JP3000280U

JP3000280U - 軸受の密封装置

Info

Publication number: JP3000280U
Application number: JP71194U
Authority: JP
Inventors: 貞和岡
Original assignee: Uchiyama Manufacturing Corp
Current assignee: Uchiyama Manufacturing Corp
Priority date: 1994-01-19
Filing date: 1994-01-19
Publication date: 1994-08-02
Anticipated expiration: 2000-01-19

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】相互に回転する軸受間に装着され、その内部
と外部とを密封する密封装置に関し、シールリップを改
良した装着性に優れ固定力の強い密封装置を提供する。【構成】軸２に固定される固定部とハウジング１へ摺
接するシールリップ４からなり、該シールリップを断面
略Ｖ字形状に造形して前記軸とハウジングへ接触せしめ
たれる芯材を複数個積層し、この複数個の芯材を合成ゴ
ム材で被覆し一体化せしめことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、相互に回転運動する部材間に装着され、該部材間の内部と外部とを密封する密封装置に関し、具体的には装着性に優れ固定力の強い密封装置の形状改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車のステアリングシステム等に使用されるユニバーサルジョイントには図２に示すような弾性体からなるシールリップ（４）とこれを補強し強固な固定を図る補強環（５）などからなったシール装置が装着され、該シールリップ（４）が相手部材に摺接して外部からの泥水侵入を防止している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このようなシール装置は軸嵌合部のハメ合公差を大きくとれないため、固定部（３）の後加工（研磨等）を必要としコスト高を招いた。また、昨今では軽量化あるいは小型化に伴いシール装置の取付部の空間余裕が少なくなり該部分が曲面形状に構成される場合が多く、このような場合にはズレたり偏芯したりして著しく密封性能を低下させる。勿論、位置決めにおいても正確さに欠けるものでありシールリップ（４）の摺動面圧も一定に配備できないので耐久性及び信頼性が大きく劣るなど多くの欠点を有していた。

【０００４】本考案はこのような重大な欠点を除去し、軸受への装着作業性改善とシール性能の向上のためにシールリップに改良を加えた軸受の密封装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はユニバーサルジョイントのニードルベアリングとその取付軸等の密封をなさしめる軸受の密封装置であり、合成ゴムあるいは合成樹脂等の弾性体からなる密封装置に固定部（３）とハウジング（１）へ摺接する断面略Ｖ字形状（４ａ）のシールリップ（４）を配備したことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

本考案は、上記した構造をもって下記に示す優れた作用をなす。すなわち、図１に示すようにハウジング（１、ここではニードルベアリングのシェルハウジング）と軸（２）間に装着され該二部材（１）（２）間の密封をなす密封装置は、軸（２）へ固定される固定部（３）とハウジング（１）へ摺接するシールリップ（４）を有しており、このシールリップ（４）を断面略Ｖ字形状（４ａ）に形成せしめて前記ハウジング（１）と軸（２）との２点に同時接触せしめ、起点部分を形成して該シールリップ（４ａ）に正確な摺動位置を得さしめると共に簡便な装着性を得たものである。

【０００７】前記した軸受の密封装置の働きにおいて、Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）はまず軸（２）に固定接触（ａ１）し該軸（２）の曲面に沿って侵入する泥などを前記接触部分（ａ１）で遮断する。次にハウジング（１）との接触部分（ａ２）では該ハウジング（１）の外方から来る泥水の遮断と軸受内部からの潤滑油の漏洩を防止する。この軸（２）との接触部分（ａ１）は図１のように曲面で構成されていても強固に密着し組立時の脱落を防止して密封装置に正確な位置を提供する。また、製造公差が大きくハウジング（１）の軸方向の位置が大きく変動しても該ハウジング（１）の端面と摺接する略Ｖ字形状シールリップ（４ａ）はその断面形状により柔軟に対応できる。従って、ハウジング（１）との接触部分（ａ２）の面圧が過度に大きくなると発生する恐れのある密封装置そのものの付き廻りと該接触部分（ａ２）の早期摩耗を防止することができる。また、軸（２）との接触部分（ａ１）についてはハウジング（１）との接触部分（ａ２）の接触荷重が増大するとこれに伴って軸（２）との接触部分（ａ２）もその接触荷重を増大させるのでその固定を脅かすことはない。

【０００８】

【実施例】

本考案を実施するに、ハウジング（１）へ摺接するシールリップ（４）は断面略Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）の密封性を助けるためにも図１に示すように外部側へ複数設けることが好ましく、その形状においてはハウジング（１）の側面あるいは外周面に接触せしめる。また、前記密封装置を図１では曲面部分に装着固定せしめる構成を示したが、略Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）が前記のように接触圧力によってもその固定力を増大せしめるので図２に示す筒軸形状のような箇所への装着ではさらに強固な固着を実現する。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によると、Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）は軸（２）とハウジング（１）とに接触し外部からの泥水の遮断と軸受内部からの潤滑油の漏洩を防止する。軸（２）が曲面で構成されていても略Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）がハウジング（１）との接触圧力によって固定力を増大せしめるので強固な固着を実現する。また、略Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）の軸（２）との接触部（ａ１）の緊迫力は十分に大きいため組立時のシール脱落等の恐れはない。また、製造公差が大きくハウジング（１）の軸方向の位置が大きく変動しても略Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）は柔軟に対応し、接触面圧が過度に大きくなることがないため密封装置の付き廻りと早期摩耗を防止する。

【００１０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】本考案を使用しない従来構造の断面図である。

【００１１】

【符号の説明】

１ハウジング２軸３嵌合部４シールリップ４ａＶ字形状のシールリップａ１軸との接触部分ａ２ハウジングとの接触部分５補強環

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ハウジング（１）と軸（２）間に装着さ
れ該二部材（１）（２）間の密封をなす弾性体からなっ
た軸受の密封装置において、前記軸（２）へ固定される
固定部（３）とハウジング（１）へ摺接するシールリッ
プ（４）を単数あるいは複数配備し、前記シールリップ
（４）を断面略Ｖ字形状のシールリップ（４ａ）に形成
せしめて前記ハウジング（１）と軸（２）とに接触せし
めたことを特徴とする軸受の密封装置。