの搬送
方向後部における阻止部材上に順次積載していく。根菜
類は、阻止部材により搬送方向と直交する方向の移動が
防止され、一定の正しい姿勢でセットされる。上部位置
から下降位置まで搬送される際、機械が振動したり、機
体が傾斜するなどしても、根菜類は、阻止部材により動
きが規制され、搬送方向と直交する方向に転がったりせ
ず、芽が搬送方向に向いた正しい姿勢に保持されつつ最
下部位置に搬送され、根菜類を常に芽を上に向けた正し
い姿勢で植え込むことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案を図示する一実施例に基づいて
説明する。これは、搬送コンベヤにベルト式コンベヤを
用いてコンニャク玉を植え付ける例である。なお、従来
と同一または相当する部分については同一符号を付す
る。図１に示すものは、本考案に係るバケットの第１実
施例であり、バケット２０は、従来のバケット板１７の
搬送方向後部に支持板２１を一体的に取り付けて構成す
る。バケット板１７は、従来と同様の部材であり、支持
部１７ａ、取付部１７ｂ、折返し部１７ｃからなり、ま
た中央に芽出溝１７ｄを有している。支持板２１は、搬
送ベルト１４の中央から側方に向かって立ち上がる断面
Ｖ字状の板材とし、下面の中央突起が搬送ベルト１４の
搬送面に接するように支持部１７ａの基部に一体的に接
続する。なお、支持板２１の断面形状は、Ｖ字状に限る
ことなく、Ｕ字状など横方向の移動を阻止し得る形状で
あればよいことはいうまでもない。また、バケット板１
７および支持板２１はプラスチック製とし、一体成形す
るのが好ましい。なお、プラスチック製とすれば、コン
ニャク玉Ｐを傷付けることなく、また製作が容易である
が、これらバケット板１７および支持板２１を、金属製
とし、表面をゴム、プラスチック等の軟質材で被覆する
ようにしてもよい。

【００１０】図２に示すのは、図１の変形例であり、支
持板２１’の搬送ベルト１４の幅方向における両端部
に、立ち上がり片２２を立設し、樋状の支持板２３とし
たものである。立ち上がり片２２を設けることにより、
より大きな機械の振動や機体の傾斜などに対応すること
ができる。図３に示すのは、本考案に係るバケットの第
２実施例であり、支持板に代えて一対の係止片２４を搬
送ベルト１４の搬送面１４ａに取り付けたものである。
この一対の係止片２４は、搬送ベルト１４の幅方向中央
に間隙をおいて左右両側に配置し、形成された溝にコン
ニャク玉が係止めできるようにする。また、係止片２４
と搬送ベルト１４は接着剤、ボルト等で固定する。

【００１１】以上のような構成において、次のように自
動植え付けを行う。（１）コンニャク玉Ｐをケース７から取り出し、搬送ベ
ルト１４の上部位置Ｘでバケット板１７の芽出溝１７ｄ
に芽Ｐ’を挿入しつつ球状本体を支持板２１等の上に順
次積載していく。コンニャク玉Ｐは、支持板２１等によ
り搬送方向と直交する方向の移動が防止され、一定の正
しい姿勢でセットされる。なお、図４に示すように、プ
ーリー１２における回転部分では従来積載を行うことが
できなかったが、本考案の支持板２１、２３の場合、後
方に突出する板にコンニャク玉Ｐを積載でき、積載範囲
を拡大でき、あるいは積載のための上部位置Ｘの長さを
短くできるなどの二次的な効果がある。（２）上部位置Ｘ、下降位置Ｙでの搬送中、機械が振動
したり、機体が傾斜するなどしても、コンニャク玉は、
支持板２１等により動きが規制され、搬送方向と直交す
る方向に転がったりせず、最下部位置Ｚに正しい姿勢で
保持されつつ搬送される。特に、上部位置Ｘから下降位
置Ｙへのプーリー１２部分における回転箇所で、支持板
２１によりコンニャク玉Ｐが確実に支持され、横方向の
転がりを確実に阻止できる。（３）最下部位置Ｚでは、正しい姿勢に保持されたコン
ニャク玉Ｐが、従来と同様に案内板１８とバケット板１
７の折り返し片１７ｃの作用により適正に回転落下し、
コンニャク玉Ｐが芽Ｐ’を上に向けて植え込まれる。

【００１２】なお、以上の実施例は搬送コンベヤにベル
ト式コンベヤを用いた例について説明したが、これに限
らず、チェーン式コンベヤにも本考案を適用できること
は言うまでもない。このチェーン式の場合、アタッチメ
ントが所定間隔で取り付けられたアタッチメントチェー
ンを１条または複数条スプロケットに巻き掛け、アタッ
チメントにバケット板１７の取付板１７ｂを取り付け
る。また、コンニャク玉に限らず、ジャガイモ等の根菜
類の植え付けにも本考案を適用できることはいうまでも
ない。

【００１３】

【考案の効果】前述の通り、本考案の根菜類の植付機
は、複数個の回転輪に無端状に巻き掛けた搬送手段の搬
送面上に突設したバケット板の搬送方向後部における搬
送面上に根菜類の搬送方向と直交する方向の移動を阻止
し得る阻止部材を設けたため、根菜類を支持しつつ搬送
する途中において、根菜類の搬送方向と直交する方向の
移動を確実に阻止することができ、根菜類を芽が上に向
いた適正な姿勢で自動植付けできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）は本考案に係るバケットの第１実施例を
示す斜視図、（ロ）、（ハ）はその正面図、側面図であ
る。

【図２】図１の変形例を示す斜視図である。

【図３】本考案に係るバケットの第２実施例を示す斜視
図である。

【図４】図１のバケットのプーリー部分を示す概略図で
ある。

【図５】コンニャク玉植付機の基本的な構成を示す側面
図である。

【図６】コンニャク玉植付機の搬送コンベヤによる植付
け動作を示す概略図である。

【図７】（イ）は従来のバケットを示す斜視図、（ロ）
はその平面図である。

【符号の説明】

Ａ動力ユニットＢ植付ユニット１エンジン２駆動車輪９搬送コンベヤ１１駆動プーリー１２従動プーリー１３テンションプーリー１４搬送ベルト１４ａ搬送面１６従動車輪１７バケット板１７ａ支持部１７ｂ取付部１７ｃ折返し部１７ｄ芽出溝２０バケット２１支持板２２立ち上がり片２３支持板２４係止片

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数個の回転輪に無端状に巻き掛けた搬
送手段の搬送面上に、芽出溝を有するバケット板を突設
し、前記搬送手段の上部位置において根菜類をその芽を
前記芽出溝に挿入しつつ搬送面上に載置し、バケット板
に支持された根菜類を下部位置で落下させて植付けを行
う根菜類の植付機において、前記バケット板の搬送方向後部における搬送面上に根菜
類の搬送方向と直交する方向の移動を阻止し得る阻止部
材を設けたことを特徴とする根菜類の植付機。
【請求項２】阻止部材は、バケット板の基端部に一体
的に設けられ、搬送方向と直交する方向に向かって搬送
面から立ち上がる溝状の支持板であることを特徴とする
請求項１記載の根菜類の植付機。
【請求項３】溝状の支持板における搬送方向と直交す
る方向の両端部に立ち上がり片を突設したことを特徴と
する請求項２記載の根菜類の植付機。
【請求項４】阻止部材は、搬送面上に搬送方向と直交
する方向に間隔をおいて一対で配設した係止片であるこ
とを特徴とする請求項１記載の根菜類の植付機。