JP2999996B2 - フロート弁連動型定流量越流堰 - Google Patents

フロート弁連動型定流量越流堰

Info

Publication number
JP2999996B2
JP2999996B2 JP19368298A JP19368298A JP2999996B2 JP 2999996 B2 JP2999996 B2 JP 2999996B2 JP 19368298 A JP19368298 A JP 19368298A JP 19368298 A JP19368298 A JP 19368298A JP 2999996 B2 JP2999996 B2 JP 2999996B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
overflow weir
float
valve
water tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19368298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000008353A (ja
Inventor
征義 伊藤
Original Assignee
征義 伊藤
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 征義 伊藤 filed Critical 征義 伊藤
Priority to JP19368298A priority Critical patent/JP2999996B2/ja
Publication of JP2000008353A publication Critical patent/JP2000008353A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2999996B2 publication Critical patent/JP2999996B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Barrages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流水を導入し、流
量の変化を水位の変化に転換可能な水槽と、水槽水面を
浮動可能なフロートと、水槽から流出する流水が通過可
能な越流堰部とを有し、水槽に導入した水量の変動に拘
らず越流水量をほぼ一定に制御可能とした定流量越流堰
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水位の変化に応じて上下するフロートの
動きを利用して弁を開閉し、水槽内に流入する流量を調
整する弁装置はフロート弁等の名称で知られており、多
種製品化されている。しかし開閉弁に作用する水圧変動
に伴う流入水量の変動に対して水槽水位を一定に保つこ
とはできず、この意味でフロート付きのストップ弁にと
どまっており、定流量弁とはなり得ない。
【0003】越流堰については特開平8−128026
号公報に開示された発明がある。同発明は、同発明から
見た従来技術の、可動堰板自体が全面的に分水スタンド
内の水圧を正面から受けるためにその押圧力によって誘
発された堰本体と可動堰板間の摩擦力に克たなければな
らない、という問題の解決を課題とする。この課題が解
決されていれば、同発明は、定流量弁を構成可能なもの
と考えられる。
【0004】前記発明では越流堰を立体的に構成し、左
右両側面から流入する用水が互いの水圧作用を相殺して
摩擦力を誘発しないとされ、それ故、水位の変動に伴な
ってフロートと共に昇降する堰板の作動が軽快となる、
というものである。
【0005】しかしながら、可動堰板を堰本体内へ遊嵌
するという構造上、戸当たり面の左右両側部に隙間を生
じ、越流量以外の水がそこを通過するため、第1に分水
精度上の問題があり、第2に放水を停止したい場合に完
全に止めることができない、第3に隙間に異物がつま
り、作動抵抗が発生してフロート喫水が変化し設定流量
が変化する、第4に可動堰板と戸当たり面との間隔を保
持するために、フロート等にガイドが必要となり、この
部分での作動抵抗も無視できない、という問題がある。
故に前記発明のものも上記の課題が解決されなければ定
流量越流堰とはなり得ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の実情に
鑑みなされたものであり、その課題は開閉弁に作用する
水圧変動に拘らず、設定流量を自動制御することができ
るようにする点にある。
【0007】また本発明の他の課題は、越流堰部分の作
動抵抗を極小とし、導入水量を制御する開閉弁とフロー
ト及び上記越流堰部分とが一体的に作動可能なフロート
弁連動型の定流量越流堰を提供することにある。
【0008】さらに本発明は、開閉弁として汎用弁を使
用可能とすること、及び開閉弁から水槽内へ導入される
噴流を減勢し水槽容積を縮小可能とすること、そして降
雨により、流量を自動的に制御可能とすること、を目的
として有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、水槽に導入する流水の流路に開閉弁を具備す
るとともに、水槽水面を浮動可能なフロートと上記開閉
とを連動可能とすることにより、水位が変動して設定
水位よりも下がると開弁可能であり、上がると閉弁可能
なフロート弁を構成し、上記フロート弁と越流堰部とは
一体的に水位の変動にしたがって変位可能とするという
手段を講じている。
【0010】上記の水槽は、流入側水槽と流出側水槽と
に分け、一方にフロート弁を設け、他方に越流堰部を設
けるとともに、越流堰に通じる管路を両水槽の連用口に
接続した構成としても良い。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るフロート弁連動型定
流量越流堰は、流水を導入するための空間としての水槽
10と、水槽水面を浮動可能なフロート20と、水槽1
0から外部へ流出する流水が通過する越流堰部30とを
有する。
【0012】水槽10には、流水を導入するための流路
11と、水槽10から外部へ流水を流出させるための流
路12とが通じている。水槽内に流入する流量と水槽外
へ流出する流量に差があれば、水槽内の水位の変化とな
ってあらわれる。つまり流量の変化が水槽内10の水位
の変化に転換される。本発明における水槽10は、所要
の容積を有する貯水可能な空間を意味しており、それ以
上の具体的な構造、形状等を限定するものではない。
【0013】導入流路11から水槽内への導入方式は鉛
直な水中放流とする。しかし、何も対策を講じない場
合、噴流が底に衝突し、壁面に沿い水面に達し、フロー
ト20等を振動させて、ハンチング現象を起こし、また
越流堰部30への流れは脈動流となり、正常な定流量越
流堰を構成する上での妨げとなるケースが多い。そこで
本発明では噴流減勢手段を流路11の出口に配置し、水
槽水面の安定をはかる。
【0014】実施例の噴流減勢手段は、流路11から流
れ出る噴流を受け入れるため出口に対向的に配置した筒
状の減勢筒13を有し、その内方底部を減勢室14と
し、その上部(出口側)に減衰開口部15を設けた構成
を有する。減衰開口部15は、噴流の減衰が距離に比例
することから、下方で開口が小となる逆三角形状乃至は
逆台形状に形成される。
【0015】また、筒状減勢筒13の筒頂部には、流路
11の出口からの噴流が当たらない大きさで上部噴流干
渉突部16aを設け、また減衰開口部15より下の減勢
筒内に下部噴流干渉突部16bを設け噴流をほぼ270
度方向転換させている。これにより対流噴流を円筒中心
部で衝突させ減勢し、円筒上部の流出部へ送り出すこと
ができる。図3参照。
【0016】上部噴流干渉突部16aにより減勢筒内壁
を伝う壁面流がそのまま水槽内に流出するのを防止し、
かつ上記壁面流を水平方向流に変向して流路11の出口
からの噴流を干渉し、減勢効果を期待することができ
る。
【0017】このような噴流減勢手段により水槽容積を
従来のものよりも縮小可能であり、フロート20の防波
対策も不要となる。なお、流路11や弁口径が大きい場
合には荷重受け台としても利用することができる。但し
その場合においても、減勢筒13と流路11の端部との
間には対流用の空間を必要とする。
【0018】水槽10に導入する流水の流路11は開閉
弁17によって開閉される。この開閉弁17により水槽
10に導入する水量が最小値と最大値の間で調節され
る。最小値は零(ゼロ)、最大値は流路断面積に従が
う。開閉弁17としてレバー開閉可能な汎用弁を使用す
ることは機構上好都合である。レバー開閉可能なことに
より、フロート等他系統との連動も構成し易くなり、汎
用であればコストを相対的に低く押さえることができ、
また信頼性も安定していると考えられるからである。
【0019】汎用弁としてはバタフライ弁、ボール弁、
偏心構造弁等を使用することができる。実施例ではフラ
ンジレスバタフライ弁を用い、本来90度が全開である
ところを60度全開とし、水平から30度仰角で全閉
(流量ゼロ)となるように設定している。その結果、水
位変化量と弁閉塞角度とが良好な関係に保たれ、水撃圧
の防止にも寄与するという効果が得られた。
【0020】開閉弁17はフロート20と連動可能に結
合される。この連動により、水位が変動して設定水位よ
りも下がると開閉弁17が開弁方向へ作動可能であり、
設定水位よりも上がると開閉弁17が閉弁方向へ作動可
能なフロート弁21が構成される。フロート弁21によ
って、水槽10に導入される水量をフロート20の上下
に応じて調節することができる。
【0021】開閉弁17とフロート20との連動機構と
しては様々な態様を取ることができる。実施例では開閉
弁17の弁軸に取り付けられた、例えばL字型等適切な
形態のレバー18と、下端部を上記レバー18に軸支
し、上端部をフロート20に取り付けたフロート縦軸1
9とによって連動機構が構成される。前記のレバー18
は、例えば開閉弁17の中心軸線上において、フロート
縦軸19とベアリングを介して回転可能に連結され、フ
ロート20の上下運動により開閉弁17を開閉可能とす
る。
【0022】フロート20は水槽10の水面高に追従す
る。このフロート20は開閉弁17の開閉に必要な作動
力及び自重に対応する浮力を有する。フロート20の外
形として平面積をより大とし、高さ(深さ)をより小と
することは、開閉弁17の上記作動力の変化に対するフ
ロート喫水の変化量が少なくなり、流量の変化量も少な
くなるので好ましいことである。
【0023】実施例1ではフロート20の位置調節のた
めに、その調節手段22が設けられる。この調節手段2
2は回転ハンドル型のもので、フロート縦軸19とねじ
込み関係にあるネジ軸23を回転させて鉛直軸方向のフ
ロート位置を調節する。ねじ軸23とフロート縦軸19
は同軸であり、その適当な箇所にはストッパー24を設
け、フロート20の浮動の上限と下限とを規定する用途
にも供せられる。25a、25bはストッパー24の係
合部となる上下ガイド板であり、開閉弁17の弁中心軸
を通る方向にのびた長孔26を有し、そこにフロート縦
軸19またはねじ軸23が通される。
【0024】上記フロート弁21と越流堰部30とは、
一体として、水位の変動に従って変位可能とされる。そ
のためにフロート20と越流堰部30とは、十分な剛性
を有する構造部材によって一体に上下可能かつフロート
20の上下運動に伴う水平移動量を吸収可能なように、
結合手段27によって一体化される。フロート20との
一体性のために、その調節手段22と同様の調節手段2
8が越流堰部30にも設けられる。調節手段28は、流
量設定を目的とし、フロート20の喫水と越流堰部30
との位置関係を表示する流量目盛を指標とする。
【0025】越流堰に流入する流水の水平方向作用力及
びフロート20の上下運動に伴う水平方向作用力に対抗
する対策を施すことは、装置の作動の安定性を高める上
で効果的である。そこで本発明では越流堰の鉛直方向の
安定を保つ目的で荷重をかけるウェイト29を越流堰部
30に付加する。
【0026】越流堰部30は、流水の取り入れ口又は吐
き出し口である越流堰越流部31と、フロート20と一
体の上下動を可能とするための越流堰伸縮部32とを具
備する。同伸縮部32は前述の流出流路12に接続され
る。図4参照。
【0027】実施例1の場合、越流堰越流部31は四角
堰でJIS規格の刃形形状並びに寸法を有し、円形断面
を有する越流部下部接続部33の円筒と箱形部(31)
との断面積を一致させて発生浮力が等しくなるように設
計している。34は前記の流量目盛であり、越流堰の越
流幅に対応し、流量を表示する。
【0028】このような越流堰部30は、釣り合い手段
35によって重量的に均衡状態とされ、フロート20に
越流堰部30の荷重が作用しないようにする。釣り合い
手段35は、越流堰部30の荷重と釣り合う荷重に対抗
する強度を有し、作動に伴う抵抗の少ないワイヤーロー
プのような連動索36及びベアリング滑車のような回転
輪37とを組み合わせ、連動索36の一端に越流堰部3
0の重心点に取り付けたつり上げ部材を接続し、連動索
36の他端には釣り合い重り38を接続した構成を有す
る。
【0029】実施例では、浮力調節タンク39と加重タ
ンク40とが釣り合い手段35に含まれる。越流堰下流
の水理条件により越流堰伸縮部以上に水位が達すると、
越流堰に作用していた浮力が減少し、フロート20には
増加荷重が作用し、喫水線が上がり越流量が増加する。
浮力調節タンク39は水位変化量に伴なう浮力と等しい
荷重を発生することにより、釣り合いをとるものであ
る。水位変化は流出流路12より導水管41で導水す
る。導水管41はタンク39の動きを妨げないように注
意する。
【0030】荷重タンク40は、回転輪37、連動索3
6を介して水槽側の荷重と均衡し、フロート喫水を所定
の位置に調節するために注水し、排水パイプ42の位置
により水量を加減することができる。
【0031】さらにこの構成を利用して、降雨対応機構
44を付加することが可能である。実施例1は、降雨に
より流出流路12からの放出流量を減少する機構であ
り、雨受け容器45と上記荷重タンク40及び流量調節
コック付きの上記排水パイプ42とによって構成するこ
とができる。荷重タンク40の増加荷重は越流部30を
引き上げる荷重を余分に必要とするので、それに対応し
た雨受け容器45が必要になる。荷重タンク40の増加
荷重は、配水パイプ42より調節排水され、降雨後の時
間の経過に伴ない荷重タンク40の荷重は減少し、やが
て初期荷重に復帰し、設定水量を送水することとなる。
【0032】降雨対応機構44は、降雨量に応じて越流
堰部30を引き上げることにより水槽10の水位が上が
り、フロート20が追随して上がり、開閉弁17が閉弁
方向に作動し、越流量を減少(ゼロまで)させる目的を
有する。
【0033】なお越流堰越流部31は同伸縮部32によ
って上下動可能とされているが、越流堰の構造上、水槽
10の水位が変動すると浮力も変動し、設定流量も変動
することとなる。この理由は、開閉弁17より上流の水
圧が変動することに伴ない流路11から水槽内へ流入す
る流量が変動し、水槽水位が変動し、フロート20及び
越流堰部30が変動しても、やがて設定流量に収束する
構造であるはずのところ、水槽水位の変動に伴ない越流
堰部30に発生する浮力が変動し、フロート20にかか
る荷重に変動を来たしてその喫水が変動するため設定流
量の変動となるからであると説明することができる。
【0034】この浮力の変動を消去するために単位長さ
当たりの浮力と等しい引っ張り抵抗が得られる弾性手段
46を越流堰伸縮部32の上下にかけて装着する。浮力
の変動は弾性手段46に吸収され、設定流量をほぼ一定
に保持することができる。弾性手段46をコイルスプリ
ングとする場合、その有効長さは最大伸縮長に余裕を加
えた長さとする。
【0035】このような構成を有する実施例1の定流量
越流堰において、流入流路から水槽10内へ流水が導入
されると、その水は水槽10を本装置において設定され
た水位まで満たし、越流堰部分30を経由して流出流路
12から水槽10外へ流出可能な状態に制御される。導
入される水量がほぼ一定である場合、フロート20の位
置、開閉弁17の開度もほぼ一定に保持され、したがっ
て越流水深hもほぼ一定、流路12から流出する水量も
ほぼ一定に保持される。
【0036】開閉弁17に作用する水圧の低下により導
入水量が一時的に減少してもその変化時点で水槽水位が
下がり、フロート20の位置が下がるので、開閉弁17
が開弁方向へ作動し、導入水量が回復し、同時に越流堰
部30も下がることになり、越流水深hをほぼ一定に保
つため、流路12から流出する水量もそれまでとほぼ同
様の量が維持される。故に水槽10の容量で決まる時間
内に導入水量が回復するので、流出水量はほぼ一定のま
まである。
【0037】逆に導入水量が増加すると、水槽水位上昇
によりフロート弁21が閉じ方向に作動し、同時に越流
堰部30が上昇して越流水位深hをほぼ一定に保ち、流
路12からほぼ一定の水量の水を流出させる。
【0038】上記いずれの状態においても、水槽10内
に導入される流水の勢いは噴流減勢手段によって消勢さ
れるので、水面に変動を及ぼさない。故に水槽水面は常
に安定に保たれ、水槽容積の相対的な小型化やフロート
防波対等の必要がない点は既に説明したところである。
【0039】さらに、降雨対応機構44を付加した場
合、降雨量を越流堰部30に対する釣り合い手段35に
加重的に反映し、越流堰部30を引き上げ、放流水量を
減少させることができる。このため降雨に拘らず、多量
の放水を続けるという無駄を防ぐことができることとな
る。
【0040】以上の実施例1では、水槽10から流水を
流出させる流路12に越流堰部30を設ける構成につい
て説明した。しかし水槽内に導入された水を越流堰部3
0を通じて副水槽に貯溜し、そこから副水槽外へ流出さ
せる構成とすることができる。この構成は、越流堰部3
0に作用する浮力の変動を消去する手段が不要であるの
で、実施例2として図5、図6を参照しながら説明す
る。
【0041】実施例2のものは水槽10に別の水槽を併
設し、或いは水槽10を2部分に分け、一方をフロート
20を設ける流入側水槽10−1とし他方を越流堰部3
0を設ける流出側水槽10−2とした2槽構造を有す
る。両水槽10−1、10−2は一部で連通し、その連
通口51には大口径の管路52の一端が接続され、他端
は上向きに曲げられその端部開口部分に越流堰部30を
設けている。管路52を大口径とする理由は、流入側水
槽10−1の水位と越流水位との差、つまり水頭損失を
例えば1cm以下に抑えるためである。
【0042】隔壁53で2槽に分けられた水槽を持つ実
施例2では、フロート20と越流堰部30とを結合する
結合手段27としてリンク構造を適用している。図示の
リンクは中央で連結した左右のアーム54、55の一端
をフロート側に、他端を、越流堰部側に夫々回転可能に
軸支し、各アーム54、55を左右の支点56、57に
て支え、フロート側と越流堰部側とを連結可能とする。
アーム長さ或いは支点位置が等しくされている場合両側
の動き量も等しい。しかし必要があれば不均等にするこ
とも可能である。なお、軸支点の所要の箇所にはリンク
アームの回転半径を許容するために長孔(図示せず)か
らなる軸支部を設ける。
【0043】結合手段27として有効な他の構成を含む
変形例を図7以下に示す。図7の例では、フロート縦軸
19の頂部に前記のレバー18と同一構成の回転レバー
58を取り付け、左右の支点56、57に軸支された回
転体59、60を連結部材61、62で回転可能に連結
し、支点57側の回転体60にも回転レバー58と同じ
回転レバー63を平行に取り付けた構造を示す。支点5
7側の回転体60と越流堰部30の吊り軸64とは、例
えば回転体60の先端に回転接触子65を設け、これと
の接触支持により下から支えられる突出部66を吊り軸
64に設けることによって結合可能である。図8参照。
上記回転体59、60の半径はフロート縦軸19のスト
ロークと一致する寸法とする。
【0044】このような実施例2では、管路52から水
槽10−2内へ吐出させる越流堰部30となるため、越
流堰部30の筒の内外水位差に基づく浮力の問題は実質
的に解消する。送水中、越流堰部30の筒内は常に満流
で筒外水位による浮力は筒の実体積分となり、フロート
20の喫水変動量を1cm以下としたことと相俟って分
水精度上の許容値内となるからである。故に、越流堰越
流部31を四角堰としても、越流部下部接続部33の円
筒と断面積を一致させる必要もなくなり、水理的要素の
みを考慮して両部を接続することができる。また越流堰
伸縮部32に弾性力を作用させる必要もないので弾性手
段46は不要である。
【0045】他の構成は、実施例1で説明したのと同様
で良い。そこでそれらについては図面に符号を援用し、
詳細な説明を省略する。なお、実施例1ではフロート2
0と越流堰部30に夫々位置の調節手段22、28を設
けていたが、実施例2ではフロート側調節手段22を省
略してフロート位置を調節固定する手段67に変えるこ
とができる。
【0046】実施例2でも基本的作用は実施例1の場合
と同じであり、フロート20の位置の変化により開閉弁
17の開度が変わり、かつ同時に越流堰部30の位置が
上下に変化して、本装置を経て放出される流水の量がほ
ぼ一定に保持されることとなる。特に実施例2では、越
流堰部30に作用する浮力の変動を消去する手段につい
て、実施例1で必要な付随的構成が不要となるという特
徴が発揮される。
【0047】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成され、かつ作用
するものであるから、開閉弁に作用する水圧変動にかか
わらず流量をほぼ一定に自動制御することができる。特
に本発明によれば、水槽に流入する水の勢いとは殆ど無
関係に安定作動するフロートを具備し、このフロートと
開閉弁とを連動可能としたフロート弁を構成するととも
に、フロートと越流堰部とを一体として水位の変動に従
うようにしたので、作動抵抗が殆どなく、流量変化等な
どに対する応答も非常に早い優れた定流量越流堰を提供
することができる。また本発明により、降雨に応じて放
出流量を減少させ、時間の経過とともに自動復帰する降
雨対応機構を付加することが容易な定流量越流堰を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフロート弁連動型定流量越流堰の
実施例1を示す、模式的な平面図。
【図2】同じく断面図。
【図3】噴流減勢手段の1例を示す断面図。
【図4】越流堰部の説明のための平面図並びに断面図。
【図5】同じく実施例2を示す模式的な平面図。
【図6】同じく断面図。
【図7】実施例2におけるフロート弁と越流堰部との結
合手段の変形例を示す側面説明図。
【図8】図7の要部を拡大して示す側面説明図。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流水を導入し、その水量の変化を水位の
    変化に転換可能な水槽と、水槽水面を浮動可能なフロー
    トと、水槽から流出する流水が通過可能な越流堰部とを
    有し、水槽に導入した水量の変動に拘らず越流水量をほ
    ぼ一定に制御可能とした定流量越流堰であって、水槽に
    導入する流水の流路に開閉弁を具備するとともに、水槽
    水面を浮動可能なフロートと上記開閉弁とを連動可能と
    することにより、水位が変動して設定水位よりも下がる
    と開弁可能であり、上がると閉弁可能なフロート弁を構
    成し、上記フロート弁と越流堰部とは一体的に水位の変
    動にしたがって変位可能としたことを特徴とするフロー
    ト弁連動型定流量越流堰。
  2. 【請求項2】 流水を導入し、その水量の変化を水位の
    変化に転換可能な水槽と、水槽水面を浮動可能なフロー
    トと、水槽から流出する流水が通過可能な越流堰部とを
    有し、水槽に導入した水量の変動に拘らず越流水量をほ
    ぼ一定に制御可能とした定流量越流堰であって、水槽に
    導入する流水の流路に開閉弁を具備するとともに、水槽
    水面を浮動可能なフロートと上記開閉弁とを連動可能と
    することにより、水位が変動して設定水位よりも下がる
    と開弁可能であり、上がると閉弁可能なフロート弁を構
    成し、上記フロート弁と越流堰部とは一体的に水位の変
    動にしたがって変位可能とし、水槽は、流入側水槽と流
    出側水槽とに分け、一方にフロート弁を設け、他方に越
    流堰部を設けるとともに、越流堰に通じる管路を両水槽
    の連口に接続したことを特徴とするフロート弁連動型
    定流量越流堰。
  3. 【請求項3】 越流堰部は釣り合い手段によって均衡状
    態とされ、フロートに越流堰部の荷重が作用しないよう
    にした請求項1又は2記載のフロート弁連動型定流量越
    流堰。
  4. 【請求項4】 導入流路から水槽内に流入する流水の勢
    力を減衰させる噴流減勢手段として、その内奥に流水が
    衝突反転する減勢室を有し、内側に噴流干渉突部を設
    け、出口側に減衰開口部を有する減勢筒を設けた請求項
    1又は2記載のフロート弁連動型定流量越流堰。
  5. 【請求項5】 開閉弁としてレバー開閉可能な汎用弁を
    使用し、そのレバーとフロートの縦軸とを接続しフロー
    ト弁を構成した請求項1又は2記載のフロート弁連動型
    定流量越流堰。
  6. 【請求項6】 越流堰部は、流水の取り入れ口又は吐き
    出し口である越流堰越流部と、フロートと一体の上下動
    を可能とするための越流堰伸縮部とを具備している請求
    項1又は2記載のフロート弁連動型定流量越流堰。
  7. 【請求項7】 釣り合い手段は、越流堰部の荷重と釣り
    合う荷重に対抗する強度を有し、作動に伴う抵抗の少な
    い連動索の一端に越流堰部の重心点に取り付けたつり上
    げ部材を接続し、連動索の他端には釣り合い重りを接続
    した構成を有する請求項3記載のフロート弁連動型定流
    量越流堰。
  8. 【請求項8】 釣り合い重りに降雨対応機構を付加し、
    降雨に応じて流出流路からの放出流量を減少させ降雨後
    時間の経過とともに自動復帰するようにした請求項7記
    載のフロート弁連動型定流量越流堰。
JP19368298A 1998-06-24 1998-06-24 フロート弁連動型定流量越流堰 Expired - Fee Related JP2999996B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19368298A JP2999996B2 (ja) 1998-06-24 1998-06-24 フロート弁連動型定流量越流堰

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19368298A JP2999996B2 (ja) 1998-06-24 1998-06-24 フロート弁連動型定流量越流堰

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000008353A JP2000008353A (ja) 2000-01-11
JP2999996B2 true JP2999996B2 (ja) 2000-01-17

Family

ID=16312043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19368298A Expired - Fee Related JP2999996B2 (ja) 1998-06-24 1998-06-24 フロート弁連動型定流量越流堰

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2999996B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100410860B1 (ko) * 2001-04-26 2003-12-18 권이황 자연유하식 약액 투입장치
JP5025740B2 (ja) * 2010-01-07 2012-09-12 中国電力株式会社 取水装置
CN110725329A (zh) * 2019-11-15 2020-01-24 中国水利水电科学研究院 一种滩区恒流补水系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000008353A (ja) 2000-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5241983A (en) Device for automatically controlling the flow of liquid into a tank
US3078867A (en) Liquid delivery control
US7617838B2 (en) Gas purge valve
JP2999996B2 (ja) フロート弁連動型定流量越流堰
US1205199A (en) Backwater-valve.
DK150582B (da) Aggregat til regulering af straemningen i et ledningssystem
JP2785721B2 (ja) 越流堰
CA3114596A1 (en) Buoyant mechanical liquid level control
JP3030803B2 (ja) 流量応答ゲート
US11479943B2 (en) Buoyant mechanical liquid level control
JP3453682B2 (ja) フロート式スチームトラップ
RU2144969C1 (ru) Устройство для регулирования уровня воды в закрытой дренажной сети
JP3516924B2 (ja) 水路の上流水位調節ゲート
US12055961B2 (en) Level control system for a liquid filled basin
JP4055057B2 (ja) 下流水位制御装置
JP2935699B1 (ja) 浮力利用の自動越流堰
JPS5932775Y2 (ja) ボ−ルタツプ型自動給水装置
JP2563922Y2 (ja) 流水制御装置
KR200286653Y1 (ko) 자동 제수문
SU1718197A2 (ru) Устройство дл регулировани уровн в бьефах гидротехнических сооружений
KR0131527Y1 (ko) 정수위 조절 밸브
RU1787183C (ru) Устройство дл регулировани потока воды
JPH0244143Y2 (ja)
SU1716489A1 (ru) Регул тор уровн верхнего бьефа
JP2001173877A (ja) ウォーターハンマー防止器

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees