JP3000238B2 - ステッピングモータを用いた位置決め装置 - Google Patents

ステッピングモータを用いた位置決め装置

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JP3000238B2
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  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステッピングモータを用
いた高速精密位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは開ループで簡単に
位置決め制御ができるため広く使われてきている。また
最近、より高精度な位置決めを行なうため、マイクロス
テップ駆動を使った閉ループ制御が行なわれてきてい
る。しかし、一般にステッピングモータはダンピング特
性が悪いため、安定な制御ループを構成することが難し
く、ダンピング特性改善のため色々な方法が検討されて
きている。例えば最近、ステッピングモータに補助巻線
を設け、この巻線から検出される速度情報を利用し、速
度フィードバックをかける方法が、メカニカルなダンパ
のようにイナーシヤの増加による応答性の劣化等を伴な
わず、しかも大きいダンピング効果が得られるので注目
されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の方法でステッピ
ングモータのダンピング特性を改良し、これをディスク
装置のヘッドキャリッジの位置決めに適用した場合、次
のような問題点が発生した。ディスク装置において、ヘ
ッドをディスクのある任意のトラックから目標トラック
への位置決めを行なう場合、先ずシーク動作で目標トラ
ックまでオープンループで高速にシークし、その後目標
トラックでトラック上に記録された位置信号を検出して
クローズドループによるトラックフォロー動作を行な
う。前述したダンピング方法は、ステッピングモータの
速度が比較的小さい場合良好なダンピング効果を与える
ことができるが、高速になると速度フィードバック信号
が励磁電流を大きく低下させる。この結果必要な負荷ト
ルクを出すために位相角が増加し、脱調を起すという問
題が発生した。この様子を以下に記す。ステッピングモ
ータのトルクはT=KISinθで示される。Kはト
ルク定数、Iは励磁電流、θは励磁電流とロータ角度
位置との位相角である。
【外1】 大きさが非常に小さくなり、第3図(a)と同様なトル
クを発生するためには位相差θを大きくしなければなら
ない。ステッピングモータはθ=90゜で最大のトルク
を発生するが、θがさらに大きくなると脱調を起す。デ
ィスク装置のシーク動作は高速性を要求されるが、ダン
ピング回路の影響でシーク速度を速くすることが出来な
かった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、シーク時に高速性を失なうことなく、トラックフ
ォロー時に高精度のトラックフォロー動作が可能な位置
決め制御方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、第1の発明は2相の巻線
とそれぞれの主巻線に同相に巻かれた補助巻線を持つス
テッピングモータと、位置指令に従って前記ステッピン
グモータの主巻線に励磁電流を与える電流ドライバと、
前記ステッピングモータの動作に対応して発生するそれ
ぞれの相に対応する補助巻線からの信号を増幅する補助
巻線信号増幅回路と、前記補助巻線信号増幅回路のそれ
ぞれの相に対応する出力信号をそれぞれ減算するための
減算回路とを具備した位置決め装置において、移動体を
目標位置へ移動させるシーク動作時には前記補助巻線信
号増幅回路の出力信号を切離して運転し、目標位置停止
直前に補助巻線信号増幅回路の出力信号を与えるように
したものである。また、第2の発明は、前記補助巻線信
号増幅回路に増幅した信号の大きさを制限するリミッタ
回路を付加したものである。
【0005】
【作用】第1の発明によると、高速シーク時には補助巻
線からの速度フィードバック信号が励磁電流回路に与え
られないため、ステッピングモータのダンピング特性が
改善され、また目標位置停止直前に前記速度フィードバ
ック信号が励磁電流回路に与えられるため、高速で安定
した高精度の位置制御が行なわれる。また、第2の発明
は、シーク時のトルク低下の問題が解決する。
【0006】
【実施例】図1は本発明の実施例のブロック図を示すも
ので、1はステッピングモータである。5,6はそれぞ
れのα相、β相の補助巻線で、α相はα相主巻線3と、
β相はβ相主巻線4と同相に巻かれている。それぞれの
補助巻線からの検出信号は増巾器9,10で増幅されス
イッチ13,14を通して加算器11,12に加え
【外2】 図1に示す本発明実施例装置は、移動体(図示せず)の
シーク動作時にスイッチ13,14を図示しない制御装
置によりOFFにしてシーク動作に悪影響を与える補助
巻線5,6からの速度フィードバック信号を除去し、目
標位置停止直前にONにしてステッピングモータ1のダ
ンピング特性を改善し、安定で高精度な高速位置決め動
作を可能にするものである。図2は本発明をディスク装
置のヘッド位置決め装置に適用した場合の実施例を示す
もので、図1と同一部分は同一符号を付してある。今、
シーク時において、目標トラック指令aが与えられる
と、トラックカウンタ18で現在のトラック位置との差
bを計算し、指令発生器17が効率の良いシークが行な
えるようシークパターン信号Cを発生する。シーク時に
はスイッチ16は上側に接続されており、シークパター
ン信号Cが2相信号発生器15へ供給される。2相信号
発生器15はステッピングモータ1が2相の電流指令で
一指令を与えるものであるため、2相の信号へ変換する
ための回路である。スイッチ13,14はこのシーク時
にはOFF状態になっており、従って2相信号発生器1
5でつくられた信号は、そのまま電流ドライバ7および
8への入力信号となり、2相信号発生器15でつくられ
た信号に従ってステッピングモータ1は駆動され、ヘッ
ド22、即ちヘッドキャリッジ21はシーク動作を行な
う。そして、トラックフォロー時はヘッド22が媒体2
3のトラック上に書かれたサーボデータを検出し、その
信号dを位置誤差検出回路20へ供給し、位置誤差検出
回路20は位置誤差信号eを操作信号発生器19へ加え
る。操作信号発生器19は、この信号を受けて位置誤差
が小さくなるよう適切な操作量fを演算する。トラック
フォロー時においては、スイッチ16はg信号により下
側に接続され、操作量fが2相信号発生器15へ加えら
れる。またスイッチ13,14もg信号によりON状態
となり、補助巻線5,6による速度フィードバックルー
プが構成され、ステッピングモータ1は良好なダンピン
グ特性をもつ状態になる。なお、スイッチ13,14の
代りに、増巾器9,10にリミッタ機能を設けても良
い。なぜなら通常シーク動作時とトラックフォロー動作
時において、ステッピングモータ1の速度シーク時の最
高速度はトラックフォロー時の2桁以上高い場合が多
く、リミッタ機能を持たせることにより高速時のフィー
ドバック信号を実質上除去できるからである。本実施例
装置はシーク後トラックフォロー動作を行なわない場合
においてもステッピングモータ1の整定時間を短かくす
るのに有効である。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、ステッピングモータを
用いた位置決め装置におけるシーク動作の高速化と、高
精度の位置決めを行うことを可能にする。また、ディス
ク装置におけるヘッドの位置決め装置に適用した場合、
シーク動作とトラックフォロー動作の一連の動作を行な
わせる場合において高速のシーク動作と高精度のトラッ
クフォロー動作が実現できる。従ってディスク装置の大
容量化、高速化が可能となる。さらに本発明はプリンタ
における紙送り機構の制振、印字ヘッドの位置決めの高
速化や工作機械におけるテーブル送りの位置決めの高速
化に対しても効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のブロック図である。
【図2】 本発明をディスク装置におけるヘッド位置決
め装置に適用した場合の実施例のブロック図である。
【図3】 従来技術の問題点を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ 2 ロータ 3 α相主巻線 4 β相主巻線 5 α相補助巻線 6 β相補助巻線 7 電流ドライバ(α相) 8 電流ドライバ(β相) 9 増巾器(α相) 10 増巾器(β相) 11 加算器(α相) 12 加算器(β相) 13 スイッチ 14 スイッチ 15 2相化信号発生器 16 スイッチ 17 指令発生器 18 トラックカウンタ 19 操作信号発生器 20 位置誤差検出器 21 ヘッドキャリッジ 22 ヘッド 23 媒体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2相の主巻線とそれぞれの主巻線に同相
    に巻かれた補助巻線を持つステッピングモータと、位置
    指令に従って前記ステッピングモータの主巻線に励磁電
    流を与える電流ドライバと、前記ステッピングモータの
    作動に対応して発生するそれぞれの相に対応する補助巻
    線からの信号を増幅する補助巻線信号増幅回路と、前記
    補助巻線信号増幅回路のそれぞれの相に対応する出力信
    号をそれぞれ対応する前記位置指令から減算するための
    減算回路とを具備した位置決め装置において、移動体を
    目標位置へ移動させるシーク動作時には前記補助巻線信
    号増幅回路の出力信号を切離して運転し、目標位置停止
    直前に補助巻線信号増幅回路の出力信号を与えるように
    したことを特徴とするステッピングモータを用いた位置
    決め装置。
  2. 【請求項2】 補助巻線信号増幅回路に増幅した信号の
    大きさを制限するリミッタ回路を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載のステッピングモータを用いた位置決め
    装置。
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